あらすじ
マンションの13階からフックでぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。これが近隣住民を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の凶行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに……。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の正体とは?どんでん返しにつぐどんでん返し。最後の一行まで目が離せない。
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刑法第39条、心神喪失状態での犯罪がテーマの小説。主人公の新米刑事がベテランで凶悪な顔をした班長とのバディで残酷な連続殺人事件の犯人を追うストーリー。グロテスクな描写が多いが、未知数の犯人に迫っていくハラハラ感が面白すぎた。中山七里先生らしいどんでん返しも圧巻。三巻あると知って即続きを買いました
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☆4.5
ミステリとして、後半の怒涛からオチまではほぼ完璧な力作。
殺戮に至る病のような気持ち悪さとmediumのような軽快さがバランスよく融合している。
唯一のマイナスは、戦いのシーンがいくつかあるのだが、小説で緊迫感を出せずぐたぐた描写されるのはキツイ。
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猟奇的でグロい描写がありますが、それが大丈夫な人には次々と飽きさせないストーリー展開がとてもおもしろくておすすめです。何度も驚かされるところも良かったです。
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サイコスリラーの体裁だけど、中山七里って社会性入れてくるから、純粋なサイコ話じゃないんだろうなと考えて読んでいた。
はじめのどんでんに向けたフェイントが巧み。書き方も、心理トリックも。ピアノ部屋に入って、そういえばコントラバスケースのこと書いてたなーと思い出してから怒涛。動機としてちょっと弱いよなぁと思うのは、次のどんでんの匂いがしてから。
次作では、おの人が犠牲になるらしいが、それなら誰がカエル男を引き継ぐのか。また同じテーマでそれがやれるのか。読んでみたい。
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オーディブルにて。
まず始めに、『笑う淑女 二人』を先に(半年以上前)読んだせいで、名前までは覚えてなかったけれど、カエル男=女という壮大なネタバレをくらっていたが、それでもなお面白かった。
時系列、真犯人、黒幕という3どんでん返しがあり、後半の暴徒vs警察あたりからのハラハラドキドキもあり、過去編は苦しかったが、それを超える面白さだった…!
メモ:カエル男ふたたび→笑う淑女 二人→カエル男 完結編
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いやー、どんでん返し。最後まで読みましょう。人には言いにくいがシリアルキラーものは本当に惹きつけられる。ナイス社会派ミステリー。法律や医療の詳しい描写がいいのよね、中山七里先生は、専門的すぎると難解で嫌になるし、雑なら雑で読み手にバレる。その辺りをうまく調整している。本当に読み易い。
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連続無差別殺人事件。死体を吊るす、潰す、解剖する、焼く。密度が濃い。溢れかえるほどの濃密な死体と暴力の数々。市民は狂乱し、暴徒化し、警察署まで襲う。精神異常者や未成年殺人への刑法の甘さを問うているのかもしれないけど、ここまで頑張らなくてもいいんじゃないだろうか。
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タイトルからB級小説とたかを括っていたのだが、社会派超絶本格ミステリで度肝を抜かれた。冒頭から胸糞悪くてそれをずっと煮詰めているような雰囲気だが、結末に向かう二転三転のプロットには爽快感がある。
特に「ナツオ」の性別誤認こそ至高のミスリードだった。よくよく考えれば「男」と断定できる要素はなかったんだけど、その仕掛け方が実に巧妙だった。
つまりは、この小説は三重構造どころではなく、読者を掌にのせた中山七里という存在をカウントしなければならない。
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完結編が出たので1作目から。とにかく多作で作風も多岐にわたる七里さんの本はかなりの数読んでいると思うけど、結末が二転三転がウリと言わるのは、そうかなー?と思っていた。
最後にどんでん返しはみんな結構ある訳だし。でもこの本読んであーこの本辺りからそう言われ出したのかなと思える結末でした
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死体や、暴行などのシーンが細かく描かれており、怖かった。「切り裂きジャックの告白」で古手川がおそらくこの事件を振り返る文章があり、あっ、きっとこの事件を指しているんだろうなと思い出して読むのが面白かった。古手川が体力というか身体が強すぎてバケモンだろと思う。精神的な病は外傷ではないから、精神状態が他人から分からない。だからそういった事件が起こる可能性のあるという恐ろしさについて考えさせられた。続編も購入したので読む、、。
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オーディブルで聴きました。
動物を殺すシーンがあると知っていたので、ずっと避けていたこの本、聴いてしまいました。(そのシーンはもちろん飛ばしたけど。)
面白かった。やはり中山七里先生は凄い。
グロいことを書かせたら彼の右に出る人はそうそういない。グロい表現が大好きなのだろう。そして痛い表現も。
これで事件解決かと思ったところからの、怒涛のような二転三転しながらの盛り上がりはさすが。
さよならドビュッシーとこのカエル男を受け取った審査員たちの衝撃はとんでもなかったろう。中山先生は天才で変態だからしょうがない。
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カエル男ってふざけた感じではあるが、凄惨さとのギャップがあって、それはそれでもアリだと思いました。前半なんとなく読み進めるのに時間を要してしまった。市民が暴徒化したのは少し飛躍しすぎ感はあったが、あの辺りから一気読み。どんでん返しというほど結末に驚くことはなかったが、伏線の回収はちゃんとしてくれた。
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とにかく構造がすごい。
一見単純な殺人事件の犯人を追う物語に見えるけど、いろんな伏線が散りばめられていて、何一つ気づけなかった。
物語も嫌な生々しさと、迫真さがあり、没入感がすごかった。
ぜひ読んだことない人にはおすすめしたい作品。
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ミステリ好きをワクワクさせる猟奇殺人と犯行声明文、さらには精神障害者に関する見方についての社会派ミステリ的な側面もある素晴らしい作品であった。途中長ったらしくリアリティに欠けたシーンが存在したが、オチが非常に良かったので全然OK!
