あらすじ
皇居周辺で二人の男が射殺された。世間が〈大手町のテロリスト〉と騒ぐ中、警視庁一の検挙率を誇る毒島は殺人犯を嘲笑。犯罪者を毒舌で追い詰めることが生きがいの彼は「チンケな犯人」と挑発し、頭脳戦を仕掛ける――。出版社の連続爆破、女性を狙った硫酸攻撃。事件の裏に潜む〈教授〉とは何者なのか?人間の罪と業を暴く、痛快ミステリ!
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Posted by ブクログ
とにかく圧倒的に引き込まれるミステリー最後の最後まで息するのを忘れそうになるほどだった…最後の事件というタイトルの意味は、そういうことだったのか、と、思うのと続編への期待!
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やー、面白かった。毒島さんの痛快な言葉たち。最後は麻生さんの感じたことが正しいのかわからんけど、きっとそうなのかな。そして次への展開が面白すぎる。
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前作は短編集だったけど、今作は長編になっていて満足感がより高かった
前回と同じく、プライドが高くて傲慢な犯人たちが出てくるけど、なんとなく自分にも当てはまるような部分があったりして、気をつけよって思います笑
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ハズレのない毒島シリーズ
これももちろん面白かった
中山先生の言葉を借りるなら「推進力のある本」という感じ
毒島シリーズは好きなのでどんどん書いてください!中山先生!
Posted by ブクログ
短編が集まって大きな謎となる形や
テンポのいい会話の流れ
毒島さんのキャラクターが好きです。
ストーリーとしてはこのシリーズの最初なのかな?
作家刑事としての毒島さんの活躍も読みたいと思いました
Posted by ブクログ
毒島さんの刑事時代のお話し。大好きな犬養刑事の若い時も出てきてちょっとテンション上がった!
なるほど、最後の事件に納得。これは最後の事件やわ。今作も痛快で最後まで一気に読めた!
Posted by ブクログ
シリーズ第2弾
作家になる前の刑事の頃の話やから、前日譚になるんかな?
犬養さんをコキ使いながら、育ててもいる。
人物像も「狂犬みたいに言わないで!」に対して、麻生班長から、
狂犬の方がまだマシだ。狂犬は手に負えなくなったら処分すればいいだけの話だが、毒島は散々暴れた上に飼い主の喉笛を噛み切り、そればかりか死体をきっちり処分してまんまと逃げ果せるような犬なのだ。
複数の事件が発生し、それ自体は、解決に導くが、何か引っ掛かる…
裏で、そいつらを操ってるヤツがおる。
「教授」と言われるヤツは誰や。
「僕は、そういう自分では一切手を汚さず悪さする人間が一番嫌いでね。何故かというと、僕自身がそういうタイプだからなんです」
確かに、自分で手を汚さず、悪さするとか、嫌やな。
「私は、知りませんでした。全て秘書に任せてたので…」みたいな。
こういうヤツら、ほんま腹立つもん!
今回の操り方もネットという匿名性が罪悪感を薄めてる気もするし、あんまネットの世界に突入するのも控えんとあかんな!と言いつつ、ネットの感想に投稿する為に打ち込んでる自分は?(−_−;)
基本、取調室のやり取りが中心で、落し方が凄い!精神ボロボロにさせられる方はキツいけど、悪さしたからしゃーないな!
相変わらずのどんでん返しも良かった。
ラストは…
毒島さんも、自分自身のケジメとして、辞めたのかな?
単に飽きただけかも(^◇^;)
その後、作家で活躍して、事件も解決していく…
やっぱり、飽きただけかも…
この作品は、編集者からの「中山七里を主人公にしてくれ」というオファーに応えて書いたらしい。
何でも描ける作家やな。
〆切月14本とか、解説にあったけど、他の作家さんから、
「中山七里はサイボーグ」
「中山七里は、七人いる」
とか言われてるらしい!
