中山七里のレビュー一覧
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ネタバレ三陸の魚を専門に扱う魚屋さんでランチしたあと読んだ一冊。宮城県警3部作の最後。
中山さんが講演会で「このシリーズは被災してない自分が書いていいのかと思っていて、自分から今回で終わりにしてほしいとお願いした」ようなことを言っていた。そう言いたくなる気持ちが少し分かるような作品。
ミステリーとしてどうかよりも、被災した人たちの置かれた状況や心情がひたすら心に残る。
被災地が舞台だからか、シリーズ通して、殺した人・殺された人よりもっと悪い人というか存在がいる気がしてちょっとモヤモヤする。
制度って、こぼれる部分もあるし完璧じゃないけど、外に出てしまえば「大いなるもの」と同等のパワーを持つんだなと改めて戒める気持ち。 -
Posted by ブクログ
「夜がどれほど暗くても」主人公の雑誌記者志賀倫成が放り込まれるコロナ禍の混乱。
自ら感染の危険に曝されながら、増え続ける入院患者に絶望しつつ治療に尽力する医療関係者と、デマに洗脳され医療現場を襲撃するカルト集団。
反ワクチンを掲げるカルト団体の代表者が、病院襲撃時に薬剤を注射されて死亡する。
今となっては記憶も定かでないが、デルタ株が蔓延しつつあった当時は感染者、犠牲者が増え続け、ワクチンや治療薬にも手が届かず、社会全体が大きく混乱していた時期で、そうでなければ本書の舞台とはなり得なかった。
連載終了から出版まで2年の間が空いているのには何か理由があるのだろうか。
デルタ株全盛の当時とはコロナ自体、ワクチン、治療薬についての知見が大きく異ってきたのは、本書を読んでも感じられる。
迂闊にも気づかなかったが、静おばあちゃんと同じ世界線だった。 -
Posted by ブクログ
公安物は刑事物と違って、秘密主義過ぎて重い。同僚同士も秘密だし、家族にも内緒。
その秘密主義の中でもエリートの公安刑事が突然左遷扱いになる。本人も分からないので、読む方も分からずストレスになってくる。それが息子がテロリストで捕まってしまったことから展開が変わってくる。過激な報道、それを受けての一般人からの誹謗中傷。気持ちが益々重くなってくる。
テロ対応の公安刑事がテロに傾注する家族を持つ。どのように展開するのか、はたまたどんでん返しは如何に。何となく息子の言動がハッキリしないところから違った方向へ。
仕事ではエリートだった刑事が家庭では何も把握していなかったことが露呈する。最後は落ち着くところに落ち着いた感じ。 -
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ネタバレ【収録作品】
傲慢 「罪の名は傲慢(プライド)」中山七里
怠惰 「手の中の果実」岡崎琢磨※7月7日生まれ
憤怒 「移住クライシス」川瀬七緒
嫉妬 「オセロシンドローム」七尾与史
強欲 「十五分」三上幸四郎
色欲 「父親は持ってるエロ本を子どもに見つからないようにしろ」カモシダせぶん
暴食 「最初で最高のひとくち」若竹七海
人を罪に陥れる七つの悪徳を「七」に縁のあるミステリー作家が描いたもの。
「罪の名は傲慢」 渡瀬警部・古手川刑事も登場。
「移住クライシス」ミステリ部分に目新しさはないが、老婆の存在がいい。
「最初で最高のひとくち」葉村晶も登場するが、脇役ポジション。なんなら彩り。冒頭から不穏でしかない語りだが、案の定グロい。 -
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ネタバレ岬洋介シリーズ最新作、作者に音楽経験もないのに演奏描写だけで素人の読者を名曲の調べ(知らんけど)に酔わせる達人だと再々再々確認してしまった
友(?)を救う為に莫大な借金(ツアーキャンセル料)を背負い、地道に信用を紡ぎ始めた相手はショパンコンクールファイナリストであるエドワードであり、屈辱的な条件さえも爽やかな岬洋介マインドのおかげで自然解決・・・出木杉
5分間の奇跡で世界的なカリスマになっているので、その影響力はそちらこちらに発揮して読者も爽快な気分であるが、トランプ大統領の初当選の世界の混乱が背景の本作品、分断の世界で殺伐とした暴力や大統領暗殺の陰謀がうごめく、アメリカの分断を象徴的に変えてやるとばかりに選曲されたのが「ガーシュウィン」黒人音楽を愛した作曲家・・・察してください(ワシはよーわからん)
ミステリーではなく岬洋介の観察眼と超人的な対応力が気分良い作品です -
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アパート〈すめらぎハイツ〉の一室で、偏屈だがゲームクリエイターとしての素質は超一級だった九十九孝輔の死体が見つかった。やがて現場に残っていたティッシュに残っていた体液から、過去に九十九と一緒に〈株式会社レッドノーズ〉で仕事をしていた御笠徹二という男が逮捕される。新聞でそのことを知った鑑定人・氏家京太郎は驚く。御笠はかつての氏家の親友だった。すぐに氏家は御笠に面会し話を聞くが、御笠は九十九のアパートには行ったことがないどころか、住んでいる場所すら知らないという。
「鑑定人 氏家京太郎」に続く、鑑定人・氏家京太郎シリーズ第2弾。いつもは鑑定によって得られたデータしか信じない氏家。しかし今回は親友を助けたいと感情論に走るのをなんとかこらえながら部下や知り合いの力を頼りながら一つ一つ証拠を集めていき、最後は見事に事実を根底からひっくり返す。今回御笠の弁護を務めるのは刑事裁判には不慣れな美能忠通(みのうただみち)だが、内心今回の事件を頼めればよかったと御子柴弁護士の名前を出していたり、〈すめらぎハイツ〉の特殊清掃を請け負ったのが五百旗頭で初対面を果たしていたり(ということは時系列では「特殊清掃人」の方が後か)、氏家が私立探偵の鳥海秋彦(とかいあきひこ・「祝祭のハングマン」に登場)に仕事を依頼していたりと、今回も他作品とのつながり多数。