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以前ドラマで視聴していたが、改めて読んでみた、なかなかエグい描写あり、別人格の狂気具合がドキドキさせる、ただ警察所襲撃は長く感じてしまった。刑法39条を扱う作品はいくつもあるが、被害者目線な捉え方な作品
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2025.11 audible聴了
不気味な事件の連続と、事件の見え方が二転三転させられる構成でスリルが止まらない。なかなか苦しい描写が多いが、これも人間の闇の部分を描いているからこそなのだろうか。
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民衆のパニックがコロナ禍の雰囲気と重なる。
本書が書かれた2010年頃と比較しても、高度情報化、新住民化、共同体の空洞化がより進んだと思うんだが、それらが人心荒廃の一端でもあることをきちんと受け入れた上で、「復讐ではなく救済のメンタリティーを社会全体で醸成するにはどうしたらいいか?」真面目に考えさせられた。
一時的には損かもしれないけど、未来のために負の連鎖の断ち切りは今やっておきたいところ。
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2011年刊の古い本だが、その年の「このミステリーがすごい!」の選出に残った本。
連続猟奇殺人が埼玉県飯能市で発生する。殺害方法は多様だがすべて常軌を逸するやり方。
捜査にあたる小手川。手がかりのない中、容疑者の絞り込みのため、精神障害を持つ人間を当たり始め、障害を持つ若者とその治療に当たる理学療法士と知り合う。しかし、殺人は続き…
狂気の殺人が続いた地元。その次第にいらだち、恐怖のために爆発に至る過程など筆力でぐいぐい読ませる。最後、真犯人との対決は、このシチュエーションなら謎解きにとどまらず緊張感が落ちない、という設定になっている。
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いろいろ怖すぎるが、続きが読みたくなる。
犯人が二重、三重になっていて、最後まで気が抜けない上に、次に続いている。
殴られボコボコにされるシーンが長く
ちょっとしんどい。リアルな映像だと、観れないレベル。
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ひょえーーー!
最後の、最後の一文でふるえる
なんともいかした終わり方
米澤穂信の本みたいだ!
この作者は、絶対に人を殺したことがある!
表現が凄まじく艶めかしい。
細部まで容易にイメージがついた。
星4.5くらいかな。
5は、もう一度読みなおす(したい)本
死体とか痛みの表現がこわすぎるから
読み直しはしないけど
続編があるらしいから読む
Posted by ブクログ
ずっと読みたかったけど、なんとなーくちょっと苦手で逃げていた作品。
何を逃げてんだー!って怒りたくなるぐらい面白かった!
しかし、得られる物はないので星4。笑
さすがの中山七里作品!
グロテスクな殺害方法
心が壊れまくってる犯人
犯人を取り巻く環境
最高に狂ってて、最高に面白い!
そして小手川さんと渡瀬班長が出てきて。
ヒポクラテスシリーズのファンとしては乱舞しました。笑
ヒポクラテスに出てくる小手川さんよりも、荒っぽい感じ。
喧嘩っ早いし、女性に対する感情も思いのまま出してる感じで。
いい意味で荒っぽい感じだったかな。
勝雄が犯人!ってときはすごく違和感があって
いやー、どう考えてもさゆりが怪しいでしょーって思って読み進めてたら
まさかの真犯人!!!御前崎教授、、、。
やられたーーー!!!
