中山七里のレビュー一覧
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ミステリーでありながら才能について深く考えさせられる。
学業にスポーツに興味を持って取り組んで以来、自分には才能が対してないのだなと苦しむことが多々あり、それに苦しんできた。岬が言う、才能があろうがなかろうが自分の生き方が左右されるのは馬鹿げている、と言う発言はピアノにも法曹にも才能がある者が言うことではないと反目したくなる。
ただ、先生がその前に言う何かに努力して挫折した者が普通の生活を送ると言うのは納得で奮起させるには良い言葉だと思った。
ここまで書いた上で、岬の発言の真意に気づく。自分の人生だからやりたいと思ったことをとことん努力すれば良いのだと。 -
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『この作品は二〇一六年八月小社より刊行されたものです。この物語は完全にフィクションです。現実はもっと滑稽で悲惨です。単行本の刊行から二年経過しましたが、状況は悪化の一途を辿っています。』
大概、実在する人物・団体・事件とは一切関係ないことを記す箇所の巻末数行メッセージまで見落とせませんでした。もうすぐ刊行から10年経ちそうな今の現状はどうなのかな…なんて思ってしまった。
編集出版業界がいかに特殊で、悪い慣習が横行しているのか、ブラックユーモア交えて短編ミステリーで読むことができます。作家になろうと夢見ている人や作家にはなったけど燻っている人たちに、ぐうの音もでない正論をかます毒島先生の発言、 -
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ネタバレ高級老人ホームで入居者9名が介護職員により惨殺される。死刑確実と言われる事件の弁護を、御子柴は何故引き受けたのか。また、どのように被告人を救うのか。
メタ的な話になってしまいますが、残りページ数が少なくなるにつれ、一向に御子柴の手立てが分からずそわそわしてしまいました。
だけどやはり流石の中山先生。最後にちゃんとひっくり返してくれます。
エピローグでも、お前だったのかと唸らせてもらえます。そしてこのシリーズお決まりの御子柴関係者問題、そろそろネタ切れじゃない?と思ってましたが、杞憂でした。
あと、このシリーズは、1ページにおける文字数と行間の余白が自分的にとても読みやすいので有難いです。 -
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背景にあるのは音楽と戦争。
1958年モスクワで開催された第一回チャイコフスキー国際コンクールでの優勝はアメリカ人のクライバーンで2位に甘んじたのがロシア人のナディア・ガガリロフ。彼女と岬洋介のつながりに驚いた。
ロシア人のチャイコフスキーは祖父の故郷であるウクライナをこよなく愛していたという。そのチャイコフスキーの協奏曲第一番を選曲した岬洋介は聴衆に、そして一番はヴァレリーに思いを届けたかったのかも。
あの時タクトを振っていたピアニストのヴァレリーが銃を持ち、同じくピアニストを志していたビクターと戦場で出会うなんて…なんかやりきれない。
ラストシーンのふたりの連弾に作者の願いが込められてい -
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ネタバレ廃駅オタクの主人公が、銀座線の廃駅のさらに奥深くへと足を踏み入れると、そこには約100人の人間がひっそりと暮らす巨大な地下コミュニティが存在していた。彼らは過去に福井県の原子力発電所で起きた事故によって被曝し、その後遺症により「色素性乾皮症」という難病を発症した被害者たちだった。極端に紫外線に弱く、日の光を浴びることができなくなった彼らは地上を追われ、闇の中でしか生きられなくなっていた。
物語は、この閉ざされた地下世界で住人の一人が殺害されるところから大きく動き出す。しかも、殺された男の正体は身分を偽って潜入していた「公安警察の刑事」だった。国策である原発推進の妨げとなり、国家の隠蔽工作の生き -
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ハングマンシリーズ2冊目。このシリーズは他の中山七里作品とあまり重なっていなくて、単独シリーズで楽しめます。でも、私刑執行人の話なので、全体的に重いです。私刑に至るまでの、ずっと苦い感じで終わる読み心地のシリーズになっています。今回は詐欺に引っかかって人生を踏み外す様々な人たちが短く積み重ねられました。また、指示役から上位の実行役として使われる人たちがいかに絡め取られているのかもわかります。闇バイト、オレオレ詐欺、投資詐欺、ホスト。そして、私刑を受ける側の、現実社会ではルフィと呼ばれていたようなトップの指示役が、人生を踏み外す契機になった犯罪(こっちは一昔前なので古典的なあれこれ)。
最後に闇