あらすじ
警視庁一課の刑事、葛城公彦は平凡な青年。天才的な閃きにも鋭い洞察にも無縁だが、ガールフレンドの高遠寺円に助けられ、今日も難事件に立ち向かう。法律家を志望する円のブレーンは元裁判官の静おばあちゃん。最後まで予断を許さないストーリー展開で一気に読ませる痛快アームチェア・ディテクティブ連作。
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Posted by ブクログ
静おばあちゃんシリーズ?な短編集。
静おばあちゃんはあまり出ませんが、最後にバシッと決めてくれます。
さすがです!
どの話も面白く、そして最後の静おばあちゃんの秘密には驚きでした。
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タイトルのライトな感じから打って変わって、起こる事件はヘビーで多彩。
静おばあちゃんの鮮やかな謎解きも然ることながら、その言葉が心に響く。
現実世界で本当に起きた事件や事故などもストーリーの中に散りばめられていて、いろんなことを感じ考えさせられる。
文庫版の帯のキャッチそのままに、“暮らし系社会派ミステリ”、そして“驚愕のどんでん返し”だった。
はじめましての中山七里さん作品だったけれど、面白かった!他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
一つひとつの話が面白いのは言わずもがななのですが、最後にまいったと思わせてもらえるのが、もうすごい。
静おばあちゃんは、この後他の作品にもたくさん出てくるので楽しいですしね。
ほっこりします。ただあっさりと自宅から一歩も出ずに孫娘の円からの情報で、全部、名推理にはちょっと肩透かしを食らったなぁとも思いながら、でも円と葛城のコンビもすごくほんわかするので良い短編集だと思います。
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テミスの剣の登場人物の外伝的作品。
それぞれの短編が小気味良く進んでいき、主人公の葛城と円の関係性も温かみを感じる。
という感じで心地よく読み進めていったら、最後の最期で驚愕の展開!!
Posted by ブクログ
この表紙はなんだか中山七里先生の作品じゃないみたいと思わせておいて、読後はあぁ~やっぱこの表紙はこの作品によく似合うと思わせてくれました。静おばあちゃんと孫娘の円、葛城刑事もこれまで読んできた作品に登場してきたので、そこも得した気分にさせてくれます。特に、4話「静おばあちゃんの醜聞」は「テミスの剣」のことだなぁ~と!そちらも読んでいたので、いい感じにデジャブ感を味わえました。そうそう、イケメン犬養刑事もちょこっと登場します(^-^)
前置きでちょっと触れましたが、静おばあちゃんは日本で20番目の女性判事を務めた経験があり、孫娘の円は自分も法曹界で働きたいと大学で法学を学んでいます。そして葛城刑事は、誰からも好印象をもたれる人の良さそうで聞き上手の刑事です(ちょっと葛城刑事もいいかも♡)。葛城刑事が遭遇した事件に、円がアドバイザーとして参画する(実は静おばあちゃんの助言を得て)5編の短編集となっています。
それぞれの短編は、まぁまぁ…そうなるよね!みたいな感じだったんだけれど、エンディングでやられました!あと円と葛城刑事の恋路もまた新鮮で面白く読めました。
静おばあちゃんが、乱れた円の部屋を目の当たりにして注意する場面…
「本棚はその人の知性を、部屋の状態はその人の精神状態を表すのよ。この部屋の住人は精神錯乱なの?そんな風だから、あなたは鈍感で人を見る目も洞察力も半人前で」
これ…私のことを言われてるんじゃないかと思っちゃいましたよ(^▽^;)
Posted by ブクログ
タイトルの「静おばあちゃん」は『テミスの剣』の高円寺静裁判官。
ストーリーはともかく、『テミスの剣』を先に読んでいたからこそ、心に響いた静おばあちゃんの言葉。
「どんな行為にも言い訳がある。どんな人間にも正義がある。でも、それは本人以外の目で測ると歪んでいることがままあってね。しかも組織という枠組みの中にいるともっと頑迷に、もっと歪んでしまうの」
「正義というのはね、困っている人を助けること、飢えている人に自分のパンを分け与えること。定義なんてそれで充分」
「権力を握った人間は自分が正義だと思い込んで、その正義を揺るがすものを赦そうとしない」
「仕事の価値はね、組織の大きさや収入の多寡じゃなくて、自分以外の人をどれだけ幸せにできるかで決まるのよ」
退官して四半世紀以上、たいそうなお年のわりにしっかりしてらっしゃると思っていたら…
さらっと軽く読みました。
Posted by ブクログ
毎度おなじみ、どんでん返しの帝王
「中山七里」大先生の小説でございます。
今回ももれなくあります。大どんでん返し。
ぼくが80代であれば間違いなくラストの展開に
驚きすぎて心臓発作おこして天空へ飛び立ちます
Posted by ブクログ
安楽椅子探偵になるんかな?