毎月、刊行とかやってて凄いけど、こら全読破出来ん…
Posted by ブクログ
面白い。
毒島の刑事時代を描く作品。
いい人顔からのネチネチが読んでいて爽快。
毒島が魅力的なのはもちろんなんだけど、まだちょっとヒヨッコ感を出している犬養がまた中山作品ファンにはたまらない。
Posted by ブクログ
毒舌作家刑事、毒島さんの、純粋に刑事だった時の最後の事件。
「教授」と毒島刑事の、最後のやり取りがすごい。
自殺に追い込んでいく過程が、怖い。
最低最悪な犯人を、言葉で追い詰めていく様子はすさまじい。
このシリーズ、毒島さんが正義感ぶってないのが良い。
刑事としては一流なのだけど、人間として、なかなかの欠陥品、という。ありがちな設定といえばありがちなんだけど、良い感じに気持ち悪い主人公で、面白い。
Posted by ブクログ
毒島刑事の言うことがトゲトゲしいけど、ほとんどが当たりまくっていると言うか、ひねった形で正論をぶつけてくるから、犯人にはぐさっと刺さるんだろうなぁ
Posted by ブクログ
本作は、元刑事で現在は作家となっている毒島真理の“刑事時代最後の戦い”を描くシリーズ第0話的な立ち位置。自身が優秀であると勘違いし、承認欲求を拗らせている犯人たちを取り調べを通じて落としていく舌戦が見ものの作品。
各話のバックボーンには「教授」と呼ばれる人物が存在し、承認欲求や歪んだ夢を抱えた人間たちを心理的に追い込み、間接的に犯罪を実行させていた。
単なる犯人ではなく、弱さに付け込んで弄ぶ存在であり、社会にこれからも同じ悲劇を生み続けるであろう知能犯で、裁判という正義の執行では止められない相手であると判断し、舌戦で教授を追い込み自殺へと誘導した。
Posted by ブクログ
毒島さんのエピソード・ゼロ。刑事を辞めたきっかけの最後の事件が描かれる。
前作に続いて、承認欲求が服を着て歩いている者たちの犯罪を、針のように鋭い毒舌で滅多斬りにする痛快さが堪らない。
しかし、痛快なだけで終わらないのが中山先生だ。見事、術中に嵌っていて震えた。
Posted by ブクログ
今までいろんな本を通じて
アクの強い個性的な主人公を見てきたから
この刑事が上司に疎んじられるほど
変わったように思えなかったな。
まぁ言えばうっとおしい感じ?
話は奥の奥があって面白かったけど
この本はストーリーより主人公感を重視してる感じだから
もっと面白おかしく変態チックに壊した方がもっと面白かったのでは?と思った。
Posted by ブクログ
毒島節が今回も小気味よく響き渡る。
文庫本の表紙には、多少髪は乱れているがスマートな見た目の刑事のイラストが描かれている。
だけど、実際の文中では温和なとか柔和な顔とか書かれていて、少し印象が違う。
さらには毒島刑事のセリフ回しからは、どうしても中山七里さん本人の顔がチラチラする。
しかしまぁ、そんなことはどうでも良い。
文庫本中、1話ごとの仕切りの黒紙、表紙イラストの凝り様など、この本に対する力の入れ方がすごい。中身も負けてない。犯人を捕まえただけで終わらない。その次、さらにその次、と話の階層が深まって行く。
やはり推理小説って好きだー、と再確認した。
Posted by ブクログ
近々会う予定の友人がAudibleで中山七里先生を聞いてると伺い、『作家刑事毒島』の続きを選択。毒島が作家になる前の事件群で、犬飼が新人刑事のころのお話。
刑事時代の毒島も、弁舌はねちっこく、精神的に追い詰めていく取り調べは痛快そのものだ。既にその人となりは完成させれている。そしてものすごく物語のテンポが良くてばーっと一息に読み終えてしまった。
各事件の裏に潜む「教授」の存在。「自分では一切手を汚さずに悪さをする人間」を一番嫌いと言い、「僕自身がそういうタイプ」と犯罪者との相似性を自覚する。一種の円環のような所在地と、それを取り巻く立場と正義と、の結果としてあのラストだったのかもしれない。少しすっきりはしない着地にも感じるが、その後作家に転身することを踏まえると、次に繋がる風呂敷のたたみ方だったのだろうなあ。
件の友人に有隣堂のYouTubeを勧められた。中山七里先生の回……なるほど……なかなかに人間離れしているな?
