【感想・ネタバレ】能面検事の死闘のレビュー

あらすじ

南海電鉄岸和田駅で無差別殺人事件が発生。7名を殺害した笹清政市(32)は、自らを“無敵の人”と称する。数日後、大阪地検で郵送物が爆発、6名が重軽傷を負った。被疑者〈ロスト・ルサンチマン〉は笹清の釈放を求める。不破俊太郎一級検事も新たな爆破に巻き込まれ――。果たして、連続爆破事件は止められるのか? 〈ロスト・ルサンチマン〉の真の目的とは? “棄民”と“司法”の対決が始まる。人気検察ミステリー第3弾!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

無差別殺人は秋葉原を思い出して恐ろしかったけど、この笹清の犯人はまさに近いんではないか。

不破検事の能面ぶりが昔の上司に被って読んでた。
沈着冷静で、何かトラブルがあっても動じない。また勝手に色白て細身の人を思い描いてた。

笹清のようなやつを生み出した要因と
不破検事のラストが印象的。

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2025年11月29日

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今回も楽しませてもらいました、中山さんの
「能面検事」作。

岸和田、天王寺で事件が起きるなど、登場人物の関西弁含めて、大阪赴任中の身となっては今まで以上に楽しめました。

「無敵の人」笹清とロストルサンチマン、こんな凶悪な人間と対する不破検事の戦いは今回まさに「死闘」に。

え!?ほんとに…

んな展開含めて、安定の楽しさ、ドキドキいただきました。

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2025年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回もどんでん返しの連続。
それにしても不破検事、(シリーズ通して)恨まれたり疎んじられたり撃たれたり爆破されたり大変ですね。
不破検事のラストシーンは泣けた。
御子柴令司弁護士との対決も見てみたい。

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2025年11月15日

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不破検事が好きです。
能面って言われながらもすごく優しいんだろうなと思う。

色々な社会問題も混ぜ込まれてて複雑な気持ちになった。

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2025年11月03日

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シリーズ3作目です。1番面白くてオススメです。もちろん、順番に読んで欲しいです。
無差別殺人で7名を殺害した犯人は逮捕されたものの、それだけでは終わらず、今度は爆発事件が。そして又、不破検事に危機が!ここまで読んだので、やっと録画したドラマを観られます。楽しみです。

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2025年09月20日

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シリーズ第3弾

無差別殺人に、爆弾魔…
めっちゃするわ〜
でも、無敵の人らなら…
なんで、こんなネーミングになったのか憶えてないけど、失うモノがないから無敵とか意味分からん。

更に、こんな事件の原因が、ロスジェ世代のツラい社会情勢にあったとか…
ロスジェネ世代と、色々言われるのもツラいなぁ。その代表格が、「ロスト・ルサンチマン」になるのか…
殺人犯釈放を求め、爆弾を仕掛ける!

その爆弾で、不破検事(能面検事)も、やられて一時命もやばい状態に…

後半、凄い展開にオロオロ…
こら、一気読みになるわ〜
司法に携わる者が、私怨を晴らす為にやってはならん事やけど、気持ちは分かる。

なかなかな大どんでん返しで、おもしろかった!
しかし、殺人犯に仕上げた方は罪には問われんけど、コイツがなぁ。やはり、愛情持ってないとあかんのか…

ほんまのラストの能面とまで言われた無表情さが崩れるとこに感動。
やっぱり、仕事ではアレでも、人間なんやなぁ…

しかし、大阪府警、ボロボロになってしもたけど、どうすんの?(−_−;)


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金曜日は、ファースト・ディ〜

「ファンタスティック4」

観に行って来た〜!
また、マルチバースかな?
いきなり、アース828の世界とか解説してからはじまる。
なんか、1960年代みたいな古い風景の世界。1965年みたい。
ここで、ファンタスティック4が、活躍する。いつも思うんやけど、あの全身岩みたいな人(名前忘れた^^;)だけ可哀想過ぎる。
もう人間の姿してないし、仲間は全員、普通の姿やから、余計にキツい!
悪いヤツは、何とかやっつけるんやけど…また、出てきそうな…
これ、アベンジャーズと繋がるんやけど、どう繋がるのか分からんなぁ…時代も違うし、また、無茶振り攻撃なんかな?指をパチン!と鳴らしてとか(^◇^;)

