あらすじ
※本作品は、2020年発売の単行本版『復讐の協奏曲』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。
私の仕事は無罪にすることで、
真相を明らかにすることではない。
30年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士・御子柴礼司。
事務所に〈この国のジャスティス〉と名乗る者の呼びかけに応じた800人以上からの懲戒請求書が届く。
処理に忙殺されるなか、事務員の洋子は、外資系コンサルタント・知原と夕食をともにした。がしかし、
翌朝、知原は遺体で見つかり、凶器に残った指紋から洋子が殺人容疑で逮捕された。
洋子の弁護を引き受けた御子柴は、洋子がみずからと同じ地域出身であることを知り…….。
一度心に巣くった獣は、簡単に消えはしない――
めぐる因縁そして〈復讐〉の結末は!?
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本作も面白かった。すっかり中山七里さん、そしてその登場人物のファンになってしまった。
御子柴礼司シリーズは、悪徳弁護士としきりに書かれつつ、その実、依頼人の人生をしっかり助けている様子や、本人の葛藤を描き出しているところが魅力だと思う。
本作では、これまで端役的な登場の仕方だった弁護士事務所事務員の日下部洋子にスポットライトが当たった。これまでの作品からは全く読み取れなかった過去が明らかになり、驚いた。犯行に関する種明かしはあっさりしていた感があるが、そこに至るまでに主人公の過去と対峙しなければならないところがスリリングだった。
本作の解説も、前作に続き作品の魅力をよく言い表していると思った。
「今回の事件を経て、二人の関係性がどう変化していくのか楽しみである。」
「読者は興味深く学びながら読み進めることができる。」
全くその通り。さりげなく時事をとらまえた背景設定がなされているところも心憎い。
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5作目
序章。みどりちゃんという名前から佐原みどりちゃんの話だろうと予測できた。そして最後に告げられた名前に心が反応する。
「洋子ちゃん」
そう、今回は御子柴法律事務所の事務員、日下部洋子のお話。
始まりは弁護士会に一般人から送られてきた懲戒請求の話だった。今まで何度も食らってきた懲戒請求だが、今回は訳が違う。一般人から、しかもその数は計800通を越えるという。しかも中身は同じ文言一字一句変わらない、違うのは名前だけ。
資格取得以前の行為は懲戒事由には成りえない、どんなに届こうとも無効になる。しかし、無効になるという結果を全ての人に送らなければならない。
配達証明なら1通825円、簡易書留でも最低392円
弁護士会+対象弁護士+日弁会なのでその3倍
弁護士会の谷崎からこの事を聞かされた御子柴は懲戒請求してきた全員に名誉毀損と業務妨害で損害賠償を請求、和解金は一律150万。
開けるだけでも大変な作業だが、これを事務員の洋子さん1人に任せることに。
今まで普通に過ごしてきたが、御子柴はここでようやく洋子に対して疑問に思う。
君はなぜここにいるんだ?
