中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
病んだ生体を治癒することが医師の使命だと考えていた若き研修医、死者も同じ患者であると説く法医学の現場で葛藤に悩みながらも経験を積み、医師としての使命感や視野を広げ、視座を高めていく様が逞しい。
事実や本質を追求する姿は、マネジメントの、あるべき•ありたい姿を考える上でも参考になるかもしれない。
死者の描写や司法解剖シーン、若くして亡くなった父の病理解剖を思い出してしまった。
法医学教室の3人と刑事が織りなす5つの短編集かと思いきや、すべては繋がっていた。
1時間モノのドラマを観ているようで読み進めやすい。
古き日本の善き言葉や諺が洪水のように溢れ出る法医学教授に昭和の匂いを感じた。
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Posted by ブクログ
ラスプーチンの庭 刑事犬養隼人は、刑事・犬養隼人の冷静な正義感と、猟奇的な事件との鮮やかなコントラストが際立つ一作だった。
事件の核心にある「なぜその罪が生まれたのか」という問いに対し、犬養が事実を一つずつ積み重ねていく過程には、知的なカタルシスがある。人の心を操り、狂気を伝染させていく“ラスプーチン”的な悪意に直面しても揺らがない彼の姿勢が、物語に一本の軸と救いを与えている。
一方で、登場人物たちの歪みは決して特別なものではない。彼らの選択の背景にある切実な動機に触れるほど、その狂気が日常と地続きであることに気づかされ、静かな恐怖が広がっていく。
中山七里らしいスピード感ある展開に、濃 -
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シリーズ化するのかな?と思ってたら…やはり。
今回は、比米倉の大学の後輩が強盗に加担させられた挙句に殺されるという事件から始まる。
瑠衣の友人の祖母もオレオレ詐欺に引っ掛かり、金を騙し取られた申し訳なさから自ら自殺し、出し子に利用された青年は、事件の罪深さに絶望したのか、電車に飛び込み自殺する。
鳥海の知り合いの印刷会社社長は、詐欺に引っ掛かり倒産し、最後に〈私刑執行人〉に頼んで首を括る。
すべての被害者の裏には実行犯がいて、その陰には指示役がいる。
最後の黒幕は誰なのか?
闇に紛れた正体に辿り着いたとき…。
黒幕「ショウ」が鵜匠から誕生したとは…驚きであったが、過去を知ったとしても闇の -
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『夜がどれほど暗くても』の登場人物たちが、コロナ禍における反ワクチン、反マスク、陰謀論、そしてそれを煽るメディアの構造を辛辣に描いた社会派ミステリ。
単に「非常識な人たち」を描くのではなく、孤立感や承認欲求、居場所のなさが人を極端な思想へ追い込んでいく流れが説得力をもって描かれている点はさすが。特に、正義や真実を掲げながら実際には不安や怒りを増幅させ、マスコミとカルトの共犯関係を生み出していくメディアの姿は強い皮肉として印象に残りました。
前作『夜がどれほど暗くても』と同様、ミステリーとしての切れ味は今一つですが、あの時期の空気や人々の分断を記録した作品としての価値は高いと思いました。コロ -
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中山七里さんの短いお話ほぼ全部!
ってなんちゅうタイトル!と思っていたが、読んでみたら本当にその通りだった。
これは、作者のファンは勿論だが、そうでない方にも読んでほしい。知的でウイットに富んだ中山七里さんの魅力がギュギュギュッと詰まった一冊。
以下、目次と簡単なレビュー
目次
「掌編から短編ほぼ全部」
なんとこの章に二十編と満載。
短くてもしっかり中山七里さん。構成がお見事!
そしてファンにはたまらない、シリーズものの人物もチラホラ。くぅ〜流石に上手いなぁ。
「エッセイ・日常」
作者の本音が見え隠れ…貴重だ。
「エッセイ・仕事」
とりあえず光文社…こわい。笑
「解説」
他作品に対 -
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自分が担当する事件で父親が被害者となってしまい、親族であることから担当を外されてしまう警察官の主人公。自分の手で解決したいのに関わらせてもらえない悔しさの中、上からの圧力でさらに捜査縮小までされてしまう。
犯人は分かっていても、正攻法で入手した証拠じゃないと立件できない。このまま父親を殺した犯人が人生を謳歌することなど許せない。警察官としての正義と、遺族としての復讐心の間でもがき苦しむ主人公に胸が痛くなる。
他人事として見れば復讐は良くないことだと言えるが、当事者になったら綺麗事なんてきっと言えない。見えていないだけで現実でも同じような思いをしている人はきっと溢れているんだろう。