中山七里さんの小説で、ちょこちょこ出てた女性裁判官。
引退して、孫と一緒に暮らしてる。
このお孫さんが、ちょっと捜査一課の刑事さんと知り合いで、たまにアドバイスする。
その刑事 葛城さん、まるで刑事に見えない。
犬養さんも、時々登場と。
短編集5つ!
事件解決は、
静おばあちゃん
↕︎
円ちゃん
↕︎
葛城刑事
のリレーで、解決!
やはり、お年寄りの知恵は大切!
更に、元裁判官ともなれば!
安楽椅子探偵って、現場に行かず、話などを聞いて事件を解決に導くんやけど、確かに、出来事を整理した上で、俯瞰できるかも?
現実には、そうあっさりいかんやろうけどね!
あれ?
得意の大どんでん返しないやん!
…
あったわ〜!
最後の最後に!
凄いのが!
それが、安楽椅子の真の意味か…
(*˘-˘人)゚.:。+゚
Posted by ブクログ
ヒポクラテスシリーズの合間に軽めそうなこちらを…とチョイスしましたが、侮るなかれ。
新興宗教、外国人労働者、冤罪逮捕、独裁国家etc.とバリバリ社会派中山節炸裂です。
静おばあちゃんが職を辞するきっかけの事件が語られていたり(詳細はテミスの剣)。
葛城刑事と円の恋の行方が書かれていたり。
オチには少し驚いてしまいましたが、大満足大満腹の一冊です。
Posted by ブクログ
これは、表紙から騙された。もう少しほんわかした事件をイメージしていたんだが…良い意味で裏切られた。高円寺静という名前に聞き覚えがあって、調べたらテミスの剣の裁判官とわかり鳥肌。そういえば冤罪の話で、おばあちゃんが後悔している判決がこれのことか。と繋がった。テミスの剣の再読をすることにする。
Posted by ブクログ
おもしろかった。読みやすい。
噂話を聞くだけで謎解きできちゃうような系でトントン拍子でどんどん展開していくから飽きない。
最後の最後にあんなおばあちゃんの秘密があるとは思ってなかったのでいい意味で裏切ってもらえた。
もっと読みたい。
Posted by ブクログ
すごく読みやすかった。
タイトルと装丁からは想像しないくらい
しっかり事件が起きる感じが驚きもありました。
最後は切なくなったけれどそれがなんとも言えない。
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旅のお供として。5編の連作短編集。若い刑事が女子大生に事件を相談して、女子大生が情報をおばあちゃんに伝え、おばあちゃんが安楽椅子探偵として推理し、事件を解決、というもの。民間人をそんなに現場に連れてっていいのかというのはあるけど、まぁフィクションですから。最後幽霊だしね。でも元裁判官のおばあちゃんがまたいいこと言うんだわ。ほんと円は厳しくも優しく育てられて良かったよ。静おばあちゃんは他の作品にも出てるそうだ。読んでみようかな。
Posted by ブクログ
中山七里の作品を複数読んでる人なら、どこかで出会ってるかもしれない、
高円寺静とその孫の高円寺円が事件を解決へと導く、5編の連作短編集。
主人公は警視庁の若手 葛城公彦。
事件を捜査するもうまくいかず、困ったときに高円寺円に意見を求める
ことになり、そこから事件解決へ向かう。
安楽椅子探偵と刑事もののミックスと言った感じ。
別作品が思い浮かんだものを紹介します。
この作品を読んでいて、2話は新興宗教に入信してしまった上司の娘を棄教
させるために、葛城が頼まれて遂行するも教祖の謎の出来事により、
高円寺円を頼ることになります。
この話は、ドラマがヒットしたトリックを彷彿とさせる内容で、
