中山七里のレビュー一覧

  • 復讐の協奏曲

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    近くにいた人間は、過去にも関係していた人間であった…ゾクゾクする展開に引き込まれた。御子柴シリーズは順番通りに読んでいなかったので、もう一度全シリーズを古い順に読み直したいと思った

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    2025年08月23日
  • 作家刑事毒島の暴言

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    中毒性注意!
    ズバズバと容疑者も周りもこき下ろす毒島さんが痛快すぎる!嫌味で盛り付けした正論の嵐。言われてることが正しいと人は怒る典型的展開が見られます。
    自分なら絶対言われたくない、3秒で泣く自信がありますが、腹立つ勘違い野郎が一刀両断されるのは快感です!

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    2025年08月22日
  • 悪徳の輪舞曲

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    4作目。
    今回の焦点は実母である。

    14歳で少年院に入り早30年ばかり。
    それまで一度も顔を合わせなかった妹の梓が事務所に乗り込んでくる。
    内容は、御子柴の実母、郁美が再婚相手を殺したと逮捕されたため弁護しろ、とのこと。
    御子柴は他を当たれと言うが、どの弁護士も引き受けてくれない。「死体配達人」の母親だからだ、と。

    御子柴にとって、家族とは14歳で逮捕された時に全て縁が切れた存在。
    自分にとって父親は教官だった稲見。縁が切れた実の母、妹より、血の繋がりのない稲見の方が大事に思う気持ちが大きい。
    だからか、妹の梓が尋ねて来たあと、御子柴は稲見の元を訪れた。
    稲見は言う。その場で決めないという

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    2025年08月21日
  • いまこそガーシュウィン

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    今回も面白かった。
    本当にこの岬洋介シリーズ大好き。

    特に今回は、わたしも好きなガーシュウィンのラプソディインブルーということで、YouTubeで流しながら読書しました。
    (わたし的には特に、サントリーホールでの角野隼斗さんのラプソディインブルーが素晴らしいです!)

    岬洋介が登場すると時間を忘れて読んでしまう。
    こんなピアニスト現実に存在するかな?
    とにかくなんかとてつもなくかっこいい。
    欲を言えばもっといっぱい活躍させて欲しかった。
    今回ちょっと薄めだったかな?

    とにかく、いつも素晴らしい演奏と事件解決までしてしまう岬洋介に拍手喝采です!

    次のタイトルはどの音楽家になるのかな?
    岬洋

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    2025年08月19日
  • 彷徨う者たち

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    ネタバレ

    今回は笘篠ではなく蓮田が主人公。
    宮城県警三部作、これがラストらしい。
    笘篠の相棒、蓮田は震災で家族を失うことはなく、本当の意味での共感ができず、罪悪感を感じていた。南三陸の仮設住宅で男が死体で見つかる。その男は仮設住宅にまだ残っている人の家を訪ねて公営住宅に移住するように勧めている人だった。そしてこの死体は密室で見つかった。蓮田の幼馴染たちが事件に関わってくる…

    このシリーズも最後かあ。
    笘篠推しだったので、蓮田は少し物足りないかなあ。

    このシリーズ、笘篠の妻子が震災で亡くなっていることが前作、前々作でわかるのだけれど、笘篠と妻の最後の会話が描写されていて、笘篠が悔やんでも悔やみきれない

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    2025年08月19日
  • 夜がどれほど暗くても

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    audible 。さすがの中山七里というほかない。
    近ごろ、ドラマ「能面検事」をみているが、笑わない上川隆也の評判がいいらしい。北川景子の「ヒポクラテスの誓い」も見た。うーん、ピタリとは来ないもんだ。
    比べてaudible での緊張からどんでん返しの感じの方が優っていると思う。中山七里とaudible は相性がいい。

    追加。忘れるところだった。作中の春潮社って新潮社のことだよね。7年前ヘイト議員に誌面を与え、猛烈な反撃にあって廃刊に追い込まれた「新潮45」の出版社。
    主人公はその社の編集者だということをわかって読むとひと味違うと思う。
    中山七里あっぱれだね。文学が分断社会に対し何ができるかを

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    2025年08月20日
  • 恩讐の鎮魂曲

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    恩師、少年院時代の教官が加害者となり、
    御子柴が弁護をするシリーズ第三弾。
    反社会関係で進むのかと思ったが、
    最初のくだりだけだった。
    すんなりとは進行しないと思っていたが
    その通りでいくつものドキドキやそうくるか、
    えーみたいなのがあり面白い。 
    恩師との法廷でのやり取りは、思い通りに行かず
    今までとは違った御子柴に会えた。
    人により償い方も違う、想い、考え方も違い共感できる。
    最後のりんこの手紙には、泣けたね。

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    2025年08月18日
  • 氏家京太郎、奔る

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    シリーズ第二弾!

