あらすじ
名探偵は肩にいる!? 不可解連続殺人の謎。
三津木六兵には秘密がある。子供の頃に負った右肩の怪我、その傷痕がある日突然しゃべりだしたのだ。人面瘡という怪異であるそれを三津木は「ジンさん」と呼び、いつしか頼れる友人となっていった。
そして現在、相続鑑定人となった三津木に調査依頼が入る。信州随一の山林王である本城家の当主・蔵之助の死に際し遺産分割協議を行うという。相続人は尊大な態度の長男・武一郎、享楽主義者の次男・孝次、本城家の良心と目される三男・悦三、知的障害のある息子と出戻ってきた長女・沙夜子の四人。さらに家政婦の久瑠実、料理人の沢崎、顧問弁護士の柊など一癖ある人々が待ち構える。
家父長制度が色濃く残る本城家で分割協議がすんなり進むはずがない。財産の多くを占める山林に希少な鉱物資源が眠ることが判明した夜、蔵が火事に遭う。翌日、焼け跡から武一郎夫婦の焼死体が発見された。さらに孝次は水車小屋で不可解な死を遂げ……。一連の経緯を追う三津木。そんな宿主にジンさんは言う。
「俺の趣味にぴったりだ。好きなんだよ、こういう横溝的展開」
さまざまな感情渦巻く本城家で起きる事件の真相とは……!?
解説は金田一俳優でもある片岡鶴太郎氏。
※この作品は単行本版として配信されていた『人面瘡探偵』の文庫本版です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
タイトルだけでおどろおどろしいイメージだったけど、そんなんじゃなくおもしろかった!
仕事の依頼先で起こる殺人事件を解決するべく行動する主人公だけど、情けない頼りない感じもまたよかった!
最後の一文には「わあああぁぁぁあ」ってなった!
Posted by ブクログ
面白かった!
犯人が誰か、という推理小説としての面白さもあるが、個人的には主人公とジンさんとの掛け合いが楽しかった。
人面瘡が人語を話す、ということだけでも気持ち悪いが、最後まで読んだ時、その印象が変わった。
これまで脳内でイメージしていたジンさんの姿がガラリと変わった。
もし、この作品を映像化したならば、かなりのホラー的な絵面になるのではないだろうか。
特に、ジンさんと主人公が密談しているところなんて……。
Posted by ブクログ
ー 『意味深なラストだと思わないか。五番目のタヌキが誰を指すのかで、解釈は大きく違ってくる。それこそ最後の犠牲者が行方不明になるのか、あるいは犯人が失踪してしまうのか。ふふふふーん』
「何だよ、その薄気味悪い笑い方」
『俺の趣味にぴったりだ。好きなんだよ、こういう横溝的展開』 ー
テンポが良く面白い作品。
最後もあっさりで良くできている。
気軽に読むにはちょうど良い。
Posted by ブクログ
三津木と人面瘡との会話が、なんとなくわざとらしさを孕んでいる感じがしてたんだけど最後の章がこの先のヒント?と思わせる展開。ものすごい気持ち悪さで終了。
これは続きを手に取らずにはいられない。
Posted by ブクログ
ミスターどんでん返しの本骨頂発揮
本編もどんでん返し
そしてタイトルの人面瘡も、どんでん返しなのかな⁈
それは読む人の感じ方によるのでは
主人公のヒョーロクくんと人面瘡の小気味良い掛け合いが面白かった
Posted by ブクログ
オーディブルにて
人面瘡が意志を持って喋るっておもしろいなー
となんの疑いもなく読んでたら最後の最後でまさかの展開。
子どもの行方はハッキリさせて欲しかったなー。
Posted by ブクログ
相続鑑定士である主人公が訪れたのは信州の山林王、本城家。遺産争いが苛烈な中、相続人が一人また一人と殺されていく……。
解説にもある通り、骨組みは横溝正史のド定番な感じ。
主人公の右肩に宿る傲岸不遜な人面瘡のジンさん。宿主である主人公に色々と指示を出して探偵の真似事をさせたりと面白い設定。
流れ的に犯人は確定するけどちょっと一捻り入ってた。終わりの少しの後味の悪さ、大好き。
因習村にありがちな近親相姦とか家父長制とか濃縮されてたね。
オチの一人二役は一番現実的なんだけど、本当に人面瘡がいるっていうファンタジー設定が個人的には良かったな。
主人公が誰よりもヤバい奴だった。
続編があるみたいなのですごく読みたい!
ジンさんについて分かるのかな?
