あらすじ
弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった――。
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御子柴が最初はどうしようもない悪徳弁護士であるという印象が、後に自戒の念から自分が殺した少女の遺族に贖罪をし続けていたという事実の発覚から、完全に転覆する構成がめちゃくちゃ面白かった。
以下、読書中のメモである。
渡瀬がミステリ小説読むのおもろい
御子柴はお金目的でなく国選弁護人として仕事する側面もあるのか
御子柴が報酬の少ない仕事を引き受けなければならなかった理由とは
島津のピアノを聴いて御子柴は、犯した罪の自戒の念に駆られる日々を過ごした
稲見の言葉の、「謝るな、行動で埋め合わせをしろ」という言葉が印象的
自分が殺した遺族に毎月お金を送金しているとわかったシーンが印象的だった
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中山七里作品にしばしば登場する御子柴礼司弁護士を主人公としたシリーズの第一作。他作では手段を選ばない悪徳弁護士として紹介されていて敬遠していたのだが、改めて読んでみたら非常に魅力的な作品だった。
テミスの剣、ネメシスの使者で活躍した渡瀬警部と古手川刑事が登場し、彼らの活躍も面白みを醸していた。
御子柴礼司、思った以上に魅力的な人物だったぞ。続編にも注目。
それにしても、このシリーズは、シリーズ間で作中の出来事に関連性があったり、読む順序が悩ましい。うまく順番に読むと、一層の面白みを感じられそう。
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作者買い。
買った後にドラマ化されているのを知り、先にドラマを見てしまった…。
本作主人公である御子柴礼司は、少年時代に人を殺した事のある弁護士である。
決まったルーチンを持ち、イレギュラーが発生しようと決して慌てず、何事もなかったようにつとめる。死体遺棄に関しても、その次の日の行動でもそうであった。
本作は、とある死体を隠蔽する所から始まり、また殺人を犯したのか、と思わせる始まりだ。
本編を読み進めていく過程でも、御子柴が殺人を犯したのか、犯したのならどうやって殺したのか、そのような事を推理しながら読み進められた。ドラマとは違ったからだ。
御子柴に依頼された内容は、
事故で運ばれた夫が集中治療室にて寝ている時、突然人工呼吸器が止まり、それを止めたのが妻だとし殺人に問われた案件だった。
息子からの依頼でその母親の無罪の立証が御子柴の仕事であった。
仕事中に事故にあい、集中治療室に運ばれた夫。残されたのは妻と、車椅子生活を余儀なくされている左手以外は麻痺を起こし言語障害も持つ息子。介護疲れで気が動転し誤って消してしまったのかもしれない、から、保険金をかけていた事から保険金狙いの殺人だと、一審二審でそんな印象を持たれた母親であったが、最高裁で担当する御子柴は、今までの裁判で使われた証言を読み込み、証拠を読み込み、洗い直し、そして真実に辿りつく。
専門機器や法律についての記述が多いが、人工呼吸器について詳しく書かれているのを読んだ時はハッとさせられた。
そして裁判にて、証言に立たされた人工呼吸器820型。
見事である。
しかしそこで終わらないのが中山先生。
身体のほとんどが麻痺を起こしていて喋れないが、思考は普通の人と同じ、そして唯一動く左手で携帯を駆使して会話を行える息子の幹也の本当の顔。
裁判中は憔悴しきっていた母親の本当の顔。
人間の醜さ、浅ましさ、恨まれるということはどんな事が起こるのか、最後の数ページに一気に凝縮されていた。
しかし刑事の渡瀬さん、凄すぎひんか?
