中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中山七里さんの作品は好きでよく読んでいますが、この作品は正直期待とは違う方向に行っちゃったかな、という感じ。そもそもの今作の背景にある原発問題にはいろいろ著者の思いもあるだろうし、その意図が理解出来ないわけではないのだが、もし政府主導で被爆住民を隠蔽するのなら、まさか地下鉄廃駅に住まわせるなんて荒唐無稽な策は仕出かさないだろう。架空の設定にしろ、もう少しリアリティを感じることができたら、もっと面白く読めたかもしれないが、あまりに非現実過ぎて、こっちが引いてしまった。
廃駅オタの主人公もオタク的なマニアックさはあまり感じられず、考えつくのは粗だらけの策ばかり。ヒーロー的な要素を全く感じられなかっ -
Posted by ブクログ
幼稚園で幼児らを惨殺した直後、自らに覚醒剤を注射した〈平成最悪の凶悪犯〉仙街不比等。彼の担当検事になった天生は、刑法第39条によって仙街に無罪判決が下ることを恐れ、検事調べで仙街の殺意が立証できないかと苦慮する。しかし取り調べ中に突如意識を失ってしまい、目を覚ましたとき、目の前には仙街の銃殺死体があった。指紋や硝煙反応が検出され、身に覚えのない殺害容疑で逮捕されてしまう天生。そんな彼を救うため、あの男が帰還する!
岬洋介シリーズ七冊目(要介護探偵含め)いよいよもってオールスターキャスト。今回のタイトルが作曲家シリーズじゃないのはそういう意味での特別編なのかな?能面検事も含めて中山先生の本を読 -
Posted by ブクログ
鉄オタの主人公が、工事を装い作業服を着て、密かに地下鉄の廃駅に潜り込むと、そこにはすでに100人もの住人がいた。拉致された主人公は特別住人となるのだが、実はこの人々はすべて同じ町の出身だったのだ。すると女性住人が殺される事件が起きる。しかも、彼女は現役の公安刑事で、どうも原発の事故が絡んでいるらしいのだ。
鉄オタの主人公が自分の知識を総動員して、住人のために動こうとするのだが…。
一体どうなるんだ、痛快な活劇が起こるのかと期待したが、そうでもなく終わってしまった。政府の原発行政への批判は分かるんだけど、それだけじゃあね。もっとダイナミックな動き、結末が欲しかったなあ。 -
これは
これはミステリではなくギャグです。
リストラされた自称エリートの主人公が面白い。
限界集落の老人たちが閉鎖的なのはわかるが、主人公のトンチンカンな行動が笑える。
リストラされた時点で自分の能力を知ればいいのに、能力もないのに余計なことをして村八分。
唯一愛犬が殺されてしまうところは可哀想だったが、それ以外は自業自得でしかない。
最後に能見が主人公を評しているがその通り。
了衛さん!リストラされたらとりあえず再就職からスタートですよ。