中山七里のレビュー一覧
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前作『嗤う淑女』の悪女、野々宮恭子(蒲生美智留)が帰ってきた――。シリーズ第2作目となる本作『ふたたび嗤う淑女』のページをめくるたび私は再び彼女の圧倒的なカリスマ性と冷徹な手際に、瞬く間に引きずり込まれてしまいました。
今回の舞台は「宗教と政治」という、前作以上にスケールアップした権力と欲望の渦です。恭子は相変わらず自分の手を一切汚すことなく、ターゲットを破滅へと導いていきます。「騙される方が悪いのか、騙す方が悪いのか」という重い問いを突きつけながら、1章につき一人ずつ人間が嵌められていく展開。それらが最後には一本の線でつながり、予想を超える結末へと収束していく構成の妙には鳥肌が立ちました。
淀みのないテンポと巧妙な伏線に操られるように、一度読み始めるともう止まらない。まさに、読者を一瞬で夢中にさせる一冊でした。 -
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【絶対敵に回したくない男】
成田の空港警察署に新米署長として仁志村賢作が就任する。普段から民事不介入を決め込み、「役立たず」と陰口を叩かれていた空港警察が変わり始める。
長編バディものかと思いきや短編集。ひたすら仁志村が無双します!読みやすくて助かるw
仁志村は物腰は柔らかく、口調も穏やか。だが犯罪者に対しては一切容赦しない。笑顔で会話をしながら、裏では犯人の逃げ道を一つずつ塞いでいく。着任早々、旅行ツアー客42人を覚醒剤密輸でしょっ引くなど、格に違いを見せつけます。
「大きな組織だからこそ、責任者が変わったら大転換する可能性がある。またそうでなければ責任者が変わる意味がない」
この言葉に象徴されるように、仁志村は事件を解決するだけでなく、組織そのものを変えようとする人物でもある。組織を率いた経験がある人なら、思わず頷いてしまうのではないだろうか。
狡猾と言われているが、情報収集能力と犯罪への嗅覚は群を抜いている。
(※さすが、あの千葉県警のアマゾネスを新人時代に泣かせただけのことはあるw)
短編ながら、仁志村という強烈なキャラクターの魅力が存分に味わえる一冊。彼の過去も非常に興味が湧く!次回作が待ち遠しい作品です。 -
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深夜隣室から聞こえる不穏な物音…。
近所で起こる連続殺人事件…。
隣の部屋の住人はシリアルキラーなのか…。
主人公の過去とは…。
最初から最後までドキドキしながら読み進めました!最後の最後まで作者に翻弄されていて私は全然真実が分かりませんでした
300ページほどの話なので気軽に読めてよかったです。夏にホラーとミステリー両方味わいたいという人におすすめ!
外国人技能実習生の問題や前科者の社会復帰についてなど社会問題にも触れており、考えさせられました。
宮藤刑事と葛城刑事はコンビだけど、単独の場面が多くてもう少しバディ感出してくれた方がよかったような…?
作中に文章だけで出てきた犬養刑事は他のシリーズでも登場するのかな?(中山さんの作品はじめててよく分からず…)
中山さんの作品は世界観が繋がっていると聞くので他にも読んでみようと思いました!
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ネタバレ⭐︎3.8くらい。
掴みから興味深い。ある事件について、警察や検事の話が繰り広げられる。
法律と死刑、私刑の話でもあり。
法律は復讐のためにあるわけではないといった箇所はすごく同意、でも身内がそんな殺され方をしたら感情的にならざるを得ないだろう。それも理解できてしまう。
明治時代まで仇討ちがあり、(自分より目上の)近親者が殺された場合のみ仇討ちができること、そして武士しか仇討ちはできず、仇討ちの仇討ちは禁止されていたことなど、知らなかったから勉強になった。
いろんな加害者の話から被害者の話が出てきて考えさせられる。
中間くらいまでは正直展開が遅く、読むスピードがかなり落ちました。けれど後半からはかなり読む手が止まりませんでした。
思ったより犯人が早く見つかってここからどうなるんだろうと思ったら…
最後渋沢さんの話が深い。極刑は死刑ではない… -
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ミステリーでありながら才能について深く考えさせられる。
学業にスポーツに興味を持って取り組んで以来、自分には才能が対してないのだなと苦しむことが多々あり、それに苦しんできた。岬が言う、才能があろうがなかろうが自分の生き方が左右されるのは馬鹿げている、と言う発言はピアノにも法曹にも才能がある者が言うことではないと反目したくなる。
ただ、先生がその前に言う何かに努力して挫折した者が普通の生活を送ると言うのは納得で奮起させるには良い言葉だと思った。
ここまで書いた上で、岬の発言の真意に気づく。自分の人生だからやりたいと思ったことをとことん努力すれば良いのだと。 -
Posted by ブクログ
『この作品は二〇一六年八月小社より刊行されたものです。この物語は完全にフィクションです。現実はもっと滑稽で悲惨です。単行本の刊行から二年経過しましたが、状況は悪化の一途を辿っています。』
大概実在する人物・団体・事件とは一切関係ないことを記す箇所の巻末数行メッセージがありますが、見間違いかと思うところでした。もうすぐ刊行から10年経ちそうな2026年の今はどうなのかな…と思ってしまった。編集出版業界が、いかに特殊で悪い慣習が横行しているか、ブラックユーモア交えて短編ミステリーで読むことができます。作家になろうと夢見ている人や作家にはなったけど燻っている人たちに、ぐうの音もでない正論をかます毒島先生の発言、作者からの叱咤激励としても読めた。(才能の芽は早めに摘みとっておくに限るからね。うふふ。←が本音だったかもしれないけれど(゜o゜))
既に3つぐらいシリーズ作品に手を出して、愛読者を気取っていたけど、まだまだでした。引き続き中山作品を読み漁っていきたいと思ったし、改めて何冊も本を書いて世に送り出すことは、決して簡単ではないことを教わりました。
2026.6