Posted by ブクログ
毒島が作家になる前の話で、警察を辞めるきっかけとなった事件。
単純におもしろく、すぐに読み終わってしまった。
短編集なのに、ラスボス登場で一本の繋がりが生まれ、よりワクワク感を高めてくれた。
毒島が容疑者を追い込んでいくのが巧みで、私も麻生と一緒に取り調べ室を覗いている気分だった。
柔らかい話し方に安心していると、いきなり手の平を返したように、一番触れてほしくないところを、最大の武器である毒舌で斬り込んでくる。
これは痛いわ、正論なだけにたまったものじゃない。
覗き見していたはずが、犯人と一緒に抉られたような気分になる。
痛快のはずなのに、やっぱしんどい。
ラストは「あれっ?大丈夫?」と思っていたら、やはり着地点は無惨だった。
毒島はわかっていて、追い込んだのかなぁ。
2024/10/23 20:47
Posted by ブクログ
毒島刑事の刑事時代のお話。
作家刑事毒島シリーズの第二作だけど、2つのポイントからみて私は今回の作品のほうが好きだった。
一つ目は、ひとつひとつの話が最終的につながるというところ。
一作目は特に繋がりがなくスッと終わる感じだったんだけど、今回のお話は最終的な悪の親玉的な人がいて、そいつが誰なのか?そいつをどう捉えるのか?という話が最後に出てくる展開で、後半に向けた盛り上がりがあって最後まで引き込まれ続けた。
二つ目は、毒島の出番が多い&毒島がちょっと苦戦してる様子が描かれているところ。
本作は毒島が現役時代の話ということもあり、一作目に比べて毒島の登場シーンが多かった印象。
また、最終的な悪の親玉もなかなか強敵そうな感じで、毒島も落とせるかわからない(結果、本人の死をもって無理にでも償わせるという形になったのだけど)というトーンだったので、歯応えのある闘いがみられたのではないかなーと思った。
毒島の闘いに痺れたのはもちろんだが、個人的に興味深かったのは芹沢央さんの解説。
正直、星ひとつ分はこの解説でつけた。
「読み手という安全地帯から、「サンドバッグ」になった作中の登場人物を嗤い、見下し、その破滅を悦ぶことができる。」(p384)
「〈あの男は己をとことん信じているのだ。自分の中にある正義、自分だけに通用する法律を持っているのだ〉」
「読み手が拠り所にしていた「客観的な正当性」が揺らいだとき、爽快感は居心地の悪さに変わる。」(p385)
これらの文章にハッとした。
たしかに、自分も黒幕と同じになってたーーー!!
超安全地帯。
というか、私自身人間の嫌なところを抽出したような小説が大好きなのだが、安全地帯から人の嫌なところを見てニヤつく性格激悪人間だからなのかも、と気付かされてしまった。
恐るべし中山七里。恐るべし芹沢央。
とはいえ、こうしてストレスを発散し、現実世界では日々いろいろなものを飲み込みながら生きているのも事実。
それを表には出さないので、これくらい赦してください。
Posted by ブクログ
毒島シリーズ2作目。
本作はなぜ毒島が刑事を辞めることになったのか。なので、2作目だけど、舞台は1作目よりも前、という設定。
なので、犬養隼人シリーズの犬養がまだ若手で登場する。
前作に負けず、(むしろもっと勢いあるかもw)毒舌オンパレードで犯人の自我を徹底的に破壊していく様は爽快だけど辛辣。
若い時に、自分はまだまだこんなもんじゃないとかなんで評価されないのとか、犯人達と似たようなこと思ってた時期があったから、逆にグサグサ来るのかも。
中山七里作品のどんでん返しには何度も驚かされてきたけど、それにしても、本作のラストは衝撃だった。
このやり方が正しいとは言えないと思うけど、こういうカタチで決着つけさせたことが、今回の一連の犯罪の、いちばんしっくりくる決着の仕方なのかなとも思う。
また佐々木蔵之介さんでドラマ化して欲しい。
Posted by ブクログ
今回は1作目より過去・毒島真理が刑事だった頃の話。
けれど事件の核心に迫るスピードが速い!
