中山七里のレビュー一覧

  • ハングマン 鵜匠殺し

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    ハングマンシリーズ2冊目。このシリーズは他の中山七里作品とあまり重なっていなくて、単独シリーズで楽しめます。でも、私刑執行人の話なので、全体的に重いです。私刑に至るまでの、ずっと苦い感じで終わる読み心地のシリーズになっています。今回は詐欺に引っかかって人生を踏み外す様々な人たちが短く積み重ねられました。また、指示役から上位の実行役として使われる人たちがいかに絡め取られているのかもわかります。闇バイト、オレオレ詐欺、投資詐欺、ホスト。そして、私刑を受ける側の、現実社会ではルフィと呼ばれていたようなトップの指示役が、人生を踏み外す契機になった犯罪(こっちは一昔前なので古典的なあれこれ)。
    最後に闇バイトなどの指示役が海外でどのように逃亡生活をしているのかが語られるのですが、そちらは全く知らない世界だったので、投獄された生活を新鮮な知識として楽しめました。フィリピンのビクタン収容所という外国人抑留者収容施設が書かれています。
    中山七里作品にしてはグロ少なめですが、内容的に高校以上。

    主要登場人物
    比米倉内記 城南大学生だがハッカーなど通信技術系に長ける。
    春原瑠衣 警視庁捜査一課勤務 1巻の主人公
    鳥海秋彦 元捜査一課の探偵

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    2026年06月05日
  • 合唱 岬洋介の帰還

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    ネタバレ

    とても楽しみにしていた一冊。

    中山七里作品のオールスターが集結!
    それだけで読む前から楽しくなる。

    御子柴に最後まで弁護を担当してほしかったけれど、岬洋介が主役なのだから途中交代も仕方のないことだと自分を納得させた。

    岬洋介と父親の法廷での戦いも見応えがあった。

    次回作も楽しみだ。

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    2026年06月05日
  • 死にゆく者の祈り(新潮文庫)

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    オーディブルで一気に聴きました。
    途中から夢中になり止まらなくなりました。
    弁護士さんが言った言葉がとても心に刺さりました。

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    2026年06月04日
  • 恩讐の鎮魂曲

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    御子柴シリーズ第三巻。今回、御子柴が弁護するのは、御子柴の少年院時代の指導教官である稲見武雄。稲見は、特別養護老人ホーム「白楽園」で介護士の栃野守を撲殺した罪に問われる。稲見は「罰を与えてほしい」と願うが、御子柴は何とか無罪を勝ち取ろうと奔走する。次々と明らかになる真実に、贖罪の意味を考えたり、罪人が善人になることも、善人が罪人になることも紙一重なのかも知れないと思ったりした。物語を通して稲見元教官が、無骨で不器用だが、愛情深く懐が深い人物として描かれていて、安心感があった。サスペンスとしてとても面白い。

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    2026年06月03日
  • 悪徳の輪舞曲

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    御子柴シリーズ第四巻。今回は、実の妹である梓から、実母・郁美の弁護を依頼される。御子柴は、14歳の時に凄惨な事件を起こした過去を持ち、家族とはそれ以来会っていなかった。郁美は、再婚相手を自殺に見せかけて殺害した罪に問われている。実母を弁護する過程で、否応なく自らの過去と向き合う御子柴。作者が描く御子柴の贖罪の旅は、刑に服するよりさらに辛いもののようにさえ感じる。実母との接見や事件当時の自宅近辺への再訪に、緊張し戸惑う様子に、御子柴の再生を感じた。巻数を重ねるごとに、そのキャラクターに惹かれていく。

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    2026年06月03日
  • 殺戮の狂詩曲

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    御子柴シリーズ第六巻。冒頭から、猟奇的な犯行の描写が続く。高級老人ホームに勤める介護士、忍野が入所者を次々と殺害した事件は、相模原の障害者施設での事件を想起させる。その犯人の弁護を、重罪を犯した過去をもつ御子柴が引き受ける…。こういう世界があっていいのが小説の魅力だと思う。御子柴の味方をしてきた谷崎、山崎、日下部がこの事件だけは引き受けるなと意見するが、御子柴は忠言を聞かずに弁護を引き受ける。裁判で新たに明らかになった事実と、御子柴が弁護を引き受けた理由に、またしてもどんでん返しをくらう。面白かった!!

