【感想・ネタバレ】セイレーンの懺悔のレビュー

あらすじ

マスコミは人の不幸を娯楽にする怪物なのか。

葛飾区で女子高生誘拐事件が発生し、不祥事により番組存続の危機にさらされた帝都テレビ「アフタヌーンJAPAN」の里谷太一と朝倉多香美は、起死回生のスクープを狙って奔走する。
しかし、多香美が廃工場で目撃したのは、暴行を受け、無惨にも顔を焼かれた被害者・東良綾香の遺体だった。綾香が“いじめられていた”という証言から浮かび上がる、少年少女のグループ。主犯格と思われる少女は、6年前の小学生連続レイプ事件の犠牲者だった……。
マスコミは、被害者の哀しみを娯楽にし、不幸を拡大再生産する怪物なのか。
多香美が辿り着く、警察が公表できない、法律が裁けない真実とは――
「報道」のタブーに切り込む、怒濤のノンストップ・ミステリ。

※この作品は単行本版『セイレーンの懺悔』として配信した作品の文庫版となります。

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Posted by ブクログ

民放テレビ局の若手報道記者の女性が主役の一作。
報道という業種がどうあるべきなのか、実情がどうなのか、世の中からどのように映るのか、様々な視点や理念が交錯する内容。
末尾の、池上彰の解説が臨場感あるうえに、作品と解説者の親和性が高い。

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2024年11月10日

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ネタバレ

作品の序盤から中盤にかけての朝倉多香美の態度はいくら本人の背景が黒くとも受け入れることはできない。だが、終盤はどこか受け入れている自分もいた。リポーターとして成長していく姿は嬉しかった。
個人的な感想ではあるが、やはりマスコミというのは人の不幸に群がる存在だ、というイメージは変わらない。
タイトルの“サイレーンの懺悔”か意味するのは朝倉さん達マスコミに対するメッセージであるのは間違いないが、あの母親に対してのメッセージでもあると感じた。

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2024年08月29日

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面白かった。この本とは脱線するけど、いつか現実世界でマスコミが◯人事件に巻き込まれるとかあると思う。それくらいやばいと思うことがある。

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2024年07月25日

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他人の不幸は蜜の味。
先人の言葉には頭が下がります。
目的と覚悟はすごく重要で大切なものだと思います。
自分の行動や言葉には責任と覚悟を持ちたいです。
全てのものに疑い、ひとつの方向からではなく多方面から考え自分をも見つめて答えをだす。
改めて、中山七里さんはさすがです。

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2023年11月20日

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マスコミを題材にしたミステリー。大誤報からの事件の真相までが面白かったが、真犯人は途中から予測出来てしまった部分もある。話が進む中で若干のマスコミ批判をしている感じも面白かった。中山七里さんのミステリーは真相に迫る過程も面白いですし、今後、他の著作も読んでいきたいと思う。

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2023年04月16日

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キャスターの多香美の視点で物語が進みます。それにしても中山先生の作品の多様さにはいつも驚かされます。キャラクターたちを通して、メディアに対する提言を行っているようでした。どんな仕事でも誤ちを認め、その後の真摯な行動が大切だということですね。ちなみに宮藤刑事は「スタート」でもスポット出演していましたね。個人的には里谷のキャラが1番好きでした。ああいう先輩でありたいですね。

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2023年03月05日

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今回の主人公(テレビ番組レポーター)には共感できなかったし、全体的にストレスを感じる展開であった。
最後の喫茶店に関するやり取りは、ほっこり。

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2025年10月25日

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マスコミの誤報がテーマの作品
朝倉さんの成長がみられてよかった。
上司の里谷さんの安心感が半端なく、理想の上司像だった。
誤報からの真犯人逮捕までは少し無理矢理な感じもしたが、マスコミの世界観に少し触れることができた気がする。

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2025年07月18日

Posted by ブクログ

マスコミの報道部は大変だと思います。
新人の主人公の成長していく姿が自然であり、どんでんもあり、大変満足いきました。
解説が池上さんな所も良かった。



マスコミは人の不幸を娯楽にする怪物なのか。

葛飾区で女子高生誘拐事件が発生し、不祥事により番組存続の危機にさらされた帝都テレビ「アフタヌーンJAPAN」の里谷太一と朝倉多香美は、起死回生のスクープを狙って奔走する。
しかし、多香美が廃工場で目撃したのは、暴行を受け、無惨にも顔を焼かれた被害者・東良綾香の遺体だった。綾香が“いじめられていた”という証言から浮かび上がる、少年少女のグループ。主犯格と思われる少女は、6年前の小学生連続レイプ事件の犠牲者だった……。
マスコミは、被害者の哀しみを娯楽にし、不幸を拡大再生産する怪物なのか。
多香美が辿り着く、警察が公表できない、法律が裁けない真実とは――
「報道」のタブーに切り込む、怒濤のノンストップ・ミステリ。