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2025年08月03日

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相変わらず感情の見えない不破検事。
けれど、ここへきて端々に感情が見えている気がする。
罪には目に見える罪、見えない罪。そして法律上罪に問うことができる罪、問えない罪。いろいろある。この物語はで目に見えない、そして罪を問うことのできない罪の大きさと重大性を問われている。
今の世の中には同じように理不尽を感じる出来事が多く起こっている気がする。「節度」を持った行動をしなければならないと思い知らされます。

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2025年07月31日

Posted by ブクログ

毎度、事件のあらましや、解決の過程にドキドキさせられますが
今回は、メインお題の失われた世代が、自分ドンピシャなもんで・・・
どちらかというとそこにドキドキしましたね
あれ?自分ももしかして、こんなこと・・・しないとは言い切れないなぁって
流石に、人を殺めるまでは・・・でもわからんです

人はいつでも変われるけど、それは上にも下にもなわけで
ちょっとしたきっかけ・・・何気ないことでもその転機は訪れる
いやぁ〜、なんかラストのどんでん返しのくだりで、
その恐怖がグイグイっと鎌首持ち上げてきて、
自分ごとに思えて空恐ろしくなった次第。

今回の一番のどんでん返しはそこでしたね。

そうそう、またもや能面さん負傷・・・お疲れ様でした。
(それも前回とおんなじような流れ・・・笑)

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2025年07月26日

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信念は揺るがない――“棄民”と“司法”が激突する、魂の法廷サスペンス。
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中山七里さんの作品はどれも緻密で重厚ですが、『能面検事の死闘』もその中でも特に印象に残る一作でした。シリーズを通して登場する能面検事・不破俊太郎は、一見冷徹に見えながらも、内に強い正義感と信念を秘めています。今回もまた、その不動の姿勢が、社会の“闇”と激しくぶつかり合います。

中山七里さんの作品に出てくる登場人物たちはどれも一癖ありながら、自らの信念を貫く強さを持ち、その生き様が物語に深みを与えています。彼らは社会的には「不適合者」とされながらも、近くにいる人間にはちゃんと理解され、尊敬される――そんな関係性の描き方が実に中山作品らしい魅力です。

事件のスリルと心理のぶつかり合い、そして司法の理想と現実のあいだで揺れる人間たちのドラマ。ラストには緊迫感の中にも清々しさがあり、シリーズの次作にも大きな期待を抱かせます。
不破検事シリーズのファンならもちろん、骨太な社会派ミステリーを求める方にもおすすめです。

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2025年11月12日

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中山七里の能面検事シリーズ、
舞台が大阪になってる事からイメージがつきやすかった。不破検事の活躍する設定を作り出す著者の技術の高さを改めて感じた。設定に無理がありそうな場面もあったけど、意外な視点で犯人をあぶり出すところも不破検事の魅力の1つと思う。主筋から外れが惣領事務官の成長も感じらる一冊でした

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2025年10月09日

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南海電鉄岸和田駅で無差別殺人事件が発生。7名を殺害した笹清政市(32)は、自らを“無敵の人”と称する。
数日後、大阪地検で郵送物が爆発、6名が重軽傷を負った。その爆破事件の被疑者である〈ロスト・ルサンチマン〉は笹清の釈放を求めるが、その理由は何か? 不破俊太郎一級検事も新たな爆破に巻き込まれ負傷する――。
連続爆破事件を止めることができるのか? 〈ロスト・ルサンチマン〉の真の目的はどこにあるのか? “棄民”と“司法”の苛烈な対決が始まる。

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2025年09月25日

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冒頭の無差別殺人のシーンは、読むのが辛かった。
その後の笹清の取り調べも、不快感でしんどく。
重傷を負いながらも事件を追う不破の姿が頼もしかった。
事件の真相はなんともやりきれないものだった。
これで、シリーズ既刊分は読んでしまったので、続きを楽しみに待とう。

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2025年09月22日

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能面検事シリーズ第三弾。

冒頭から7名が殺害される無差別殺人事件が発生。それはほんの序章に過ぎず、大阪地検で郵送物の爆発事件が発生する。

さらには犯人に逃亡され、不破検事も新たな爆発事件に巻き込まれる。

ラストではこれまで隠されてきた不破検事の人間性が垣間見られる。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