Posted by ブクログ
え、めっちゃ面白かった。
もともとバディーものが好きな私にとって、人面瘡ジンさんと三津木六兵の掛け合いによる謎解きはとても心地よくサクサクと読み進めることが出来た。
山奥の村におきた相続問題の手助けのために相続財産の鑑定に訪れた六兵だったが、相続人のひとりが死んだのを皮切りに次々と連続殺人がおこる。その謎を人面瘡と解き明かすという展開。物語の後半の展開は評価が分かれそうだなぁとも感じたが、ミステリーとして1つの終わりを迎えているので個人的にはそんなに気にはならなかった。むしろ、物語の最後の1ページ……どういうことなのかと、心がザワついた。次の巻も必ず読もうと思う
Posted by ブクログ
表紙のインパクトが強すぎて、読むのにかなり心の準備が必要でした笑
内容はドロ沼の相続権争いでしたが、ジンさんのキャラと毒舌が面白すぎて!
いやでもこんな人近くにいたら私は心が持ちません…
最後の最後はさすが七里さん、裏切らない!
Posted by ブクログ
閉鎖された旧家のドロドロや絵本になぞられた殺人で、横溝正史だなーと思いながら読んでた。
他の人も書いてるけど、横溝作品よりはかなり軽い。
そのまま読み進めて、これは次はないなと思ってたら最後の1ページで「えーーーーー!」
次の作品も楽しみ。
Posted by ブクログ
たしかに横溝正史的展開だけど、全体的に軽くてあのゾワゾワ感はないなー。
主人公(人面瘡じゃないほう)の言動が好みじゃないのも、気持ちが乗らない要因かと。
続編を読むか悩ましいな。
Posted by ブクログ
中山七里の作品なので、面白いだろうとは思っていました。タイトルから感じる禍々しさはあまり無く、しかし横溝風の昭和の香りがありました。時代設定は現代なんですけどね。
福子とか、本当に横溝。
そして、人面瘡とはなんなのか、最後に謎が残りました。続編を読まなくては。
Posted by ブクログ
オーディブルにて。
御子柴弁護士シリーズでハマってしまった中山七里。
相続鑑定士という謎の職業や、人面瘡というさらに謎の生物がユーモアを醸し出しているが、なかなかに気分の悪い連続殺人事件。
そして極めつけはラストのオチ。こういう映像作品ではできない、本ならではのオチって大好き。やられたーという気持ち。
Posted by ブクログ
人面瘡といえば、横溝正史の金田一耕助シリーズの中であったが、確か題名だけで中身は人面瘡について深掘りされていなかったように思う。
しかし、この作品は主人公が人面瘡を持っている。主人公は三津木六兵で彼の肩に人面瘡があり、それがしゃべり、探偵という設定である。
横溝正史と似たところは、田舎の因習と相続争いの点だろう。
中山七里さんらしいドンデン返しもあり、楽しめる作品だった。設定は現代であるが、田舎の舞台も興味を駆り立てられた。
人面瘡のジンさんが犯人を暴くが、そのジンさんは実は・・・というところも面白い設定であった。
Posted by ブクログ
携帯の電波も届かない山の奥、一代でことを成した大物の死、大きな日本家屋、跡継ぎの兄妹たち。村の古く陰湿な因習。
はい来た横溝正史的世界!大好物。
相続鑑定士というあまり聞かない稼業に従事する主人公のヒョーロク。その昔大怪我をした跡にできた、話をする人面瘡のジンさん。
ちょっとずっとぼけて頼りないヒョーロクと、記憶力と思考力に優れたジンさんのコンビが、凄惨な連続殺人を解決していく。
とても読みやすくてすいすいとページをめくってしまった。
面白かった。
Posted by ブクログ
2024.06.16
積読してて、ようやく読めた。久しぶりの中山七里作品。相変わらずのテンポの良さと、横溝正史の世界観、大好物。
犯人は早めに見当がついたので、あとはヒョーロクとジンさんの掛け合いを楽しんだ。
それにしても人面瘡って…って思ってたけど、なるほど、そういう事ね笑
次回作も楽しみ。
Posted by ブクログ
人面瘡の『ジンさん』と三津木のやり取りが快感な一方で、起こる事件やその背景は非常に禍々しい。
気のせいかな、中山先生の著作にはたびたび障がいのある登場人物が登場する(しかもかなり話の核心に関わる位置で)と思うのですが、今作もそうでしたね。
ラストは、あぁやっぱりそうだったんだ。という感じで、三津木自身もいろいろと抱えていることが垣間見得ました。今後その辺りも徐々に明らかになるんでしょうか。
続刊があるようなので読もうと思っています。
Posted by ブクログ
もうバディもんやな。
人面瘡とペアの。
寄生獣って、マンガあったけど、あんな感じになるんかな。
上下関係は、人面瘡の方が上っぽいけど。
後は、王道のミステリー。
ー何か横溝正史的な感じな話。
血や!血!
