あらすじ
個性や才能は不要。「常識」と「普通の思考能力」さえあればいい。
「目標は生涯現役。パソコンのキーを打ちながら死にたい」と語る著者はデビューから十四年間、三か月に一冊以上のペースで書き続け、ベストセラーを連発している。その極意とは何か?
「気分で仕事をしない」「プロットは三日で捻り出す」「主要キャラクターには落差を作る」「トリックよりも情報開示の順番に気をつける」など、思いつきに頼らず「質」と「量」を両立する創作術から、「トイレは一日一回、食事は二食」など驚異的な肉体改造まで、出し惜しみすることなく語り尽くす。ミステリーを書きたい人、読むのが好きな人必携の書!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
書いたまま前のめりに死ぬという最後の覚悟のほか、今はSNSやってる暇あったら書けよとか政治的主張なんかしてるなよとか、書くことにとにかく合理的な大衆娯楽小説の創作論。この人はプロだ。
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自分用メモ
「考えたら必ず回答は出てきます。回答が出てこないのは、たぶんインプット不足、インプットがある程度以上あれば、考えたら必ず解決します。」(p38)
「とにかくインプットの量が大事・・・何が上手くて何がまずいかが分かるようになります。・・・悪いものに触れることは勉強になるんです。」(p51-52)
「名作も駄作もたくさん読んで、自分で感覚を磨いていくしかない。」(p84)
「僕は基本的に怠け者なんです。タガが外れるとどこまでも怠けると自分で分かっているから、追い込まれないと人並みに働けないんです。それは自覚しています。だからこそ他の人よりもいっぱい連載を抱え込もうとするんです。無理とか無茶をしていないと、たぶん自分は怠けてしまうし、それが怖いから。」(p116)
スターシステム小説
Posted by ブクログ
はああ…だから中山七里が好きだ。
こういう作家さんの書く小説が面白くないわけないもんな。
中山七転八倒でも思ったけど、仕事に対する姿勢にはホント恐れ入る。
ミステリーを書く予定なんかこれっぽっちも無くても楽しめる指南書。
正直、そこら辺の下手なビジネス本よりよっぽど勉強になるんじゃないかな。
小説に限らず、この方の文章は面白いし読みやすい。
改めて出会えて良かった作家さんだと思った。
Posted by ブクログ
諦めたつもりなのですが、小説を書きたいのかな。
こんな本を手にしています。
中山七里さんの小説は、読んだことがありません。
でも、この方の小説は、映画化されているのが、沢山あるのですね。どれも見ていません。
小説を読んでみようと思います。
これは、作家になるための覚悟を書いた本かもしれません。
インプットが大事。たくさん、沢山、タクサンのインプット。
とりあえず、小説を最後まで書いてみる。
最初に書くのは、好きな作家の真似になってしまう場合も多いが、とりあえず、書く。
そして、たくさん書く。
書いていくうちに、自分のスタイルが出来てくる。
たくさん書くと、仕事が貰える可能性が高くなる。
少ししか書かないと、人の目に触れる機会が減るので、売れる本、売れる作家になるのは難しい。
量産しないと、作家として生き残れない時代。
編集者が面白いと思うものを書く。
その後ろに、何人もの読者がいるのだから。
小説家になりたい、注目を集めるたい、と思う人は、やめた方が良い。
書きたい意欲が止められないのなら、小説家に向いているかも。
書き続けることは、とても辛いから。
50歳でサラリーマンを退職してから、ずーっと書き続けている。遊びたいとも休みたいとも思わずに。
怒らない。怒ると疲れる。
たいてい頭にくることは、視点を変えたらそんなに頭にくるほどのことでもない。
最終的に、生き様を教えて頂いたようです。
ありがとうございました。
Posted by ブクログ
中山七里さんのノウハウ本になるのかな?
多分、読んでも、ミステリーとか描けんけどね。まぁ、描こうと思ってる訳ではないですけどね。(^◇^;)
まぁ、凄いとしか言えんけど。
中山七里さんが挙げたミステリーとは何かについて、より具体性が分かるような代表的な作品は、以下。
ヴァン・ダイン
『グリーン家殺人事件』
アガサ・クリスティー
『ABC殺人事件』『杉の柩』
エラリイ・クイーン
『エジプト十字架の謎』『Yの悲劇』
ウィリアム・L・デアンドリア
『ホッグ連続殺人』
ドロシー・L・セイヤーズ
『ナイン・テイラーズ』
横溝正史『獄門島』
高木彬光『刺青殺人事件』
島田荘司『奇想、天を動かす』
ミステリーというか、作品を描くコツ!