※この作品は単行本版『セイレーンの懺悔』として配信した作品の文庫版となります。

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2025年01月19日

Posted by ブクログ

マスコミの態度にイラっとしながら読んだ。
週刊誌の記者をしてた人に話聞いたことあるけど本当に病んでしまうらしい。
だからマスコミに携わる人って信念がなきゃ絶対無理なんだと思う。
人の心理は多層的だからこそ、一部分だけ切り取って伝えたところでなんの意味もない。
そこを大事にして、偏らず人を理解できるように伝えたいと思う人のが多い世界だと信じたいな、と思った。てか報道とかみないし読まないけどな!
パイセンと刑事の中身がイケメンだった。

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2024年11月09日

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ネタバレ

オーディブルにて。

今回は報道の仕事に携わる立場からの物語。
本当に中山七里さんは医療、弁護士、検事、報道、警察など色んな仕事での問題を切り込んで書けるのが凄い。
10年前ぐらいに発行されている本だけど、今でもマスコミのあり方というか問題って変わらないよなーと思いながら。
真っ直ぐな主人公の人柄と周りで支えてくれる人が魅力の物語でした。

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2024年10月26日

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女子高生誘拐殺人事件を、刑事でも、当事者でもなく
マスコミの記者が追いかけていくお話です。

マスコミならではの視点、葛藤などが表されていて
面白さを感じました。

個人的にはあとがきの池上彰さんが良かったです。

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2024年09月10日

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 ジャーナリストの苦悩を具体的に理解をさせて頂きました。人を責めるのでなく行為を憎むと思っていても視聴の数値は情け無用の誹謗中傷が引き上げる。そんなジレンマをまといながら視聴者のための言葉をもぎ取る。そんな時に立ち返るのは、原点。選んだ道の原点、間違った時の起点となる原点、絡み合った推測を紐解いたら辿り着く端点。改めて現認することで判明する無二の真実。新人の足掻き苦しむ過程が短時間で成長される様を見せて頂いた。
 解説は池上彰さん。言わずと知れたお茶の間のの教授だ。世の事なら何でも分かりやすく解説してくれる。そんな万能な先生も朝倉さんと同じ経験をなさって悩まれた。倫理観が保たれる範囲で知る権利と伝える義務を果たして、忌々しい事件が未然に防げると良い。何をしても誹謗中傷が蔓延としている今、発信者が懺悔する時が訪れるのか?悔やんで且つ前進してほしい。

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2024年09月05日

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朝の情報番組は「めざましテレビ」派ですが、特殊な事件、事故、災害などが起きた場合は数分おきに他の情報番組やニュース番組に切り替え様々な情報を得ようとします。番組により基本は同じ内容でも切り込みかたや、微妙にニュアンスの違った報道の仕方などがあるので。そういうテレビの報道番組制作の裏側を書いたのがこの作品。主人公の多香美が、ある事件のスクープを追いかけ、何が真実かを追い求め、成長してゆく物語。報道番組を視るものを惑わせるセイレーンに見立て比喩しているが、今の時代SNSなんかがそのもっともたるものではないか。

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2024年09月01日

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相変わらずの筆力で、ぐいぐいと物語に惹きこまれる。

中山七里作品、ここでは終わらないだろう、と思いながらも、最後の最後に明らかにされた事実に衝撃と、哀しみが…。

どこまでも読者の想像の上をいく展開にはいつも驚かされる。

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2024年05月26日

Posted by ブクログ

中山七里は「デミスの剣」で誤認逮捕・冤罪を書いたが、本作ではマスコミによる「誤報」がテーマだ。
「テミスの剣」では過ちを犯した刑事と判事は生涯重い十字架を背負っていく決断をする。ところがマスコミは誤報に関しては謝罪もせず、責任者ではなく現場のクビが飛ぶだけでとても内容に見合った罰を受けているとは思えない。

私個人はマスコミは一部の人を除いてクズ揃いだと思っている。大衆の野次馬根性を満たすために手段もモラルも問わない取材をしておきながら、自分たちがクズだと自覚していればまだしも、「報道の自由」「大衆の知る権利」「社会の木鐸」などと声高に叫び正当化する姿を見ると反吐が出る。殺害された被害者家族に対して「どんなお気持ちですか?」とテレビなどで記者が聞いている映像はいつ見ても胸糞が悪くなる。

