中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まだこんなに読書に夢中になれたんだって驚くくらい夢中になって読んだ。もともと刑事モノは好きなので、死体が発見される場面もミステリーが始まる興奮をもっていつも興味深く見ているが、死体の名前を読んだ瞬間に嗚咽と混乱が止まらなくなったのは初めてだった。
人が悲しみを覚えるのは死体そのものの描写ではない。
たった一言、ただその死体の名前を添えた短い一文で、こんなにも感情がめちゃくちゃにされるなんて思ってなかったし、ここまで物語に振り回されたのが久しぶりだったから、感激に打ち震えてもいた。
胸糞悪い結末に心底やりきれない気持ちになったが、主人公と同じように、渡瀬の言葉が憤って罅割れた心を埋めてくれた -
Posted by ブクログ
最近話題の多いAIをテーマにしたミステリー。
最後のどんでん返しが効いています。
さすが、中山七里さんですね。
あの高遠寺 円さんが、裁判官として登場するのも嬉しいですね。
東京地裁の新人裁判官・高遠寺 円は、総括判事の寺脇から、中国から提供されたAI裁判官『法神2』の検証を命じられた。
AI裁判官は、人間の裁判官が苦労して作成した文章を一瞬で作成し、その内容も遜色ないものであった。
そして、18歳の少年が父親を刺殺する事件が起きた。裁判長の檜葉は、試しにAI裁判官を試したところ、その結果は『死刑』であった。
果たして、その内容で本当に良いのか?
AIと人間の境は、そしてそれぞれの役割 -
Posted by ブクログ
自分が求めていない部分への賞賛への不満、
他責にして努力を惜しんだ後悔、
天才の子への期待と落胆。
私が特に考えさせられたのはこの辺りだけれども、すごく色んな教訓を得られるシリーズだと改めて感じた。
中でも岬先生の不安との折り合いのつけ方。
「捨て去ったものに責任を果たすためには選んだものを大事にするしかない」。
一方で、「その世界で生きていくべき人間はどんな道を辿っても最終的にはその世界から迎え入れられるものだと思う」という言葉には救われるものもある。
自分すらも呪うことなく、自分が何者であるかを問い続けるという岬先生の在り方は目指すべき姿だと感じる。
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Posted by ブクログ
ネタバレずっと気になっていた本。
事前情報を仕入れずに読んだのであまりの過酷さに衝撃を受けた。リバビリの様子、周囲の無理解、その中で岬先生は読み手である自分にとっても救いで、持病を知った時は同じように愕然とした。
犯人もラストも思いもしない展開だったため、本当にびっくりした。それを知ってから物語を振り返ると更に過酷な日々で、肉親を亡くした辛さがわかるからこそ遥の両親のことを思って遥になり切ろうとしていたのにキッツい誤解をされていて本当にやり切れないなと思った。音楽での自己表現が唯一の救いで、だからこそより一層、鬼気迫るまでに没頭していったように感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ残虐な殺人をしたが、
死刑判決を免れた者たちの家族が次々と殺される。
犯人は「ネメシス」(義憤)を名乗り、人々の不安を煽る。
渡瀬警部と古手川巡査長が事件解決に挑む。
犯人は検察庁の次席検事の事務官「横山潤一郎」
若干20代の将来有望な人材は
学生時代に付き合っていた彼女を無惨にも殺され、
捕まった犯人の判決も無期懲役になったことに憤慨する。
「司法で裁けないなら自身が裁く」と復讐を決意。
それまでの勉強実績を捨て、検察庁に入庁し,
どうやったら死刑を回避しつつ無期懲役判決を出せるか?
さらに憎む相手とどうやったら同じ刑務所に収容されるか?
憎っくき殺人鬼を自らの手で断罪する為、
綿密な計 -
Posted by ブクログ
なんじゃこりゃ!
松田優作でなくともこのセリフがポロリと出てしまいました
だって本作に出てくる登場人物がすごい!
中山七里人気シリーズの主役たちが勢揃いやないですか〜
まだまだ中山七里初心者の私でもわかる人たちがどんどん登場します
「カエル男シリーズ」からの参戦は渡瀬&古手川コンビ
有働さゆりも名前だけ登場
「御子柴礼司シリーズ」からはもちろん悪辣弁護士御子柴礼司が参戦
で、日下部洋子も登場
実は御子柴ぐらい大好きです!
まだ読んでないのでわかりませんが、この人たちも各シリーズで主役を張っているのではないですか?
警視庁刑事部捜査一課の犬飼隼人
解剖医の光崎藤次郎
氏家鑑定センターの -
Posted by ブクログ
AIと人間の違い、AIへの疑問符的なものを、わかりやすく読み手に伝えていると感じた。
本書を読み、私は呻吟という表現に共感した。呻吟とは苦心しながら物事を達成しようとする様子である。
AIは即座に解を求めることができる。一方で、上手く言えないが、解を導くまでのプロセスに心が感じられない、味気ないという感じを抱いてしまう。しかし、人間は、何かの解を求める際は呻吟しようとする。そこには心があり、人間を人間として応援したくなる気持ちになる。AIを推進し過ぎるあまり、効率化を重視することに充填したがために、大切なものが失われているのではないかと思ってしまう。
本書を読み、私にとってAIとは、あく