中山七里のレビュー一覧

  • いまこそガーシュウィン

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    ガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルーが頭の中で流れつつ、2人の音楽家が奏でる様子が見ている様に浮かぶのは、やはり中山七里先生の流石な手腕でしょうか。実際に聴きたくなりました。
    序盤は政治、社会情勢等が書かれており、なかなか頁が進まなかったのですが、2人が出会い、〈愛国者〉が登場する辺りからどんどんおもしろくなってきます。
    帯にもありましたが、怒濤のラストはそれ自体が音楽の様でした。

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    2025年11月04日
  • 氏家京太郎、奔る

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     アパート〈すめらぎハイツ〉の一室で、偏屈だがゲームクリエイターとしての素質は超一級だった九十九孝輔の死体が見つかった。やがて現場に残っていたティッシュに残っていた体液から、過去に九十九と一緒に〈株式会社レッドノーズ〉で仕事をしていた御笠徹二という男が逮捕される。新聞でそのことを知った鑑定人・氏家京太郎は驚く。御笠はかつての氏家の親友だった。すぐに氏家は御笠に面会し話を聞くが、御笠は九十九のアパートには行ったことがないどころか、住んでいる場所すら知らないという。

     「鑑定人 氏家京太郎」に続く、鑑定人・氏家京太郎シリーズ第2弾。いつもは鑑定によって得られたデータしか信じない氏家。しかし今回は親友を助けたいと感情論に走るのをなんとかこらえながら部下や知り合いの力を頼りながら一つ一つ証拠を集めていき、最後は見事に事実を根底からひっくり返す。今回御笠の弁護を務めるのは刑事裁判には不慣れな美能忠通(みのうただみち)だが、内心今回の事件を頼めればよかったと御子柴弁護士の名前を出していたり、〈すめらぎハイツ〉の特殊清掃を請け負ったのが五百旗頭で初対面を果たしていたり(ということは時系列では「特殊清掃人」の方が後か)、氏家が私立探偵の鳥海秋彦(とかいあきひこ・「祝祭のハングマン」に登場)に仕事を依頼していたりと、今回も他作品とのつながり多数。

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    2025年11月02日
  • 総理にされた男 第二次内閣

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    ネタバレ

    一作目はエンタメとして傑作のひとつだったが、続編がつまらないの例

    不況、コロナパンデミック、豪雨災害、オリンピック、台湾有事などがテーマだが、一作目にあったエンタメ的な笑いや色恋がなくて、単なる思想信条の表明とか政治批評に終始した感があり、物語に広がりがない
    読みやすいので、期待ハズレ、読むのをやめようとまでは思わないけどワクワク感はなく、読まなくても問題なし

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    2025年11月01日
  • いまこそガーシュウィン

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    記憶にある限りシリーズ中一番軽めな演奏描写でした。
    いよいよクライマックス、というところまで読んだら、残りページ数がとっても少ないことに不安になったくらい。

    もっと岬の音を浴びたい・・・。

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    2025年10月30日
  • どこかでベートーヴェン

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    岬洋介シリーズ第4弾は、岬の高校時代を描いた物語。このシリーズは常にそうですが、殺人事件の要素はおまけのような感じで、主な主題は音楽に生きる若者たちの葛藤になっていました。

    才能に恵まれた岬に対する周囲の嫉妬や劣等感が生々しく、音楽学校という閉ざされた環境がその心理をより濃く映し出していました。「努力」と「才能」、「個性」と「錯覚」というテーマが繊細に絡み合い、登場人物それぞれの苦しみが丁寧に描かれています。岬のまっすぐな信念や、他者の理解を求めすぎない姿勢にも静かな力強さを感じました。派手さはないものの、シリーズの中でも最も内省的で、人間の弱さと希望の両方を感じさせる一作だと思います。

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    2025年10月28日
  • 能面検事の死闘

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    能面検事が現代の問題を取り上げて考察できるような犯罪事件。でも、ステレオタイプな感じもした。結局犯人はそこにいたのかと思う結末。でも、途中は犯人の犯行に事務官晴美と一緒に怒りを感じながら読んでいろいろ考えさせられた。

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    2025年10月26日
  • 人面島

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    シリーズ2作目 ヒョーロクとジンさんの会話が完全にコメディーなので、おどろおどろしさはない。 でもジンさんの人格否定にも等しい毒舌は癖になりそう。ただクローズドサークルの緊迫感はなく、ミステリーとして物足りないかな エンターテイメント小説として楽しめた。

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    2025年10月26日
  • 越境刑事

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    中山七里『越境刑事』PHP文芸文庫。

    どうやら『逃亡刑事』の続編のようだ。と言いながら『逃亡刑事』は未読であったことに気付いた。さっそく本屋を2店回って『逃亡刑事』も購入した。

    ロシアによるウクライナ侵攻も酷いが、中国の新疆ウイグル自治区で起きている習近平政権によるウイグル人迫害も酷いものだ。

    ロシア、中国、北朝鮮を見る限り、共産主義、社会主義の国家を維持するためには独裁者による恐怖政治しか無いのだろう。日本は資本主義、自由主義の国家であるが、独裁者が出現すれば、一般国民には、それらの国と何ら変わらぬ迫害や強迫が待ち受けることになる。

