中山七里のレビュー一覧
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犬養隼人シリーズで「ドクター・デスの遺産」の続編。
前作のトラウマが残っている犬養&高千穂コンビにまた悪夢が訪れる。今度は前作とは違い200万円の高額報酬を受け取っており更にタチが悪い。ちなみにミステリとしては、今回登場するある役人キャラクターの出方にあまりにも違和感があり容易にオチが想像出来た。そのため驚きもなく、この点の評価は低い。
それにしても読むほどに考えさせられるのがこの安楽死問題だ。もしも自分や家族が...と考えると、長く苦しみながら延命治療をされるよりも楽にしてもらいたいし、家族にはそうした方が幸せかとも思う。作中でもこの手の事件の特異性として「被害者がいない」という点が挙げられ -
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ヒポクラテスシリーズ第6弾
新型コロナの時分か…
あの頃は、大変やったな。
親とか入院しても、一切面会禁止!!
ただ、テレワークが進んだのは良かったけどね。今もその恩恵に預かってるし!
テレワークも人見えんから、最近、ずっとって言うのは、無くなって来てるみたい。
アメリカの大手IT企業も出社日とかあるし。確かに、目を直接見れないから、コミュニケーションは取りにくい。
(隔靴搔痒)
作業内容が決まって、一人で出来る作業は、会社でも家でも一緒やけど。
そんな新型コロナが発生して、まだ、ワクチンがない頃の話。
その中で、セレブと言われるお金持ってる人にだけ、ワクチン提供の話が…
まぁ、それ接種 -
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ネタバレ物語は「急進革マル派」を名乗る極左勢力による一連の事件から始まる。出版社放火、キャンパス内殺人、米軍基地反対デモでの殺人、そして選挙爆破テロ未遂──連鎖する凶行の背後には、思想的に洗脳された加害者たちの姿があった。
ここで描かれる「普通の人々」とは、真面目で、人が良く、しかし未熟で、自分は恵まれていないと感じている人たちである。彼らは、自力で解決できない課題を環境や政治といった外部要因のせいにしやすく、その弱さゆえに極端な思想へと取り込まれてしまう。
犯人はその心理的な脆さを熟知し、彼らを「左翼活動家」へと仕立て上げ、社会を震撼させる事件の実行者に変えていく。思想的暴力の影響で、ありふれた市民 -
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ネタバレミステリーと言い切ってしまうには少し違うかな?と思いましたが、相変わらず楽曲の表現は美しくてガーシュウィンについても、ラプソディー・イン・ブルーについてもより知れた気がします。
〈愛国者〉が誰なのかが気になるポイントのひとつではあるけれど、そこに至るまでの世界情勢であったり、差別された側の心の傷だったり…を鑑みるととても悲しくもあり切なくもあり…な最後だった。
生きたかった本来の自分の姿とはかけ離れてしまったけれど、〈愛国者〉の音楽への愛情は深くて、最終的に憧れたエドと岬に伝わっていたのは救いがあったかも。
あと私も気になったんですがアメリアがー!
アメリアの考え方は変わるのかなと思った -
Posted by ブクログ
ネタバレ納得のいくラストでした。
序盤から恐ろしい殺人事件が発生し、怒涛の勢いで進んでいきます。
洗脳されやすい男がまんまと洗脳され、遺産狙いの計略の一部にされる。卑劣なのは自分の手を汚さずに殺人を計画した男ですが、悲しいのは洗脳されずにはいられないほどの厳しい環境で働いている介護士のほうだと思いました。
洗脳されるような影響されやすさはあったかもしれません。それでも、介護士という職場のきつさも要因の一つではあったはず。
最後に忍野が人に戻れたことはよかったです。表面的には御子柴刑事の敗北ではありますが、そこに狙いを定めていたのかと慧眼に恐れ入りました。