あんな刑事さんおったら怖いわー。
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シリーズの5作目から読んでしまったので、やっと1作目を読めたー 医療少年院での様子や怪物から人間への変化の過程がようやく理解できました。
主軸の裁判で2転3転あって、医療機器を持ち出しての検証ではスカッとしたのだが、結局息子や母親らの犯罪に苦さを感じた。
渡瀬、古出川刑事との絡みもここから始まっていたのか。カエル男殺人事件も読んでいたので、登場も嬉しい
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面白かった。
はじめに植え付けられたイメージからどんでん返しがあるんだろうなと予想して読んでいたけれど、いつまでたってもイメージが覆らないので、もしかして主人公は本当に悪人なのか?と、錯覚が続きました。
クライマックスでようやく納得のいく展開になり、そうきたかと興奮しました。
物語は全体的に登場人物が頭脳明晰で理屈っぽかったのが気になったのと、結末を知った後に「じゃあ御子柴弁護士は死体遺棄はしてるけどそれはいいのか?」という疑問が残りました。
(★4にに近い★5です)
現実味は薄いけれど…
面白かった。御子柴礼司というやり手の悪徳弁護士とだと思い込ましておいて、その人となりを見せられる。それぞれのキャラが極端な気もするけれど、それも気にならないぐらいに読まされる。そして事件のトリックも、あー、そう言うことやったんか!と真実がわかった時のスッキリ感が良い。
しかし、生命保険。高額の生命保険に入ったら要注意やね。
面白い
展開など本当に度肝をぬく。びっくりするほと引き込まれる作品。もう一度読んでいろいろと確かめてみたいなと思った。久しぶりに睡眠を削ってまで読んだ作品だった。この作者の作品をもっともっと読んでみたくなった。
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おもしろかった〜!なんとなく犯人の目星がついてしまったんだけど、結局またひっくり返されて、クソっ!ってなってしまった。
まだこの本しか読んでないけど、ダークヒーロー的なものかな。法廷でのやり取りがテンポ良くて楽しい。同作者の本で、世界観が繋がってる設定が楽しくて好きだから、どんどん読んでみたくなる。作者、小手川のことめっちゃ好きなんだろうな。笑
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過去に殺人を犯した訳ありの人が弁護士を務めて
人を弁護する事にはどうかなと思った。
しかし、読み進めるうちに更生されるべき場所で
更生するとより人のことを理解できるのではないか!?
人それぞれのため難しい問題である。
裁判の件は、読み慣れなかったが、
御子柴の切り返しは、面白い。
すぐに次作を読みたい。
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一つの話が、事件捜査、少年院、医療過誤裁判という3つの毛色の違うパートで進行しており、スラスラ読めた。特に最終パートの裁判の場面は、意外な展開かつ鮮やかな伏線回収が見事だった。
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面白かったが、最後の二転三転は少ししつこかった。
少年院の音楽のシーンは臨場感たっぷりで凄まじかった。
磁場かどうのというタネであったが、肝心な部分に偶発性が高く、殺人の方法や動機に関してもう少し必然性が欲しかった。
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加害者であった過去を持つ御子柴が贖罪をどう果たすのかという重いテーマで、御子柴を許せないと思いながらも、次第に彼の行動の意味を考えさせられ、単純な善悪では判断できない複雑な感情を抱きました。また御子柴の過去の描写で彼がどのように被害者に対して罪を償おうと決心したのかという心情の変化と、弁護士になろうと決心した経緯について周囲との人間関係や出来事をもとに描写されており、彼の贖罪は、ただの反省や謝罪ではなく、罪を背負いながら法の場で戦うことであるように感じ、御子柴の人物像について“元死体配達人”から"御子柴礼司"へ解像度を深めることが出来たと感じました。
作中の証人尋問や証拠提示の場面などはドラマチックに構成されており、まるで裁判を「観ている」ような臨場感があり最後まで楽しく読むことが出来る作品でした。
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かつて殺人事件を起こした弁護士が主人公のリーガルサスペンス。
主人公の思い切った設定を受け止められるかで評価が変わりそう。犯罪者の更生など認められないという人は読まないほうがいい。
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Audibleにて。正義なのか悪なのか、事前情報無しに読むのが良いと思う。何も知らずに聞いたので楽しめた。シリーズものっぽいので次もトライしてみようかな。
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弁護士御子柴シリーズ1作目!
とにかく御子柴がすごいに尽きる。
言動がキレッキレで、
御子柴が出てくるたびに
その思考を覗けるのが楽しい♪
題材も踏み込んでて
内容も相俟ってドキドキが増し増し。
でもこのセンシティブなとこを
突きに突くのを楽しめるのも
中山七里さんの魅力のひとつなのかな?
とも思ってみたり。
贖罪…
罪を償うこと…
刑期を終えれば償ったことになる?
遺族は許してくれる?
人の命を何かで償えるわけがない。
贖罪のあり方について、
考えさせてくれた本作。
他シリーズでも毎度大活躍の渡瀬警部の
魅力は相変わらずたっぷり!
いろんなワード、台詞が印象的だったけど、
その中でもネタバレにならないのは、
「罪を償うのは義務じゃない。
罪びとに与えられた資格であり権利だ」
と
「人生に面白いもクソもない。
あるのは懸命に生きたか、そうでないかだ」
というところ。
どちらも渡瀬警部様ではないけど;
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連続殺人鬼カエル男からの派生シリーズ?
