あらすじ
父・秋山史親を火災で失った雅彦と太一、母・景子。止むを得ず史親の実家の工務店に身を寄せるが、彼らは昔気質の祖父・善吉が苦手。それでも新生活を始めた3人は、数々の思いがけない問題に直面する。しかも、刑事・宮藤は火災事故の真相を探るべく秋山家に接近中。だが、どんな困難が迫ろうと、善吉が敢然と立ちはだかる! 家族愛と人情味溢れるミステリー!
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お爺ちゃんが、家族を救ってくれる。
痛快で、中山さんの文章も読みやすいから、読んだ後は暖かい気持ちになる。ラストは、予想外だったけど。
善吉さんの物語がもっと読みたかったなと思う。寡黙な人だから、このくらいがちょうどいいのかもしれないけどね。
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火事によって家と父親を失った、母と兄弟3人が父の実家に居候する。環境の変化の中で起きるトラブルを祖父善吉が解決していく物語。
The昭和な祖父が話す事は、単純なようで実際に言う通りにはなかなか出来ないことだと思います。善吉はもちろん、教えを素直に受け入れることの出来る子供たちの強さもすごいと思いました。
私は祖母の花江が1番好きでした。
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*父・秋山史親を火災で失った雅彦と太一、母・景子。止むを得ず史親の実家の工務店に身を寄せるが、彼らは昔気質の祖父・善吉が苦手。それでも新生活を始めた三人は、数々の思いがけない問題に直面する。しかも、刑事・宮藤は火災事故の真相を探るべく秋山家に接近中。だが、どんな困難が迫ろうと、善吉が敢然と立ちはだかる!家族愛と人情味溢れるミステリー!*
最初は、豪傑で男気溢れる昭和の男・善吉の痛快な活躍ぶりにスカッとしながら楽しく読み進めていましたが、徐々に不安要素が顔を出し、物語の空気感がガラッと変わり始めてもうドキドキ。
警察の尋問に今にも陥落してしまいそうな景子のシーンは、もう恐ろし過ぎて半目で飛ばし読みしてしまったほど。
が、それ以降の怒涛の心理戦には瞬きするのも惜しいくらい夢中になって、一気読み。
最後は、善吉らしい勝ち逃げっぷりと残した言葉に滂沱の涙。素晴らしい物語でした。
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面白かった〜‼️
善吉さんはとてもカッコよかった。
最後までカッコイイい善吉さん、もっと色んな善吉伝説を読みたかったです。
善吉さんの生き様は、短い時間でも、しっかり孫たちが継いでくれてる。
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あらすじからはあまりどんな話か想像できなかったのですが職人気質のおじいちゃんの活躍がとてもかっこ良いです。これだけでもストーリーとして成り立つのにきちんとミステリー要素もあるところがすごいですね。
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最初は母子それぞれが祖父母に救われるエピソードが順番に出てくる家族モノと思いきやミステリ要素あり。
ラストシーンの『負けるじゃねえぞ』は太一の終わりのない責任に対してのものだと思った。
善吉はなんてすごい人なのか。
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火事で父親を亡くした雅彦と太一、母親の景子は父の実家の工務店に居候する。苦手な頑固一徹の祖父善吉に怯えながら新生活を始めた3人は降りかかる事件を通して善吉を信頼していく。
じいちゃんの痛快な解決劇、言い回しが最高。最後は泣かせてくれる家族愛と人情味あふれるストーリーでした。
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昭和の下町の胆っ玉親父を中心にしたホームドラマといった内容で中山作品としてはかなり異色の存在ですが、こんな作品も描けるのかと感心するぐらい良くできています。
そして、爺さんだけでなく婆さんもなかなかの人物でした。
昭和の価値観バンザイ!