怖くないのか、死体配達人は知っているのか、また自分があんな事件を起こすとは思わないのか。
御子柴は畳み掛けるように疑問をぶつけるが、洋子さんはのらりくらりと交わして平然としている。
そして仕事終わり、とある男性と食事をして帰宅した次の日、出社するや否や警察が訪ねてきて逮捕された。
御子柴は洋子が逮捕されるや否や警察署へ向かい、弁護を引き受けると共に事件を洗い直していく。
そしてまた思う。
自分は洋子の事を何も知らない。
そして何も知らない洋子さんの事を事件を追っていくうちに知っていくことになる。
彼女の抱える事情。幼き頃の交流。前職での働きぶり。そしてなぜ、御子柴法律事務所の求人に応募してきたのか。
最後にどんどん明らかになる事実にえ!え!?えぇ!?となりながら、洋子と御子柴の会話に何となくほっこりした。洋子が御子柴の元に行こうと決意した動機は、その人を本当によく観察して居ないと分からないことで、しかもそれを今もまさに実行し続けてるんだから、洋子は御子柴にとって欠かせない存在になるだろうと思った。
だって御子柴先生、倫子ちゃんにはすっごい優しいもんね!!笑
Posted by ブクログ
第五弾も非常に面白い
今回は、気になっていた事務員の洋子さんはなし
事務所では、御子柴と必要以上に話しはしないが
信頼関係みたいのは構築されているようだ。
今回の事件は、御子柴にとっては、洋子さんの
ことを知る良い機会になった。
事前の事件資料は無いが難しく無い裁判だったと思う。
個人的希望ですが、洋子さんの戸籍を御子柴に入れてもいいのかなと思いますよね。
今回もやはり倫子がでてきたね。
Posted by ブクログ
近くにいた人間は、過去にも関係していた人間であった…ゾクゾクする展開に引き込まれた。御子柴シリーズは順番通りに読んでいなかったので、もう一度全シリーズを古い順に読み直したいと思った
Posted by ブクログ
久しぶりの御子柴シリーズ。既読のノンシリーズは外れが多かったが、同じ作者かと疑うほどこのシリーズは面白い。事務員の洋子は覚えていたが、宝来の記憶はまったくなかったので間を空けず読んでおきたかった。匿名を盾に何でも言いたい放題のネット社会には嫌気が差しているので、御子柴のカウンターは最高に小気味良かった。御子柴の相手をしていたら、そりゃ世間一般の男は物足りなくなってしまうだろう。洋子の予想外の逞しさ、強かさに御子柴以上に惚れそう。湊かなえの作品にもあったが、復讐のために娘の友達を巻き込む言動は理解し難い。
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オーディブルにて
過去作に比べると、しんどさは軽めに感じた。
我が子をあんなふうに殺されたら、
私もきっとみどりの母みたいにずっと憎み続けるだろうな。
洋子みたいに思うのはきっと無理だ。
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これまでの御子柴シリーズのなかでもダントツに面白かった。
御子柴に送りつけられた懲戒請求800通、それを直ぐ様返り打つ御子柴、事務員の洋子の殺人容疑と宝来先生、物語の展開がこんなにも良い塩梅で混ざり合い、先を読まずにいられない。
同時並行で物事が進み全てがカチッと合わさるラストは見事としか言いようがない。
リーガルミステリーの傑作ではあるが、それはこれまでの御子柴シリーズを読み続けてきたからこそ押し寄せる面白みだとも感じた。
いよいよ厚みを増す物語に目が離せなかった。
Posted by ブクログ
恩師に母親、そして今度は唯一の事務員洋子が被告人に。
洋子はこれまであまり背景が深堀りされずにいたから、御子柴が元人殺しでしかも〈死体配達人〉だと知っても尚辞めない理由が最後にわかってなるほどと納得。
途中で怪し過ぎる退場をしたセルヴーズが事件に関わってたのはやっぱりとしか言いようがないけど、ハンマーの方はわからなかったなぁ^^;
確かに読み返すと「刺激臭が〜…」って1行書いてあったわ…刺激臭と強い香水で気づきたかった笑
今回は今までと比べると1番ハッピーエンド感があって良き。
そして倫子。あなたよく出ますね笑
大きくなったら事務員その2として事務所に入ったら賑やかだろうな^ ^
でも今の子供倫子だからこそちょこちょこ出てくる立ち位置が良い感じになってるんだよなぁ。
次も楽しみ!
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5冊目になっても全く失速することのない展開!
