あらすじ
幼馴染の美人双子、優衣(ゆい)と麻衣(まい)。僕達は三人で一つだった。あの夜、どちらかが兄を殺すまでは――。十五年後、特捜検事となった淳平は優衣と再会を果たすが、蠱惑(こわく)的な政治家秘書へと羽化した彼女は幾多の疑惑に塗(まみ)れていた。騙し、傷つけ合いながらも愛欲に溺れる二人が熱砂の国に囚われるとき、あまりにも悲しい真実が明らかになる。運命の雪崩に窒息する! 激愛サバイバル・サスペンス。
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中山七里先生の作品なんだよね?って、そんな印象をもってしまった作品でした。いろんなことが目いっぱい詰め込まれた感じで…でも、読み始めると止まらなくなっちゃうんですよね~!
冒頭、いきなり双子の姉妹の八重樫麻衣と優衣、ふたりと幼なじみの神川淳平とのお医者さんごっこから始まるんです!なんか、違う…!そんなふたりが暴漢に襲われるのを目の当たりにした淳平は、ふたりが受けた額の傷を聖痕(スティグマ)と認識しこれからもふたりは自分が護ると決意します。そんなある日、双子の姉妹のどちらかが兄を殺害する場面を目撃します。翌日発生した阪神淡路大震災により、家族を亡くした淳平と優衣…ふたりが再会するのは16年後、淳平は東京地検特捜部の検事、優衣は是枝議員の私設秘書になっていた…。
何だろ、スケールがどんどん大きくなります…。2つの大きな震災と、義捐金詐欺、テロ……目白押しです。淳平と優衣が被災してその後どんな風に生きてきたのか、そこも知りたかったです。エンディングが悲しすぎますが、「総理にされた男」とリンクしてるんですよね?でも、そろそろ他の作家さんの作品も読みたいので、そのうちに読むということにしましょう(^o^)/
Posted by ブクログ
本作の特徴は、前半は淡い恋愛模様、中盤にかけては
犯罪の匂いが漂いだし、最終局面では政治も絡んだ愛憎渦巻く刑事ものに豹変していきます。
読む手が止まらないとはまさにこのことだな、と。
純粋で真っ白に澄んでいたものも、たった一つの出来事をきっかけにその色を濁していく。本質は変わらないとしても本質をとりまく自分がそうなっていく。
大切なもののためであれば、なんでもできてしまうのが人間のストロングポイントではある。それが例え、世間一般で許されないと分かっていることでさえも。
読むたびに切なくて切なくて、でもなぜか主人公やヒロインに感情移入して、同情したり、嫉妬したり憎んだり、+にも-にも感情を揺さぶられる作品でした。
読めてよかったし、読んでしまった。そう思いました。
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「総理にされた男」を読んだ時のコメントで、本書と内容がリンクしてますよって教えて貰って、一気読みしました。こちらは、ミステリーっていうかサスペンス。両方を一度に構想した筆者はすごいです。
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双子の美人幼馴染に振り回される主人公の板挟み三角関係を描いた厨二設定の青春ラブストーリー。へぇ、こんなのも書くんやと思って読み進めるとそんなわけ無かった。
大人になって急激な路線変更。
この作者は主人公を虐めるのが上手い、どうすれば困るのか、どうすればもっと苦しめられるのか。
これでもかと言うほど辛い展開が主人公を待ち受ける。
それに反する様に時折織り込まれる生々しいエロ展開。
冒頭のお医者さんごっこは電車の中で読んでいて気まずかった。
ラストの種明かしは流石の七里。
僕の人生の作者がこの人でなくて良かったと本気で思った。
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阪神大震災か…
更に、東日本大地震まで…
阪神大震災の方が地元なんで印象には残ってる。自身は、そう被害はなかったけど、知り合いにはね。
当日も、JRは完全ストップやったけど、京阪とか私鉄動いてて、JRで動けんようになった。電話も「ツー…ツー…」だけでサッパリ繋がらんかったな…
これ以上はないと思ってだけど、東日本のは、それを遥かに…あの津波…
幼馴染の双子の姉妹と主人公、西日本大震災で、唯一生き残った2人も離れ離れに…
10年以上経って偶然に、でも、お互いの立ち位置が…
敵同士みたいな…
実は、思ってた姉妹の方ではないというオチかと思ってだけど、そういうのやなかった…
こんなに長い時を隔てて会えたのに…
小さい時から、ずっと守ったるって誓ってたのに…
何か切ない…
なかなか、関西弁いけてた〜
Posted by ブクログ
最近読んで面白かった「総理にされた男」と関連がある、と書かれていたので読んでみました。
「月光のスティグマ」
「総理にされた男」は、難しい政治の話を扱ってはいるものの、ただ総理に似ている、というだけの一般人が総理としとして政治を「市民感覚で」動かしていく、という、ちょっとコミカルな部分のある作品だったので、こちらもコミカルな作品なのだろうと思って読んだら、いやいや、違いました。
なかなかハードなサスペンスものでした。
美しい双子の姉妹、隣に住む純粋な少年。主人公は純粋な少年・淳平。恋愛感情なのか兄妹のような感覚なのか、淳平は双子の姉妹を「護る」と純真に思っていた。
そこに襲い来る阪神淡路大震災。離れ離れになった幼なじみが、大人になって互いを警戒し合う立場として再会する。
子供の頃の、あの出来事はなんだったのか?
