あらすじ
ドンデン返しの帝王、渾身の大作!
若手時代に逮捕した男は無実だったのか?
鳴海刑事は孤独な捜査を始めたが…社会派ミステリーに驚愕の真実を仕掛けた傑作。
豪雨の夜の不動産業者殺し。
強引な取調べで自白した青年は死刑判決を受け、自殺を遂げた。
だが5年後、刑事・渡瀬は真犯人がいたことを知る。
隠蔽を図る警察組織の妨害の中、渡瀬はひとり事件を追うが、
最後に待ち受ける真相は予想を超えるものだった!
どんでん返しの帝王が司法の闇に挑む渾身のミステリ。
解説・谷原章介
感情タグBEST3
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『冤罪』という重いテーマでした。
難しい言葉が次から次へと出てきて困ったけど
捲る手を止めることはできなかった。
この本に書かれていることは
きっとこの世の中に蔓延してる真っ黒な世界。
他人事とはまるで思えない
とってもリアルなストーリーでした。
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自分が渡瀬の立場だったら…組織に従ってしまうだろうか…?。渡瀬は自分の罪と向き合い、立ち向かっていく。冤罪を生み出してしまう組織的な構造はきっとどんな組織にも多かれ少なかれあるのだろう。彼のようには現実世界ではできないとは思うが、小さな勇気を心に持ち続けていきたい。
最後の黒幕は、「どんでん返し」ということだったので、なんとなくこの人かなあというのはわかってしまった。「どんでん返し」という紹介もネタバレになってしまうんですね…。25年以上前に見た顔を覚えているのかなあ?
この部分だけが、ちょっと?ですが、それ以外は本当に面白くて夢中になって読みました。
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最初から最後まで飽きることなく、あっという間に読み終えました。とても読みやすく、冤罪被害者側の気持ちにどっぷりと感情移入させられました。また、重い題材でありながら、新たに驚かされることの連続でエンタメ性のある楽しい読書時間になりました。
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冤罪事件をテーマとした社会派ミステリー。
死刑判決で解決となった強盗殺人事件。後日、捜査にあたった刑事は冤罪に気づき真実を求めるが、誤りを認めたくない警察・検察組織から疎まれることに・・・
上記の主筋にさらに二重三重の展開が施され、読み応えたっぷりの重厚な作品でした。
冤罪という重いテーマに向き合いながらも、しっかりとエンタメでもあり、社会派小説としてバランスよく仕上がっていると感じました。
多くの要素を盛り込んでいるにも関わらず、詳細まで良く練られているので、矛盾感や違和感もなく、作者の筆力に感服です。
最期に、自身が根の単純な子供みたいな人間なので、このような逆境に立ち向かうヒーローものは大好物です。
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【連続殺人鬼カエル男】から渡瀬刑事が気になり読んでみました。自分が関わった冤罪事件へ向き合う姿には目頭が熱くなりました。刑事としても人間としても熟達していく姿を見てますます渡瀬刑事のファンになりました。
中山七里先生のエンタメと社会問題を融和させた作品は読み応えがあります。しばらく自分の中で中山七里祭り開催されそう笑
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ここ最近集中して本を読めていなかったのですが、今日は日帰り出張だったので道中に一気読みしました。
中山七里さんの本はどんでん返しが多く、この作品もどんでん返しも同様ではあるものの、読み進める中で場面転換やキャラクターの成長が印象に残るため、一本芯の通ったストーリーになっており面白かったです。
冤罪から始まる重厚なストーリーの中で表現されるキャラクターそれぞれの感情描写がとにかく素晴らしい。記述トリックとかでもないので実写化しても面白そうだな〜と思ったら、もうドラマ化されていました。気になる方はそちらからでも!
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今更ながら中山七里さん初読にして有名な作品!
もう面白すぎでしょw
感想を書きたいけど読み終えた今は気持ちがいっぱいで…。
それくらい好きな作品になりました☆
とりあえず次の作品を早く読みたい気分です☆
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中山七里さんの作品、大好きです。こちらもとてもよかった!!引き込まれた!!人間味のある主人公、胸糞が悪い周りの人々、明らかになる真実、一気読みしてしまいました!!!!
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盛り上がってきて、そろそろクライマックスか?
