中山七里のレビュー一覧
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ネタバレ高級老人ホームで入居者9名が介護職員により惨殺される。死刑確実と言われる事件の弁護を、御子柴は何故引き受けたのか。また、どのように被告人を救うのか。
メタ的な話になってしまいますが、残りページ数が少なくなるにつれ、一向に御子柴の手立てが分からずそわそわしてしまいました。
だけどやはり流石の中山先生。最後にちゃんとひっくり返してくれます。
エピローグでも、お前だったのかと唸らせてもらえます。そしてこのシリーズお決まりの御子柴関係者問題、そろそろネタ切れじゃない?と思ってましたが、杞憂でした。
あと、このシリーズは、1ページにおける文字数と行間の余白が自分的にとても読みやすいので有難いです。 -
Posted by ブクログ
背景にあるのは音楽と戦争。
1958年モスクワで開催された第一回チャイコフスキー国際コンクールでの優勝はアメリカ人のクライバーンで2位に甘んじたのがロシア人のナディア・ガガリロフ。彼女と岬洋介のつながりに驚いた。
ロシア人のチャイコフスキーは祖父の故郷であるウクライナをこよなく愛していたという。そのチャイコフスキーの協奏曲第一番を選曲した岬洋介は聴衆に、そして一番はヴァレリーに思いを届けたかったのかも。
あの時タクトを振っていたピアニストのヴァレリーが銃を持ち、同じくピアニストを志していたビクターと戦場で出会うなんて…なんかやりきれない。
ラストシーンのふたりの連弾に作者の願いが込められているのかな -
Posted by ブクログ
ネタバレ廃駅オタクの主人公が、銀座線の廃駅のさらに奥深くへと足を踏み入れると、そこには約100人の人間がひっそりと暮らす巨大な地下コミュニティが存在していた。彼らは過去に福井県の原子力発電所で起きた事故によって被曝し、その後遺症により「色素性乾皮症」という難病を発症した被害者たちだった。極端に紫外線に弱く、日の光を浴びることができなくなった彼らは地上を追われ、闇の中でしか生きられなくなっていた。
物語は、この閉ざされた地下世界で住人の一人が殺害されるところから大きく動き出す。しかも、殺された男の正体は身分を偽って潜入していた「公安警察の刑事」だった。国策である原発推進の妨げとなり、国家の隠蔽工作の生き証人でもある彼らを、公安は「反政府的な危険分子」と見なし、抹殺のための刺客として刑事を送り込んでいたのだ。そして皮肉なことにその刑事が殺害されたことが大義名分となり、警察が地下コミュニティへ本格的に介入・弾圧を行う絶好の口実を与えてしまう展開だった。
国家の隠蔽工作と地下空間での殺人事件が絡み合うストーリー自体は、非常に面白く引き込まれた。ただ、個人的には東京の土地勘に乏しいため、作中で描写される駅の位置関係や地下の繋がりについて、直感的にピンとこない部分があったのは少し惜しかった。
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Posted by ブクログ
ハングマンシリーズ2冊目。このシリーズは他の中山七里作品とあまり重なっていなくて、単独シリーズで楽しめます。でも、私刑執行人の話なので、全体的に重いです。私刑に至るまでの、ずっと苦い感じで終わる読み心地のシリーズになっています。今回は詐欺に引っかかって人生を踏み外す様々な人たちが短く積み重ねられました。また、指示役から上位の実行役として使われる人たちがいかに絡め取られているのかもわかります。闇バイト、オレオレ詐欺、投資詐欺、ホスト。そして、私刑を受ける側の、現実社会ではルフィと呼ばれていたようなトップの指示役が、人生を踏み外す契機になった犯罪(こっちは一昔前なので古典的なあれこれ)。
最後に闇バイトなどの指示役が海外でどのように逃亡生活をしているのかが語られるのですが、そちらは全く知らない世界だったので、投獄された生活を新鮮な知識として楽しめました。フィリピンのビクタン収容所という外国人抑留者収容施設が書かれています。
中山七里作品にしてはグロ少なめですが、内容的に高校以上。
主要登場人物
比米倉内記 城南大学生だがハッカーなど通信技術系に長ける。
春原瑠衣 警視庁捜査一課勤務 1巻の主人公
鳥海秋彦 元捜査一課の探偵