能面検事シリーズ3作目。
今回はかなりヤバい事件だが、これと似たような事が現実でも起こらないと言えないところが怖い。
まず最初の無差別殺人については、就職氷河期世代の不満を代弁したような犯人の主張がイラッとさせられるが、その尻馬に乗って同調する輩にも腹が立つ。自分の身の回りを見てみると、仕事が出来ない人は必ずと言っていいほど何でも他人のせいにする。こうなったのは親が悪い。学校が悪い。会社が悪い。政府が悪い。世の中が悪い。自身の能力や努力不足を省みず、全て自分以外のせいでこうなってしまったと言う。何でもかんでも他人のせいにすれば自分の至らなさには目を向けないで済むし文句を言えばスカッとする。極めて楽な選択肢だ。今回の犯人たちを就職氷河期世代などと世代や集団で纏めて理解しようとするのは不破が言ったように間違っており、どの年齢層、どの集団にもこういう他人のせいにしたがる人はいる。
次の爆破事件の犯人については、さすがに犯人は最後まで分からなかったが、動機というか何のためにこういう騒ぎを起こしているのかは割と早い段階(ストーリー半分の頃)で想像できた。中山七里を読み過ぎて思考パターンが分かってきたのかな?

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2025年09月16日

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個人的に第2弾の『能面検事の奮迅』が微妙だったので、うーんと思ったら、こちらは面白かった!

実際顔の見えないテロリスト集団が現れたらと考えると恐ろしい。

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2025年09月04日

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無差別殺人事件の犯人は逮捕された
担当は不破検事
爆発物を盾に犯人を釈放しろと迫るのは
ロスト・ルサンチマン
不破検事も爆発に巻き込まれてしまう

彼は復帰できるのか??

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

 また会えました不破さん。人相は装丁からしか想像できませんが、ゴルゴ13の眉を薄めにしたお顔ならいいなぁと勝手ながら決めつけている。
 不特定の人々が行き交う中に暴走する車両。無差別に人を跳ね、直後には罪も面識も怨みもない他人に刃を向ける。秋葉原の事件を思い出さざるをえない。文字情報だけでも戦慄を覚えた。取り押さえられた犯人の映像からは残虐さとのギャップが大きな"普通の人"だった。
 アンホ爆弾という言葉には馴染みがなく初めて触れた。簡単に材料が揃い、破壊力はビルを吹き飛ばすことも可能とは恐るべし。性能を弱めても能面の顔を歪める
程の威力がある。それを武器にする卑劣さは理性をも破裂させる効果も生む。
 このところニュースで見る無差別な殺傷事件。繰り返される"誰でも良かった"は過去よりも多く聞かれる感覚がある。治安の良さが売りの日本も危うくなってきたか。
 ルサンチマンという言葉も馴染みがなかった。強者を悪と決めて攻撃する思考は何処でも誰でも潜在してるのかもしれない。他人に障害を与えるか否かは私情の深さか、それとも前例の増加傾向なのか。
 ポストバブル世代が世の平均的な世帯を悪とするバイアスも共通認識がある現象だと思う。理不尽な境遇にも関わらず多数の卑下する言葉の応酬はSNSでの炎上と重なる。時は経ても変わらない。真実を無視した言葉の乱発には表情を変えず自分の信念を貫く姿勢が有効なのかもしれない。

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

中山七里『能面検事』シリーズ第3弾。

南海電車岸和田駅前で、無差別殺人事件が発生。7人を殺害した、笹清政市が現行犯逮捕された。
笹清は、リーマンショック後の新就職氷河期世代であり、世間への復讐のために、幸せそうな人たちを狙ったと。

そんな中、大阪地検で爆破事件が起こる。犯人『ロスト・ルサンチマン』の要求は、『笹清政市を釈放すること』…

『ロスト・ルサンチマン』の目的は…
担当検事となった、不破は変わらず、天上天下唯我独尊で奮闘するが…

『ロスト・ルサンチマン』の狙いは何なのか⁇
警察か検察の内部の人間では⁇と疑っていたが…
世間が、ロスジェネ世代の復讐だ、と騒ぐ中、不破も最初から疑っていたようで…
さすが不破というところか。