頭の回転の速さと知識量がすごい。口の悪さもすごい。
"教授"との取り調べも自殺するよう追い込んだのか…。
Posted by ブクログ
このシリーズ ドラマになったものを先に見たので佐々木蔵之介さんのイメージしかない。内容は好きだった。毒舌部分にそうそうと激しく同意しながらノンストップで読めた。
Posted by ブクログ
シリーズ2巻目にして、毒島刑事が退職に至った理由となった事件を扱う前日譚。
ドラマ化が想像できるような、小さな事件を解決しながらもっと大きな黒幕が潜んでいる構成。次々と読んでしまうよね〜〜
Posted by ブクログ
最後の落ち?が良かった。そうゆう事ね?!ってなった。
毒島さんが辞めた理由も作家になったのも分かって、あと犬ちゃん犬ちゃん言ってて可愛いく思えてしまった( ˆ꒳ˆ; )
Posted by ブクログ
毒島シリーズ2なのに、前作の前日譚。前作は毒島さんの悪逆非道のような言葉責めが凄かったが、今作では最初の方は弱め。犯人はすぐ捕まるし、あっという間に犯人達が自白して行く。犯人達の動機も酷すぎる。劣等感とその裏返しの目立ちがりのための連続犯行。毒島刑事に弱点をつかれすぐ落ちてしまう。最後に残った黒幕。毒島刑事とのギリギリのせめぎ合いに落ちるかと思ったら、意外な結末。
有耶無耶となった事件で世間から失敗を責められても、偉い人達は責任を取らず、下に押し付ける。毒島刑事は毒舌含めて小説家の才能があったので良かったと強く思う。
Posted by ブクログ
軽快な語り口から被疑者を追い詰めていく毒島刑事が刑事を辞めるきっかけとなった事件。
一つひとつの短編が最後の章で結ばれる。あえてこの終わり方しかなかったのか?えっと思う終わらせ方。しかし、よく考えてみるとさもありなんと思う。毒島刑事もこの終わらせ方しかないと予測していたかのようであった。
Posted by ブクログ
短編を最後に繋いだような作品。つながってはいるものの、とても読みやすい。結果が出ないが故に膨らみ続ける承認欲求、歪んだ選民思想、目の前にある現実。
読み終わった後、自分は背伸びしていないかなぁ、人からの評価を気にしてばかりいないかなぁ、卑屈になっていないかなぁなんて考えてしまいました。
Posted by ブクログ
作家刑事毒島シリーズ第二弾!
作家になる前の刑事の時の物語。
短編連作で、裏の真犯人を追い詰めていくというもの。さらに犬養も若手で登場、毒島の元で鍛えられている設定。
全ての事件で毒島の毒舌が冴えわたります(笑)
■不倶戴天
この世に共存できない、どうしても許せないと思うほど深く恨むこと。
皇居周辺で二人のビジネスマンが射殺。
犯人は、自意識とプライドばかりが高い男。毒島がこき下ろします。楽しい。
■伏竜鳳雛
まだ世に知られていない大人物と有能な若者とたとえ。
新人賞に落選し続ける男が出版社を連続爆破。
これまた、犯人はありがちの設定..
■優勝劣敗
すぐれたものが勝ち、劣ったものが負けること。
結婚相談所のパーティ荒らしの女性たちが次々に硫酸で襲われる。
■奸佞邪智
心がねじ曲がっていてよこしまなさま。
殺された息子の仇討ちするため、出所した犯人たちを殺害しようとするボケ老人
これまでのすべての事件で、その背後にあるのが「教授」と呼ばれる人物。
裏でどのように彼らに指示していたのか..
■自業自得
自分の行いの結果を自分が受けること。
いよいよ、その「教授」の人物が明らかになりますが、そこから先はさらにもうひとひねり。
毒島が刑事をやめた理由も明らかに...
それぞれで発せられる毒島の毒舌、追い詰め方のえぐさが、すっきりします(笑)
お勧めです