あらすじ
警視庁捜査一課の犬養隼人は、娘の入院仲間だった少年の告別式に参列することに。自宅療養に切り替えた彼の遺体は奇妙な痣だらけだったが、両親は心当たりがないという。さらに翌月、同じような痣のある自殺死体が発見される。検視の結果いずれも事件性なしと判断されたが、納得できない犬養が独自に捜査を進めると、謎の医療団体に行き当たり……。
これはカルトか、民間医療か。大人気社会派警察医療ミステリ第6弾!
感情タグBEST3
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オーディブルにて
民間医療にすがりたくなる気持ちは分かる。
その気持ちを自分たちの復讐に利用するのは最悪だ。
姉妹の過去はしんどかったけど、どうにか踏みとどまって欲しかったな。
マトリの七尾さん出てきてテンション上がった。
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『ラスプーチンの庭』をAudibleで聴きました。
物語の冒頭で犯人のうち1人はわかったのですが、もう1人がどうしても見当がつかず…。
その人物の正体が明かされたときは、まさに大どんでん返し!
今回も中山七里先生の作品を存分に楽しむことができました。
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300ページ程と分量もさほど多くなく平易な文章で平素から活字を読まない人でも読みやすい構成になっている。第1章の伏線は何かと予想しながら読み進めていくと、予想だにしない場面でフラグを回収する展開となった。中山七里作品は初めてだが、ここまで鮮やかに読者を裏切る作品に触れるのは初めてである。中山先生の他著も読み漁りたいと感じられる作品。
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宗教?カルト集団…!?自宅療養、民間療養の壁を感じた。今迄こんな事を思わずに生きて来られた私は幸せなんだろうな。でもいざという時はカルト集団でも藁にも縋る気持ちで行く気持ちは痛い位に分かった。そして最初と最後が一直線に繋がり驚いた!
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最初の伏線が最後に回収されるというパターン。
犯人に至る経緯は大きく省略というのもパターンかな。
解説がいただけない。我田引水の紀藤弁護士,これが残念すぎるので星を1つ減らした(著者が悪いのではなく編集者?出版社が悪いのだが)。
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前文で完全に犯人をしてあるのに最後まで犯人がはっきり分かりませんでした。完全に作品の話の流れに飲み込まれていました。流石七里作品でした。今後も作品楽しみにしてます。
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第六弾。社会派医療ミステリーね。
シリーズものの新しいのが出るたびに最初から読み返していたら時間ばかりかかるが、まぁ急ぐ意味もない人生だから良しだな。
医療ミステリーの中に生と死の葛藤が描かれていてとても考えさせられる素晴らしいシリーズだ。
やはり出来れば新譜が出る度一気読みがおすすめだ。再読によりどんどん良さが出てくる。
相棒は明日香、娘は沙耶香、女の気持ちは分からない犬養隼人、しかし男の嘘はすぐにみやぶる。
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刑事犬養シリーズです。ここの前まで読んでいて、しばらく読んでませんでした。最初にエピソードに出て来た、グーちゃんとユーちゃんが関わってくるんだと思って読んでたのに、途中ですっかり忘れてて、最後になってそうだった(汗)となりました。
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長引く病気から普通診療にもお金がかかり
貧困につながってしまう。
治らないと別の診療に望みをかけ
自由診療やカルト宗教に気が向いてしまうのか。
結局、貧困から色々と広がっていく。
自分に置き換えたとき、
治るためにわらにもすがる思いで変な方向に
向いてしまうかも、、、。
こころのゆとりが必要だね。
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中山七里による「刑事犬養隼人シリーズ」の第6弾。
このシリーズは毎回重い社会問題を取り上げる形になっているが、今回の問題は民間医療とカルト。なかなかに闇が深い。
確かに民間医療とカルトはセットになる要素が十分にあり、どちらも信仰がベースにある。そして一度沼にはまると容易に考えが変わることがなく抜け出せない。巻末の解説にも記されているが、安倍元首相の暗殺事件の前に本作が出されたことは予言めいており、とても興味深い。裏返せば宗教団体が起こす異常な事件については何十年も昔から誰もが認識していたにも関わらず放置され続けてきた問題であり、たまたまそのタイミングで中山七里が題材に取り上げたという事だ。
この犬養隼人シリーズは小説としてとても出来が良く面白く読んできたつもりだし、これからも興味を持って読み続けると思うが、取り上げる社会問題の深刻さ故に毎回重く嫌~な気持ちになると今更ながら気付かされた。
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『ラスプーチンの庭』
中山 七里 (著)
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### **あらすじ**
中学生の娘・沙耶香を見舞うため病院を訪れた警視庁捜査一課の犬養隼人は、沙耶香の友人である庄野祐樹という少年と出会う。長い闘病生活の末、突如自宅療養へと切り替え退院した祐樹だったが、1カ月後に急死。告別式に参列した犬養は、遺体に奇妙な痣があることに気付く。さらに、同じ痣を持つ女性の自殺遺体が発見され、事件は一気に動き出す。捜査を進めるうちに浮かび上がるのは〈ナチュラリー〉という民間医療団体。主宰者の謎めいた存在と、団体設立に隠された真の狙いとは――?
