中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【全体を通して】
ミステリー要素より音楽要素を大きく楽しめた作品だった!真犯人はそこそこ予想できていたし、種明かしのペーパークラフトもなるほど!という感じではあったが、犯行に及んだ動機にむちゃくちゃビビった。演奏描写の豊かさの後に、推理や種明かしを喋る勢いのある静けさの、雰囲気の高低差が好きだった。
【岬陽介、期待を裏切らない安定的なかっこよさ】
正直岬陽介目的で読み始めたと言っても過言では無い本作......(もちろん本作はどんな風に心が刺激されるんだろうという中山七里への期待はあったが)
前作であるさよならドビュッシーの読後から時間が大分経ってしまっていたので、岬陽介のイメージが雑に神格化されていたけど、それでも本作を読んでいてイメージが崩れることはまずなく、なんならヤクザをなんなく制圧したり、災害時の落ち着き加減、演奏会での神ムーブなど、前作よりパワーアップしていたような......気がする。(またしても岬陽介目的で躊躇なく次作を購入)
【主人公の城戸晶、何者】
最初は柘植初音のが圧倒的に音楽の才能があって
城戸晶はそれにくっつくショボ男のように思えた
(でも柘植初音に好かれるんだしヴィルトゥーソ科にいるくらいだから全然上手なんだろうな......顔がむちゃ良かったりするのかな......とか思ってた)
でもコンマスなっちゃったあたりから城戸晶に対する印象がどんどん変わってくるというか、わたし的になんだか掴みきれなくて、感情移入もし辛く、なんなんだコイツは......と思いながら読み進めていた。
未だに城戸晶のことよく分かってない。(恥ずかしながら国語の苦手さがここで顕著に......)
てゆか最後に明かされた晶と初音の関係がやばすぎる(ほんとに血縁かどうかはさておき)、ずっと感情移入できなかったのもその関係性を知らなかったから当たり前かもしれん
【ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番、むちゃ好き】
クラッシックはどれもなんとなーーく好きだけど、今回メインのラフマニノフピアノ協奏曲第2番はめちゃめちゃ自分好みだった。最後には解説じゃないけど、この曲を大量に言語化してくれる演奏会本番では、ここまで読み進める中で蓄えてきてた曲に対する好き度が良く働き、大興奮で読み進めれた。ピアノの優雅さに浸りながらミステリーが進んでいく物語構成の上品さはドビュッシーの時から相変わらず最高!
【柘植彰良の最期、しびれる】
ボロボロの状態で柘植彰良が弾くラフマニノフの前奏曲嬰ハ短調。これを弾ききってからこの世を去るのが、あまりにも、ピアニストという魔王の最期すぎる、もしくはピアノという化け物に魅入られた人間の最後すぎて、かっこいいと思った。
あれを弾くことで、音楽とともに魂を現世に残していく儀式をしたように思えた。
ただ彼の息子にしたことは普通の顔で読んでられる内容ではない、そこの話がいちばんしんどかった
【自然災害の描写力と、避難所での演奏】
このターンが正直1番好きだった。
まず災害の恐ろしい描写、ドビュッシーのときも火災のシーンではとんでもない語彙力で圧倒されたが今回も豪雨と洪水の恐ろしさに圧倒されむちゃくちゃ怖くなった。そんな恐ろしいシーンの描写をみたあとに商店街に戻ろうとする人たちが出てくるもんだから、商品を守りたい気持ちは分かるけどまじで死ぬからやめとけと思い焦った。
ここでタイタニックの演奏家を思い出し、もしかして城戸晶ここでやるのか......?と不謹慎ながらもワクワクしながら読み進めてしまい、期待通りド演奏を披露。文章を読みながら脳内で感じたのは、完全に2人の音と色だけになったすごく豊かで綺麗なイメージで、これを感じれたのが最高だった。岬陽介とセッションいいなあ......
