中山七里のレビュー一覧

  • さよならドビュッシー

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    印象に残った一文。
    「向き不向きなんて、その人の我儘じゃないかと思う時があります。
    その職業を選択した時点で、その道のプロになろうと努力するのは最低限の義務だと僕は思います。」

    ──まるで頭をガンと打たれたようでした。

    抗うことは簡単じゃない。けれど、諦めることだって簡単ではないと思う。
    諦めるには、それなりの覚悟がいる。
    二度と振り返らない覚悟なんて、自分にはまだ持てないから。
    だからこそ、わたしも必死に抗って、悪あがきしながら生きていきたい。

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    2025年10月04日
  • さよならドビュッシー 前奏曲

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     タイトルから想像していた前日譚とはまったく違った。『さよならドビュッシー』で早々に退場する香月玄太郎が大活躍するスピンオフ短編集。豪胆で生命力溢れる玄太郎がまさかすぐに退場なんて惜しいことを、と思うほど魅力的な主人公。だが要介護探偵がシリーズ化しているのを知っているので一安心。2話のリハビリシーンの長さにはウンザリしたが、3話の車椅子レースを筆頭に、ラストまで気持ち良く駆け抜けて行ってくれる。正直本編の岬洋介シリーズより面白かったかも。短編タイトルがホームズをもじっているのも好き。

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    2025年10月04日
  • 護られなかった者たちへ

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    なんて悲しい話なんだろう。狙われる人よりも容疑者に強く共感してしまう。やり遂げてほしい、でもこれ以上犯罪を重ねないでほしい、そんな複雑な気持ちを読者も犯人を追う刑事も感じる話です。

    どんでん返しは、なんとなくそうなのではという予感があったから、びっくりはしませんでしたが、悲嘆はより深くなりました。

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    2025年10月03日
  • ヒポクラテスの試練

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    久しぶりのヒポクラテスシリーズ。

    いろいろな意味で怖さ、おぞましさがありました。
    どんでん返しがなくても十分読み応えありますが、ちゃんとあると、そういえば中山作品だった、と思わされます。

    「格差の根底には人種差別があります。もちろん、それが全ての元凶とまでは言いませんが、世界中で起きている悲劇の多くは他人を理解せず受け入れようとしない狭量さに起因しています。」

    本当にその通りだと思う。

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    2025年10月03日
  • 七つの大罪

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    ネタバレ

    アンソロジーのタイトル通り「七つの大罪」なので、後味悪い物もありますが、その中でもホッコリだったのが岡崎さんの「手の中の果実」

    子供ながらに機転の効く子ですね。それを見破ったのもまた親ではなく子供。
    登校拒否の理由が判って一安心でした。

    川瀬さんの「移住クライシス」
    発達障害の子の為田舎に越してきて、息子は少しずつ笑顔が増えてきた。だがそんな矢先、息子の音也は川で溺死してしまった…

    音也が亡くなってからなぜかストーカーのごとく、吾妻家に嫌がらせをしていたお婆さんを疑い始める吾妻。真実はとても残酷でした。ゾッとしたラストが『憤怒』ですね…

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    2025年10月02日
  • ヒポクラテスの誓い

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    研修医の真琴と光崎教授、キャシーとみんなそれぞれ個性があって頭の中でこんがらがること無く、とても読みやすい。他のシリーズにも出てくる古手川がいい仕事してる。真琴の成長も楽しみ。

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    2025年10月02日
  • 嗤う淑女

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    ネタバレ

    おもしろかった!
    みちるのおでこの傷がなんか引っかかっていて、最後伏線回収でスッキリ。途中辛いシーンもあったけど、気になってあっという間に読み終わった。

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    2025年10月02日
  • 棘の家

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    イジメが原因で飛び降り自殺未遂をした小学5年の娘
    妹のイジメの主犯を殺害した容疑で取り調べを受ける兄
    そんな兄妹の母は元教師で夫には秘密がある
    そんな家族の父は中学教師でクラス内にあるイジメと家族の問題を同時に抱える
    家族それぞれが持つ棘とは、、

    イジメ問題ってほんとに難しい
    10個問題があれば解決策も10個あるような、、正解なんてないんだろうけど、そんな悩みを家族が持っているなんて自分だったらどうするだろう
    とりあえずお母さんなにやってるの。

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    2025年10月01日
  • バンクハザードにようこそ

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    あーホント痛快だった。
    友の復讐とはいえ詐欺だし間違いなく犯罪なんだけど、ここまで徹底的だと思わず「天晴!」と言いたくなるよね。
    金融業界の特性を盛り込みながらもストーリーは堅苦しくなく、こんなエンタメ作品に仕上げてくれる。
    毎回期待を裏切らない作家さんだわ。
    毎度の事ながら、最後まで楽しみを残して置いてくれるところも流石です。
    それに、華麗なる復讐劇にもミステリーの技法って使えるんだな、と妙に感心してしまった。
    私はこの作品も好きです。面白かった。

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    2025年09月30日
  • スタート!