先進医療と民間療法、その光と闇を鋭く抉る社会派医療ミステリー。衝撃の結末が待ち受けるシリーズ最新作!
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### **感想**
刑事・犬養隼人シリーズ第6弾となる本作は、先進医療の限界と民間療法の闇をテーマにした社会派ミステリーです。単なる医療ミステリーにとどまらず、医療を取り巻く倫理や利権、そして患者や家族の苦悩がリアルに描かれていました。
私自身、過去にアレルギーの悪化に伴い、親が調べた漢方(おそらく民間療法の一種)を試したことがあります。しかし、結果は散々なもので、それ以来、科学的根拠のない治療法には懐疑的な立場を取っています。ただ、私の場合は命に関わる病ではなかったため、冷静に判断できましたが、もし重篤な病を抱えていたとしたら、精神的に追い詰められた状態で民間療法にすがってしまうことも十分に考えられると思いました。
一方で、科学的根拠がない療法であっても、精神的な支えとなり、前向きな気持ちを持てるのであれば、必ずしも否定すべきではないのかもしれません。しかし、そこに法外な医療費や悪質なビジネスが絡むと話は別です。前作で扱われた子宮頸がんワクチンの問題と同様に、「100%万能な治療法はないが、最も有効な手段を選択すべき」という基本原則が、利権や商業主義の前で歪められてしまう現実があります。先進医療も民間療法も、どちらも「治る可能性」を求める人々の希望と絶望の狭間にあるものだと痛感しました。
医療とお金、そして人の生死に関わる選択――今回のテーマは非常に考えさせられるものでした。シリーズを通して、犬養が直面する社会問題の重みが増しており、今後の展開もますます気になります。
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刑事犬養隼人シリーズはまだ3作品しか読んでないけど面白い
標準治療と自由診療。。。。
なんかどっちがいいのか、どっちが悪いのかはわからないけど、身内が癌や治療困難な疾患であったら藁にもすがる思いで自由診療に頼っちゃうのだろうか。。。って考える話でした。
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導入部分の回想シーンが結末にそう繋がってくるのか〜と思いました。途中からぐーちゃんの正体については検討がついていましたが、ゆーちゃんについては何となくでした。それにしても織田さんが被害者だったとは‥‥姉妹の復讐の仕方については、他の患者さんを巻き込む点に於いて個人的には納得しかねますが、でも、幼い姉妹の視点から考えてみれば、これもあり得ることなのかと。それにしても犬養シリーズも安定の面白さがありますね。個人的には御子柴礼司シリーズが、シリーズものとしては特に好きです。
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刑事犬養隼人シリーズは全て読んでいる。
毎回タイトルが深いと思う。
今回は自由診療に関する話で、医療従事者として興味深く一気に読めた。
物語に引き込まれ過ぎて、最後に第一章の存在を思い出した…(笑)
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この本を読む前に読んでいた本が中山七里さんのテロリストの家という本で、どんどん読み進めたくなるような物語を描かれている小説家さんという印象を持っていた。
その矢先、BOOKOFFにふらっと寄ったら、
'中山七里'のネームプレートを見つけ、
そこから手にした一冊。
アイドル=崇拝の対象≒教祖
本当にアイドルタレントや芸能人、インフルエンサーの発信力は凄まじく私たちに影響を及ぼす。
だからこそ、作中のこのような表現にすごく納得した。
プロローグをすっかり忘れていて、最後の真相が明かされる前に、え?!?まさかのこの二人と繋がるんじゃ?!ってなった…
犬養シリーズを今まで読んだことなかったけど、
この6作目を読んで他のも読んでみたいって思った
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通常医療で完治できない患者がカルト的医療団体へすがってやっぱり治らなくて高額も払わされて…という不幸が連なっていくのが辛いです。