ドバドバの方やなく、血縁関係の方!
古い因習みたいな一族の血で血を争うみたいな。
もう終わっていく一族かと思ってやって来た相続鑑定士 三津木。
ヘナチョコなんやけど、肩には人面瘡ジンさんが…
この一族の財産は碌なんがない!しかし、よく調べると山に鉱脈がありそう。
そこから、血みどろの相続争い。
まさしく横溝風!
それをジンさんが解決していくのは、まるで、眠りの小五郎(名探偵コナン)のよう…
まぁ、うちには、血みどろになる要素がないからええけど(金ない)、ハァ〜!
今回の大どんでん返しは、犯人とかやない!
自分の内なる声に耳を傾けることは大切やなぁ〜!
Posted by ブクログ
相続鑑定士・三津木 六兵の肩には人面瘡が寄生していた。
頭脳明晰だが、口の悪い彼を『ジンさん』と呼んでいた。
ある日、信州の山林王・本城家の当主の財産分割協議に向かう。相続人は、息子たちの4人。
しかし、何もない荒れた山から、貴重な鉱物資源が発見される。
そして、長男が焼け死に、次男が水車小屋で亡くなり、そして...
連続して起こる殺人事件、果たして、遺産目当ての事件なのか?
ジンさんの推理が冴える傑作。
そして、隠れた真実とは?
Posted by ブクログ
世の習い、風習に立ち向かうのは、一人の力だけではとても困難であると改めて感じた。その時こそ、周りの人達に助けを求め、立ち向かう為の知恵が必要となる。
Posted by ブクログ
中山七里作品はどれも読みたいけれど、これだけは手を出せないままでした。なぜなら人面瘡と聞くと、子どもの頃に読んだ楳図かずおの漫画『怪』に収録されている1篇を思い出すから。ものすごく不気味で、本作の表紙を見てもそのときの怖さが思い出されて躊躇してしまい。
しかし読んでみればこの人面瘡ジンさんは怖くない(笑)。それどころか、ひとりではボケボケのヒョーロクを、人から一目置かれる存在にしてくれる。
ジンさんとヒョーロクの関係はもちろんのこと、刑事の藤代とのやりとりも楽しくて、続編にも期待が高まります。表紙は見ませんけど。(^^;
Posted by ブクログ
人面瘡が探偵という設定。実際に喋るのは主人公なのでコナン君みたいだなと思った。しかも探偵としては良くない結果になった気がするが、人面瘡は事件がおもしろくて堪らないらしい。
Posted by ブクログ
Audibleにて。
内容全然知らない状態で聞き始めたから、傷跡が話し始めた所では、そういう事ーってなった。
内容的にはありがちな遺産相続問題からの殺人で、特別な驚きはなかったけれど、気楽に楽しめるミステリー。
そして最後の最後でまたそういう事ーー!ってなった。
Posted by ブクログ
不気味な表紙とタイトルに引いてしまうが、読んでみた。
中山作品にしては地味な内容に思う。次々と殺人が起きてくるが、最初の犯人らしき人には大いに疑問があったが、真犯人にはそうだと思った。
人面瘡自体も主人公との関係から、他の人の目に触れる機会もあったろうにと違和感を持ったが、最後にそれとなく真相らしきものが出て納得。
主人公と真逆な性格の人面瘡が、事件の真相を軌道修正しながら解決に導く探偵役となっている。
Posted by ブクログ
横溝ワールドの物語
自分としてはどちらかというと好みではありません(笑)
相続鑑定士の三津木六兵(ヒョウロク)とその六兵の肩に寄生した人面瘡のジンさんとで田舎の財産分割協議での殺人事件の真相を明らかにしていく物語。
家長制度がまだ残る田舎の家で、財産分割をめぐって、相続人が次々と亡くなっていきます。
その亡くなり方が横溝ワールドです。
絵本の物語に見立てられた殺人になっていて、
最初のタヌキは焼け死んで
二番目のタヌキは首を吊り
三番目のタヌキは流されて
という展開
相続人のそれぞれの思惑の中、犯人は?
そしてその真相は?
ということなのですが、何が好みじゃないかというと、
ヒョウロクとジンさんの掛け合い、そして、ジンさんが明らかにしていく真相という設定
ジンさんのドエスなものの言い方もなんだかなだし、
ジンさんが真相を明かしていくところもなんだかなだし、
結局ジンさんの正体は?というのもそうだよなだし..(笑)
横溝好きな人には楽しめる作品と思います。
これ続編があるようです。
横溝好きな人にお勧め