再会した彼女は双子のどっちなのか?
そして、彼女が信じているあの政治家の裏は?
いったい、どんなふうに進むんだろう、何がなんなんだろう、どういう決着がつくんだろう?と思ってハラハラと読んでいたら、最後の最後に、「総理に〜」にも出てきたあの事件が!!!!!
いやー、これまた一気に読んでしまいました。
面白かった。
※p.s.
震災の章のあたりでは、ちょっと東野圭吾さんの「幻夜」を思い出していました。「白夜行」と「幻夜」。どちらもすごい小説だったけど、実は私は、あの小説の中に出てくる《悪意》の感じが苦手だったので、もしかしたら、そんな感じの嫌な小説になるのかと思ったけれど、これ大丈夫でした。よかった。
そして、「総理に〜」のあの章と、こっちのあの章を少しずつ時間経過に合わせて読み進めてみました。面白かった。
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読む手が止まらず、一気読み。
著者の作品は好んで読んでいるが、少し珍しいタイプのように感じた。
展開が突然過ぎて、置いていかれそうになったが、満足した。
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阪神淡路大震災、東日本大震災。
多分、多くの人達の人生を変えてしまったでしょう。
淳平には一卵双生児の優衣と麻衣という幼馴染がいました。
幼い時、不審者に傷付けられた彼女達を守れなかったという後悔があり、彼女達を絶対守ることを決意します。
しかし、ある夜、廃工場で双子のどちらかが兄を刺すのを目撃した淳平。どうするべきか対応を翌日まで持ち越したのですが、早朝、地震が起きて ―― 。
震災の時、優衣を助けた淳平。助かったのは二人だけで、まだ中学生だった二人はそれぞれ親戚に引き取られます。
大人になった二人は、特捜検事と政治家の私設秘書として再会します。
恋愛が前面にでてくる著者の話は珍しい気がしました。
やっぱりミステリーの方がキレがあって好きです。
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政治とカネというある意味タブー視されている問題を予想外の角度から切り込む作風は読んでいて面白かったです。
ただ、内容が急発進気味に感じました。
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物理の本を読んでいたら疲れ、本棚を見上げたら中山七里の本が目に入ったので読みました。数年前に読んだ本なのに、読み進めても筋を思い出さないので、それなりに面白く読めました。阪神大震災と東日本大地震の両方にまたがるストリーなのであるが、災害支援の非営利法人を利用した瀆職が絡んでゆく。
この作者はサスペンスというよりストーリーの奇抜さが売物なので、飽きませんが、そのストーリーにリアリズムがないのですぐに忘れてしまうのだ。
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双子の美人姉妹と主人公の幼い頃の恋愛(初恋)、震災の恐ろしさ、主人公の兄殺しの犯人(双子の姉妹のどちらか)、特捜検事としての潜入捜査(ある政治家の資金集めについての証拠集め)、その資金集めに秘書として加担する初恋相手、その政治家と初恋相手の不倫関係への嫉妬、テロの恐ろしさ、と一つの話に盛りだくさんだった。
キレイな話じゃないけど、その分リアリティがあった。大人の男と女ってお互いに打算もあるし、その中に純粋な恋愛感情や尊敬の念もあるし、白黒はっきりする関係だけじゃないよなーというリアリティとか。震災やテロリストと遭遇してしまったときのリアリティとか。
最終的に全部が回収されてスッキリして、読み終わってみれば面白かったなと思えるけど、再読はしない。
売る
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解説に書かれている『行き先不明のミステリートレイン』がピッタリだ。
まさかこんな結末になるとは、誰も予想できないのではないだろうか。
殺人、震災、政治問題、盛りだくさんの内容のサスペンス小説を堪能できた。
スティグマとは、社会の多数者が少数者に押し付けたネガティブな刻印のことである。(409ページ 解説より)
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今まで読んだ中山作品の中では個人的には響いてこない、というか入り込めない一冊だった。
地震の描写が多く、気持ち的に怖くて入り込んで読めないのも一因だったかも。
主人公の淳平は、強い心を持って最後までブレないかっこいい人だったが冷静に見ると振り回された感は否めない。女は怖い。
