中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
公安のエリート刑事の息子がイスラム国のテロリスト募集に志願した、という作品の舞台設定は異色ですし目を引きます。
せっかく「公安警察」というあまり表舞台に出てくることがないキャラクターだったので、もう少し普通のミステリ作品と違う展開を期待していたのですが、少し物足りない印象もありました。
作中では、数年前に日本人がイスラム国に殺害されたという経緯もあって、志願者の息子だけでなく家族までもが「非国民」と国民全員から(それこそテレビや新聞、SNSで)バッシングを受ける様子は昨今のネット炎上を正しく描いているように思いますが、読んでいて楽しい場面ではありませんでした。主人公は職場でも自宅でも居場所がなくなり肩身が狭い思いをしますし、妻の憔悴ぶりも見るのがつらいです。
ミステリ作品としてはラストに向けた「どんでん返し」も伏線を改修したというよりも唐突だ、という感じがしました。「家族の再生の物語」として読むと、また違った印象になるのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
中山作品は「さよならドビュッシー」ともう一作以降追ってなかったので、10年ぶりに手に取りました。面白くないわけじゃなかったのに、何となく追わなくなっちゃう作家さんってミステリに限らず時々いるよね。まあ単純に私のアンテナの問題なんだけど…。
だけど今作は!
久しぶりの想定外の装丁買いです!(嬉
というのも、YouTubeで「ほんタメ」っていう「本のエンタメ」に特化したチャンネルに出会って、久しぶりに読書熱が高まったんですよね。MCの1人であるたくみさんがめちゃくちゃミステリ推してて、よっしゃ久しぶりに読みたくなったぞ〜!って思わせてくれて、もう本当に感謝。動画もいいけどさ、やっぱ本はいいね…。
閑話休題。
本作を購入したのは、そんなほんタメに背中を押されたお陰でもあるんですが。
石に眼球が埋め込まれた装丁が平置きされてたから、もう買うしかなかった(物騒
「人面瘡探偵」
「絶海の孤島で密室殺人」
そんなん買うしかないじゃない(大事なコトなので2回言う)。
本作のテイストを一言で言うと、
「すーごい読みやすくなった横溝ワールド」
です。
排他的な島民、アクセスの悪い孤島で起こる連続殺人、一族の遺産争い、胡散臭い隠れ財宝の伝説…。
めちゃくちゃ古風な要素てんこ盛りなのに、読み心地は終始軽い。良く言えばスルスルと読み易いんですが、言葉を変えれば横溝なおどろおどろしい雰囲気を期待して読むと肩透かしを喰らいます。
容疑者が少なくて、早々に犯人に検討が付いたのもちょっと残念。寡黙な使用人とか、正体不明の謎の人物とか、無駄に装飾過多なキャラがいたら最高だったな(めんどくさいミステリ読み
それでも、久しぶりにミステリミステリした(?)ミステリを読めて大満足。
不穏なエピローグも、大団円では終わらせません次巻乞うご期待!なサービス精神に溢れてて最高でした。
とりあえず一作目読むべ…。
【内容まとめ頑張った】
財産の鑑定を行う為に長崎の小島、仁銘島こと通称「人面島」に派遣された三津木六兵(ヒョーロク)。権力者である村長が死亡した島では、村長の息子達による権力争いが始まらんとしていた。そんな中、宮司の継承の儀式が行われるが、その最中に儀式を行っていた長男が何者かに矢を射られて発見される。現場は密室。動機を持つ一族達には、「儀式の進行を見守っていた」という鉄壁のアリバイがあった。
そして折しも島を台風の猛威が振るう中、第二・第三の殺人が起こる。
お人好しの鑑定士ヒョーロクと、彼の肩に取り憑く人面瘡ジンさんが、隠れキリシタンの財宝が眠る島で起こった連続殺人に挑む! -
Posted by ブクログ
ネタバレ発想が突飛すぎると酷評もされる本作だが、「地下の住民」たちの生活が、原発事故の被害者であり、政府の隠蔽工作を無理強いさせられたことに端を発していることで国や政治の勝手さを実感させる内容となっていて、主人公の地上での「生活保護受給者の申請の審査」という仕事の無慈悲さとの類似性も相まっておもしろい。ただ、主人公のみならず同僚や地下住民たちが損得勘定抜きで全員が正義感ありの自己犠牲の精神を持っていたり、たまたま鉄道マニアの集まりの中に味方になってくれる警察がいたりなど都合が良過ぎる部分がちらほらあった。しかしそういうところの助けもあってか後半からのスピード感は読んでいて心地よかった。