非人道的な人柄かと思いきや
御子柴弁護士の誕生秘話など
どんどん魅力爆発です。
あの人ともそういう出会いだったのね。と
嬉しくなりながらイッキ読みでした。
二転三転する事件の真相
渡瀬や古手川の登場もたまりません。
死体遺棄についてはお咎めなしには
無理やりすぎません?と思うが
実際はそんなものなのかしら。
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主人公は猟奇的な殺人をした弁護士。
幼児を殺害した中学生が贖罪として、弁護士になり、人助けをするストーリーだが。
もし、幼児の親だとしたら、許せるかどうか。
一方、裁判のリアルな駆け引き、二転三転するストーリー展開は深く聞き入った
御子柴シリーズ2ndも聴いてみる
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どんな罪を犯した罪人も無罪にしてしまうという弁護士神子柴。彼も過去に重大な罪を犯していた。彼を変えたものは音楽と人間性あふれる人だった。神子柴自身に変われる素質があったからこそ弁護士にまでもなれたのだろう。様々な出会いにを大切にしていきたい。
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御子柴シリーズ第1段!中山七里さんの本にちょいちょいでてくるミステリアスな弁護士、御子柴さんがどうやって弁護士を志すかまで。カエルオトコにもつながっていて面白かった!やはり最後の最後で二転三転をするところが、中山七里さんの小説の醍醐味!稲見の言葉に「後悔も謝罪もするな。命ある限り苦しんで償え。そして弱い奴のために闘え。」償いは義務じゃなく権利。いい言葉だなと思った。間違えた時に逃げるのは簡単だが、逃げずに闘えるようにしたいと思う。
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周囲から面白いとの評判しか聞かない中山七里の本を初めて読んだ。個人的には回想が少し長いなという印象だった。残りページ的に回収し切れるのかなと思ったが、スパっとエンディングに向かい痛快だった。ただ刑事達が最後になんでそこまで分かってるのかが少し解せない。自分の読み方が浅いのかもしれないが、多少ん?と思いながら終わったので星4です。
けど次作以降が楽しみです。
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テンポはよいがセンセーショナルなつらい出来事が相次ぐことと、民事事件と刑事事件がごっちゃになっていたり「最高裁でそんなことないだろ…」というのが気になってしまった…
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悪徳弁護士を主人公に据えた法廷ミステリ...序盤はやや退屈だななどと思っていたけれど、少年院のくだりからこれこそが作者が描きたかったものであるのだな、と。これこそがドラマであると。
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一応ミステリーというジャンルではあるが、どちらかというと犯人探しというよりも、主人公の過去や人格形成が主題になっている印象。
猟奇殺人という前科のある弁護士が主人公で、かつテーマが贖罪だから、主人公にスポットライトが当たるのは当然なのかな。
印象に残ったのは少年院時代。嘘崎の意思を継いで弁護士になり、稲見の教えから罪を償う覚悟を決めた時代。タイトルの奏鳴曲が何を指すのかと思ったら、元々人間離れした感性が、ピアノの音色を聞くことで別人のように輝き出すため。
終始暗然とした雰囲気で進行するため、ピアノのシーンだけはグレーカラーから一変、彩り豊かなカラーへ移り変わり、主人公の心の変化を感じさせた。
犯人は何となく、中山先生の作品だから予想は着いていたけど、その殺害方法や、取り巻く周りの人間関係までは予想外だった。
いずれにせよ、殺されたご主人が可哀想。何も悪くなかったのに。
Posted by ブクログ
弁護士・御子柴礼司シリーズ第1弾。
本作は、第一審・第二審で有罪になった事件の弁護を引き受けることになった御子柴が、どう逆転に持っていくかという主線と、御子柴が弁護士になるまでに経験した過去についてが副線として描かれている。
主線のほうは実に鮮やかな法廷逆転劇が描かれているが、そこからの伏線回収の展開が更に面白い。主人公・御子柴に代わり、敵と思われていた刑事の渡瀬が事件の真相を述べる場面はまさに圧巻。この2人の関係も今後気になるところである。
Posted by ブクログ
リーガルミステリはあまり好んで自ら読むことは無いのだけれど
本書は何だかグッときた。
いけ好かない主人公の御子柴だが
異例の経歴で弁護士になっており
読み終わる頃には好きになってしまった。
重い十字架を背負ってる人物なので手放しで好きなキャラクターとは言えないけど
御子柴に会いに次の巻も読もう。
Posted by ブクログ
終始大きな出来事が起きず淡々と物語が進んでいったことで序盤は読み進めるペースが遅くなったが、真相が明かされる過程は法廷シーンもあり読みごたえがあった。
結構なボリュームを割いて語られる御子柴の過去に対し、現在の御子柴の考えはこの1冊ではあまり出てこないため、続編での伏線の回収に期待。