あらすじ
中央自動車道を岐阜から新宿に向かっていた高速バスが防護柵に激突。1名が死亡、重軽傷者8名の大惨事となった。運転していた小平がハンドル操作を誤ったとして逮捕されるも、警視庁捜査一課の犬養は事故に不審を抱く。死亡した多々良は、毎週末に新宿便を利用する際、いつも同じ席に座っていた。やがて小平と多々良の過去の関係が明らかになり……。(「赤い水」)
人間の悪意をえぐり出した、どんでん返し満載のミステリ7編!
※本書は二〇一三年七月に小社より刊行された単行本『七色の毒』を改題し文庫化したものが底本です。
感情タグBEST3
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短編集。面白かった。
一定の質で短編を連ねること、これがすごい。
最初と最後がつながっており、
犬養と娘の関係性などから時が経っていることも窺え、またそれが深みを増していると感じた。
Posted by ブクログ
ミステリーのショートストーリー集で、ひとりの主人公が登場し、色をテーマにした多彩な物語が展開されます。
特に「青」を扱った魚」にまつわる話は、個人的に背筋がぞっとするほど印象的でした。
短編でありながら、しっかりとどんでん返しがあり、さすがは中山先生だと感じました。
中山作品の主人公は、ある特定の能力には秀でている一方で、欠点も際立っています。
そのアンバランスさが、逆に人間味となって魅力を放っているのだと思います。
おもしろかった
短編集ですごくポンポン進んで読めた。いつもながらとてもおもしろく驚かされるものばかりで飽きずに読めた。本当に中山七里先生は天才だなと思う。続きもあるようなので購入してよんでみたい。今はそれが楽しみだ。
Posted by ブクログ
*中央自動車道を岐阜から新宿に向かっていた高速バスが防護柵に激突。1名が死亡、重軽傷者8名の大惨事となった。運転していた小平がハンドル操作を誤ったとして逮捕されるも、警視庁捜査一課の犬養は事故に不審を抱く。死亡した多々良は、毎週末に新宿便を利用する際、いつも同じ席に座っていた。やがて小平と多々良の過去の関係が明らかになり…。(「赤い水」)人間の悪意をえぐり出した、どんでん返し満載のミステリ集! *
さすが中山ワールド!
癖になる毒がじわじわ回ってきます。小題の付け方もセンス抜群。
犬養刑事シリーズですが、他の作品が未読でも全く影響なし。
むしろ長編よりも読みやすく、こちらの方が好きかも。
Posted by ブクログ
2017年35冊目。
再読なのに、むしろ2回目の方が面白く読むことが出来た。
短編集でも魅せるな、犬養。
まぁあたしの中ではもうすでに=沢村一樹なのだけどww
改めて、最初の「赤い水」、そしていくつもの毒を味わって最後の「紫の供花」で締める。
うーん。やっぱ好きだなー中山七里。
個人的にはやっぱり認知症患者の殺意の立証は結構気になるなー・・。
2024.10
再読だと思ってたら3回目だったw
最初と最後の違うエピソードを短編集ならではのやり方で繋げてるのはやっぱり秀逸。
Posted by ブクログ
昔俳優をやっていた事から、人の嘘を見抜く力がある刑事・犬養隼人が主人公のシリーズ第二作。
二作目から読んでも問題なく入れました。
赤い水・黒いハト・白い原稿・青い魚・緑園の主・黄色いリボン・紫の供花
と七篇の事件が収録されている。
それぞれに性質の違う、一筋縄ではいかない事件ばかりで、それぞれに仕掛けがあり面白い。
一話と七話が繋がりがあったりというお楽しみ要素も。
文学賞のやらせをテーマにした白い原稿が、物書きの怨念が籠もっているようで印象的。
人の嘘を見抜くが、女の嘘は見抜けない、という主人公の設定も面白い。
私も演劇の人ですが、嘘は見抜けないなぁ…。
Posted by ブクログ
中山七里さんの作品は、「岬洋介」シリーズと「御子柴礼司」シリーズを読み進めていますが、「切り裂きジャックの告白」で登場した「犬養隼人刑事」を思い出し、とりあえずシリーズ2作目以降となる「七色の毒」、「ハーメルンの誘拐魔」、「ドクター・デスの遺産」の三冊を本棚に登録しました。
「七色の毒」はタイトル通り七つの色にまつわる七つの短編になっています。それぞれの物語は、過去にニュースとして報道された事故や社会問題が織り込まれていて、人間が持つ毒という形で表現しています。
中山作品といえば「大どんでん返し」ですが、短編でも遺憾なく発揮されています。さすがというか、中山七里さん自身が七つの毒を全て持っていて自由に調合できる天才なのでしょうね。
しかし、好きなシリーズがまた一つ増えてしまって、最新刊に全然追いつけていないのが益々遅れることになりそうです。世の中に面白い本が多すぎますね。
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犬飼シリーズの短編集。
私はあまり短編集は好きではありませんが、どの作品も短編でありながらどんでん返しが最後にはあって、どれも密度の高く読み応えのある作品ばかりでした。
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オーディブルにて。
今回は連作短編集?
