中山七里のレビュー一覧
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ネタバレ都内で臓器を抜き取られ、傷口を雑に縫合された少年たちの遺体が相次いで発見される。
捜査の結果、被害者の少年たちはいずれも貧しい家庭環境で育っており、臓器ブローカーを介して臓器を提供し、金銭を受け取っていたことがわかる。被害者の中には中国人の少年もおり、中国では一人っ子政策により2人目以降の子供には多額の罰金を払わなければならないこと、ただそのような家庭では金銭的余裕がない場合も多く、その子供は臓器売買に利用されがちだということ、また貧困化が加速する日本でも臓器売買の犠牲になる子供たちが出てきてしまっていることなどの描写がある。
「カインの傲慢」というタイトルでは貧困に苦しむ人々や臓器を売ること -
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中山さんのミステリーは岬洋介シリーズから入った。とても面白かったので、それから別の小説を読んでみようと手に取った中の一つ。同じ作者が書いたのかというほど雰囲気の違う文面で驚いた。
御子柴シリーズは、実際ありえない経歴を持つ弁護士という設定で、弁護士としては少々無謀な手段を用いることもあるが、それでも、グイグイと最後まで引き込まれていく。
今回は、身内である家族の犯した殺人容疑の弁護人となる。
自分がかつて起こした重大事件後、30年経っての妹との再会。母にかかった殺人容疑を知る。そして、妹の梓は、そんな過去を持つ加害者家族の弁護を引き受けてくれる弁護士がなく、憎しみを抱えながらも仕方なく -
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宮城県警シリーズ完結編というから、覚悟して読んだけど結構重くない感じだった。
『護られなかった者たちへ』のインパクトが大きかったんだろうな。
読みやすくてサクサク読めるけど、いまいち感情移入できず。
震災で家族を亡くした人や仮設住宅に入居した人たちが読んだら共感できるのだろうか?
読んでいてずっと思っていたのは、蓮田は何も悪くないんだから引け目を感じる必要はないのでは?ということ。
蓮田父のやったことだって蓮田が捜査したことだって、当然のことをしたまでだし、震災で家族を失わなかったことだってズルをしたわけではないのにね。
それに仮設住宅から公営住宅への移転を渋るのは、どうなんだろう。
困 -
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最近勢いのあるミステリー作家6人の競演。オール讀物か別冊文藝春秋などが初出の読み応え抜群の一冊でした。もし気になる作家さんが入っていたら試し読みに最適です。タイトル的にスカッと爽やかとはいかない内容が多いので、読み心地良いもの求めている人には向きません。
「ヤツデの一家」新川帆立
三代目を継いだ女性政治家の語り。暴君だった父の後妻の連れ子、渉は美しく世渡りがうまく、面倒なことは嫌い。でも私にアプローチしてきて、私も渉なしではいられない。そして私は醜いが、美しく身体の弱い妹がいる。
女の国会みたいな話かと思ったら全く違いました!珍しくドロドロっとしたお話です。
「大代行時代」結城真一郎
世の中流