【感想・ネタバレ】毒島刑事最後の事件のレビュー

あらすじ

皇居周辺で二人の男が射殺された。世間が〈大手町のテロリスト〉と騒ぐ中、警視庁一の検挙率を誇る毒島は殺人犯を嘲笑。犯罪者を毒舌で追い詰めることが生きがいの彼は「チンケな犯人」と挑発し、頭脳戦を仕掛ける――。出版社の連続爆破、女性を狙った硫酸攻撃。事件の裏に潜む〈教授〉とは何者なのか?人間の罪と業を暴く、痛快ミステリ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

毒舌作家刑事、毒島さんの、純粋に刑事だった時の最後の事件。
「教授」と毒島刑事の、最後のやり取りがすごい。
自殺に追い込んでいく過程が、怖い。
最低最悪な犯人を、言葉で追い詰めていく様子はすさまじい。
このシリーズ、毒島さんが正義感ぶってないのが良い。
刑事としては一流なのだけど、人間として、なかなかの欠陥品、という。ありがちな設定といえばありがちなんだけど、良い感じに気持ち悪い主人公で、面白い。

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2024年12月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本作は、元刑事で現在は作家となっている毒島真理の“刑事時代最後の戦い”を描くシリーズ第0話的な立ち位置。自身が優秀であると勘違いし、承認欲求を拗らせている犯人たちを取り調べを通じて落としていく舌戦が見ものの作品。
各話のバックボーンには「教授」と呼ばれる人物が存在し、承認欲求や歪んだ夢を抱えた人間たちを心理的に追い込み、間接的に犯罪を実行させていた。
単なる犯人ではなく、弱さに付け込んで弄ぶ存在であり、社会にこれからも同じ悲劇を生み続けるであろう知能犯で、裁判という正義の執行では止められない相手であると判断し、舌戦で教授を追い込み自殺へと誘導した。

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2025年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

毒島刑事の刑事時代のお話。
作家刑事毒島シリーズの第二作だけど、2つのポイントからみて私は今回の作品のほうが好きだった。

一つ目は、ひとつひとつの話が最終的につながるというところ。
一作目は特に繋がりがなくスッと終わる感じだったんだけど、今回のお話は最終的な悪の親玉的な人がいて、そいつが誰なのか?そいつをどう捉えるのか?という話が最後に出てくる展開で、後半に向けた盛り上がりがあって最後まで引き込まれ続けた。

二つ目は、毒島の出番が多い&毒島がちょっと苦戦してる様子が描かれているところ。
本作は毒島が現役時代の話ということもあり、一作目に比べて毒島の登場シーンが多かった印象。
また、最終的な悪の親玉もなかなか強敵そうな感じで、毒島も落とせるかわからない(結果、本人の死をもって無理にでも償わせるという形になったのだけど)というトーンだったので、歯応えのある闘いがみられたのではないかなーと思った。

毒島の闘いに痺れたのはもちろんだが、個人的に興味深かったのは芹沢央さんの解説。
正直、星ひとつ分はこの解説でつけた。

「読み手という安全地帯から、「サンドバッグ」になった作中の登場人物を嗤い、見下し、その破滅を悦ぶことができる。」(p384)
「〈あの男は己をとことん信じているのだ。自分の中にある正義、自分だけに通用する法律を持っているのだ〉」
「読み手が拠り所にしていた「客観的な正当性」が揺らいだとき、爽快感は居心地の悪さに変わる。」(p385)
これらの文章にハッとした。
たしかに、自分も黒幕と同じになってたーーー!!
超安全地帯。
というか、私自身人間の嫌なところを抽出したような小説が大好きなのだが、安全地帯から人の嫌なところを見てニヤつく性格激悪人間だからなのかも、と気付かされてしまった。
恐るべし中山七里。恐るべし芹沢央。

とはいえ、こうしてストレスを発散し、現実世界では日々いろいろなものを飲み込みながら生きているのも事実。
それを表には出さないので、これくらい赦してください。

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2024年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

毒島シリーズ2作目。
本作はなぜ毒島が刑事を辞めることになったのか。なので、2作目だけど、舞台は1作目よりも前、という設定。
なので、犬養隼人シリーズの犬養がまだ若手で登場する。

前作に負けず、(むしろもっと勢いあるかもw)毒舌オンパレードで犯人の自我を徹底的に破壊していく様は爽快だけど辛辣。

若い時に、自分はまだまだこんなもんじゃないとかなんで評価されないのとか、犯人達と似たようなこと思ってた時期があったから、逆にグサグサ来るのかも。

中山七里作品のどんでん返しには何度も驚かされてきたけど、それにしても、本作のラストは衝撃だった。
このやり方が正しいとは言えないと思うけど、こういうカタチで決着つけさせたことが、今回の一連の犯罪の、いちばんしっくりくる決着の仕方なのかなとも思う。

また佐々木蔵之介さんでドラマ化して欲しい。

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2024年08月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回は1作目より過去・毒島真理が刑事だった頃の話。
けれど事件の核心に迫るスピードが速い!
頭の回転の速さと知識量がすごい。口の悪さもすごい。
"教授"との取り調べも自殺するよう追い込んだのか…。

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2024年07月31日

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