中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
美しく青きドナウのワルツのメロディが一冊を通して鳴り続ける。
時に激しく、時に穏やかに。
限界集落、というと地方都市の端っこ、のイメージだが本作の舞台は東京の多摩地区。
高齢者たちしかいない7戸9人の地区。
Uターンしてきた了衛(りょうえ)を待ち受けていたのは排他的、高圧的、冷淡な地区の人々。
誰も彼もが癖のある。
はっきり言って登場人物たちは全員好きになれない。
主人公ですら。
だって朝っぱらからこれは良い曲だからといって、ワルツを聞かされるんですよ、そりゃ好きですよ、クラシック。
でも、自分が好きだからと言ってそこまでやるのはちょっと、ねえ。
冷たいかもしれないが、都会育ちの私には田舎 -
Posted by ブクログ
中山七里さんの作品は好きでよく読んでいますが、この作品は正直期待とは違う方向に行っちゃったかな、という感じ。そもそもの今作の背景にある原発問題にはいろいろ著者の思いもあるだろうし、その意図が理解出来ないわけではないのだが、もし政府主導で被爆住民を隠蔽するのなら、まさか地下鉄廃駅に住まわせるなんて荒唐無稽な策は仕出かさないだろう。架空の設定にしろ、もう少しリアリティを感じることができたら、もっと面白く読めたかもしれないが、あまりに非現実過ぎて、こっちが引いてしまった。
廃駅オタの主人公もオタク的なマニアックさはあまり感じられず、考えつくのは粗だらけの策ばかり。ヒーロー的な要素を全く感じられなかっ -
Posted by ブクログ
鉄オタの主人公が、工事を装い作業服を着て、密かに地下鉄の廃駅に潜り込むと、そこにはすでに100人もの住人がいた。拉致された主人公は特別住人となるのだが、実はこの人々はすべて同じ町の出身だったのだ。すると女性住人が殺される事件が起きる。しかも、彼女は現役の公安刑事で、どうも原発の事故が絡んでいるらしいのだ。
鉄オタの主人公が自分の知識を総動員して、住人のために動こうとするのだが…。
一体どうなるんだ、痛快な活劇が起こるのかと期待したが、そうでもなく終わってしまった。政府の原発行政への批判は分かるんだけど、それだけじゃあね。もっとダイナミックな動き、結末が欲しかったなあ。