今巻では、裁判のディティールよりも洋子との微妙な距離感にスポットが当たり過去が徐々に明らかに。
御子柴が急激に人間味を帯びていくのが魅力的。
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まー色々あるもんだ。しかし、この国のジャスティスが直接の暴力に出たのも頷けないし、野際が南雲だったというのも… 全員が関係者かよ
でもやっぱり与論に対する御子柴の考え方は独特で面白い。
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私も定期的に読みたいと思っている分野がリーガルミステリー。こちらは悪徳弁護士の御子柴シリーズの5作目になる。これまで母親、少年院時代の恩師、あの事件の姉などの弁護を担当してきていたが、今回は事務職員の洋子さん?!Σ(゚Д゚)。死体配達人事件も違った視点から見たり、また上手いこと解像度が上がっている気がする。シリーズが完結するにはどうなったら自分は納得するんだろうと、この先も気になってしまいます。
『弁護士を取り巻く情勢は、社会の変遷とともに移り変わっていく。数年前の常識が目の前の事件にも通用するとは限らない。法律が改正されるのと同じように、弁護士の常識や、倫理もアップデートしていかなくてはならない。-文庫解説 五十嵐律人-』
定期的に読みたくなる理由を格好良く言語化してあった文庫解説も忘れないようにしたいφ(..)メモメモ
2025.11
Posted by ブクログ
個人的には前4作のクオリティには一歩及ばないと思うものの、これまでの著作で御子柴礼司の魅力に惹かれている人には嬉しい一冊になっている印象。
出生地福岡でおばあさんから話を聞くシーンや最後の洋子が御子柴の事務所に来たきっかけの描写などはキャラクターの魅力が溢れていると思う。
バチバチの法廷論争をこれまで楽しんでいた者としてはその点が少し物足りず、真犯人を直接指摘しているのも作中で御子柴が述べていたように弁護士の仕事ではない気がして真犯人に辿り着きながらも種明かしは法廷外で行っていたこれまでとは方向性が少し変わったな、という感じ。ぜひ手強い検事たちと火花を散らす戦いが見たいところ。
ともかくこのシリーズが大好きなので、どの要素を求めるかでお気に入りの話もわかれるのだと思う。
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御子柴シリーズ5作目。ジャスティスと名乗るものがネットで呼びかけて800通以上の懲戒請求が御子柴に届く。本名や住所を表に出す必要の無いネットはある意味相手に気を遣うことなく、無責任に普段は言えないこともなんでも言える場所。匿名で正義(だと思って)を振りかざしても実際それは正義でもなんでもなく、ただの自己満足に過ぎないと思う。懲戒請求してきた人たちに屈することなく法で対抗する御子柴かっこいい。
今回は事務員の洋子の過去や生い立ち、なぜ事務所に来たのか……等疑問だった点が明らかになり、また少し御子柴が変わった気がした。
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シリーズ、第5弾。
過去に殺人事件を起こした経験を持つ異色の弁護士・御子柴礼司。
今回は、事務員の洋子が殺人事件の容疑者として逮捕される。凶器に彼女の指紋が付着していた。
800通を超える懲戒請求の処理にあたふたする中、彼女の弁護を引き受けた御子柴は、彼女の過去に疑念を覚える。なぜ、彼女は、この事務所にやって来たのか?
そして、意外な真実が見えて来る。
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事務員の洋子に殺人容疑。
洋子の過去にも、過去の繋がりにも驚いた。
許すことがこの先を生きていく上で大切なのはわかる。わかるけど、心や気持ちはそう割り切れるものでもない。それこそ、頭と心が乖離してしまいそうになる。人を傷つけるというのは傷つけられた側の念を一生背負う覚悟が必要。
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私の仕事は無罪にすることで、
真相を明らかにすることではない。
30年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士・御子柴礼司。
事務所に〈この国のジャスティス〉と名乗る者の呼びかけに応じた800人以上からの懲戒請求書が届く。
処理に忙殺されるなか、事務員の洋子は、外資系コンサルタント・知原と夕食をともにした。がしかし、
翌朝、知原は遺体で見つかり、凶器に残った指紋から洋子が殺人容疑で逮捕された。
洋子の弁護を引き受けた御子柴は、洋子がみずからと同じ地域出身であることを知り…….。
一度心に巣くった獣は、簡単に消えはしない――
めぐる因縁そして〈復讐〉の結末は!?