読んでいるとトリックをご存じの方は似てるのでオマージュかなって思うでしょう。
次に、4話ですが、冤罪がテーマになってます。
冤罪と言うキーワードでは、どうしても、スティーヴン・キングの名作で、
グリーンマイルと言う作品を思い出します。この作品は、1932年の大恐慌時代の
アメリカの死刑囚収容所とそれを語る現代の老人ホームが舞台となってます。
収容所にデカくて屈強そうな黒人が収容されるのだが、実は気弱で優しく、
謎を秘めていた・・・。と言った作品で感動と不思議なホラー系ファンタジー小説。
ところで4話はどういう内容なのってのは、読んでくみてださい(笑)。
全体的には、中山七里さんと言えば、どんでん返しの帝王ですから、
その通りの展開になると思ってください。さらに○○トリックがありますので、
そこもびっくりするし、最後は泣けるかもしれません。
Posted by ブクログ
中山さんこういうのも書けるのか。面白くて一気に読めた。ラストは予想外でちょっと驚いたけど。どの話もあとちょっとで解けそうな所までしかわからず。おばあちゃんのお説教は毎話自分も教えを請うように読んだ。そういえば裁判官が主人公の話って読んだことないかも。どういう思いで判決を言い渡しているのか知らず、新鮮だった。警察官の主人公・葛城も真面目で不器用だが憎めない良いキャラだし、続編も読まねば。
Posted by ブクログ
若手警察庁一課所属の葛城は事件を通して知り合い惹かれあい女子大生円と付き合う様になる。
彼女の洞察力で事件を解決していくのだが実は本当の名探偵は彼女と暮らす元裁判官のおばあちゃん。
最後にどんでん返しもあり楽しく読めた一冊。
続編が出ることを期待してます。
Posted by ブクログ
最後の第五話に静おばあちゃんの秘密が明らかになります。完全に油断していたので、衝撃でした。意外性という点では、同著者による「人面瘡探偵」に通じるものがあります。それぞれの短編もよくできており、オススメです。
Posted by ブクログ
読書録「静おばあちゃんにおまかせ」3
著者 中山七里
出版 文藝春秋
p90より引用
“「本棚はその人の知性を、部屋の様子はそ
の人の精神状態を表すのよ。この部屋の住人
は精神錯乱なの?そんな風だから、あなたは鈍
感で人を見る目も洞察力も半人前で」”
目次より抜粋引用
“静おばあちゃんの知恵
静おばあちゃんの童心
静おばあちゃんの不信
静おばあちゃんの醜聞
静おばあちゃんの秘密”
平凡な警察官と元裁判官とその孫を中心に、数々
の事件を解決する短編連作ミステリ小説。同社刊行
作文庫版。
同じ仕事仲間であるはずの警察官に怒鳴られて、
話を聞いていた部屋から飛び出した主人公の一人・
葛城公彦。仕方なく別の相手から先に話を聞くこと
にし…。
上記の引用は、とっ散らかった孫の部屋を見て
放った、主人公の一人・静おばあちゃんのセリフ。
物理的に片付けることで、見えない部分も片付いて
行くのかも知れませんね。
一つ一つの話が丁度よい長さで、気軽に読み進め
られる一冊。ミステリ好きな人には良い一冊です。
静おばあちゃんが少々説教臭い気がするので、その
辺が好みの別れどころかと思われます。
ーーーーー
Posted by ブクログ
読んでいて何度も赤川次郎さんの著作かと勘違いしそうになった。若い警察官とさらに若い一般人の女の子という組み合わせと、個性豊かでなぜか昭和を感じるキャラクター設定、割とぶっ飛んだ仕掛け、などが三毛猫ホームズシリーズを連想させるのかな…?
