中山七里のレビュー一覧
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横溝ワールドの物語
自分としてはどちらかというと好みではありません(笑)
相続鑑定士の三津木六兵(ヒョウロク)とその六兵の肩に寄生した人面瘡のジンさんとで田舎の財産分割協議での殺人事件の真相を明らかにしていく物語。
家長制度がまだ残る田舎の家で、財産分割をめぐって、相続人が次々と亡くなっていきます。
その亡くなり方が横溝ワールドです。
絵本の物語に見立てられた殺人になっていて、
最初のタヌキは焼け死んで
二番目のタヌキは首を吊り
三番目のタヌキは流されて
という展開
相続人のそれぞれの思惑の中、犯人は?
そしてその真相は?
ということなのですが、何が好みじゃないかというと、
ヒ -
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中山七里『帝都地下迷宮』PHP文芸文庫。
地下鉄の廃駅を舞台にした奇妙な設定のミステリー小説。全く知らない世界を舞台にした物語の中、静かにミステリーが展開し、中盤までは読み応えがあるのだが、結末が余りにも中途半端で、ガッカリしてしまった。
鉄道マニアで区役所の生活支援課で働く小日向巧は、ある日、廃駅となり、立ち入り禁止の地下鉄銀座線の萬世橋駅に潜り込む。そこで出会ったのは『エクスプローラー』と名乗る100人余りの地下で生活する謎の集団だった。彼らは何故、地下に潜らねばならなかったのか……
そして、『エクスプローラー』の中で一人の女性が殺害され、その正体は公安の潜入捜査員だったことが明らか -
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カラスが怖い。。。もともとカラス苦手だったけど、これを読んで恐怖倍増で、もう近寄れない。
最初から最後まで、なんだか不気味な雰囲気。後味もよくはなかった。二人は救われたと言えるのか、よくわからないし。まだ何か起こりそうな不穏な雰囲気。
いつも著者の大どんでん返しにやられるので、もしかしてこんなことあるかも!?なんて途中から邪推してたら、別にそんな変なことはなかった。デビュー前の応募作品の原型だったということで、最初はそこまでどんでん返し祭りじゃなかったのかなと。
気になるので、続編も読んでみたい。
古手川刑事の新人っぽさも新鮮だった。その後のいろんな活躍を知っている読者からすると、なんだか -
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ネタバレよくある、村おこしの話かと思って読んでいた。
職も住むところも失って田舎に帰った了衛。
7世帯9人の閉鎖的な村に溶け込もうとするが、うまくいかない。
一人だけ了衛を理解してくれる男がいたが、彼は村八分の身だ。
彼がごちそうしてくれた、自家菜園で作っている野菜のおいしさに感激して考え付いたのが野菜のネット販売だった。
うまくいけば村人全員が潤う。軌道に乗れば外部から働き手が来て人も増えるかも。
しかし味は良くても見た目の悪い野菜は売れなかった。
期待が大きかっただけに村人の落胆は大きく、そこから了衛に対する嫌がらせが始まる。
我慢していた了衛が爆発したのは可愛がっていた犬のヨハンが殺されたか -
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中島みゆき「ファイト」
各章だても「ファイト」の歌詞が使われています。
幼稚園のお仕事小説と思いきや、後半はミステリーとしての真犯人が明らかになる物語
ストーリとしては、
埼玉の田舎の幼稚園教諭として採用された喜多嶋凛。
その幼稚園では、モンスターペアレンツがすべてを牛耳っていて、その理由は、16年前の連続園児殺害事件。それから保護者会には逆らえなくなってしまっている状態。
そんなモンスターペアレンツと対立しながらも、自分の理想を貫いていく凛。徐々に周りから認められていく、まさに幼稚園教諭としてのお仕事小説です。
そんな中、16年前の事件にフォーカスが当たっていきます。
16年前の事件とは? -
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ネタバレ『さよならドビュッシー』で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞するニ年前に、同賞で最終選考に残った作品です。
幾らか加筆訂正されているとはいえ、一気に読ませる筆力の高さは、既にこの頃からだったのですね。
流石という他ありません。
ミステリでありながらホラーの雰囲気を纏った作品世界は終始不気味で、読み進めるごとに緊張感が増し、不安感を煽られます。
更に、登場人物たちが抱える辛い過去の描写が、重苦しさや救いのなさを感じさせ、なんともやるせない気持ちになりました。
物語の終わりと共に、不穏な何かが始まることを予見させる結末も印象的で、その後がとても気になります。
『連続殺人鬼カエル男』で