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本書は2020年に刊行された中山七里さんの弁護士・御子柴礼司シリーズ5巻目。
最近の中山七里さんの物語は私的にはどれもけっこうハズレなんですが、この御子柴シリーズは主人公の過去があまりにもすぎて、世の中を穿っているかのような、それでいて真理を突いてくる外連味がかなり強烈なスパイスになっている。それがこの過去を背負う主人公と絶妙にマッチしていて、そこが読者にとって癖になる=読む手が止まらないというシリーズになっていると思う。
今回は御子柴の秘書が事件の犯人として起訴されるという内容で、これ、いったいどうやって法廷で闘うのか興味津々でどんどんページを繰っていった。また、今ではけっして珍しくないが、刊行当時はその視点は社会派としてよい着眼点といえたSNSの問題点を扱っているのも、ふむ、ふむ、だった。
ただ裁判の最後はちょっと物足りなかったかな、という気持ちは否めない。そこが★ひとつ減った理由だ。
この本を積読リストに入れた当時はこのシリーズの最終巻だったのだが、今調べるとこの次の6冊目が刊行されているようだ。★ひとつ減らしたものの、御子柴の外連味にまた触れたい私がいるのも事実。次回作も愉しみだ!
====データベース=====
私の仕事は無罪にすることで、
真相を明らかにすることではない。
30年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士・御子柴礼司。
事務所に〈この国のジャスティス〉と名乗る者の呼びかけに応じた800人以上からの懲戒請求書が届く。
処理に忙殺されるなか、事務員の洋子は、外資系コンサルタント・知原と夕食をともにした。がしかし、
翌朝、知原は遺体で見つかり、凶器に残った指紋から洋子が殺人容疑で逮捕された。
洋子の弁護を引き受けた御子柴は、洋子がみずからと同じ地域出身であることを知り…….。
一度心に巣くった獣は、簡単に消えはしない――
めぐる因縁そして〈復讐〉の結末は!?
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復讐の協奏曲
中山七里 (著)
### あらすじ
「私の仕事は無罪にすることで、真相を明らかにすることではない。」
30年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士・御子柴礼司。
事務所に〈この国のジャスティス〉と名乗る者の呼びかけに応じた800人以上からの懲戒請求書が届く。処理に忙殺されるなか、事務員の洋子は、外資系コンサルタント・知原と夕食をともにした。がしかし、翌朝、知原は遺体で見つかり、凶器に残った指紋から洋子が殺人容疑で逮捕された。洋子の弁護を引き受けた御子柴は、洋子がみずからと同じ地域出身であることを知り…….。
一度心に巣くった獣は、簡単に消えはしない――
めぐる因縁そして〈復讐〉の結末は!?
### 感想
今回は、御子柴の事務所で働く事務員・洋子が容疑者となり、彼女の弁護を通じてその過去に迫る展開でした。私自身、以前から「なぜ洋子が御子柴のもとで働いているのか」という疑問を抱いていたのですが、本作でその謎の一端が明かされ、長年のもやが少し晴れたように感じました。とはいえ、全てが腑に落ちたわけではなく、完全に納得できたとは言い難い部分もあります。しかし、物語の流れとしては理解できる範囲だったと思います。
本作を通じて改めて感じたのは、弁護士や検察官、裁判官といった法に携わる者が、人の人生を大きく左右するという事実です。法は正しさを追求するものですが、人間の感情は必ずしもそれに従うわけではありません。正しいと分かっていても逆らってしまうことがあり、その感情が集まることで、時に取り返しのつかない事態を引き起こすこともある。本作では、そうした負の感情が渦巻く様子がリアルに描かれており、とても考えさせられました。
また、シリーズが進むにつれ、御子柴の周囲の人々や過去に関わりのあった人物たちとの接点が明らかになり、彼自身が過去と向き合う場面が増えてきました。果たして、彼の行き着く先はどこなのか。かつて許されざる罪を犯した人間が、最後にどのような結論へとたどり着くのか――今後の展開も引き続き追いかけていきたいと思います。
Posted by ブクログ
多分みんな好きであろうあのセリフで私も思わず
「御子柴先生かっこいい…キュン」
と呟いてしまいました。え、このシリーズ、そんな要素なかったじゃん!どうした!とはいえ、今回の被告人が長年の事務員洋子さんなら仕方ないか笑
今回も面白かったです。
Posted by ブクログ
シリーズ第5弾
御子柴事務所の事務員洋子が
殺人容疑で逮捕される?!