バス事故を起こした運転手、いじめで自殺した中学生、殺された小説家、新婚の中年、認知症のおばあちゃん、性同一性障害の男子、殺された老人。
法律は行動しか裁けず、殺意の立証は難しい とあり、なるほどなと。今回は殺人教唆とはいかなくても犯人の身近に殺意があり、それが焦点に。
面白かった。
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2025.03.15
それぞれの作品において最後まで流し読みを許さない「犯人当て」の醍醐味を味わえる一冊。それぞれの動機が人間の哀しさを思い知らせる。
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「刑事犬飼隼人」シリーズの短編集。
短い中では登場人物も限られ、自然と真犯人のアタリもついてしまうのは仕方ないとして、その短さでテキパキ話を進めながらいつもの社会的事象を織り込んだ事件の設定と意外な展開は各話にちゃんと揃っていて、よくできてるなあと感心しました。
Posted by ブクログ
オーディブルで聴きました。
「切り裂きジャックの告白」はいまいちだったけど、犬養刑事が良かったので選びました。中山七里氏には珍しい(?)7つの短編集です。
短くても最初からぐいぐい面白い。さすがだなー。文学賞に応募する人の話は中山氏のリアルな意見なのだと思う。犬養刑事はテレビドラマにするなら沢村一樹かな、でもそれじゃ安直すぎるな、と思ったら、本当に沢村一樹だった。。玉木宏とか向井理がいいんじゃないのかな。
Posted by ブクログ
刑事犬養隼人 2
色に絡めた短編集
各種社会派テーマを掲げ
一色づつテイストを変えて
ラストにしっかり返してくる
一 赤い水
高速バスの事故 死者1名
運転手はすぐに罪を認めてひたすら謝罪するが
ニ 黒いハト
イジメによる学校での飛び降り自殺
保身的な学校に警察が介入して
真実を追求
三 白い原稿
自称小説家が公園で死体となって発見される
犯人はお互い売れないライバル的小説家なのか
四 青い魚
釣具店店主に訪れた結婚のチャンス
そんな上手い話があるわけはなく
五 緑園の主
ホームレス男性への暴行
近隣で中学生男子の毒物被害
認知症の妻を支える老夫 繋がりがすごい
六 黄色いリボン
性同一性障害へ踏み込むのか?と思いきや
一挙にミステリーへ
BL書けるんじゃないかしら、と期待してみる
七 紫の供花
一の赤い水の被害者の一人は
将来あるスプリンターだった
しかし補償は少なく リハビリは思うように進まない
そんな彼女に届けられたもの
さすがに上手いなあと思います
現実であった事件事故から展開して事件解決となる直前 犬養がもう一息踏み込む
しかも悪いやつはしっかり悪い
Posted by ブクログ
刑事犬養隼人シリーズ第2弾。
事件の事実とさらにその先の真実を追う犬養刑事。
その真実に、そうきたかぁ!と驚かされ、実際の事件も報道されたこと以外にも様々な真実があるのだろうな、と思わされる。
それぞれが色にまつわるタイトルになっているのも良い。
Posted by ブクログ
7話とも表面的な加害者の裏に彼らをコントロールしていたと思われる人物が出てきて、中山氏らしいどんで返し的要素ではあり、あらすじにあるように人間の悪意をえぐりだした作品であった。
2話目の中学生は中々のサイコパスぶりで意表をつかれ、5話目の老老介護の夫婦は切ない展開であった。1話目と7話目の繋がりは秀逸であり、確かに事故に巻き込まれた人のその後を書いたのは良かったと思う。