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ミステリーではなく社会派小説。
二度の震災を経験した男女の数奇な運命。双子姉妹に翻弄された男のけじめ。
なかなかの考えさせられるストーリーだが、一気読みしてしまう。この作者の小説を読んで間違いはない。
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現実の出来事とリンクしているのは良かった。でも途中で双子が関係なくなっちゃったり、ずーっと気になってたことが、最後に取ってつけたように明かされたのはどうなんだろうと。ちょっと期待の方が大きすぎたのかもしれません。
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3.11くらいまでは面白くよめたがその後の展開がこれじゃない感がすごい。何が書きたかったのかよく分からん展開だった。すごく面白そうな展開だったのに残念。
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一人の少年と美貌の双子。
三角関係でもつれる系のサスペンスかと思ったけど、やっぱり違った。
恋愛要素強めの社会派ミステリーで、真相の解明がどうでもよくなるほど緊迫した展開の連続だった。
他作品とリンクする部分もあり、「これあの場面だ!」という楽しみ方ができるのも良かった。
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話がぶつ切りで、いまいち入り込めない。もう少し一つの出来事を掘って欲しかったかな。どんでん返しと帯に書いてあったけど、伏線は特に張られていなく、新しい事実が出てきただけ。それはどんでん返しなのか?
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読み終わってみると、主人公不運過ぎないか?と思う程色々な出来事が起きていたけど飽きずに読めた。
いつもと比べて読んだ後のスッキリ感はない気はするけど面白かったです。
Posted by ブクログ
いつもの中山七里さんの作風とは違う感じ
官能的シーンもあり
お互いを愛し続ける幼馴染み同志
変質者の殺人未遂事件、阪神・淡路大震災、東日本大震災、政治資金横領、海外テロ。。。
次々と主人公とその彼女(幼馴染の一卵性双子の妹)が巻き込まれていく
主人公が阪神・淡路大震災の時に助け出せたのは一人だが、姉か妹かわからない
これはもしかしてデビュー作『さよならドビュッシー』の火災時再来か?
助け出されたのは姉?妹?どっちだ?!
不謹慎だが妹であって欲しい気持ちと、物語的には姉であると面白いかもという気持ちを持ち合わせていたが、最後ハッキリわかる
あと『総理にされた男』と話がリンクしている所があったので嬉しかった(*^^*)
Posted by ブクログ
イベント満載のストーリ展開!
最後はテロに巻き込まれるところまで行きますが、この展開はびっくり(笑)
エンターテイメントストーリとして楽しめました。
ストーリとしては、
幼馴染の双子姉妹の優衣と舞衣。あまりに似ているため、淳平以外は見分けがつかない。
そんなとき、どちらかが淳平の兄を殺すのを淳平が目撃。
そして起こる阪神大震災。
淳平が助けることができたのは優衣。しかし事件の事も聞けず離ればなれに。
15年後、特捜検事となった淳平は政治家の是枝をマーク。NPO法人を隠れ蓑に不正な金の動きが..
NPO法人を調べるうちに、是枝の秘書として優衣と再び出会うことに。
優衣への想いを持ちながら、是枝の金の流れを追う淳平。
そんな中、今度は東日本大震災が発生。
是枝のNPO法人は義捐金を政治裏金に..
そして、隠し口座を追うため、アルジェリアへ。
しかしここで、テロに巻き込まれてしまう優衣と淳平。
二人はどうなる?助かるのか?
不正を暴くことはできるのか?
って、兄を殺したのは誰?っていうのも忘れずに..
といった展開で、
幼馴染の殺人事件、震災、義捐金詐欺、政治家、テロ
とテーマ満載です。
なんともスケールがでかい話となりました。
兄を殺した犯人追求よりも、是枝の不正を追及していくストーリ展開がメインです。
楽しめました!
Posted by ブクログ
ごりごりミステリーの大どんでん返しだと思い込んで読んでたのでアレ?っとなって終わった(思い込み良くないね)
是枝に心酔している人たちの都合のいい盲目さにムカムカした
淳平に知られたくない、怖いという気持ちは分かるし、是枝に対する優衣の心情も分からなくはないけど、淳平のことをもっと信頼していてほしかった
少しガッカリしてしまった