中山七里のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
さよならドビュッシーの主人公のおじいちゃん、車椅子のおじいちゃんの玄太郎が主人公。
「たわけぇ!!」が口癖で口から飛び出すのは強烈な毒舌と説教。趣味はプラモデル作りと相手を論破し弱点を突くこと。
名古屋財界の傑物で、毀誉褒貶の激しい人物で発言にブレのない人格者、はたまた鬼畜の如き拝金主義者と囁かれている。
さらには下半身不自由なのにも関わらず、自ら現場へ向かいだし、警察を犬呼ばわりし、銀行強盗に説教を始め、気に入らないことがあると癇癪を持ち出す、という鋼の心臓と精神的を持ち合わせる。
なんなんだ、この爺さん。
脳梗塞で倒れ、要介護認定を受けた玄太郎が、安楽椅子探偵も真っ青な方法で、介護者のみち -
Posted by ブクログ
このタイトルを見た時、シリーズ物の中で同じネタが使われる時、よほど工夫しないと上手く読者を取り込めない……などと愚かにも思ってしまった。それが完全な杞憂に終わった事にホッとしているのと面白さにフルパワーでカウンターを喰らわされた気分である。
いやこれ凄くね? 笑ってしまった。
安楽死を求める家族や個人というのは一定数いる。生きて欲しいという願いは美しく見えるが別の側面から見れば「もっと苦しめ」という呪いでしかないのだ。
この作品の面白いところは息付く間もないサスペンスや謎解きだが、個人的には犬養がドクター・デスと対峙し、その価値観を揺さぶられる場面をあげたい。刑事として警察や法律の矛盾に向き -
Posted by ブクログ
中山七里さんのエッセイというか日記やな。(日記文学というらしい。「土佐日記」とかの。何か比較できんような…)
いきなり凄い!
ページ数も600ページ超え。1年5ヵ月の生の声!
しかし、並行で、何本小説家書いてんの?
その間に、映画の予約してるし(・・;)
この人、ゲラ直しも速い!というか、ほぼミスなしなんやな…
小説描く目的も読者に届けたいなんて、自己満足やなく、まずは、出版社さんが満足出来ること(=儲かる)。
それも、小説描く事が自己表現の場として描いてる訳やなく、編集者のリクエストに答えて色んなモノを描いてるみたい。
ライトなミステリーが良い!
企業ものが良い!
ミステリー以外が良い -
Posted by ブクログ
「護られなかったものたちへ」から続く宮城県警シリーズを連続で。
今回はまた違った切なさが溢れている作品だった。
タイトルの境界線とは読者にとって色々な解釈があるだろうが、個人的には東日本大震災により、以前の生活と自身を保てた者と全てを失い踏み外した者との境界線のように思えた。
遺体も見つからない妻の名前を見つけた安堵と悲しみは如何程だろうか。
そこにやはり根底には悲しみの漂う事件が絡んでくる。この構成が絶妙である。
震災や津波にトラウマのある方が読むと苦しくなるのではないかと思う程に、震災の傷痕と被災者の苦しみが丁寧に描かれている。雄大な海を美しいと思えるか、恐ろしいと思うか、憎いと思うか