中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私の第一印象は、「この本は人工知能について語っている」ということではなく、むしろ人類自身を問いかけている、というものでした。
タイトルの「被告人」は一見AIを指しているようですが、物語が進むにつれて、法廷の中央で動機や責任を問われ、剖かれる存在は、アルゴリズムで構成されたAIだけではなく、それを創造し、利用し、判断を委託する人間社会そのものだということに気づかされます。
この本の最も残酷で、同時に最も魅力的な点は、AIを制御不能の怪物として描いていないところです。むしろAIはほとんど「過剰に忠実」であり、与えられた規則やデータ、価値の優先順序を正確に実行するだけです。本当に不安を感じさせる -
Posted by ブクログ
七つの大罪と言われる「傲慢」「嫉妬」「憤怒」「怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」に基づく七つの短編集!
また、本書の七つそれぞれの短編の著者も「七」に関係があるなど、面白い仕掛けが施してあった。
七つの短編はどれも面白く一気読みしてしまった。
特に「憤怒」は短編にも関わらず、離婚、障害、村集落、認知症など盛り沢山の内容をギュッとまとめてあり、短編では勿体無いほどの作品だった。
あと意外だったのは「色欲」で、タイトルも然り、他の流れからもっとグロテスクか砕けた内容を想像しながら読んだが、息子の返しなどコミカル要素もありつつ、家族の大切さを教えてくれるような物語だった。
他のどの作品もホント素晴らし -
Posted by ブクログ
仁志村賢作、初めてのキャラが登場?
なんとあのアマゾネスの師匠?
舞台が成田空港。
そこで働く、GS(グランドスタッフ=空港業務スタッフ)、航空管制官など、大変な職場だと思う。
クレイマー的な客もいたりして。
そして、普段は役立たずと言われる航空警察に,なんと新署長がこの仁志村賢作!
一見穏やかそうだが、ひとたび容疑者と向き合うと、かつて「鬼村」と呼ばれるほど、容赦なくズタズタに切りつける。
まさかの航空内での殺人、テロ勃発とは!
かつてニュースで釘付けになった成田闘争事件がよみがえる。
息をつく暇もなく、あっという間にラスト!
シリーズ化、当然なるでしょ。 -
Posted by ブクログ
米澤穂信の供米のために読んだ文庫本。
米澤穂信以外の作家の著作は読んだことがなく、それもまた新鮮で面白く読むことができた。
新川帆立 ヤツデの一家
これを女性作家が書いているのが見事と言うかなんというか。私には理解できない世界だが、短編として素晴らしいドンデン返し。
大代行時代 結城真一郎
短い中にも貼られた伏線は丁寧だが、先の展開が簡単に読めるところが残念。
人には得意不得意があるのは仕方ないが、注意されたら片付けよう。
妻貝朋希を誰も知らない 斜線堂有紀
この短編は少し不快だったので長いです。
治安の悪い、物事を知らない人達ばかりの地域は確実に存在するし、地方で新しい人が入ってこない