と思い始めてからページ数を見ると、まだ半分も行ってないではないか!
と言うくらい、最初からグイグイ惹き付けられる。
最後はあっと驚く展開になるが、何となくしっくりくる終わり方は、震える天秤よりは納得感はある。
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主人公が冤罪事件を起こしてしまった後に、自分の過ちと向き合い、成長していく姿を見習いたいと思った。冤罪事件後、二度と間違えないと誓った主人公が、腐敗した組織に阻まれながらも自分の正義を貫く姿から、人が人を捌く重みを感じた。
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カエル男シリーズでとても頼りになる存在の渡瀬警部が「刑事の鬼」「老獪」と言われるきっかけとなった執念の物語。
古手川さんも真っ直ぐで青臭いと思ってたけど、渡瀬さんも同じやないかい!狡猾さは入っているが笑
社会派ミステリー要素は健在で良き
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スルスル読めるし、確かに面白い。面白いのだが、最後のどんでん返しは、何か無理やり今まで出てきた人を登場させたような感じで、そこに至るまでの動機というか心理の描き方がなくて、あまり納得感いく終わり方ではなかったなぁ。面白いのは確かなのだけど。
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中山七里さんの社会派ミステリー。渡瀬刑事のシリーズをまだ読んだことなくて、ここから読み始めたんですが、合ってるのかな?
合ってなくても、ここから読んで大満足。渡瀬刑事のびっくりするような成長も見られたし、どうやってエンディングに向かうのかハラハラドキドキのストーリーに引き寄せられました。
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冤罪事件を取り扱った作品で読んでいてしんどくなる場面も多かった。冤罪がその人と周囲の人の人生を壊す様に胸が苦しくなった。
人間が人間を裁くこと、人間が人間に死刑判決を下して本当にいいのか、その判断に間違いはないと言い切れるのか、、。考えさせられる作品だった。
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冤罪事件の発生、新たな事実
警察という組織、マスコミ、社会。
正義とは。人が人を裁くと言うことは?
自問自答しつつ、己の正義を貫こうとする渡瀬刑事はとっても素敵でした。
たくさん考えさせられるフレーズがあって、読み応え抜群!
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最後の最後までまったく気の休まらない展開。
一人一人が自分の利だけを考えず、正義を通せていたら、そんなたくさんのエゴによって迎える結末。なんともいえない胸が締め付けられる話でした。
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冤罪の怖さと腐った社会がリアルに描写しれていて、まさかと思う人までが汚職をしていて悲しくなるけど、人間らしいな...とも思う。
最初は胸くそ悪い人物が出てきて嫌になるが少しずつ罰が明るみになって検挙されていくのは少し救われた。
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テミスの剣
中山 七里【著】
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内容説明
豪雨の夜の不動産業者殺し。強引な取調べで自白した青年は死刑判決を受け、自殺を遂げた。だが5年後、刑事・渡瀬は真犯人がいたことを知る。隠蔽を図る警察組織の妨害の中、渡瀬はひとり事件を追うが、最後に待ち受ける真相は予想を超えるものだった!どんでん返しの帝王が司法の闇に挑む渾身の驚愕ミステリ。
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感想
中山七里さんといえば社会派小説の名手。本作『テミスの剣』では、「冤罪」という極めて重く、現実的なテーマに鋭く切り込んでいます。冤罪に加担してしまった刑事・渡瀬が、自責の念に駆られながら、警察という巨大な組織の内部に身を置いたまま、真実を追い続ける姿には心を打たれました。
「殴られた側はいつまでも覚えている」――この一言が本作全体の重みを象徴しています。加害者、被害者、警察、検察、弁護士、裁判官……司法に関わるあらゆる立場の人々が登場し、それぞれの信念や矛盾が浮き彫りにされていく過程は、読者としても考えさせられる連続です。
