中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ初中山七里作品。
社会派ミステリーはその題材を上手く扱えていないものが多い気がするけど、しっかりと死刑制度について考えさせられる内容だった。
被害者遺族の怒りや悲しみは読んでいて苦しくなった。
法曹界の描写も細かくて全く違う世界を垣間見れて良かった。
最後の展開にはもっと前の段階で気付く人が多いのかも知れないけど、渡瀬警部の前振りで本当の目的に気付いた時はゾクっと出来た。
しかし温情判事は嫌な人間だし、共感できなかった。「法廷は復讐の場ではない」とするなら、手前勝手な思想で「牢屋で生き続ける方が苦しむ」と考えて死刑判決を出さないのは矛盾では?
懲役の苦しみに関する話はあったけど、実際に死 -
Posted by ブクログ
夏の真夜中、アパートの隣室から気味の悪い音が聞こえてくる…
この『夏』という季節が、より一層不快感が増していると思う。
舞台は某工業地帯という事で、専門的な薬品等のにおいについて描写が出てきます。何一つ嗅いだ事ないのですが、あぁこれは絶対に嗅ぎたくないなーって想像出来て、嗅覚からも不快度が上がります。絶対夏に嗅ぎたくないタイプのにおいです。
でも一気に読みたくなるストーリー展開で、ミステリー初心者の私は読みやすかったです。
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私の不注意だったのですが、先に解説読もうとした時、最後の1ページをチラッと見えてしまい後悔しました…
そこで少しオチが予想できてしまったの -
Posted by ブクログ
ネタバレ中山七里の小説で久しぶりのヒット。が、「容疑者Xの献身」や「ソウルケイジ」的なトリックでは?と途中で思ったが、まさかの「容疑者Xの献身」だった。トリックのために他人を殺害するには、「容疑者Xの献身」や「ソウルケイジ」の犯人のように、愛する人への愛情やそれ相応の覚悟を持って欲しいと思った。そのように描いているから仕方がないが、残念ながら本作の犯人のそれは薄っぺらい。
それを差し引いても幼馴染の無罪を信じて行動する主人公は熱く、物語は面白い。ミステリーの面白みはトリックの奇抜さでは無い事を実感。
途中で何度も「御子柴弁護士を!」と思うタイミングで、「あの悪辣な弁護士なら」みたいな記述があるが、御子 -
Posted by ブクログ
絶望に翼はいらない――人は、強さで飛び立つ。
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中山七里さんといえば、警察・検察・弁護士など“法を扱う主人公”のイメージが強いですが、『翼がなくても』はその枠を抜け出した力強い一冊でした。
オリンピックを目指していた沙良が、交通事故で片足を失い、人生そのものが折れたように思えるところから物語は始まります。ミステリー要素やどんでん返しの緊張感ももちろん健在ですが、今回はそれ以上に、“喪失から立ち上がる人間の物語”としての厚みが際立っています。
苦しみ、怒り、恨み、そして再起。沙良の歩みは決して平坦ではなく、その姿が読者の胸を強く揺さぶります。中山作品の常連キャラである犬養刑事や御子柴弁 -
Posted by ブクログ
2022年9月~2023年6月に連載されていたそうで、バッチリコロナ禍中のお話でした。登場人物は中山七里ワールドで繋がっているものの、これだけで読んで大丈夫。週刊春潮の副編集長、志賀倫成目線で話が進みます。反ワクチン路線の記事を書き、部数が伸びているけれど、はたしてそれが正しいのか足元が揺らぐ志賀、高校からの悪友で医師の伊達にも反ワクチンの記事で何人の人間が未接種故に罹患して死に至ると思ってるのかと言われたりしますが、売れているため報道の流れは変えられず…。
そんな中、反ワクチン団体(カルト宗教っぽい動きあり)が伊達の病院に押しかけ、騒動中に殺人事件が起こります。
ワクチンの有効性をまともに