中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレとても面白かった。展開がどんどんと進み、御子柴を知る度にどんどん話に引き込まれていった。最後のどんでん返しの連続には何度も驚かされた。感情を表す表現や風景などの表現の一つ一つが細かく、臨場感があった。初めは性格が悪くて冷酷だと思われていた御子柴が、過去を知るうちにいい人だと見方が変わっていったのも面白いし、御子柴や登場人物の心理表現が本当に繊細で情景を想像しやすかった。
ただ自身の読解力不足かもしれないが、里美についての深掘りがあまり無かったため、御子柴の悪徳ぶりを引き立てるのにはいいかもしれないが、最終的にはなんだったんだという若干なんとも言えない気持ちになってしまった。もっとこの女性の苦しみなどを知りたいと思ってしまった。ただ、本題である殺人について、その中でも価値観についてをより深く考えさせるという意味ではとても重要なキャラだったのかもしれない。
また、御子柴がなぜ今回の裁判を引き受けたのかがよくわからなかった。受けなければいけないという使命感があったとかそういう描写が多かったから、もしかして医療少年院にいた頃の友達である雷也が、無理だと思われていた裁判をひっくり返すヒーローのような弁護士になりたいと言っていたことの実現になるかもと思ったり、次郎が母親に見捨てられて死んだことから、母親が捕まって少年一人残されるという状況と重なったことと重なって使命感を持ったのかもしれないとは思った。 -
Posted by ブクログ
パスカル『パンセ』の以下を何度も思い起こしながら読んだ。
「どうしてきみは僕を殺すのか。」
「君が川の向こうに住んでいるからだ。友よ、もしこちら側に住んでいれば僕は人殺しだ。でも向こう側だから僕は勇者だ」(若干意訳)
住んでる国が違うだけなのだ。
社会は完全じゃない。
でもより多くの人が幸せになるように少しづつ変わっていってほしい。
その願いみたいなものがまさにこの本なのではないか。多くの人が考えるきっかけになっている。
自分が今後難病になって回復の見込みが無ければ安楽死したい。
今そういう法は日本に無い。
明日にも事故や病気で激痛を伴う症状に自分も、誰もがなりうる。
今、声を上げなくていいのか。
こういう問題は当事者が元々多くない上に死亡寸前のケースが多く、意見の集約が難しい。
当事者になる前にそれを想像して社会や政治に声を上げる人はなかなか多くない。
子育て世代の意見ですら集約が難しいのに。
だからこそ本書の意義は大きいと感じた。 -
Posted by ブクログ
能面検事シリーズ第4弾。第4弾なので過去の3冊を読んだのかと確認したら、第1弾しか読んでいなかった。しかも一度、私も読むのを途中で「挫折」して、2回目でようやく読み切ったようだ。検事に対するイメージが最初はピンと来なかったのは、テレビドラマの「HERO」の影響かもしれない。キムタクの様な検事が実際とギャップがありすぎて混乱した。ところが、去年(2025年)のテレビ東京の「能面検事」を見た時に、やっぱり検事はこういうイメージがしっくりくるものだ。不祥事検事が横行する中、実際にこれだけ完璧に仕事をする検事がいるのかは不明だが、真剣に事件と向き合う姿には共感した。加えて、不破俊太郎役の上川達也の演技は完璧だったし、惣領美晴役のビズリーチ吉谷彩子の初々しさも良かった。
作品の感想の前に、能面検事の能面たる所以を詳細説明するのを大分経った第4弾まで引き延ばした意味が判らなかった。普通は第2弾くらいで紹介するものだと思うのだが。いずれにせよ私にとっては、偶然にも能面検事シリーズ第4弾(能面になった原因)を2冊目で読んだので、自分の中では自己完結していて問題はなかった。あとは腰を据えて第2弾、第3弾を読めば良いのだが・・・一部テレビで放映済みなんだよね。ちょっとネタバレしているので面白くないよね、本はスラスラ読めるだろうけど。
さて、作品の方は何と言っても大好きな御子柴礼司弁護士との対決でしょう。これは凄まじい戦いになると容易に予想された。どちらが勝つのかワクワクしていたら、途中で意外な展開になってちょっと緊張感がなくなってしまった。ネタバレになるので詳しいことは言えないが、二大巨頭の対決だけに、この様な展開になるのはしょうがないのかなと納得した。覚醒剤を巡る暴力団・半グレ集団との戦いも次回以降に続くようだし、取り敢えず本作品は一段落という位置付けなのかもしれない。
今回は犯人当てをすることを全く忘れていた。それほど、不破vs御子柴の対決の変遷に気を取られていたのかもしれない。しかし、最新情報では再度この二人の対決が行われるらしい。明後日(2026/8/26)発売される御子柴礼司シリーズ第7弾「暗殺の交響曲」が楽しみ!!!