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こんな祖父が居たら頼もしいし尊敬出来る。発する言葉も考えられ押さえている物と咄嗟に発する叱咤なども趣きがある。
裏切らないから信頼の人の繋がりが出来ていて今の時代では稀有の存在感。
ただ亡くなってしまうというストーリーは呆気なく、生きててのエンディングが欲しかった。
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まだまだ中山七里初心者だけど、どんでん返しが楽しかった。微妙な伏線を置いていかれるんですよねー。伏線とも言えないようなほんの微かな引っ掛かり。
表紙が「和」な感じなので思わず珍しく時代物かと思ったけど、時代に取り残されたようなねじり鉢巻に半被姿の工務店の爺さんだった。その印象そのままの登場人物が活躍する。やっぱ濃いキャラのお話だった。
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昭和初期生まれの化石のようなお爺ちゃん。
本当にこんな人ばっかりだったな~と思いながら読み進めました。
今回の中山七里さんの小説は、いつもよりサラッと読める軽い感じ。
ラストは予想通りでしたが、とても面白かったです。
それにしても善吉爺ちゃん残念です。
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タイトルと表紙のイラストを見て、まず思い出したのは、昔のテレビドラマ『寺内貫太郎一家』だ。小林亜星が演じた頑固で短気な『昭和じじい』である。
物語は火事で夫と住む家を失くした家族が、昔気質の祖父の工務店に身を寄せる。この爺さんが主人公の『秋山善吉』である。
善吉は『べらんめえ口調』で荒っぽく話すので、孫たちは最初はなつかない。
しかし小学生の孫が新しい学校でイジメに会い、中学生の孫は不良につきまとわれ危うく反社の手先になりそうになるが、この爺さんの手腕で食い止められる。また母親が勤め先でモンスタークレーマーに困ると今度は婆ちゃんが登場し、揉め事を解決する。このあたりが気持ちよく、実に胸がスッとした。
僕にはまだ孫はいないが、もしも目の前で何か困っていたらやはり全力で何とかしてやりたいと思うだろうなあ。
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少し甘めの星4つ。
家と家主を失った妻と二人の息子が父方の祖父母の実家に世話になる事となり、新生活で起きる様々なトラブルを昭和感満載の祖父母が水戸黄門感覚で解決していく感じの短編集。どの物語もかなりのご都合主義で現実感のない解決策ばかりではありましたが、本筋のストーリーは様々な要素が散りばめられていて読みごたえはあり、娯楽小説としてはよく出来ていたと思います。個人的には、第1章と第2章が特に良かったかな☆
Posted by ブクログ
秋山善吉。昭和ひとケタ生まれで80歳になるが、まだまだ現役の大工の棟梁だ。
義理人情に厚く曲がったことが大嫌い。頑固一徹で余計な口は聞かないが、頭の回転は速いし腕っぷしも強い。おまけに顔も広いときた。怒らすと厄介な頑固じじいである。
そんな善吉のもとに身を寄せてきたのが、息子の嫁と孫2人。先日起きた火災で息子の史親が焼死し、自宅も全焼したからだ。
優しいことばをかけてやるなどしない善吉だが、嫁や孫たちの抱える悩みはお見通しであった。
秋山善吉の快刀乱麻の活躍を描く、ヒューマンドラマ。
◇
木造瓦葺き2階建ての古い日本家屋が見えてきたとき、「馬鹿野郎!」という怒鳴り声がした。
「仮釘にこんなぶっとい釘使いやがって。手前はど素人かあっ」
まだ数十メートルの距離があるが、声はその古い日本家屋から聞こえてくる。
「早速だよ。早速、恐怖の大王だよ」
と、うんざりしたように言う雅彦に対し、弟の太一は「とっても元気なんだ」と妙な感心の仕方をしている。
まだまだ聞こえてくる怒鳴り声に、母親の景子は出鼻をくじかれた顔をしていたが、気を取り直すように息子たちを促して、目指す工務店に足を向けた。
景子が引き戸を開け工務店の中に入ると、おが屑の匂いの中で4人の男たちが働いているのが見える。
「ごめんください」と遠慮がちに発した景子の声に真っ先に反応したのは、いちばん奥で鉋の刃を睨んでいた老人である。
「おう、景子さんか。よく来たな」
刈り上げた白髪に肉の削げた頬、への字に曲がった口。孫を見てもニコリともしないこの男こそ、雅彦と太一の祖父、秋山善吉だった。( 第1話「太一、奮闘する」)※全5話。
* * * * *
タイトルにもある秋山善吉は物語のキーパーソンとなる人物で、視点人物である主人公は各話によって異なります。
また、物語は前半と後半でテイストが違っています。
前半は、太一 ( 第1話 ) ・雅彦 ( 第2話 )・景子 ( 第3話 ) が見舞われたトラブルを善吉が鮮やかに解決し、それぞれを救い出していくという1話完結ストーリーです。特に第3話はミステリー仕立てで展開し、善吉だけでなく妻の春江も大活躍するので、なかなか楽しめます。
後半は、物語全体を貫く謎が解明されていく完全なミステリーで、警視庁捜1の宮藤刑事を中心に描かれます。
宮藤は秋山史親の焼死を放火殺人と見ており、有力な容疑者として景子に目星をつけて接触してきます。それを知った善吉が対峙するように割って入り、宮藤の目を自分に向けさせていくところは読み応えがありました。
そして、事件の真相が明かされるのはラストシーンを迎えてから。ミステリー作家・中山七里さんらしい展開になっているので、ファンの方にはオススメです。
最後に、表紙絵 ( 文庫本より単行本のイラストの方が私のイメージに合っていました ) にも登場する秋山善吉について。
