中山七里のレビュー一覧
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御子柴シリーズ5作目。悪徳弁護士と言われる御子柴の事務所で働く、唯一の事務員が殺人事件の犯人となる。本人を信じれば人を殺していないと分かるので、嵌めた人間は自ずと分かってしまう。警察は御子柴憎しで、その取り調べを行っていない。これが不思議。
殺しても殺していなくても、無罪を勝ち取るのが御子柴弁護士。警察以上の調査能力を発揮し、証拠や背景を探っていく。唯一の証拠品も想定通りにひっくり返す鮮やかさ。
ただ、その他のSNSでの主導者や御子柴を襲った犯人までは見逃してしまった。小どんでん返し、と言ったところか。事務員が御子柴事務所で働く理由も明かされ、ホッとする。
展開が早いので、あっという間に読み終えた。 -
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中山七里がコロナ禍をテーマにミステリを書くとこうなる。今までの中山七里作品と大差ない、と言ってしまえばその通りだ。社会の動き、それに翻弄される人間たち、そこから発生する歪み、噴出する悪意とそれへの対峙。
力技で突き進むパワーを持ちながらもそれを緩めず、最後まで突っ走る。思ったより尺が短いが、それが良かったのだろう。ギュッと濃縮されたようなスピード感がドラマでも観ているかのように心地よい。内容に心地よさは欠片もないのだが。
クライマックスには奇妙な救いがあった。コロナによってついた傷は大きいが、学ぶ事で前に進めるのだ。人が皆、そうでなくても。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
盲目のピアニスト・榊場が殺人事件の容疑者として疑われるところから物語は始まる。
年間を通して全国でコンサートを開催するピアニストには、高い演奏技術だけでなく、強靭な精神力も必要になる。しかし榊場は精神的なプレッシャーに弱く、本来の演奏ができなくなってしまう。
そんな旧知の仲である岬洋介が、友人を助けるために駆けつける。前作でも印象的だった「友達を助けるためという理由以外に理由が必要ですか?」という言葉は、今回も岬らしい男気を感じさせる。自分の欧州公演をキャンセルし、多額の違約金まで覚悟して友人を助ける姿は、現実ではなかなか真似のできない生き方だ。
今回は「表現の自由」と「迷惑行為」がテーマの一つだったように感じた。
榊場の盲目を「でっち上げではないか」と決めつける悪質なフリーライターが登場するが、私は、人に迷惑をかけることを目的とした報道は、マスコミ本来の役割とは違うと思う。
もちろん、そのような記事を求める読者が一定数いるのも事実だろう。しかし、それを仕事として他人を傷つけながら生計を立てることには違和感を覚える。とはいえ、そのライターにも生活や経済的事情など、そうせざるを得ない背景があるのかもしれない。
読み終えて改めて思ったのは、とてもシンプルなことだ。
「基本的に、人に迷惑をかけてはいけない。」
当たり前のようで、現代では改めて考えさせられる一冊だった。 -
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……読み切ってしまった……
出版されている6冊全部読み切ってしまった…
全部読むのがもったいなくて
読み終わるのが寂しくて
後回しにしていたんだけど
とうとう我慢できずに手に取ってしまった…
今回も御子柴が扱う事件は自分でもぎ取った
国選弁護人の事件
お金にもならず
もしかしたら自分の評判もより一層悪くなってしまい
仕事に影響が出るかもしれない
でも、そんなことお構いなしに
御子柴は自分の思いを貫き弁護をする
毎回思うけど
この御子柴の
なぜ?
の部分が明かされるときの
ああ、そうだったんだ…
の感情は
御子柴がこれからも背負っていくのもなのかなと
思って見たり…
今回は切なくても
最後の二人の会話は
珍しく御子柴からの温かさも感じたように思う
最後の一ページは
暖かくも切なくなる……でも
何度も読み返した……
帯を良く読み返したら
来月に新刊が発売される…が単行本かぁ…
全部文庫で買ったからどうしようか迷う…が
文庫が出るまでは待てないかもしれない…… -
Posted by ブクログ
久しぶりに中山七里を読んだ。古本屋で何冊かまとめて買ったのだが、ずっと読めずにいた。その古本屋に先日久しぶりに行くと、「七里さんはぜ〜んぶ読んだわ」と店主と楽しそうに話すマダムがいた。あぁ、「中山七里の本は先日まとめて売れてしまったんですよ」と申し訳なさそうにレジで言われたことがあったが、犯人はこの婦人だったんだ。数ヶ月?1年以上?経って、心中密かに答え合わせをしていた。
さて、本作は読みながらな〜んか知ってるぞ、と思っていた。場面のところどころで映像が頭に浮かんでくる。読後に調べると、上川隆也主演でWOWOWでドラマ化されてた。納得。
殺人事件の被害者遺族である女子中学生。加害者遺族である男性。この2人の関係性がどうなるのか。確か、この男性はまだまだシリーズ物の小説にも登場するので、ここで変な終わり方はしないだろうとは思っていたが。2人については、表紙のイラストがよく物語っている。初っ端からすごい勢いで話は進んで行く。読者を飽きさせない。中山七里ここにあり。悲しい話だけど、最後ほんの少し希望が。
そして、唐突に西原理恵子のマンガ?!なんで?!と、これはいわゆる「解説」のようだ。マンガ家だからマンガで解説。すげーな中山七里。