では報道は、ジャーナリズムは不要か。そうは思わない。毎日世界で何が起きているかは知りたい。ただし客観的な事実のみを伝えてくれればそれで十分だ。

対象となった人の人生を狂わせ生殺与奪の実質的な権利を持っているという観点では、警察も法曹もマスコミも同列ではないだろうか。法曹は最高レベルの難関な試験をクリアして資格を得ている。警察官も試験に合格し厳しい長期間の教育を受けて初めてその資格を得る。同様の「人の人生を奪う」チカラを持つマスコミが無試験・無資格なのはどう考えてもおかしくないか。
ジャーナリストは難易度の高い試験と厳しい研修を受けた者だけを有資格者とし、通常の報道は人を介さず、進歩しているAIに客観的な事実だけを報道してもらえれば十分だと思うが如何だろう。

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

新米報道テレビの女子社員、その部のエース、切れ者刑事。

マスコミとは刑事とは、被害者、加害者、さまざまなな視点で読み進めていける。
間違えても謝って初めからやり直す、
初心を忘れない。

真犯人。さらに事件を引き起こした原因、とられない電話。
最後の最後まで読み切って、スッキリしました。

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2023年10月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ある女子高生の殺人事件を舞台にマスコミ(報道番組)視点でストーリーが展開される。
主人公の朝倉は報道番組に携わるテレビ局入社2年目の女性で、この事件を取材する上で自分の仕事の存在意義が問われる。
警察の宮藤には
・「警察は被害者とその家族の無念を晴らすために働いている。マスコミは不特定多数の鬱憤を晴らすために働いている。」
・「警察が追っているのは人ではなく犯罪つまり、法を犯したのは誰かを特定している。マスコミが追っているのは憎悪の対象だ。」
・「マスコミはセイレーンのようだ。視聴者を耳触りの良い言葉で誘い、不信と嘲笑の渦に引き込もうとしている。」
など厳しい言葉をかけられる。また、その中で朝倉は誤報で冤罪を引き起こしてしまう。その時に先輩の里谷は責任を取って異動させられてしまう。
「マスコミは謝罪しない。普段政治家や官僚を非難し、誤りを正す立場にある。その立場にいる人間が謝罪なんかしたら沽券に係わる。権力者を追求する資格を失ってしまう。反権力を気取りながら自らの権力は手放したくないだけだ」
報道の現場に残った朝倉は謝罪をすることも許されず、誤報の原因究明を進め、事件の真相に辿り着く。
マスコミの在り方についても、
「誤った報道は直ちに訂正され、誤報は直ちに訂正するべきです。権力を手にしていても権力に阿ることがないように自らを律していく。」
と決意を誓った。

私も2年目の社会人で同じような立場だが、自らの仕事の意義を深く知ろうとし、プロフェッショナルであろうとする彼女の姿勢が格好良く感じた。
また、先輩の里谷は宮藤にマスコミという職業に対して厳しいことを言われたときに、
「その道に進もうと思ったきっかけを思い出してみろ。いったいなぜ自分がその仕事をしているのか。この世界で何を実現したかったのか。それを思いだせ。」
という言葉をかけてもらっている。後輩をここまで思いやれる先輩になりたいと思う。

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2023年08月05日

Posted by ブクログ

「悪い事したら謝る!」って親からは教えられ、
「ごめんで済むなら警察はいらない!」とも言うのに、謝らんのか…この業界、マスコミは!

確かに野次馬根性で観てる、こっち側に責任がないとは言えんけど…
ニーズに応えんと企業としては成り立たんしね…
今は、テレビだけやなく、ネットニュースが蔓延る世の中。
誤報というのは、間違いやけど、フェイクニュースという意図的なのもあり、混乱の極み!

間違いはあるけど、キチンと謝罪して、本来の使命でもある権力者への監視の役割を果たして欲しい!

中山七里さん!
相変わらずのどんでん返し!
楽しめました〜!