団体のお陰で完治したという例を聞けば、同じ病気を罹患している人は冷静ではいられないと思います。
宗教や科学的根拠のない商品にハマってしまう心理をうまく描いている小説でした。
刑事の犬養の難病を患う娘の決意がすごくいいです。
犬養シリーズ初めて読みましたが、社会派で面白いです。
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犬養シリーズ最新作
標準治療がきつくてつらくて、でも治らなくて、それで民間治療に向かってしまう現実、当事者でないからこそあり得ないとは思ってしまうけれど
沙耶香が選ばない、と決意した判断が本当に良かった
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初めて読んだ中山さんの作品。読みやすくて、ストーリーもしっかりしててよかった。
民間医療VS公的医療。何かに縋りたいという気持ちはよくわかる。
それにしても残り少ないページで一気に解決にもっていく展開はすごいと思った
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つい最近も民間療法で亡くなった芸能人がいましたね。
人生という旅路のラストには、ちっとも結果が出ない(と思われる)標準医療に頼るよりは、何かに縋りたいという人もいる。
人々をかなり惹きつけている織田豊水だけど、そんなにすごみというかカリスマ性ってあったのか…?
途中で明らかになる、アレの匂いも気づく人は多そうだけどなー。
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ラスプーチンといえば、怪しい宗教家のイメージがある。祈祷僧だったラスプーチンは皇太子の病気を祈祷で直し信頼を得るが、それがロシア帝国の崩壊に繋がったと言われている。高千穂明日香が本文でも似たような事を話す場面がある。その教祖の「庭」???
犬養隼人シリーズ6作目で、明日香とコンビで動く。2人が上手く機能してきている。
物語は犬養隼人の娘の沙耶香の仲間だった庄野祐樹が同じ病院から退院し自宅療養することになる。1ヶ月後に急死し、犬養たちが葬儀参列で遺体に痣がある事に気付く。そんな折、女性の自殺があり、同じ痣があった。共通するのは、「ナチュラリー」という民間医療団体の冊子を持っていた事だ。
犬養と高千穂はナチュラリーを調べるが、代表である織田豊水がそのラスプーチンに見立てられている。
織田豊水は何者なのか・・・。そして本作は、先進医療のあり方に一石を投じている。自然治癒力を高める事は時と場合によって、現代医学を凌駕するだろう。
また、人間の強さを表している一方で人間の怖さも描かれている点も、本作の見逃せない点だろう。
ところで、詐欺罪が成立するには4つの要件があるらしい。
タイトルの「庭」は最終章で一言出てくるが、今一つピンとこない。最大の見逃せないところは、読者を良い意味で裏切ってくるところにあるはずと思っていた。中山七里作品に欠かせないところでもあるが、最後は・・・。
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犬養隼人シリーズ6
ラスプーチン 二十世紀初頭のロシアの怪僧
ロシア皇太子の血友病を治したとされ
帝政ロシアで皇帝とも近しくなった呪術医
うーむ、ネタバレ全くなしとなると
なに書けば良いのか悩みますね
不治の病、痛みが大きい病、
なかなか治療が進まないと
精神的にも金銭的にも悩みが深くなります
民間医療、呪術的な治療、健康食品、サプリ等
何かしら少しの期待に頼りたくなります
それが、子供なら尚更
その民間療法とラスプーチンという名を結びつけ
現代風に問題提起する中山さん凄いです
文庫化されている犬養シリーズは、ここまで
あとは、文庫化待ちです
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病院に復讐したいという動機は百歩譲って理解できますが、その方法というか内容が私には理解できませんでした。
こんな事で復讐になるのか…?