そして、最後の最後。
勝雄の狂気が芽生えるところ
オマエザキムネタカ。
ぞくぞくぞく!でした。
外傷再体験セラピーと因果応報がテーマな事件でしたね。
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オーディブルにて。
中山七里は読みすぎてもう飽きているのだけれど、さすが初期作品は面白い!二転三転する真犯人や、最後の1行のオチまで完璧。
中山ファミリーがたくさん出てくるので、その後の活躍作品を先に読んでしまっている私としては、若い頃の回想を見ているようで楽しめた。
匿名
どんでん返しを警戒して読んだからか、性別誤認させようとしているところには気づけたけれど
さらにその先があったとは。。。
因果応報での締めも良かった。
ただ、戦闘シーンとかくどく感じてので多少読み飛ばしてしまった。
読む順番
中山先生の作品は登場人物がクロスオーバーします。
正しい読む順番が知りたい。
わたしは『嗤う淑女』シリーズを『二人』まで先に読みました。
☆ひとつマイナスの理由は以上です。
匿名
どんでん返しの帝王はすごい
刑法第三十九条第一項「心神喪失者の行為はこれを罰せず」。
『連続殺人鬼カエル男』はこの条文について、深く考えさせられる内容だった。
社会問題に突っ込んだ内容だが、話が二転三転する小説で大変驚かされ、手に汗握る展開だった。
引き込まれますが、結構グロい
グイグイ引き込まれて一気に読みました。猟奇的ミステリー小説やドラマ・映画は無数にありますが、文章だけでここまでグロいのはすごい描写力。苦手な方にはオススメしません。どんでん返しにはそこまで驚きませんでしたが、よく出来ているミステリーだと思います。続編も併せて読んだのですが、何だか読後しばらくモヤモヤしてしまったので星4つとしました。
Posted by ブクログ
2016年11月小栗旬主演『ミュージアム』映画公開され、カエル男の連続殺人って、この本が原作だったわけじゃないんですね、今、検索して分かったことなんですが、『ミュージアム』の予告が面白そうだったので、勘違いしたままこちらを読んでみた。
殺人犯を追う刑事が、自身のトラウマを語るなどきっちりと主人公に感情移入させるところなど上手いを関心した。最後の大どんでん返しを楽しみに、ぜひ読んでほしい作品である。
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続きが気になるし、残酷な描写とか、びっくりするような結末とかって刺激的だから読んでる瞬間は楽しいけど、読み終わると、こんなの読んで楽しんでたなんて、自分はやばい人間なんじゃないか!?って気になっちゃう。
若い子が、こういう本ばっかり読んでたら、絶対情緒に悪影響だろうなぁ
あまりに痛い描写は目を細めて読み飛ばしちゃった。
多分、怖がらせることの他に39条がらみとか、刑事の使命的なこととか、なんかテーマ的なこと書いてたんだろうけど、刺激に脳みそが邪魔されて、そっちを読解するひまはない。そういう社会性みたいなの無理やり挟んで、読む意義のある小説っぽくしなくていい。読んでる間の短い時間だけ楽しければいいような、仕掛けはあるけど中身はないモノとして認識してるから
こういうのは、小説じゃなくて映画にしてくれって思う
Posted by ブクログ
後半の展開が凄かったですね~(笑)一気読みでした(笑)猟奇連続殺人という話は中々良かった(笑)猟奇殺人よりも暴動の場面が怖かったですね~(笑)どんでん返しと言っても可能性のある人間が限られますが(笑)そして主人公の古手川さんがタフすぎる(笑)班長もかっこよかったし(笑)満足でした(笑)まあ真相としては有名な小説と同じですけどね(笑)
Posted by ブクログ
その界隈(ミステリー好き界隈)で高評価ながら未読だったこちらを読んでみました。
なるほど…高い評価をする人が少なくないであろうことには納得も、読後感は良くないですね…読んでいる最中の気持ちも。猟奇的なものを受け付けないということではなく…(あ、でも、私、「怪奇」なのは好きですが「猟奇」は嫌いかも)
確かに力作であることは認めます。
Posted by ブクログ
表紙の可愛らしいイラストからは想像のつかないかなりグロい描写が多かったが、後半で二転三転したどんでん返しに襲われる。
『刑法39条心身喪失者は罰しない』に着目した話で、善悪の判断ができず責任能力がない人は罰しない。その判断が難しいところだが、そのせいでかえる男では第五の犯罪を匂わせている。精神の分野は複数の目で長い目で見ていく必要があると思うが、いつまでも障害があり犯罪者として見ていくと社会と共存していくことが難しくなる。
「遺族感情と処罰感情は違う。法廷は報復の場ではない」という言葉に、その通りだが自分の身内が被害者になった場合に割り切れるものではないと思う。
何がともあれ、精神も身体も著しく消耗した主人公にはおつかれさまと伝えたい。