全体的に軽快な印象だけど、正義について、人を裁くということについて、などを深く考察できる一冊になっている。
Posted by ブクログ
元裁判官である静おばあちゃんが、五つの事件の謎を解く、安楽椅子探偵ものの連作短編集です。
タイトルと装画のイメージで、日常の謎を扱ったものなのかなと思ったのですが、内容は不可能犯罪を取り上げたものが多く、本格ミステリの雰囲気が感じられます。
設定は緩めながら、他人だけじゃなく自分にも厳しい静おばあちゃんのキャラクターは、中山さんのこれまでの作品に通じるものがありました。
最後に見られる趣向には驚きましたが、個人的にはサプライズなしのエンディングでも良かったような気がします。
Posted by ブクログ
タイトルと装丁からゆるい物語なのかな?って
思っていたけど、しっかりがっつり事件が起きて
満足のいく作品でした。
連作短篇集でラストには安定の驚きが。
マイルドな作品だなぁって読んでいたらちゃんと(?)
中山ワールドになっていたので良かった。
静おばあちゃんの鋭い言葉や、ぶれない芯の強い考え方、
だけどおばあちゃんらしい物事の考え方もするから面白い。
孫の円と葛城の恋路は必要だったのか?とちょっと思うけど…
静おばあちゃんは他の中山作品にガッツリでてくるのでそちらも要チェック。
Posted by ブクログ
靜おばあちゃん、カッコイイね。
法律家志望の円さんは、靜おばあちゃんの様なぶれない芯と考え方の柔軟さを受け継いで成長して欲しい。
最後のどんでん返しは、必要なの?
何かと繋がっているのか知らん。
Posted by ブクログ
この作品は所謂「安楽椅子探偵」ものだが、そこは流石の中山七里。普通の安楽椅子探偵ではない。
別のシリーズで主役になっている犬養隼人がちょこっと出たりしながら、こちらの主役は割とほんわかキャラクターで話が進んでいく。
作品全体としては普通の出来だが、最後の最後にファンタジー要素が飛び出してきたのは驚いた。
この作品は第二弾が刊行されているようだが、どうやって次作に繋がることやら…。それも楽しみに次作も読んでみたい。
Posted by ブクログ
正義感が強いけど、外見とその優しさから、冴えない警視庁刑事の葛城公彦。
その側で、手がかりを基に事件を解決に導く女子大生の円(まどか)と、その祖母静。
警察に手の余る難事件を、緻密な推理で解決していく爽快感と、2人の恋愛事情も入ってきて、とっても面白かった。
最後の出来事は、さすが中山七里さん~のどんでん返し~
Posted by ブクログ
面白かった
5編からなる短編連作ミステリー
一点だけ、最後の最後が自分としては気に入らないオチでした。
法律家を目指す静あばあちゃんの孫娘の円と葛城刑事が次々の難題を解決していきます。
■静おばあちゃんの知恵
組織犯罪対策課長が射殺体で発見。被害者の体内に残されていた弾丸は組対課長補佐の拳銃から発射されたもの。
犯人は課長補佐なのか?
■静おばあちゃんの童心
派手な服装をしている資産家の老婆が殺害。動機ある身内はみなアリバイがある。
そのアリバイは崩せるのか?
■静おばあちゃんの不信
新興宗教団体の教祖が死亡しながらも、死体が消失
教祖が蘇るとのこと。
密室からの死体消失の謎を解きます。
新興宗教にのめりこむ上司の娘を救い出すことができるのか?
■静おばあちゃんの醜聞
クレーン操縦者がその運転室で殺害。実質密室な状態でどのように殺害されたのか?
ここでは、冤罪について語られ、「テミスの剣」での自身の判決についてのエピソードが語られます。
■静おばあちゃんの秘密
独裁国家の元首が厳重な警備のホテルの部屋で銃殺
これまた実質密室状態の中で、どのように殺害されたのか?
全編を通して、静おばあちゃんの法律に対する想いが伝わる物語となっています。
さらに、円の両親の交通事故の真相にも迫ります。
いわゆる謎解き系なので、謎解き好きな方にはお勧め
しかし、残念なのが最後のオチ
このオチは嫌いです。
「テミスの剣」を読んでから、本書を読むのがお勧めです
Posted by ブクログ
表紙からして軽いタッチのコージー ミステリーかと思いきや結構シリアスな事件だったりして予想外。テンポよく謎解きされていくからすぐに読める。連続ドラマ化されそうな感じ。最後の最後にファンタジー要素もあったのかとまた驚き。著者の幅広い作風にも驚いた。