中山七里のレビュー一覧
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中山七里『中山七里 短いお話ほぼ全部 短編&掌編&エッセイほぼ全仕事!』宝島社文庫。
作家デビュー15周年となる中山七里の掌編と短編20編、日常のエッセイ7編、仕事のエッセイ14編、解説6編の全47編を収録。
今になって中山七里の膨大な著作を見ると、刊行と同時に読んでいれば良かったなと後悔するほど面白い作品が多いのに、さすがにコンプリートは難しそうだと考えてしまう。
さて、本作。掌編や短編、エッセイ、作品解説と非常に盛り沢山で読み応えがあった。中山七里だけでなく他の小説家でもこのような企画があれば面白いと思う。
○『掌編から短編ほぼ全部』20編
『オシフィエンチム駅へ』。既読。オシ -
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ネタバレ『誰がそんなことを言っている。君の正義とやらは六法全書の上に成り立つものではないと言っているだけだ。被害者や被疑者の置かれた立場でころころ変わるようなものは正義感でも何でもない。ただの好き嫌いであり、卑俗な価値観であり、気紛れな懲罰意識に過ぎない。正義の名を借りた嗜虐欲と言ってもいい。それが矯正できないというのなら、今からでも遅くないから別の仕事を探した方がいい』(P87)
近寄りがたい有能過ぎる官吏。
能面のような、不破検事と、新米事務官の惣領美晴。再読。あー、そうだった!この感じ、この感じ。検事に置いてきぼりにならないように、必死に食らい付いて読みました。でも、不破検事に追い付くことは -
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さよならドビュッシーの主人公のおじいちゃん、車椅子のおじいちゃんの玄太郎が主人公。
「たわけぇ!!」が口癖で口から飛び出すのは強烈な毒舌と説教。趣味はプラモデル作りと相手を論破し弱点を突くこと。
名古屋財界の傑物で、毀誉褒貶の激しい人物で発言にブレのない人格者、はたまた鬼畜の如き拝金主義者と囁かれている。
さらには下半身不自由なのにも関わらず、自ら現場へ向かいだし、警察を犬呼ばわりし、銀行強盗に説教を始め、気に入らないことがあると癇癪を持ち出す、という鋼の心臓と精神的を持ち合わせる。
なんなんだ、この爺さん。
脳梗塞で倒れ、要介護認定を受けた玄太郎が、安楽椅子探偵も真っ青な方法で、介護者のみち -
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このタイトルを見た時、シリーズ物の中で同じネタが使われる時、よほど工夫しないと上手く読者を取り込めない……などと愚かにも思ってしまった。それが完全な杞憂に終わった事にホッとしているのと面白さにフルパワーでカウンターを喰らわされた気分である。
いやこれ凄くね? 笑ってしまった。
安楽死を求める家族や個人というのは一定数いる。生きて欲しいという願いは美しく見えるが別の側面から見れば「もっと苦しめ」という呪いでしかないのだ。
この作品の面白いところは息付く間もないサスペンスや謎解きだが、個人的には犬養がドクター・デスと対峙し、その価値観を揺さぶられる場面をあげたい。刑事として警察や法律の矛盾に向き -
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ヒポクラテスシリーズ5冊目。
中山七里さんの本の中で1番目か2番目に好きなシリーズ。『能面検事』とどちらが1位か悩む。
今回は、目次を見るとピンとくるかな?
目次
1、7040
2、8050
3、8070
4、9060
5、6030
引き篭もり、老老介護など家庭内での問題から起こった自然死?衰弱死?不審死?事故死?って判別が難しい事案がテーマ。かな?
久々の古手川さん。
栂野先生と個人的な進展があるのかどうか、、、。
今回も面白過ぎて一気読みです。
残りのページが少なくなってきて寂しくなるけど止まらない感じ。
今回も遠藤拓人さんの装画が素敵でした。