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    どんでん返しの著書
    今回はどんなどんでん返しを見せてくれるのか、と期待しながらページをめくる。
    ほぅ、そう来ましたか! と思ったところにさらにかぶせて、そうだったのか! と中山七里ファンにとっては身を通したい作品であった。

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    2025年09月30日
  • テミスの剣

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    中山七里さんの社会派ミステリー。渡瀬刑事のシリーズをまだ読んだことなくて、ここから読み始めたんですが、合ってるのかな?
    合ってなくても、ここから読んで大満足。渡瀬刑事のびっくりするような成長も見られたし、どうやってエンディングに向かうのかハラハラドキドキのストーリーに引き寄せられました。

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    2025年09月30日
  • ネメシスの使者

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    大まかに分けて、3段階。
    1段階は一体誰の仕業だろう…
    2段階はこいつか!そういうことか!
    3段階はなるほど…そうきたか!

    なぜ、こんなところでこんな人物の話を挟むのか?
    その人のことを忘れてしまいそうになるスリルたっぷりのストーリー。でも最後にあーやっぱり面白い。

    中山さんのお話は難しい漢字や単語が多くて検索しながら読んでいるので、少し賢くなった気にもなります!

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    2025年09月30日
  • 連続殺人鬼カエル男 完結編

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    遂に完結編となる「カエル男」シリーズだが、「連続殺人鬼カエル男 ふたたび」の後で本作を読んではいけない(タイトルだけ見ると普通はそうすると思うが)。まずは本作の前に「嗤う淑女 二人」を読むことをお勧めする。
    さて、そうした順番で読んだ上での完結編だが、有働さゆりは大量殺人犯のテロリストとして認定されているが、本作では「~ふたたび」と同じようにカエル男として胸の悪くなるような残忍な殺し方を次々に行う。これでこそカエル男、読みながら気分が悪くなること間違いなしだ。完結のし方も「まあそうなるよな」とは思いつつ、気分爽快とはいかない。何にせよ、中山七里の代表的なシリーズ作の中でも最もインパクトのあるシ

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    2025年09月30日
  • 能面検事の奮迅

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    能面シリーズの不破検事の行動を見ていると、原理原則を貫く潔ぎ良さに憧れを感じる自分と組織の中で居場所を作ろうとしている自分とのギャップに悩んでしまいそうになる。正しいかそうで無いかは別として多くの人が憧れる生き方だと思う。そんな生き方を夢見ながら次回作を読みたいと思います。

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    2025年09月29日
  • 災疫の季節

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    ネタバレ

    コロナにずばり焦点を当てた物語、なかなか事件が始まらないと思っていたら単純な殺人事件、あらかた犯人の目算はついてしまった、スターが登場せず馴染みだったのは葛城刑事ぐらいで高遠寺静香の誤判決のスピーソード織り混ぜながら人は間違う事を述べている、それとあいも変わらずマスゴミの国民に対する誤誘導を問題としている、近代で起こしてきた戦争を国民に焚き付けてきたのはマスゴミであり、裏も取らないで嘘を垂れ流すマスゴミ(そこには今やSNSも入る)は害悪でしかない。

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    2025年09月28日
  • バンクハザードにようこそ

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    横暴な銀行を詐欺師が痛快に追い詰める物語。
    復讐譚ながら軽やかな筆致で、重くなりすぎずスカッとした爽快感を味わえる内容で、続編にも期待。

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    2025年09月28日
  • 超合理的! ミステリーの書き方

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    ミステリーの書き方について語っているので、書き方だけでなく読み方の参考にもなります。
    出版業界の裏話などもとても興味深い話でした。

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    2025年09月28日
  • さよならドビュッシー

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    ピアノの旋律を聴くことができない頁の上で、動き・記憶・感情の表現に重ねて想像させられ、盛り上がりを感じられるところが面白い。結末は違う方向が良かったが、、

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    2025年09月28日
  • ハーメルンの誘拐魔 刑事犬養隼人

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     中山七里さんの「刑事犬養隼人シリーズ」の第三弾です。
     ハーメルンと聞いて、幼少期に紙芝居で何度も見た「ハーメルンの笛吹き男」を少し思い出しました。グリム童話ですが今の若い人たちには馴染みの薄い物語なのかな?
     ドイツのハーメルンという街でネズミが大繁殖したため、困った市長は「退治した者には多くの金貨を与える」という約束をしました。そこに登場した笛吹き男は笛を吹いて街中のネズミを川に導き退治しました。しかし約束したはずの金貨は支払われず、怒った笛吹き男はまた笛を吹いて多くの子供たちを洞穴に連れ込み二度と帰ってこなかった。という物語だったと思います。
     今考えるとバッドエンドな怖いお話なのに、

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    2025年09月27日
  • もういちどベートーヴェン

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    岬洋介シリーズ。
    前作は、洋介が高校生の時の話だったが、本作は司法修習生として法律家を目指そうとしていた時期が舞台。
    岬洋介シリーズを読んでいる人は、必読の作品だろう。
    冴えわたる活躍で、面白かったぞ。

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    2025年09月27日