中山七里のレビュー一覧

  • 笑え、シャイロック

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    中山七里版の半沢直樹。
    ミステリ要素は少なく、犯人も比較的早い段階で想像はついた。

    まず誰もが驚くのが序盤の急展開だ。渉外部の「シャイロック」こと山賀のキャラクターを、中山七里ファンであれば他シリーズの毒島と重ね合わせながら読んでいたのではないか。ところが何と…。(ネタバレなので書きません)
    序盤以降は山賀の薫陶を受けた結城が回収マンとして成長し活躍するのだが、その解決方法が意表をついたもので、銀行員としての割り切り方も一種痛快だ。

    全編を通して「不良債権は今の銀行の最上階にいる奴らがひたすら先送りしてきたせいだ」という持論を展開していたのも中山七里らしい。
    また、債務者の一人として「嗤う

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    2023年11月08日
  • 騒がしい楽園

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    ネタバレ

    中山七里さんの幼稚園シリーズ第二弾
    第一弾ほどのインパクトはなかった。
    最後に園児から教わるシーンは、ちょっと泣けてきた。

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    2023年11月02日
  • 静おばあちゃんと要介護探偵

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    80歳の靜おばあちゃんと車椅子の70歳の玄太郎じいさんが、事件に巻き込まれ、二人で解決に導く。
    元裁判官で冷静に自分を律することをできる熱い正義感能力持主と身体は不自由だが、愛知経済界の重鎮で、驚異的なバイタリティーとメンタルの持主。二人が独自にそして連携して事件を解決する様は、水と油の様でありながら、独特なハーモニーを奏でている。
    こんなに素敵で、周囲から必要とされる元気な高齢者は、長く活躍して欲しい。

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    2023年10月22日
  • 総理にされた男

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    ネタバレ

    売れない舞台役者 慎策が、突然 真垣総理の替え玉として奮闘する事になった話。設定事態が面白く、引き込まれた!
    現実とリンクする部分も多くあり、政治の勉強にもなったし少し興味が出た。
    自衛隊へのメッセージに涙が…そして何より慎策のスピーチに、心打たれた!こんな政治家がいたら確かに支持率上がりそう。最後のスピーチ、政治家の皆さんにちょっと読んで貰いたい(笑)
    個人的に、ラストは 真垣統一郎総理ではなく加納慎策として終わって欲しかったな。そして、風間さんに戻ってきて欲しいし。あと、樽見さん何で居なくなっちゃうの!どうすんのよーこれから!って思った。

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    2023年10月21日
  • 静おばあちゃんにおまかせ

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    靜おばあちゃん、カッコイイね。
    法律家志望の円さんは、靜おばあちゃんの様なぶれない芯と考え方の柔軟さを受け継いで成長して欲しい。
    最後のどんでん返しは、必要なの?
    何かと繋がっているのか知らん。

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    2023年10月15日
  • TAS 特別師弟捜査員

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    設定が現実的ではないのにもかかわらず、物語の世界に入れました。TASって何の略だろうと何かの伏線と思いきや、表紙に書いてありました。

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    2023年10月12日
  • セイレーンの懺悔

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    ネタバレ

    マスコミがマスゴミたる所以がよく分かる。報道の内外の闇が恐ろしかった。平気で誤報をして責任はろくに取らず。相手の気持ちは考えずにどんどん傷を抉るようなことばかりして、それでいて報道の自由だ、世間に伝える責任がとか言っていて、タチの悪いことこの上なし。報道だけは仕事にできないななんて思った。
    父親が犯人で、母親も一枚噛んでるだろうなまでは予想できたが、(そんなつもりではなかったにせよ)母親が黒幕だったのは辛いな〜。ろくな男と結婚できないと大変なことにになるな…
    主人公の朝倉さんは、あの歳の女性としてリアルで、共感できる部分もあるのは良かったが、中山作品の登場人物としては少々おつむ弱めな感じが否め

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    2023年10月08日
  • スタート!

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    映画人のプライドや気合いには尊敬を覚える、がそれをそれとして是正しようとしないのは、元ブラック企業で働いていた身としてはどうにも。だから殺人という歪みが起こるんだと思う。映画の内容を見ていないからわからないけど、そこまでの価値を見出せなかった。現実の世界では殺人でもなく、単なる予算削減やテレビ化でもなく、やり方を見つけ出してほしい。と、懐疑的な気持ちだったので⭐︎2だったけどここまで書いて、単にプライドがあるからいいんだ!の向こう側を伝えたくて書いてるとしたら、と思い直して1つ足した。

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    2023年09月18日
  • 闘う君の唄を

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    淡々とした文体のなかに、難しい単語が混じっていて読みやすいながらに勉強になる言い回しが多い。
    ストーリーも楽しい内容ではないものの、つらいながらに共感する部分が多く、私だったらどうするだろうかと考えながら読んでいた。ここまで使命感に燃えながらも厳しい人生、どうか幸せなことがあってほしい

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    2023年09月18日
  • 越境刑事

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    ネタバレ

    ウイグル自治区出身の留学生カーリさんがリンチを受けたような死体で発見。
    「県警のアマゾネス」の異名を持つ高頭冴子さまと部下の郡山さんは事件に中国公安部が絡んでいるっぽいと気づきますが、冴子さまに助けを求めていたカーリさんの職場のレイハンさんも拉致られちゃう。
    レイハンさんを助けに、いざ中国へ!な、お話。

    冴子さまが...あぁ...おいたわしや...
    結構内容キツいです〜((((;゚Д゚)))))))
    郡山さんがいなかったら...あぁ...

