中山七里のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
冒頭のシーンで、いきなり挫折しそうになったけど、頑張って先へ。
そこを抜けてからは、面白くて読み易かった。
御子柴礼二もだけど、事件を追う2人の刑事、渡瀬と古手川のコンビもいい。古手川って、別シリーズで見た名前?言及されているのはあの事件?こういうつながりも面白い。
ある殺人事件の重要容疑者となった弁護士、御子柴のアリバイが驚きの法廷に立っていたっていうのがぶっ飛んでいてナイス。
それも、国選弁護人っていうのが、御子柴の性格と正反対に思えて、どんな裏が?ってなる。
依頼人である車椅子の青年とのやりとりが興味深い。
生まれながらの障害で車椅子の青年と、名前を変えて殺人を犯した過去を捨てた弁護士。
法廷で明かされる事件の真相も衝撃だし、その後も、、、
シリーズの続きを追いたくなってしまった。
読みたい本が増えて困るーw -
Posted by ブクログ
【手を汚さない者同士】
次々と起きる事件を解決する毒島。しかしそれぞれの事件の裏に潜む黒幕「教授」が明かされ、毒島はその正体を追う。
「相手の心理を読み、直接命令せず、自発的な行動に見える形で結果を発生させ、自分は手を汚さない」という殺人教唆として立憲するのが難しい相手に警察はどう対処するのか。
法では裁けない相手に毒島はどう立ち向かうか⁉︎
ここまで相手に嫌悪感丸出しにする毒島も珍しい。最後の教授とのやりとりは改めて読んでみるとセリフの一つ一つがシャレにならんのです。
人間の心理を読み、言葉を使い、相手を思い通りに動かす。
やっていることの構造は恐ろしいほど似ている2人の舌戦は、互いに譲らず最後には驚く結末へ。
うーん過去4作読んでいるけどこれが1番かな〜 -
Posted by ブクログ
舞台は高級老人ホーム、けれど、神奈川県で起きたあの事件を思い出さずにはいられない。加害者は死刑が確定してもなお、重度障害者は不幸、犯行は社会正義と信じて疑わないという。全容が明らかになった今も、とうてい理解はできない。
物語はフィクションとは言え、この加害者心理をどう扱うのか、興味が湧かないわけがない。ましてや御子柴がどう弁護するのか。そもそも国選なのになぜ引き受けたのか。そう、引き受けたということは御子柴の過去の事件のどこに関係するのか。物語の世界に釘付けだ。
加害者に責任能力が認められる中で、御子柴が無罪を主張した時に裁判の流れは見えたが、これで無罪だと中山先生らしくないし、かと言って極刑だと御子柴の立場がない。どう終結するのかなどと、あれこれ勘ぐりながら結末を迎え、そういうことかと深く納得する。
この物語では、加害者の事件に対する心理、公判後の変化は腑に落ちる。自らが信じていた歪んだ主張が、被害者家族の思いに触れることで揺れて崩れていくからだ。
しかし、実際の加害者はそうではない。正しいことをしているのに、なぜ理解されないのかという思いを抱いたままだ。罪は極刑をもって償うことになったが、ここから何かを得ないことには事件の終結はない。かなり、発展してしまったが、心を大きく揺さぶられる体験をした。 -
Posted by ブクログ
一体、御子柴にはどれほどの試練が待ち受けているのだろう。
今度の依頼は、実の妹からの「実母の弁護」だ。過去の事件ゆえに絶縁状態だった母との再会であり、しかも起訴内容は再婚相手の殺害という穏やかではないもの。冒頭で殺害現場を偽装するシーンが描かれている以上、母の関与は逃れようのない事実に思える。それなのに、母は無罪を訴えるのだ。
この状況からどうやって無罪を勝ち取るのか? そもそも再婚相手の死の真相とは?謎が深まるなか、最終弁論でなんと、あの氏家京太郎が証人として登場したときは、思わず拍手してしまった。御子柴と氏家のタッグはまさに鬼に金棒。二人の手によって、複雑に絡み合った真相が美しく解き明かされていく。不謹慎かもしれないが、私にとってこの法廷は、豪華ゲストを迎えた宴(パーティ)のようだった。
シリーズを追うごとに自らハードルを上げ、それを遥かに美しく飛び越えていく中山七里氏の仕掛けには、脱帽するしかない。そして、過酷な試練をくぐるたびに、御子柴礼司の本音が少しずつ見え隠れする点も、ファンにはたまらない魅力だ。こうなったら、最後まで付き合うしかない。 -
Posted by ブクログ
今度は、御子柴の秘書、洋子の弁護⁈
これまでの作品からすると、洋子は仕事ができ、肝が据わっていて、子どもには優しく、御子柴には欠かせない存在だった。そんな洋子に殺人を犯す要素は感じられないが、御子柴にもつながる過去が、事件にどう絡んでくるのか。同時に、ジャスティスと名乗る人物から御子柴に届いた大量の懲戒請求書との関係は?と、謎が積み重なっていく。
謎の中でも最も気になるのは、やはり洋子の本音や立ち位置だ。過去が過去なだけに、御子柴のことをどう思っているのか、なぜ事務所で働き続けているのか、その意図が知りたい。
今回は、衝撃の結末のようなものはなかったが、どんな状況に置かれても、御子柴の贖罪は粛々と続けられていることが感じられた。そして、洋子や倫子、福岡で出会った人たちなど、御子柴の理解者が増えていることもまた、確かだと思った。
御子柴は、どう思われようと構わないという態度を取る一方で、自分を理解しようとする人の言葉には、意外なほど弱い。理解者を鏡にして、自分でも知らなかった自分を見せられたとき、動揺する。その姿が、このシリーズの面白さの一つだと思う。