    今回は、親友の御笠が容疑者にされてしまう。
    そりゃあ、タイトルのごとく、奔りまくるでしょ!

    遺体発見現場に、「特殊清掃人」を思い出したら、
    やっぱり、五百旗頭さんが登場した。

    それにしても、テッシュ1枚で、犯人って、そんなのあるのかと、びっくり。
    科捜研や検事の嫌がらせに、真っ向勝負、かっこよかった!
    ちょっと頼りない美能弁護士も氏家のパワーで、徐々にたくましくなっていくあたり、ワクワクした。

    不幸な生い立ちが人格をゆがめてしまうこともあるだろう、でも、全ての人がそうなるとは限らない。

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    2025年08月17日
  • 護られなかった者たちへ

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    ネタバレ

    私は何て恵まれた環境にいるのだろうと思った。衣食住が十分にできる。でも生活保護を受けたいと思う人は人間らしい生活を送りたいと思うけれどもお金がなく送ることが難しい。人の人生を紙面上で切り捨てていくのは、紙の中にいる人にとっちゃそりゃ許せないよなって思う。

    円山さんがおばあちゃん、生活保護受けたら生きるのが楽になるよって生活保護を勧めているシーンが印象的だった。

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    2025年08月16日
  • 追憶の夜想曲

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    次作からの続きで非常に面白く、一気に読んだ。
    最初から何か違和感があるような所があり、
    被告人が犯人では無いことは、容易に理解できた。
    自分の犯した罪を償っていく、、、。
    真相が明らかになる過程の中で人の悪いところが見えて目を背ける場面もあった。
    最後は、どんでん返しの連続で真実を突きとめれ、良かった。
    いつも残されるのは、小さい子どもであり
    そのサポートを皆でやって行きたいですね。

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    2025年08月16日
  • 恩讐の鎮魂曲

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    一気に読んだ。つながっていないと思っていた人たちが次から次へとつながり…最後の終わり方は負けたのに勝った、そんな気持ちのする作品

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    2025年08月15日
  • 絡新婦の糸―警視庁サイバー犯罪対策課―

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    ネタバレ

    『絡新婦の糸』は、SNS時代の人間心理と群衆行動の危うさを表現するミステリー。
    物語の中心には、「市民調査室」と名乗る匿名アカウントが存在し、このアカウントは一見、公益のために動いているかのように見えるが、実際には選び抜かれた情報と刺激的な言葉でフォロワーを煽り、特定の人物や組織を糾弾させていく。その結果、老舗高級旅館の支配人と女将が自殺に追い込まれるという痛ましい事件まで発生する。
    ネットに氾濫する玉石混交の情報の中で、人は自分が信じたいものだけを選び取り、それを裏付ける情報ばかりに視界を奪われていく。本作は、その思考の偏りがどれほど容易に形成されるか、そしてそれがいかに破壊的な力を持ちうる

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    2025年08月14日
  • テミスの剣

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    冤罪事件をテーマとした社会派ミステリー。

    死刑判決で解決となった強盗殺人事件。後日、捜査にあたった刑事は冤罪に気づき真実を求めるが、誤りを認めたくない警察・検察組織から疎まれることに・・・
    上記の主筋にさらに二重三重の展開が施され、読み応えたっぷりの重厚な作品でした。

    冤罪という重いテーマに向き合いながらも、しっかりとエンタメでもあり、社会派小説としてバランスよく仕上がっていると感じました。

    多くの要素を盛り込んでいるにも関わらず、詳細まで良く練られているので、矛盾感や違和感もなく、作者の筆力に感服です。

    最期に、自身が根の単純な子供みたいな人間なので、このような逆境に立ち向かうヒーロ

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    2025年08月14日
  • 殺戮の狂詩曲

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    中山七里さん祭り再開!
    (まだ、予約中あり、最新はリクエスト中)
    まずは、御子柴シリーズの最新から!