法が人を裁くということの重み。そしてその判断を下すのは、結局のところ「人間」であるという事実。どれだけ制度を整えても、人の欲や保身といった感情が入れば、制度は歪み、冤罪という取り返しのつかない悲劇を生む――その現実に胸が痛みます。
中山さんの小説はいつも、読者に「答えの出ない問い」を突きつけてきますが、本作もまさにそうでした。それでもなお、自分なりの視点を持ち、向き合い続けることの大切さを再認識させてくれます。
そして、やはり中山作品ならではの“どんでん返し”も健在。最後の最後まで息をつかせぬ展開に、読み終えた後もしばらく心がざわつきました。読みごたえ抜群の、骨太な社会派ミステリです。
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自分が本が好きだったことを思い出させてくれた一作です。
渡瀬刑事の葛藤しながらも自分の中にあるものを貫いていく姿勢が、
私はすごく惹かれました。
古代ギリシャ神話の女神テミス
彼女が携えている剣と天秤、剣は権力、天秤は公正を象徴しています。
今の司法が人を裁くとき、果たして天秤は携えられているのでしょうか。
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強引な取調べで自白させられて死刑判決→自殺までは背表紙のあらすじに書いてあるので、読者は冤罪とわかりながら取調べの一部始終を読むことになり、警察に対して強い嫌悪感を抱く。
こんな酷いことが今は行われていないことを願う。
どんでん返しというよりは、重たい話が積み重ねられていくような印象でやや長く感じられた。
最後の真相解明は唐突に感じたし、犯人への意外性もなく、満足感はやや下がってしまったけど、内容はおもしろい。
「正義のない権力は暴力」という言葉が頭に強く残った。
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渡瀬刑事、相変わらずハードボイルドで惚れ惚れしてしまいます。
……たしかこの方もバツ2かバツ3の設定でしたね(笑)
「もっと人の話を聞き、もっと本を読み、もっと至る場所に出掛け、ありとあらゆる知識を己の力にしてやる。」
この一文がとても印象に残りました。
世知辛い世の中ですからね。自分でちゃんと立っていないと、いつか自分で自分の膝を折ってしまう気がします。
だからこそ、今日も本を読みます。
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話が二転三転する怒涛の展開。圧巻の取り調べの描写。見事な伏線回収。一気読みでした。すごくおもしろいです。
それでも、これをどんでん返しと言うには、うーん。。終盤に出てきた最初の事件の『関係者』の唐突感のせいなのか、「ええっ!?」ってよりは、「へぇ、そうだったのか」みたいな、淡々と、という印象も若干拭えず4点です。
Posted by ブクログ
正義なき権力はただの暴力だ
20数年前の冤罪事件は、被害者以外にも多く犠牲者を出し、痛みを残していった。時を経て、憎しみは新たな事件に発展してしまう。
隠すことで得られる真実も、正義もない。
渡瀬警部の知識の広さと深さは、この事件の決意に基づいていたんだと分かった。若いころの渡瀬警部のまっすぐに事件と向き合う姿勢に惹かれる。20数年という年月をかけた物語の厚みも魅力の一冊。
先が読めない。
今まで手にした中山作品で、一番重苦しいテーマを投げ掛けられたような展開でした。暫らくの間、モヤモヤとあとを引きそうです。最後に前に進める灯りが見えたのは救いでしょうか。
Posted by ブクログ
冤罪をテーマにした社会派ミステリー。
警察や検事はどうしようも無い人ばかり出てくるけど、判事は…て思ってたら、まさかの…でした。
この小説自体は10年前ぐらいに発売されたものですが、実際最近も科捜研で証拠が捏造が発覚したりで、この法治国家に対して疑問を持っていたので、そんな思いを中山七里さんも同じように感じているから作品を書き続けているんだろうなぁと思いました。
Posted by ブクログ
最初らへんスルスル読んでたけどどんどんペースダウンした
突然冤罪で刑務所に入ることになるの怖すぎる
冤罪って気がついた刑事が真実を公表するのが当たり前に正しいけど色んなしがらみでなかなかできる人いないだろうなあ
Posted by ブクログ
中々どうしてハードボイルドで、とっつき難いけど世界に入れば読む手が止まらない。面白かった。
一方、迫水があっさり自供するのと4人は流石に死刑だと思ったんだが、そこはよく分からんかった。そもそも自分がいい歳で子供もいるから渡瀬マジで余計なことすんなよと思ってた。隠蔽する警察もそうだけど、嘘の証拠でっち上げたやつを吊るしあげりゃよかったんでは。
一個の案件じゃなくて偉くなって上から変えてけよ。