    本作は『県警のアマゾネス』と呼ばれる千葉県警の女性刑事の高頭冴子が、県内で起きたウイグル人が犠牲になった殺人事件と拉致事件を巡り、日本を飛び出し、中国の新疆ウイグル自治区で八面六臂の活躍を見せるという警察小説である。

    高頭冴子のアマゾネスぶりは分かるが、ストーリーの面白さは余り感じられなかった。


    『県警のアマゾネス』という異名を取る千葉県警の高頭冴子は、同僚からウイグル人留学生の失踪が相次いでいるという噂を耳にする。その数日後、新疆ウイグル自治区出身の留学生カーリの死体が発見される。

    捜査に乗り出した冴子は、事件に中国公安部が絡んでいることを摑むが、カーリのバイト先の雇い主であるカーディルも殺害され、冴子に保護を求めたカーリの同僚のレイハンも容疑者に連れ去られてしまう。

    レイハンを救い、事件の真相を暴くため、冴子と部下の郡山は中国での捜査を強行する。

    本体価格900円
    ★★★

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    2025年10月26日
  • いまこそガーシュウィン

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    このシリーズを読むとクラシック音楽を聴いてみたくなるので、ガーシュウィンの「ラプソディ イン ブルー」聴いてみます。

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    2025年10月26日
  • 武闘刑事

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    在日米軍と日米地位協定がはらむ問題に切り込んだ作品。米軍基地とは縁遠い地域に暮らしているからか、あまり詳しくは分からない問題だったが、戦後80年経っても統治下にあるような協定が今も守られ、それを政府も擁護するならば、こんな型破りの刑事も必要かもしれない。バイオレンスは苦手だが、この手の異端分子の活躍は胸をすく。どんでん返しを期待するにはイマイチだが、気持ちよく読めた一作だ。

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    2025年10月22日
  • 警官の道

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    警官をテーマに、七人の作家が競演する書き下ろし警察短編集

    「上級国民」葉真中顕
    葉真中さんらしい、人間の陰をえぐる短編。
    現代社会の問題を踏まえながら、「下級国民」の強かでしなやかな生息を描きます。

    「許されざる者」中山七里
    刑事犬養隼人シリーズのスピンオフ的短編。
    コロナ禍の東京オリンピックを背景に、不祥事の数々を折り込みます。

    「Vに捧げる行進」呉勝浩
    あのコロナ禍当初の、息苦しい近隣・職場・日本、そして世界。
    「死を捨て街に出る」その衝動を描きます。

    「クローゼット」深町秋生
    性的嗜好を隠して生きる“クローゼット”。
    レイプ事件の被害者と加害者、それぞれの告白を前に、刑事は自らのクローゼットを開ける。
    ちょっと良いです。

    「見えない刃」下村敦史
    セカンドレイプという“見えない刃”。
    いまやSNSを通して可視化されることも多い。
    罪を犯す者が悪い―その単純な正義の奥に、
    視線を向ける側の“無自覚な責任”を要求。

    「シスター・レイ」長浦京
    フランスから訳あり離婚で帰国した玲。なぜ彼女は「シスター・レイ」と呼ばれるようになったのか『プリンシパル』を想起させる、心身ともに強い女性が魅せる、痛快な成敗劇。

    「聖」 柚月裕子
    母子家庭の定時高校生の少年は、父を憎んでいる。彼の報復の方法は、ひとりの警官との出会いによって変化していく。

    アンソロジーも悪くないです。
    書き下ろしですよ(๑˃̵ᴗ˂̵)



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    2025年10月21日
  • 禁断の罠

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    全6編の豪華書き下ろしアンソロジー。
    「ヤツデの一家」新川帆立
     疑心暗鬼が仕掛ける見えない罠。短編でも冴える描きぶり。
    「大代行時代」結城真一郎
     Z世代の生き様を描く。いっそ清々しいほどの割り切りが印象的。
    「妻貝朋希を誰も知らない」斜線堂有紀
     他人の本質は最後まで掴みきれない。果たして誰の罪だったのか。
    「供米」米澤穂信
     直木賞受賞後の小品ながら、丁寧に紡がれた物語。亡き夫の罠にかかりにいった妻。
    「ハングマン」中山七里
     副題の雛鵜は、無知ゆえ罪に落ちる若者の象徴か。操られた末の強盗事件。
    「ミステリ作家とその弟子」有栖川有栖
     弟子は師匠作家の教えを実行する。作品と現実が重なる趣向が光る一編。

    皆さんお忙しい売れっ子作家。そんな中、お題の決まったアンソロジーまで完成度がお高いものでした。

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    2025年10月20日
  • ネメシスの使者

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    ネタバレ

    友人からもらった小説です。
    普段はあまり手に取らないテーマのお話なので、もしかしたら友人からプレゼントされなければ読まなかったかもしれないと思うと、出逢いに感謝。また、プレゼントしてもらったからこそ、記憶に残る本になりました。