    凄い人の弁護人に!
    しかも、国選弁護人なんで、大したお金も貰えんのに…
    介護施設で、無抵抗の人達を9人も殺す鬼畜!
    令和最初で最悪の凶悪犯と呼ばれて…
    それの弁護する。
    「元〈死体配達人〉が令和最初で最悪の凶悪犯とタッグを組む!」
    この見出しだけで、話題騒然やん!

    弁護士会の重鎮も、事務所の事務の人も大反対するも、宣伝効果とか言って弁護を請ける御子柴さん…
    あんまり、勝ち目も見えんけど…
    被告人は、自分のやった事が正しい事って信じてるけど、なんか違和感が…
    接見していくうちに、ある真実が…

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    2025年08月14日
  • 氏家京太郎、奔る

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    期待を裏切らない!
    殺人事件ものはどうしても被害者や刑事、検察側が主人公のストーリーが多いですが、これは民間の鑑定センターの所長が弁護人側に立ち奮闘する珍しいタイプです。
    科捜研の技術の確かさはドラマなどでもはや真実なのが当たり前、という中でその無謬性に一石を投じる氏家さん。
    すごく尖ったキャラではないのに人情味があり、親友のために奔走する義理固さと、物的証拠を第一とする客観性を失わないバランス感覚がたまりません。
    ラストまでの怒涛の展開は目が離せません!
    まさか真実があんなことだったとは…科学は嘘をつきませんが、人は嘘をつく。目の前の物的証拠が真実ではない、と思い知らされました。

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    2025年08月13日
  • 禁断の罠

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    最近のアンソロジーは本当に豪華というか、ハズレがなくおもしろいよね。

    有栖川有栖『ミステリ作家とその弟子』は【砂男】で既読だったけれど、再読でも作家と弟子のやり取りがおもしろい。

    退職代行とかZ世代とか、境界知能、ペロペロ動画に闇バイト…すごく今が詰まっている一冊だった。
    何十年後かに読まれたら「あ~令和っぽい」ってなるんだろうな。

    米澤穂信『供米』は途中まで「うーん、好きな米澤穂信ではない」なんて思ったけど、最後がすごく良くてさすが!という感じ。
    中山七里『ハングマン-雛鵜-』は最後続きが気になる終わり方だったな。スッキリさせてほしい!
    せっかくだから『祝祭のハングマン』を読んでみよう

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    2025年08月13日
  • 能面検事の奮迅

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    主人公と対峙するふたり。
    そのふたりは、本来は王道で共感できるものだと思うけど、今回のストーリーではむしろ冷静は主人公の方に共感持てる。
    他の作品にも出てくる岬事務官も格好良い
    それにしても、ほんとうの正義って何だろうと考えさせられる

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    2025年08月12日
  • 殺戮の狂詩曲

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     相模原の殺傷事件がモデル。どう考えても死刑判決しかあり得ない大量殺人鬼の弁護を請け負う御子柴。一般論として減刑されて欲しくない被告人なので、手放しで御子柴を応援できない。黒幕の存在は仕込みすぎた感があるが、今作も申し分のない面白さ。忍野の思想が馬鹿馬鹿し過ぎ、遺族の声を聞いただけで怖気付くほどの幼稚さに嫌悪感を覚えたが、実際の事件の犯人もそうだったのだろうか。なぜ御子柴が弁護を引き受けたのかが最後に明かされるが、あっさりし過ぎていた。御子柴のキャラクター上、仕方がないのかもしれないが。

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    2025年08月12日
  • 復讐の協奏曲

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     久しぶりの御子柴シリーズ。既読のノンシリーズは外れが多かったが、同じ作者かと疑うほどこのシリーズは面白い。事務員の洋子は覚えていたが、宝来の記憶はまったくなかったので間を空けず読んでおきたかった。匿名を盾に何でも言いたい放題のネット社会には嫌気が差しているので、御子柴のカウンターは最高に小気味良かった。御子柴の相手をしていたら、そりゃ世間一般の男は物足りなくなってしまうだろう。洋子の予想外の逞しさ、強かさに御子柴以上に惚れそう。湊かなえの作品にもあったが、復讐のために娘の友達を巻き込む言動は理解し難い。

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    2025年08月12日
  • 殺戮の狂詩曲

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    9人を殺害した忍野をどうやって弁護するのか、結果はともあれ、殺害に至った理由に関係した事実、弁護した理由が最後の最後に捲し立てるように記されているのに驚き!

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    2025年08月12日