Posted by ブクログ
2025/11/22 オーディブル
刑事犬養隼人シリーズ
7つの短編集です。タイトルを見て納得。
短編集だから、登場人物も少なく、テンポよく解決されていてダレる事なく1話が終わる。
Posted by ブクログ
タイトルの通り人間の7つの毒が散りばめられていた。人間の汚さ・嘘・自己保身などを感じてゾクッとした。人間の中身なんて話してるだけじゃ分からないなぁと改めて感じた。相変わらず犬養は綾野剛としてイメージして読んでました。最初と最後が繋がると思わず驚いた。
Posted by ブクログ
“色”に関係したキーワードを持つ7つの事件を描いている。それぞれの事件は単独だが、最初と最後の事件にはつながりがあって、物語に一体感を持たせていた。
完全な善人もいなければ、完全な悪人もいない。その人の中に善い面・悪い面があるだけだというようなフレーズが印象に残った。高瀬は、相手の心を読み、読んだ心をうまく誘導して相手の行動を操ることに長けていた。相手の心を思いのままに操るという点では、「嗤う淑女」の美智留と共通する。高瀬の場合は、心を読み操る才を持ちながらも根は善人だった。
1人の人間の中に、善と悪が同居する。善を積めば徳となり、悪を積めば毒となる。なるほどねと手を打ちたくなるような言い回しだと思った。
一つずつの事件は短編的に読めるので、切り裂きジャックのときほどの深みはないなと思っていたが、善と悪、徳と毒という7つの事件への共通点に気づいて考えを改めた。
Posted by ブクログ
犬飼刑事のシリーズ2作目程よい長さの短編。今作の犬飼刑事は結構かっこいい。こういう作品でも、中山七里らしさを出せることがすごい。それぞれの作品に、犬飼刑事の鋭さと、優しさと、人間らしさが出ている。再読したい本。
Posted by ブクログ
七色の毒 刑事犬養隼人 「刑事犬養隼人」シリーズ
中山 七里 (著)
### あらすじ
中央自動車道を岐阜から新宿に向かっていた高速バスが防護柵に激突。1名が死亡、重軽傷者8名の大惨事となった。運転していた小平がハンドル操作を誤ったとして逮捕されるも、警視庁捜査一課の犬養は事故に不審を抱く。死亡した多々良は、毎週末に新宿便を利用する際、いつも同じ席に座っていた。やがて小平と多々良の過去の関係が明らかになり……。(「赤い水」)
人間の悪意をえぐり出した、どんでん返し満載のミステリ7編!
### 感想
本作は「刑事犬養隼人」シリーズの第2弾であり、7編からなる短編集です。中山七里さんらしいどんでん返しが7連発で楽しめるため、スリリングな展開をコンパクトに味わうことができます。シリーズ初読の方にも、ライトな読み口で入りやすい作品ではないでしょうか。
個人的には、やはり長編の方がより没入感があって好みですが、本作も飽きることなく最後まで楽しめました。特に印象に残ったのは、4編目「青い魚」に登場する釣具屋の店主の言葉です。
> 「1日幸せになりたければ酒を飲め、3日幸せになりたければ結婚しろ。一生幸せでいたければ釣りをしろ」
この言葉を読んで、思わず釣りに行きたくなりました。短編集ならではの多彩なテーマと、それぞれに隠された人間の業が見事に描かれており、どの話も読後に余韻を残します。シリーズファンはもちろん、初めての方にもおすすめの一冊です。
Posted by ブクログ
表だけ見ていると何も感じない物語も
裏を見てみれば味方がガラッと変わる。
流石中山七里、そうくるか!の連続でした。
どれも短く読みやすい話なんだけど
どれもガッツリ社会派ですごく入りやすいと思う。
ゾワリ…