被害者の関係者がいるんだろう、とは思っていたが、なかなか特定できず…
そこかと…

就職氷河期世代へのサポート、フォロー、政府は今ごろになって、言い出しているが、遅くはないか⁇
30代半ばから40代半ばと世代をどうサポートするのか…
お金だけの問題では解決しない。
景気が悪く、就職氷河期ように、新卒での就職が難しくなった時にどうサポートするか、だろう。
正社員として働けるように…
非正規として働き続けてしまうと、正社員となることはかなりハードルが高い…
最初からセーフティネットを張るようにしなければ。





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2025年08月02日

Posted by ブクログ

能面がこんなに強いとはと思い知らされるよう。

書き出しから十数ページは、もう止めてという気持ち。小説なんだけれど、実際にあった事件を思い起こさせるし、苦しい。

中山七里ファンなら、犯人像がうっすら見えてきても、そこに迫っていく流れが見事。苦い思いが繰り返しありながら、一気読み。
法、私刑、人… 考えさせられました

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

凄惨な無差別殺人の現場から物語が始まる。「無辜の人々」というサブタイトルの通り罪のない一般市民が次々と殺される。笹清が車で3人轢き殺した後に女子供を狙ってサバイバルナイフで次々殺すシーンは心が痛い。
笹清は逮捕され、担当警官に供述する。
自分はロストジェネレーションで就職氷河期の被害者であり、正社員で普通に生活ができる人間に対しての粛清だと嘯く。
家宅捜査が入るが笹清の部屋は殺風景。父親と二人暮らしだが父親も引き籠りの息子とは関係が薄い。父親も息子の罪を認めながら不穏な空気。
大阪地検にも証拠品や事件に対する一般市民からの手紙などの郵送物が届く。
その中に爆弾が仕込まれており爆発してしまう。
前田事務官が重傷を負い、他5人の事務官も軽傷を負ってしまった。
犯人は「ロスト・ルサンチマン」を名乗り笹清の釈放を要求する。
ロスト・ルサンチマンは犯行声明時に爆弾について解説する。爆弾はアンホ爆弾という肥料と軽油で作れる爆弾らしい。
不破検事はこの「通り魔事件」と「地検爆破事件」両方の担当になる。大阪府警とは先の事件で嫌われているので苦難が予想されるが不破検事本人は気にとめていない。

不破検事は捜査を開始する。
大阪病院で前田事務官に事情聴取→大阪府警で鑑識の爆弾進捗確認→笹清の初件→大阪府警警備部部長の帯津から情報交換の交渉→岸和田署の成島・緑川に事情聴取→笹清の精神鑑定
笹清は頭がおかしいフリをするが正常な判断の元犯罪を犯したと判断される。
ロスト・ルサンチマンが解説したアンホ爆弾が簡単に作れる事から、動画でアンホ爆弾関連動画が出回りだした。模倣犯の出現が懸念され、ロスト・ルサンチマンもそれを煽動する動きを見せる。

各所でロスト・ルサンチマンを名乗る犯行声明が多発。狂言もあれば本物の爆弾を使われたものまで様々。警察はその対応に追われてしまう。
不破検事の元に菅野刑事部長、帯津警備部部長が訪れる。榊次席検事にも呼び出され、進捗が思わしくない事に苦言を呈される。
不破検事は被害者遺族に話を聞いて回る。笹清との関係がなかったかを重点的に確認する。
7ヶ所の遺族を回った後、美晴を宿舎まで送った際に集合ポストが爆発し、不破は重傷を負ってしまう。

不破の意識が戻らない中、美晴は代理で笹清の尋問を行う。不破ほど上手くできないまま笹清の尋問が終わった後、ロスト・ルサンチマンの手引きで連行する警官が襲われ、笹清を取り逃がしてしまう。人手不足で慣れない警官が配備されたのも原因だった。不祥事が続く中、上長に連絡を躊躇した府警本部の連絡の30分の初動の遅滞により捜索が遅れ、笹清とロスト・ルサンチマンは逃げおおせてしまった。
5000人規模の捜索隊をもってしても逃亡犯は見つからない。しかし逃亡から2日後、箕面で笹清の死体が発見された。ロスト・ルサンチマンによる犯行と思われる。
笹清を殺された捜索チームはルサンチマンに対象を絞り榊次席検事をリーダーに変えて逮捕に乗り出す。と思ったら不破検事が復活した。