インプットの量!
読書だったり、映画だったり、ミステリーに関係なくても肥やしになると。
この人、1日に映画1本、本1冊は、かかさずインプットしてるみたい。
「トリックが思いつかない、なんてことはないです。人間の頭って、そんなにヤワなもんじゃないですよ。考えたら必ず回答は出てきます。回答が出てこないのは、たぶんインプット不足。」
「僕はピアノを弾いたことがないから全部想像です。「ピアノが弾けないのにあそこまで書いたんですか」と言われますけれど、だってそもそもみなさん、人を殺してないのにミステリー書いているじゃないですか(笑)」
…これもインプットの量の違いか…^^;
サラリーマンされていたからか、編集者は、クライアント、作家は下請けって考えてるのも頷ける。作家が特別なものと考えてないのが良い!
まぁ、特別やろうけど…
サラリーマン辞めて、作家になったとこから、残りの人生は、オマケみたいに考えて、いつ死んでも良い。
それも描き続ける為だけに、専念する。なんか凄い生き方やけど、好き好んでやってるから苦ではないみたい。
羨ましいというか、何というか…
作品は、全て編集者のリクエストで描いているらしいけど、唯一、提案したのが、「特殊清掃人」らしい。
読んでない人は、読んでね!
Posted by ブクログ
ミステリの書き方がコンパクトにまとまっていて参考になる。って何かを書く予定はないけれど。冒頭の「抑えておきたい古典一〇選」は8割既読だけど、未読本も含めてもう一回読んでみたい。睡眠時間を削って作品を書いている状況が大変そう。作家さん大変だ。プロットはきっちり書くとか、書くためにたくさん読むべきとか、森博嗣さんとは結構方法が異なっている。とにかく量産すべしってのは共通点かも。
Posted by ブクログ
やはりこの方は次元が違う…
他の作家に喧嘩売ってるのか?っていうくらい、痛烈に執筆手法や小説家という職業について語っていて、こっちがヒヤヒヤする(本人にはその気はまったくないのだろうけど)。
小説家ならこれくらいやって当然でしょ?っていうことがいちいちハードルが高い。
「文章は最初から最後まで頭の中でできているから、それを打ち出すだけ」って、何を言ってるの?という感じ。
これを読んでビビったら、小説家を目指す資格はないのだろうと思わされる(なりたいと思ってはいないけど)。
中山さんの小説家という職業に対しての真摯な思いが伝わる一冊だった。
Posted by ブクログ
この人はすごい人だ。小説家って何て大変な仕事なんだ。想像を絶する。
裏側を見せてもらえるのはなかなか楽しい。古典ミステリーというジャンルを試してみたくなる。
沢山のお話に触れることは、難しいけど興味深い。
Posted by ブクログ
特に、小説家になりたい訳では無いのですが、ミステリーが好きで著者はどのようにして物語を組み立てているのか気になったため手に取りました。
読んでみると『個性や才能は不要』とはあるものの、やはり、才能は必要に思いました。自分が小説家を目指していたら基礎的な守るべきことが詳しく書いてあり、役に立ったのかもしれませんが、読者視点で読むとやっぱり小説家になる人は違うなぁという感想です。著者は「インプットの量」や「ストックの量」に関してよく言及していて、そこが特に納得しました。
Posted by ブクログ
指南書に間違いなく書いてある
書いて書いて書きまくってたくさん本を読む
結局裏技みたいなものはなくて地道な積み重ねが必要
作者の生活は常軌を逸してるなと思う反面、こんなに情熱を傾けられるものがあっていいなと思ってしまった
Posted by ブクログ
映画でも本でも説教くさい作品は苦手です。本書を読んで、そっか、それで七里センセの小説は説教臭がないんだわと合点がいきました。
トリックを決めずに書きはじめるとかと思えば、プロットはきっちりまとめてそのときにはタイトルを決めているとか、もう目からウロコぼろぼろ剥がれます。
作家になりたいと思っている人は作家になれないものだとのこと。だけど本書はやはり作家を目指す人の参考になるのでは。応募先は賞金で決めろとは生々しい(笑)。
健康に自信がおありのようで。あれれ?と言われないように、絶対倒れないでくださいよ。とりあえず七里センセに倣ってトマトジュースを買ってきちゃった私です。
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中山作品ファン垂涎の中山流ミステリー小説上梓指南本。一定水準以上の作品を量産するフォード式流れ作業の仕組みを解説するような感じだが、まあとても常人では不可能なので全く一般論ではない。まあそこがこの本の面白いところで、超絶記憶力や宗教の戒律を厳守するような生活ぶりは、まさに中山七里マシンならではと思わせる。今後も面白い作品で楽しませていただきたいが、もう少しターンとスループットを緩めて頂いて、長くご活躍いただきたい。