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2023年06月03日

Posted by ブクログ

迷ったとき、わからなくなったときは、原点に立ち返る。すると、自分が本当にやり遂げたかったことはなんなのか、思い出すことができる。

たかみさんは、こんな言葉を掛けてくれるいい先輩と一緒に仕事ができて幸運です。


真実は水面には映らないんだなぁ、と、改めて想像力を働かせることの大切さを感じた

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2022年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

経験の浅い若手記者、朝倉多香美の行動から報道があるべき姿を訴えるストーリー。
ある女子高生誘拐事件が日を追うごとに様々な真実が浮き彫りにされ、最後は殺害された女子高生:綾香が不憫に思えてしまう結末。
全編において人間の弱さが描かれ、ちょっとしたボタンの掛け違いが人生を狂わせてしまうことが若干のどんでん返しと共に表現されている。
特に報道のあり方については一石を投じており、個人的にはすっきりした終わり方であった。

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2022年06月19日

Posted by ブクログ

マスコミの光と影を描いた様な作品。
最初は主人公の多香美の青臭い部分に若干イラッとしてしまう部分もあったが、物語が進むにつれて成長の跡が垣間見えたのが良かった。
けど、もう少しミステリーに寄ってほしかったかも。個人的に。

マスメディアって一体、誰のものなんだろうか。

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2025年04月02日

Posted by ブクログ

さすが中山七里さん。読みやすくて面白い。
多香美と里谷がジャーナリズムや報道について色々語ったりしてて、なるほどと思うところもあった。
けど、子どもを亡くしたばかりの親にカメラ向けて「今のお気持ちは?」って聞くことの神経も意義も理解できなかった。結構早めにそれあったから、その後二人が何を語っても薄っぺらくしか感じられなかった。子どもを殺された直後の親の映像を視聴者は望んでると本気で思ってんのかな?そんなんスクープ欲しい自分のエゴでしかないと思うんだけど。
と、なんかこの二人に感情移入できずでした。

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

ああ、疲れる。
物語の舞台が報道機関と聞いて、楽しい話にはならんだろうと思っていたら案の定だった。
多香美の未熟さに辟易する一方で、里谷の言葉には納得できてしまう。
ただ一番感覚が近いのは宮藤なので、好意的には見れないんだよなあ。
でも池上さんの解説を読むと、また印象が変わるな。

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2024年12月09日

Posted by ブクログ

面白かったです。確かに、少し先が読める展開ではあったけど、今回はそこが主題ではないですからね。
マスコミ、SNSも含めて、人の不幸をめしのタネにしている、というところもあるでしょうが、正しく機能すれば犯罪の抑止力にはなると思います。
一般市民より政治家の不正にも、もっと抑止力を発揮してほしいなぁ

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2024年05月07日

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メディアを舞台とした社会派ミステリ

報道の在り方の問題提起として読みやすくまた物語の全体像もつかみやすい

ただ推理要素としてはパンチ力が足りない、各種登場人物の深掘りも浅い気がした

中山七里さんの各種作品に言えることだが別シリーズの登場人物や事件が出てくるって言うのが個人的にとても好き
これがあるだけで双方の作品に愛着が持てる

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2024年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マスコミがマスゴミたる所以がよく分かる。報道の内外の闇が恐ろしかった。平気で誤報をして責任はろくに取らず。相手の気持ちは考えずにどんどん傷を抉るようなことばかりして、それでいて報道の自由だ、世間に伝える責任がとか言っていて、タチの悪いことこの上なし。報道だけは仕事にできないななんて思った。
父親が犯人で、母親も一枚噛んでるだろうなまでは予想できたが、(そんなつもりではなかったにせよ)母親が黒幕だったのは辛いな〜。ろくな男と結婚できないと大変なことにになるな…
主人公の朝倉さんは、あの歳の女性としてリアルで、共感できる部分もあるのは良かったが、中山作品の登場人物としては少々おつむ弱めな感じが否めなかったな〜。

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2023年10月08日

Posted by ブクログ

新しいマスコミという観点から殺人事件を捉えていておもしろかった。マスコミや曲がった報道、操作される情報難民。
自分の身は自分で守らないと!殺された綾香さんのような環境、暴力した少年少女達の生活環境。ただどんな酷い生活環境でもちゃんと頑張れてる人もいっぱいいる。前を向いていれば成長できる付き合う人や助けてくれる人、いい影響を与えてくれる本などに出会うかも。

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2023年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後に上司戻ってきて欲しかったな。
報道じゃなくて警察の誤認逮捕かと思ったらまさか親が殺してるなんて思わなかった。
手を加えた再婚夫も悪いけども自分の子供なのに子どものためにクソ男と別れることも出来ずに娘に冷たい母親ももはや共犯者のようだった。

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2023年05月19日

Posted by ブクログ

マスコミは視聴者を惑わすセイレーンなのか?メディアの根本的問題を含め、報道の現場がリアルに描かれたミステリー。

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2023年03月23日

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