不破検事は病院を抜け出してきたらしい。重傷でも情報の鮮度が大事なので今動きたいと言う不破を連れて美晴がクルマを運転する。
大阪府警で笹清殺害の報告書を受け取る→箕面で第一発見者と担当巡査に聞き込み→喫茶店で鑑識の鴇田と密会→岸和田署で対峙。
捜査を進めていくと犯人は素人ではないことが判明していく。
ロスト・ルサンチマンは緑川巡査部長だった。
被害者7人の中に恋人がおり、笹清を直接殺すために爆弾騒ぎを起こした。
証拠を押さえられ、緑川は犯行を自供した。

事件の後、不破は笹清の実家に赴く。父親に話を聞くと本人よかれで息子に罵詈雑言を浴びせていたらしい。ロストジェネレーション社会ではなく、父親の接し方が事件の発端になったのではないか、という描写。

最後は不破検事が献花台に花を手向け手を合わせるシーン。そこで不破検事は能面ではなく沈痛な面持ちで手を合わせていた。

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途中で出てきたテレビの中のお笑い芸人のモデルが気になる。

被害者遺族に話を聞いていくシーンは心が重くなった。ニュースで事件を見るとどこか無機質に感じるが、当事者の顔が見えてくると辛い気持ちになる。

笹清が殺されたあたりで、ロスト・ルサンチマンは被害者遺族か?と思った。法に任せては復讐できないので敢えて笹清を解放したのか?
→当たらずも遠からず。被害者遺族は警察・検察の内情がわからないもんな。

社会風刺の話かと思ったけど逆で、何でも社会環境のせいにするなよ、というメッセージのような気がした。

成島が相棒に手錠をかけるシーンはとても気の毒だった。相棒になつた時点では緑川は正義感に燃える警察官で、緑川本人もこうなるとは思ってなかっただろう。

恋人内海菜月のスマホから「緑川」の名前が出たワケだけど、これって初動捜査で出てこないかね、と思った。初動で判明してたらルサンチマン計画はなかったかもね。

開始の無差別殺人のシーンのインパクトが大きく、罪のない人たちが次々と巻き込まれていく展開は胸がザワザワして3作品の中で一番心が動いた。続編があるのかな?次回以降も期待です。

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2025年07月18日

Posted by ブクログ

中山七里さんの能面検事シリーズ3作目。

今回は駅前で敢行された凄惨な無差別テロ事件、その後に大阪地検をはじめ複数起きる爆破テロと、どでかい事件に能面検事不破と若手女性事務官の惣領さんのコンビで挑む。
直近で『爆弾』を読んでいたこともあり、何かストーリーに既視感がありましたが、不破も事件に巻き込まれたり、まさかのラストと最後まで安心して楽しめる一冊。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

能面検事が現代の問題を取り上げて考察できるような犯罪事件。でも、ステレオタイプな感じもした。結局犯人はそこにいたのかと思う結末。でも、途中は犯人の犯行に事務官晴美と一緒に怒りを感じながら読んでいろいろ考えさせられた。

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

いきなりの無差別殺人事件から始まり連続爆破事件。2つの事件が上手く絡み合っていく。犯人はなんとなく予想できたけれど歪んだ大人の悪意のせいで歪んだ人間に育った人間がどれほどいるのだろうかと考えてしまった。事務官の成長が見られなくて検事との対比で必要なのだとは思うけれど感情がダダ漏れの言動が鬱陶しい。

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2025年09月03日

Posted by ブクログ

前作でほんの少しだが人間らしい部分を見せてくれた不破検事の戦い、第三弾である。

今回の犯人は七人の男女を殺害した無差別殺人事件の犯人、笹清政市。連続殺人ではない。人通りの多い駅前で、次々に殺害して現行犯逮捕された犯人である。
こういうふざけた態度の犯人に不破検事をぶつけてくれると、本当に胸がスカッとするなあ。
自分はただ加害しただけで、被害者より強い立場に立ったと勘違いしている。自分の中にある人間性をかなぐり捨てたおかげで、他人を加害する立場まで堕ちたのだと思ってもいない。
この辺のことをなんとか飲み込めるようになることが、贖罪の第一歩なのだと思う。
中山七里さんの他の作品では、このスタートラインに立てた人間も描かれているが、笹清はどうだろうか。

