中山七里のレビュー一覧
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ネタバレミステリーと言い切ってしまうには少し違うかな?と思いましたが、相変わらず楽曲の表現は美しくてガーシュウィンについても、ラプソディー・イン・ブルーについてもより知れた気がします。
〈愛国者〉が誰なのかが気になるポイントのひとつではあるけれど、そこに至るまでの世界情勢であったり、差別された側の心の傷だったり…を鑑みるととても悲しくもあり切なくもあり…な最後だった。
生きたかった本来の自分の姿とはかけ離れてしまったけれど、〈愛国者〉の音楽への愛情は深くて、最終的に憧れたエドと岬に伝わっていたのは救いがあったかも。
あと私も気になったんですがアメリアがー!
アメリアの考え方は変わるのかなと思った -
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ネタバレ納得のいくラストでした。
序盤から恐ろしい殺人事件が発生し、怒涛の勢いで進んでいきます。
洗脳されやすい男がまんまと洗脳され、遺産狙いの計略の一部にされる。卑劣なのは自分の手を汚さずに殺人を計画した男ですが、悲しいのは洗脳されずにはいられないほどの厳しい環境で働いている介護士のほうだと思いました。
洗脳されるような影響されやすさはあったかもしれません。それでも、介護士という職場のきつさも要因の一つではあったはず。
最後に忍野が人に戻れたことはよかったです。表面的には御子柴刑事の敗北ではありますが、そこに狙いを定めていたのかと慧眼に恐れ入りました。 -
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ネタバレ
今回も前回同様聴ける曲は聴きながら読んだ。
そして今回は岬先生の高校時代の話で岬洋介シリーズ0みたいで楽しく読めた。
鷹村くんとのやり取りは岬先生の初めての理解者が出来たみたいで嬉しかった。あんなにも理解して守ってくれる人がいるなんて素敵。それなのにあの別れ方は辛すぎる。せめて学校を出ていくことくらいは伝えて欲しかったけど伝えないのが岬洋介なんだよな。
そしてびっくりしたのが岬はこの時から突発性難聴を発症していたと言うこと。そして諦めたはずのピアノの世界にまたいること、次作はピアノとどう向き合うのか気になる。
・「楽聖と比べるのはおこがましいけど、彼と同じ立場になって改めて思い知らさ -
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犬養隼人刑事シリーズ第7弾「ドクター・デスの再臨」です。この作品は同じシリーズの「ドクター・デスの遺産」の続編であり、そちらを読まれてからのこちらを読むことをおすすめします。ついに、このシリーズの最新刊まできました。キタ━(゚∀゚)━!
ということで、この作品も“安楽死”がテーマになっています。事の発端は、ALSを患っていた母がネットを通じて安楽死を何者かに依頼したようだとの、娘からの通報によります。その手口が、ドクター・デスこと雛森めぐみの犯行と同じであったことから、犬養隼人刑事と高千穂明日香刑事が捜査に乗り出します。
今回はちょっと先がよめた感じもして…でも、面白かったですよ♪ド -
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「夜がどれほど暗くても」の志賀が、元と部署の「週刊春潮」に返り咲き、反コロナワクチンで部数を上げていた。
SNSの反ワクチン主義者から集団ができ、信者たちが病院の待合室で迷惑行為を繰り返すようになり、そのうち死者が出る。
その死者が乗り込んだ病院が、志賀の友人が勤務する病院で…。
宮藤と葛城の2人が追い詰めたのは…。
この宮藤刑事の地味な執念は相変わらずだ。
諦めることなく最後まで的を絞って突き進むのは、凄いのだが愛想がない。
その分葛城の優しさが際立つ。なかなかいいコンビだと思う。
コロナ禍の頃を思い出してしまった。
いったいワクチンは何回接種したのだろうか…と。
あれから5年経つ -
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昔俳優をやっていた事から、人の嘘を見抜く力がある刑事・犬養隼人が主人公のシリーズ第二作。
二作目から読んでも問題なく入れました。
赤い水・黒いハト・白い原稿・青い魚・緑園の主・黄色いリボン・紫の供花
と七篇の事件が収録されている。
それぞれに性質の違う、一筋縄ではいかない事件ばかりで、それぞれに仕掛けがあり面白い。
一話と七話が繋がりがあったりというお楽しみ要素も。
文学賞のやらせをテーマにした白い原稿が、物書きの怨念が籠もっているようで印象的。
人の嘘を見抜くが、女の嘘は見抜けない、という主人公の設定も面白い。
私も演劇の人ですが、嘘は見抜けないなぁ…。 -
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ネタバレパイセン本。
中山七里著『祝祭のハングマン』は、法の網をすり抜ける悪を裁く「私刑執行人=ハングマン」という、ダークヒーロー的存在を核に据えた作品である。その設定は単なる勧善懲悪の枠を超え、人間の心に潜む復讐心や正義への渇望を鮮やかに照らし出す。主人公たちの姿は、理性と激情のはざまで揺らぎながらも、許されざる者を断罪するという一点に収斂していく。その過程は倫理観を鋭く突きつけると同時に、読む者に強いカタルシスをもたらす。序盤の静謐な展開から、後半にかけての昂揚は見事であり、闇に潜むハングマンの存在が現実に顕現したかのような迫力を放つ。正義と悪の境界が溶解する中でなお、人はなぜ「裁きたい」と願う