私も状況的になのかメンタルなのかで切羽詰まったり瀕死になったとき、音楽に救われたいとすごく思った。
【雄大、モテすぎ】
雄大がなんで女の子二人を虜にしてるのか、あんまり分からなかったけど、でもトランペットの才能はありつつ破天荒でど正直な性格は、世話したがりな女の子からしたら構ってあげたくなっちゃう存在なのかな、雄大がまともな職につきますように
【入間、もっと登場してほしかった】
前半でぱったり登場しなくなってしまう彼......
めちゃ気になる性格のキャラだっただけに、めちゃ寂しい、途中に実はまじで入間が犯人なのでは?と希望混じりに思ったりした
【とんかつ屋の親父、かっけー】
この後、ヤクザからまた狙われませんように
親父も店も大切な人も無傷でありますように
江副は嫌い -
Posted by ブクログ
ネタバレ音楽に詳しくなさすぎて出てくる月の光とかエチュード10-4?とか聞きながら読んだ。そんなの初めての読書体験な感じがして新鮮だった。
作者はどれだけ音楽に精通してたらこんな事細かに書けるのかなぁ、凄い!
ベートーヴェンが難聴に苦しみながら音楽を作ってた事とか、音楽は人生の助けになる事、怒りとかをメロディで表現してる事とか本当に何も知らなかった。
ラストの展開はびっくり、全く予想できてなかった。じゃあ火事のシーンは遥目線でルシアも描かれてたけど途中からルシアに変わったのか??同級生とかピアニストライバルとか性格悪すぎて遥(ルシア)が可哀想すぎた
最後のさよなら、ドビュッシーっていうタイトル伏線回収気持ちよかった〜!! -
Posted by ブクログ
光崎教授のような存在がいると、水戸黄門のように見せ場があって解決という、定番の流れが目に見えるのだが、それがまた読みたくて続編を手に取ってしまった。
どうしてもこういうのは、気持ちの問題というか、自分の身内でも人が亡くなった時に解剖すると言われてもすんなり受け止められない。
でもそれが故意ではなかったとしても殺人の隠蔽となってしまうのであれば、解剖すべきというのもわかるなと思った。
おそらく真琴の恋?の行方も注目すべきなんだと思うが、なんだか恋というよりもプロフェッショナルになるための様にフォーカスがもっと当たるといいなと思った。
光崎教授すげー!が強いので。 -
Posted by ブクログ
ネタバレなるほど、と思った。
よくあるパターンで展開を予想できそうなものの、メインと言っても差し支えない香月遥のピアノに関する描写があまりにもいいものだから、良い意味で意識がミステリ側に向かない。だからこその騙されたというより、なるほど。
曲のタイトルが出てくるたびに、それを聴きながら読み進めてみたんだけどこれが結構良くて。面白かったな。
ちょうどのだめを見直していたんだけど、この熱量はベクトルが違えど、心を昂らせる何かがあるという点で共通しているのかも。ちょうど時期も同じなのかな。
そういえば主人公って岬さんなんだよねこれ。岬シリーズなんだよね多分。次回作以降どうなるんだろう。 -
Posted by ブクログ
御子柴シリーズ5作目。悪徳弁護士と言われる御子柴の事務所で働く、唯一の事務員が殺人事件の犯人となる。本人を信じれば人を殺していないと分かるので、嵌めた人間は自ずと分かってしまう。警察は御子柴憎しで、その取り調べを行っていない。これが不思議。
殺しても殺していなくても、無罪を勝ち取るのが御子柴弁護士。警察以上の調査能力を発揮し、証拠や背景を探っていく。唯一の証拠品も想定通りにひっくり返す鮮やかさ。
ただ、その他のSNSでの主導者や御子柴を襲った犯人までは見逃してしまった。小どんでん返し、と言ったところか。事務員が御子柴事務所で働く理由も明かされ、ホッとする。
展開が早いので、あっという間に読み終えた。