傍から見れば、そんなんで治るわけないじゃんと思ってしまいそうですが、本人や家族からしたら正に藁をも掴む思いなんだろうな。
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刑事犬養隼人シリーズ第六弾。
テーマはカルトと民間医療。
娘の入院仲間が自宅診療に切り替え、死亡。
その体には不審な痣が..
両親はDVを否定。
病死と診断されるも納得のいかない犬養。
さらに、翌月、女性の自殺死体。
この死体にも同様な痣が多数...
こちらも自殺として事件性なしと判断されるも、犬養は、その痣の謎を捜査していきます。
そしてたどり着いた謎の医療団体。
高額な民間医療を提供する謎の医療団体はカルト。
そして、その医療団体で病気が治ったと宣言するアイドル。その影響力。
カルトの典型的な展開ですね。
犬養Vs医療団体の代表となって犬養がコテンパンに医療団大代表をやっつけると思いきや..
という展開です。
藁をもすがる思いで民間医療に走る患者の気持ちもわかります!しかし、それを食い物にする団体が一番の問題。
ミステリ要素よりも、民間医療に対する筆者の想い、患者の想い、社会への批判を強く感じさせる物語でした。
お勧めです!
これまた順番通り読んでいきましょう!
Posted by ブクログ
犬飼隼人シリーズ。
本シリーズについてはバラバラに読み進めている。
タイトルにある「ラスプーチン」といえば、帝政ロシアの怪僧。
色々な逸話があるため、伝説的でなんとも言えぬ悪の魅力がある。
さて、そんなラスプーチンに例えられたのは…ナチュラリーという民間医療の主宰、織田豊水という男。
怪しげな根気棒なるもので体を叩くと不治の病、癌が治る!
…そんなわけあるかい!
と思うのは、私が健康そのもの(人間ドックが人生の中で一番成績がいい)だからだろう。
苦しむ人が医療以外に救いを求めることを笑うことなどできようか。
けれど、おかしいものはおかしいんだ。
物語は、プロローグがなぜプロローグか、に気付けばミステリーとしてはさほど難しくない。
ただ、物語の本質はそこではなく、宗教や医療、親子の関係まで考えざるを得ない点にある。
「救い」とはなんだろう?
解説ではカルトについて言及がなされている。
もちろんそれも含みつつ、私のなかでは、織田の母親のエピソードが記憶に残った。
子供が手を伸ばした時に私は子供の手を振り払ってはいまいか、と。
信頼を作る時期に私は適切に関われているか?
全てが子供の頃に決まるわけではないとしても、それが始まりと言われかねない点であることに、背筋が伸びつつ同時に背筋が凍るのだ。
Posted by ブクログ
本作はカルト団体の取り巻く実態を社会に提起するような作品である。
欧米諸国ではカルト対策法案を策定している。一方で、日本はどうか。その疑問をノンフィクションとフィクションも交え、我々に問いかけている。
Posted by ブクログ
犯人とか繋がりとかは思ってた通りやったけど
そういう復讐の仕方か〜ってなった
いつも通り題材が凄いのはもちろんで
それに絡めてるけど
今回はその中でもミステリー要素は少なく感じた
このシリーズはいつも自分ならどうするやろうって考えさせられる永遠に答えの出ない問題を突きつけられる感じがする
Posted by ブクログ
まるでカルト宗教のような印象の民間医療。
重い病気を患ったら、藁をもすがる気持ちになるのは理解できるので、読んでいて何とも言えない気持ちになった。
犬養シリーズはやっぱり面白い。