この話に限って言えば、テレビドラマの方が面白い。原作を最後まで読んでいるのに、全く違う人間が犯人だと名乗りを上げてきて、観ながら変な声が出るところだった。どうなるのか予想できないです。

小説は犯人が明かされた時の印象が、わたしにとっては唐突な感じだった。
そこがちょっと残念でした。

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2025年08月29日

Posted by ブクログ

シリーズ最新作。
駅前での狂気的な事件から始まる場面がリアルだった。ただ、自分が氷河期世代ではないからなのか、性格なのか分からないがなぜそんなに世間のせいで人を殺せるのかが全てを感じ理解はできなかった。実際の事件もそうだがある特定の対象者に恨みを持って殺意を持つのは理解はできる。ただ、そうでなく無差別の殺人はなぜ起こるのか考えてしまった。そして、それは新しい恨みを産む。それが悲しかった。その恨みをはらすためにその後の人生が変わってしまう人間を作り出せる犯人が恐ろしかった。
あと、やっぱり美晴は苦手かも。

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2025年08月22日

Posted by ブクログ

シリーズ第3弾

無差別連続殺人と、その犯人を擁護する「ロスト・ルサンチマン」と名乗る爆弾魔
不破は2つの事件を担当することになる

不破が事件を確認する中で真相の複線が垣間見えてしまい、読み進めて、あぁやっぱりそうだったのかと

いくら能面でも無敵なわけではないのに、事故からの不破の復帰には無理がある

ドラマ化になり、派手な演出をしたいのか残念
もっと地味でも、不破ならではのものが読みたい

作者は警察vs検察という図式を作りたいのだろうか?

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2025年08月18日

Posted by ブクログ

駅前での無差別殺傷事件がロスジェネ世代の就職難問題や検察庁への爆破テロにまで繋がっていく。
ストーリー的に仕方ないのかもしれないが、真犯人を知った時(何となく予想はついていたが)いくら無差別殺傷犯に復讐するためとはいえ、罪のない人を巻き込み過ぎではないかと感じてしまい、真犯人の悲哀みたいなものが薄れてしまった気がした。
検察官が不在の時には事務官が代理を務めるのは初めて知った。美晴が上手くやれなかったのは想定内ではあった。
彼女が感情的に動くのに賛否あれど、個人的には不破との対比を考えると彼女にはこのまま進んでもらいたいと思う。

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2025年08月12日

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ネタバレ

もともと愛想のない人が好きだからか(笑)、不破検事のことは最初から大好きですが、いつまで経っても惣領事務官のことは好きになれません。

けれどふと気づく。彼女がこんな調子で不破に向けて放つ言葉こそ、私たち一般人が尋ねたいことなのだろうと。あまりに青臭く正義をふりかざした質問で、聴けば怒られそうだと思うことを彼女は普通に口にする。そのおかげでわかりやすい話になっているのだと思います。

冒頭の殺人現場の描写は生々しくて絶句。子どもまでそんな目に遭わせますか、七里センセ。それだけに、最後は余計に不破の様子が心に染み入りました。

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2025年07月31日

Posted by ブクログ

相変わらずリーダビリティは申し分なし。すいすいと読み進められる。
ただところどころ、TVのワイドショーのコメンテーターのコメントが長々とつづいたり、ネットの書き込みコメントなどがズラズラと出てきたのは、繰り返されるとゲンナリしてしまった。

最後のどんでん返し(?)も、この著者のものとしては物足りなさが残る。(そもそも「どんでん返し」ではないのかもしれない)

面白い作品であることは間違いないが、深く心に残るものでもない。

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2025年07月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ3作目。このシリーズは会話劇として面白い。会話だけポンポンと読んでいっても登場人物たちの映像が頭に浮かぶよう。
ただ、ネタバレになってしまうが、犯人が警察関係者、さらには凶器の入手経路、1作目とまったく同じでは…。十分楽しかったが違う展開で驚きたくもあった。

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2025年07月26日

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