「君が殺人を犯していようがいまいが、
必ずそこから出してやる」
シリーズ通して思うに
洋子の存在は御子柴にとって
ただの事務員ではないはず!
(きっと本人は認めないがw)
だけどこのシリーズに恋愛要素は不要だし
それは求めていない。
ただこのセリフは究極のツンデレ(笑)
怨み続けるって心が穏やかになる日が
1日もないとなると
被害者家族は身内を殺されるだけじゃなく
自分の余生もある意味殺されるようなものなんだな。
Posted by ブクログ
久しぶりに御子柴シリーズを読みました。4まで読んでそれからだいぶ開いていたけど、面白かったです。
御子柴先生はいい人なんだけど、昔の事があるからいい人って言っていいのか‥。
洋子はハキハキとしててちゃんと普通の女の人って思っていたから、あんな過去があったのって驚きでした。それを踏まえてまた1から読みたい気がしました。
次も出ているので早いうちに読みたいと思います。
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御子柴シリーズ第5段!今回は御子柴弁護士の右腕、洋子が殺人の容疑をかけられ、その弁護を担当する。今までの話にちょこちょこ出てきて、御子柴先生の唯一の(?)味方であり理解者であると認識していたから、2人が接近するかもと期待をかけて読んだのだが…御子柴先生は相変わらずぶれずに御子柴先生のままだった。ただ、「君が殺人を犯していようがいまいが、必ずそこから出してやる」はカッコ良すぎてしびれたなぁ〜
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シリーズ5作目でこれまで詳細が明かされて来なかった事務員の洋子にスポットライトが当たる話。これまでの話では無実と思われた被疑者が実は…というどんでん返しが多かったが、今回はそっちでそう繋がるのかという展開。最も丸く収まったが最も展開が気になり一気読みした作品。
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「死体運搬人」園部信一郎こと御子柴礼司弁護士が事務所の事務員の日下部洋子が濡れ衣を期せられ逮捕される事件の真相を暴くシリーズ第5弾。
プロローグ(園部にみどりちゃんが殺されたときの家族な友達のシーン)を最後にきちんと回収されてさすが中山七里先生。
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御子柴に830件もの懲戒請求が届き、それに対し御子柴は名誉棄損の訴訟の準備を進めていた折に、御子柴法律事務所の事務員である日下部洋子が交際相手である知原の殺人容疑で逮捕される。調査を進めると知原は女性をだまし、女性の所属する企業の内部情報を調査し、売上を伸ばす悪徳コンサルだったことがわかり、恨まれる人間であること、また知原に女性を斡旋する南雲という女性がいたことがわかる。裁判では御子柴はナイフに残っていた指紋の位置が人を指す持ち方ではなく、上から食べ物を切るような本来の持ち方で指紋がついていており、これはレストランで利用されたものと主張し、そのナイフを加工し、犯行に利用できるのはその給仕が犯人だと指摘する。その女性は知原にもてあそばれ、自殺した女性の妹であった。また御子柴の懲戒請求を先導したのが、知原の上司であり、佐原みどりと洋子の友人だった野際だった。また野際は佐原みどりの母である成美に指示され犯行に及んでいた。
過去を調べていく過程で洋子も佐原みどりの友人であったことが判明したが、御子柴の贖罪を許してくれた数少ない人の一人だった。
Posted by ブクログ
御子柴礼司シリーズ第5弾。
やっぱり中山七里作品の中でもこのシリーズがいちばん好き。
明らかな冤罪だけど、誰が何のために洋子をハメたのかが分からなくて、ハラハラしながらほぼ一気読み。
ただ、洋子が貴子と会っても気付けなかったこととにやや違和感があったのと、洋子の心の変化の描写がもっとあったら良かったかなと。
まだ続きもあるみたいなので楽しみ。