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何年か前に中山七里さんのサイン会&トークショーに行ったのだが、その時もここに書いてあることの一部を話しておられて、衝撃だった(取材したことないとか、トイレは1日一回とか)。
本作はさらに衝撃的なことが詰め込まれているw
この先しばらくは中山七里さんの本を読めるということでうれしい。
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中山さんの本があまりにもどれもこれも面白いので、一体どうなってるんだ?と思ったので、楽しみにしてました。
その答えがここに。
話の展開や、登場人物の造形や名前、視点など、そうそう、読者としてはそういう小説が読みたいのよ!と、すごくにやにやしてしまった。
それに、読者を顧客と思って書いてくれているのが伝わってきて、それこそが、「中山さんの本ならば」という信頼につながっている、と思う。
仕事に向きあう姿勢については衝撃的で……今まで読んだ中山さんの本の中で、一番爪痕が残りました。覚悟に、泣ける。
ひたすら読むことがすきなわたしには興味深かったのですが、ミステリ作家を目指す人に役立つのかなあ?
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知らない仕事のバックヤード的なもの見たさ、
ミステリってどんな風に書かれるのか、さてさて自分にもできるのか的な興味本位、でタイトルに惹かれ手に取りました。
職種は違うけど、通ずるものがある感じ。新しいものが次々溢れ出しても、不易というか、かつての偉大な先駆者の功績は時代が変わっても大切なことを伝えているんだろうな、と思えました。
とりあえず、エラリークイーンを読んでみようと思いました。恥ずかしながら名前は山ほど聞いても読んでなかったです‥
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多分 自分はこの作者の本を1冊も読んだことがない
この方が作家の中で どの程度のポジションなのか? この方の作品が自分が好きかどうか?などはわからないが 単純に 本が面白かった
非常に職業作家な 自己の冷静な客観視 自己プロデュース
社会人としても参考になる部分はあったと思う
この作者の本を読んでみたくなった
Posted by ブクログ
オーディブルで聴きました。
中山氏のインタビューのポッドキャストの内容とほぼ同じ。中山氏ファンなら読んでおくべき。私は悪い本を読んでしまったあとは、中山作品で口直しします。直ります。
中山先生は今まで推敲したことがない。映像でなく文面が浮かぶ。学生時代に読んだ本の内容を覚えている。3時間睡眠で超元気。。やはり只者ではない。ミステリー製造マシン。
そんなに連載を抱えずとも、ゆっくりじっくり書いてほしいと思うが、締め切りに追われることによって、あり得ないスピードで作品が生み出されるのでしょう。
現地に行かないでも、地図を見れば書ける、後で行ってみてもちゃんと書けている、とのことだけど、現地に行ってそこの空気を吸って書いたらどうなるかについて、いつか検証して欲しい。
兎にも角にも、いつまでもお元気で書き続けてくださいとしか言えない。
Posted by ブクログ
中山七里という作家が、「僕はこうやって小説を書いています」という事を書き記したもので、よくある小説の指南書とは違います。
とはいえ内容は興味深く面白いのですが、タイトルから想起される中身とはかけ離れているので、そこに注意が必要かと思います。
Posted by ブクログ
本屋で見かけてタイトル買いした本。純粋にミステリの書き方メソッドに興味があって買ったのだけど、そういう本ではなかった。
一応、著者の小説の書き方が説明されるけど、「プロットをきちんと作り込んでから執筆するので、執筆に悩んだことはないんです(キリッ」とか言われても、小説が上手く書けない人へのアドバイスになってますか?とか思ってしまった。
本書は、書き方指南本というより、著者のファンブック的な位置付けなのだと思った。自分は著者の名前は知ってるけど、作品は読んだことない。だから、対象読者ではないのだろう。
そんな感じで、途中まではあまり印象が良くない本だったけど、最終章で小説家としてのプロ意識みたいなものが語られて、少し印象が変わった。小説に真摯に向き合う姿勢は好印象。でも、平均睡眠3時間で、毎日25枚原稿を書いて、映画1本と本を1冊。こんなの参考にならないって。笑