    前作のようなエンタメスッキリ感はありませんでした。
    次作があれば、もっと冴子さまの凛々しいお姿をお願いしたい所存でございます(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)

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    2023年09月13日
  • 越境刑事

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    昼休みに読むのにふさわしい内容じゃなかった。凄惨な場面が多くて閉口。民族的な問題にも心痛。この先どうなるのか…。

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    2023年09月12日
  • 月光のスティグマ(新潮文庫)

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    一人の少年と美貌の双子。
    三角関係でもつれる系のサスペンスかと思ったけど、やっぱり違った。
    恋愛要素強めの社会派ミステリーで、真相の解明がどうでもよくなるほど緊迫した展開の連続だった。
    他作品とリンクする部分もあり、「これあの場面だ!」という楽しみ方ができるのも良かった。

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    2023年09月10日
  • 帝都地下迷宮

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    現実離れしたSFかと思いきや、何となくありえる設定にも思えてきた。
    権力や体制に盾突こうという気持ちが少なからずあるからか、エクスプローラーに加勢しながら読み進めた。
    ただ、一公務員がここまでするか?という浮世離れした行動力には、ちょっと現実的ではないかな。

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    2023年09月04日
  • 闘う君の唄を

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     第一章までは良かったが、読み進めるほど子どもの描写に違和感を感じ本筋の話に没頭できなくなっていった。年少でこの言動はあり得ないし、園バス送迎に保護者が迎えに行かんとか3、4歳で1人で外に遊びに行くなんて考えられない。子育て経験がないor乏しいにしても、ちゃんと取材してもっと現実的に書いて欲しい。更には主人公・凛先生もこの歳でこんな言い回し使わんし、その割になぜこの思考回路になる?と疑問だらけになっていった。書きたいトピックありきという感じで、折角の加害者家族の問題を深く考えられないのが残念。

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    2023年09月02日
  • さよならドビュッシー 前奏曲

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    不動産会社社長、車椅子の玄太郎お爺ちゃんが大活躍する短編ミステリー。
    いわゆる車椅子探偵のイメージとは違い暴言吐きまくり、金の亡者、各界の権力者に顔がきく得体の知れない爺さんがクソだわけ!と叫びながら事件を解決する様は痛快。
    気楽に楽しんで読めるミステリーでした。

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    2023年08月20日
  • セイレーンの懺悔

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    新しいマスコミという観点から殺人事件を捉えていておもしろかった。マスコミや曲がった報道、操作される情報難民。
    自分の身は自分で守らないと!殺された綾香さんのような環境、暴力した少年少女達の生活環境。ただどんな酷い生活環境でもちゃんと頑張れてる人もいっぱいいる。前を向いていれば成長できる付き合う人や助けてくれる人、いい影響を与えてくれる本などに出会うかも。

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    2023年08月15日
  • 月光のスティグマ(新潮文庫)

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    どうせ双子の入れ替わりだと思っていたので、結末には驚きはした。銃殺シーングロすぎ。
    政治家って本当にずるい人たちだなあと改めて感じた。

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    2023年08月14日
  • 帝都地下迷宮

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    ネタバレ

    放射能被曝で地上で暮らせなくなった人々が地下の廃駅で生活しているという驚きの設定。

    調べてみると、福井県の高速増殖炉「もんじゅ」が、過去にナトリウム漏洩事故を起こしてた。
    現実では大きな人的被害はなかったらしいが…。
    物語内の事故とは異なると思うけど、この事故から着想を得たのかな。

    国の施策によって被害を受けたのに、事実の隠蔽のために、何の補償もせず被害そのものをなかったことにする。
    今の時代はSNSがあるから被害そのものを隠すことはできないと思うが、国は事故と被害の因果関係を認めようとはしない。

    「国がやることは正しく、間違いがあってはならない」という前提があるため、国の責任を認めるこ

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    2023年08月14日
  • 魔女は甦る

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    ネタバレ

    やはり中山七里さんの作品は面白い。戦時が起きると儲けが出る仕組みに目を背けてはいけませんね。製薬会社ってある意味なんでもできてしまうようで、、、怖いです。

    自分は刑事ではないけど、槇畑刑事の言葉が刺さりました。
    「貴様になら救えたかも知れないのに。貴様にしか救えなかったかも知れないのに。貴様はただ怯えて遠くから眺めていただけではないか。我が身可愛さゆえに。果たすべき責任の重さゆえに。失くしたものは戻らない。やり直すこともできはしない。しかし、同じ過ちを繰り返さないことはできるはずだ。そして、あの日喪失した貴様の正義を取り戻すことも。これが最後のチャンスだ。今一度、立ち上がれ。いや。何度でも立

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    2023年08月09日
  • 越境刑事

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    アマゾネス刑事・高頭冴子シリーズ2

    ここ半年で、中国人留学生や就労者の行方不明が頻発に起こっていた最中、リンチの形跡が見受けられる男性の死体が発見された。
    被害者は、中国国籍、新疆ウイグル自治区出身者であった。

    容疑者は、中国公安部の3人。

    高頭冴子は、郡山と2人で、ウイグル自治区まで、容疑者を追って行くが、二人を待ち受けていたのは、ウイグル民族の凄惨な現状だった。

    中国共産党による、新疆ウイグルへの弾圧は、最近よく耳にするが、とても、正視できないほどの内容だった。

    公明党の反対にあったとはいえ、自民党でさえ、対中非難決議を出すのに、及び腰状態であるのに、
    ここまで書いた中山七里氏の

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    2023年08月04日