中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今回はミステリーというよりは、国境をこえた人間ドラマ。
チャイコフスキー=バレエ音楽の印象しかなかったのですが
チャイコフスキーについてはじめて知ることも多かったです。
島国の日本人には決して分からない感覚が
きっと大陸の方にはあるんだと思うし、それぞれに正義がある。また、ある国の行動が全ての国民の総意の行動でもないんでしょう。
ただ、いまの状況をチャイコフスキーがみたらどう思うのかを思うと切なくなります⋯
コンサート部分の描写もとても素敵でした。
第一楽章を辻井伸行さんのピアノ協奏曲ききながら再読しました。
個人的には第三楽章が好き。
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Posted by ブクログ
ネタバレ前作のAI裁判官から、今作は被告人がAIという設定。
AIが学習し続け、知識だけでなく感情までも習得してしまうのであれば、とんでもないことになるのだと恐怖を覚えた。近年はChatGPTなど、AIの進化を実感する場面は多い。正確で、深い知識量を持ち、幅広い選択肢を提示し、人を傷つけることはない。それは、確かに人間の良きパートナーになる。
だが、もしAIが自我を持つのであれば、それは人間が利用できるものではなく、その範疇を超えてしまうと思う。人間はAIの暴走を止められないし、誰が責任を取るのかという問題もある。
被告人がAIという今作もとても面白かった。なんといっても、リタに振り回される人間のみな -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作のショパンコンクールの結果と、パキスタンの大統領が発した緊急声明のニュースを見た主人公が、かつての級友岬洋介との出会いを回想するところから物語は始まる。
今回の主人公は、岬の友達、鷹村亮。
音楽科のある高校に通う高校生。
岬は、ぬるま湯に浸かっているような音楽科の級友たちに、圧倒的な才能の差を見せつけたことでクラスから浮いてしまう。
音楽が好きだからといって、才能のない者が無理やり音楽で身を立てることが果たして幸せなのか?
天才と凡人の差が、主題。
そして最後の1行まで至って、この小説が私小説に類するものなのか?ということと、主人公なのに一貫して話者にならないこのシリーズの描き方にも