    正直な感想…
    あっさり犯人が捕まってしまったのと渡瀬が納得いかないという描写から、何かしらはあるのだろうと思っていたので、なんとなくどんでん返しを喰らった感じはしませんでした。

    しかし、あまり司法制度に目を向けることがないので、初めて司法について考えさせられました。被害者遺族への不憫さ、加害者遺族への同情に翻弄され、法治国家に対する違和感を少し感じながらも、最後の渋沢判事の言葉に納得したような…答えが出ないから答えを先延ばしするような、目を逸らすような気持ちです。

    凛とした人間である渡瀬がとても素敵だと思いました。

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    2025年10月19日
  • ドクター・デスの再臨

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    ☆3.5かな〜

    『ドクター・デス』とは

    130人もの末期患者を安楽死させたアメリカの医師 ジャック・ケヴォーキアン の通称
    末期病患者の積極的安楽死の肯定者で、自作の自殺装置を使った自殺幇助活動にちなんで「死の医師(ドクター・デス、Dr. Death)」と呼ばれた。

    第二弾は前作で崇高な信念のもとに罪を犯したドクター・デス雛森めぐみの模倣犯が現れた!
    被害者のいない殺人と言われる安楽死に警察は再び翻弄されます。
    ドクター・デスにはドクター・デスを!
    強かで冷静なめぐみ頼みの捜査…
    情け無い…警察らの活躍なし笑
    ラストは犬養の男性のみに発揮される人間観察発動して事なきを得ましたけど(๑•́ ₃ •̀๑)

    思想、理念…それらが絡んだ事件や殺人は解決してもやっぱりスッキリしないなぁ…



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    2025年10月19日
  • 月光のスティグマ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    阪神淡路大震災、東日本大震災。
    多分、多くの人達の人生を変えてしまったでしょう。

    淳平には一卵双生児の優衣と麻衣という幼馴染がいました。
    幼い時、不審者に傷付けられた彼女達を守れなかったという後悔があり、彼女達を絶対守ることを決意します。
    しかし、ある夜、廃工場で双子のどちらかが兄を刺すのを目撃した淳平。どうするべきか対応を翌日まで持ち越したのですが、早朝、地震が起きて ―― 。

    震災の時、優衣を助けた淳平。助かったのは二人だけで、まだ中学生だった二人はそれぞれ親戚に引き取られます。
    大人になった二人は、特捜検事と政治家の私設秘書として再会します。

    恋愛が前面にでてくる著者の話は珍しい気がしました。
    やっぱりミステリーの方がキレがあって好きです。

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    2025年10月18日
  • 逃亡刑事

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    A地区の書き方が大阪を知っている人間としてはニヤリとする描写が多く、見る視点が変わるとそう感じるかもしれない、そんな気持ちで読めて面白い。
    正義とは本当に厄介なもの。100人いれば100通りの正義があるのに、みんな自分の正義が正義だと思っている滑稽さ。

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    2025年10月18日
  • 武闘刑事

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    こんなに勢いのある上司なら気分がいいだろうな。気分が良くてガンガン仕事をしてしまいそう。結局は嫉妬なのね。嫉妬なんてしたくないな。

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    2025年10月17日
  • カインの傲慢 刑事犬養隼人

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    今読んでますが、なかなか進みません。
    暗すぎる、つらすぎる、最悪な世界で、読みながら、いろんなことが心配になってきます。まだ前半です。

    読み終えました。
    だんだん面白くなっていくのは中山七里さんの腕、ですね

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    2025年10月18日
  • 鑑定人 氏家京太郎

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    ネタバレ

    民間で科学捜査鑑定を請け負う〈氏家鑑定センター〉。所長の氏家京太郎のもとに舞い込んだのは、世間を騒がす連続殺人犯の弁護士からの鑑定依頼だった。女子大生3人を殺害し死体から子宮を抜き取る猟奇的な事件だが、容疑者は、3人のうち1人の犯行だけは否認している。3人の殺害を主張する検察側の鑑定通知に違和感を覚えた氏家は、自身の手で再鑑定を試みるが、試料の盗難や職員への暴行など、何者かの邪魔が相次いで──。警視庁科捜研と真っ向対立しながら挑む裁判の行く末は? 驚愕の結末が待ち受ける、圧巻の鑑定サスペンス!

    短めで、専門用語は出てくるもののサクッと読める。
    ただ、事件がなかなかのグロさで個人的には受け付けなかった。
    犯人の動機も甘いかなぁ…そんなに長い作品ではないので、どうまとめるのかな?と思っていたところ急展開して終わった。
    鑑定センターのメンバーは良いキャラクターだったと思う。

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    2025年10月12日
  • いまこそガーシュウィン

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    サスペンスなのに
    何か?ぐーと
    ラプソディーインブルーを聴きながら
    カーネギーホールを
    検索して会場でミサキのピアノが響き渡るイメージで読むとより没入し、感動を味わえます。
    まずは音源とホールを検索しましょう

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    2025年10月12日