高齢者とは思えない頭の回転の速さと腕っぷしの強さの他、なかなか広い人脈も持っていて、『東京バンドワゴン』の堀田勘一に似た、魅力の塊のような人物です。
そう言えば、1流の大工ともなると常人離れした能力 ( 例えば抜群の計算能力、全体像を正確にイメージできる想像力、職人たちの信頼を集める求心力や統率力など ) が必要だと聞いたことがあります。善吉はまさしくそんな人物として描かれていました。
残念ながら最終話で亡くなってしまうのですが、番外編でもいいので、若い頃の逸話を読んでみたいと思いました。
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この表紙ってどうなんでしょ?正直なところ後でいいかな!って、ずっと積んでたのがこの作品です。
秋山史親を火災で亡くした妻の景子と子供の雅彦、太一は、住む家もなくし史親の義父夫婦の家に身を寄せることに…。義父は秋山善吉、大工の棟梁で工務店を自営しており、妻の春江がそれを支えている。善吉じいさんは昔気質の頑固者であり、景子も雅彦も苦手意識があったが、新たな生活をはじめたことで次々に勃発する家族の問題に、善吉じんさんが立ち上がる…。一方、火災の出火原因に疑問をもった宮藤刑事が秋山家を訪ねることに…。
読後、善吉じいさんが好きになること、間違いなしです!!表紙も、私の中でレベルアップしました♪火災の真相は、やっぱり??って思えましたが、もうね…中山七里先生、この作品シリーズ化してくれないかな?過去に遡って、善吉じいさんの人となりとか生き様とか…ちょっと期待しちゃいます。
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事件だ犯人は誰だと考えながら読み進めていると、ただの事故でそれを善吉、景子が隠蔽しようと動いていた。ただの事故だった。いやいや流石に予想だにしなかった。犯人の予想は何となくついていたが、意図したものでなく本人が原因に気づいていなかったのが衝撃。
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はぁー。決算週は忙しい(-。-;
なかなか読書時間が作れない。
ブク友の皆様は、時間がない中でたくさんの本を読まれているというのに。
ウルトラマンさんの本棚を見ていると、中山七里先生が読みたくなる。
これは一ヶ月ほど前数冊仕入れてきた中の一冊。
父親の史親を火災で失った親子。
太一、雅彦兄弟と、母親の景子は、生きる為やむを得ず、史親の実家の工務店に転がり込む。
史親の父親の善吉は昔気質の、ざ!昭和男(笑)
この、家族のトラブルに善吉が立ちはだかる。
中山七里先生にしてはかなり軽いタッチ。
そして、がっつり刑事モノとか、弁護士、検事モノでもない(^^)
1話、1話は短編なのだが、まぁ連作短編なので許そう。←なぜか上から目線。
どれもいい雰囲気で幕を閉じる。
中山七里先生は大どんでん返しだからなぁ、きっと犯人はこいつだなぁ、と思ったら大当たり。
当たると嬉しいけど、もう一捻り欲しかったかな?
だんだん中山七里先生に慣れてきて、贅沢になってきた私^^;
しかし今日は暑かったですね。
会社帰る時の車の外気温、36度でした。
熱中症お気をつけくださいm(_ _)m
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「おやすみラフマニノフ」は14年前だったのか。それ以来の七里さん。明るくさばさばしていて痛快で面白かった。はんぐれもモンスターおばさんも次々と粉砕。出来過ぎだけど、胸がスッとする。謎解きも興味深かったし、七里さん今後も楽しませてもらいます。
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ミステリーというよりアットホームな人情モノ。善吉さんが清々しくて、いろんな出来事が解決するたびスカッとする。私は何度かグッときたし、最後はもう、善吉さんの虜になってたし。でもまあ、いろんな要素詰め込みすぎ!というツッコミも分からんではない。
Posted by ブクログ
小学生、中学生、社会人それぞれちょっとしたことからどうしようもなくなってしまう。そんな時に相談できる人が欲しい。1人では解決できないこともある。
Posted by ブクログ
推理モノの要素もあるけど、それは読み手を飽きさせない色付けだろう。メインは頼りになる昭和の頑固オヤジと家族愛。これを読んで共感する人の心の中には、いまだ古き良き昭和とその時代の寡黙で頼れる男こそ理想、っていう思いがきっと息づいてる。思想なんて自由なんだから、それはそれで別にいいと思うが。
話が逸れたが、この作者さんの作品は面白さゆえか、あっという間に読み終わってしまう。無理やりひねらず、読み手が想像できるギリギリのラインを彷徨うストーリーが気持ちいい。「護られなかった者たちへ」から流れ着いたが、もう一冊ぐらい追加で読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
表紙から頑固者の爺さんが織りなす日常事件ものと予想。家族1人1人の問題を解決しつつ善吉の頑固者ながら1本芯の入った優しさが染み入る。 同居のきっかけとなった火事の真相も探りつつ、最後には残念な結末、シリーズ化して欲しかった。
それにしても中山七里作品には高齢の主人公がよく出てきて、その全ての人物が凛とした温かな人たちである。そしてしっかり謎解き要素も忘れないのは流石である
Posted by ブクログ
前半はよくある、スーパーおじいちゃんが問題解決する話だったが、後半は火事の真相に迫る内容に。
色々な要素盛り込んだなー、って感じだけど、何も考えずに楽しめる内容だった。