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    2026年06月03日
  • 復讐の協奏曲

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    リーガルサスペンス「御子柴弁護士シリーズ」の第5作。
    これまでに自身の恩師や母親をも弁護してきた主人公。今回も身近な人物、事務所で雇っているスタッフが殺人容疑に問われて乗り出すことに。調査の中で当人の意外な過去が明らかになっていく・・・

    作者の構成力には安心感すらありますね。起承転結が上手くまとまっていて安定して面白いです。個人的には前作がシリーズのベストで、本作は法廷シーンでの息の詰まるような緊張感がもう少し欲しかったというのが率直なところではありますが。
    第6作も楽しみです。

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    2026年06月02日
  • 悪徳の輪舞曲

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    弁護士御子柴礼二シリーズ4作品目

    今までの感じとは違って
    御子柴の家族のお話

    このお話ではこれまでと違った御子柴の
    内面が見られたり
    これまで見られなかった感情が見られたりと
    少し人間味のある御子柴が見られたように思う

    最後の最後の1ページ
    御子柴のセリフがもどかしく切ない…

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    2026年06月01日
  • 越境刑事

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    高頭冴子さんシリーズ第2弾!

    今回は中国のヤバい話で、これ大丈夫かな( •̀ω•́ ; )

    前半は普通にどんどん読み進められましたが、後半はとても辛く苦しい場面で嫌な気分でいっぱいです。
    それでも最後はホッとしました。
    あとがき読んで、これは本当にある事だと分かり、かなりの衝撃でした。
    同じ人間なのに、どうしてそんな風に人に対して出来るのか疑問です。

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    2026年05月31日
  • 有罪、とAIは告げた

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    ネタバレ

    東京地裁に、中国で開発されたAI裁判官、法神2が試験導入された。
    裁判官の仕事は激務で、なり手が伸びない割に職務は増えているという。証拠を調べたり、判決文を書くだけではない。例えばサイバー犯罪だったら界隈のことを知らなければ、適切な判断が下せない。そのためには勉強するしかない。
    そんな中導入されたAIは劇的に作業量を減らしてくれるため裁判官たちに喜ばれていた。今まで、苦労して書き上げていた判決文も、AIは完全に同じ文章が再現できそうだ。だが、主人公の高遠寺円は人を裁くときにAIに頼ることに抵抗を感じる。
    そんな時、一件の父親殺し事件が舞い込む。物証もあり、本人の証言もある。あとは量刑だけ、というところ、AIが出した判決は「死刑」。
    裁判長も、裁判員も、AIが出したその判決に乗っかってしまおうとするが…。

    巷で言われる「AIは間違ったことを言う時もある」「AIに偏ったデータを入れたら偏った答えを出す時がある」の究極形だと思った。AIのこの一言によって、被告の生命が左右される。AIの中身がブラックボックスであるなら、どんなデータからその結論が導かれたのか、誰にも分からない。
    また、AIには過去のデータしか入っていないため、新しい発想は決して出てこない。

    作品中では、親を殺したときに罰則が通常の殺人より重くなる「尊属殺人」が重要なテーマになった。
    昭和48年、「尊属殺重罰規定違憲判決」である。要するに、「尊属殺人を重罪とする」という刑法自体が憲法違反のため無効、と判断した。これにより、それまであった法律は無効化された。このような判断は、前例から答えを出すAIには決してできない。

    それが悪いと言っているのではないが、そういうことが必要になりうる現場にはAIは入るべきではなく、AIが活躍できる場には入ったらいい、と改めて感じる。

    解説は、話題の「チームみらい」党首の安野貴博参議院議員。
    著者の中山さんが提示したAIの瑕疵を見事にスルーして、「AIは合理的判断をするけど、人間が感情的に受け入れない」「納得しない」など、話のすり替えがひどい。結末まで読んだのか?
    開発者が恣意的に不都合なデータを学習させない、ということが起こりうるという危険性は認識できたのか?

    本編は面白いです。
    AIに対する問題意識の一つを、「もし裁判所にAIが実装されたとしたら」という創作で表現している。
    そして、みんなが「これいいじゃん!」となっている中の言語化できない違和感も、なんとなく持っている人は多いと思う。

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    2026年05月31日
  • カインの傲慢 刑事犬養隼人

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    ネタバレ

    大切な人を守る上では、法を破ることも已むを得ないのか?みたいな重いことを考えた。
    ちょっとスッキリしない終わりだった〜

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    2026年05月31日
  • 越境刑事

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    ネタバレ

    千葉県で相次ぐ東トルキスタン人(ウイグル人)の不審な失踪事件と、日本で暮らしていた彼らの一人が殺害される事件が発生。日本の警察が被害者の友人やパートナーへ聞き込みを進めるうちに浮かび上がってきたのは、中国の公安局が国境を越えて日本国内で暗躍しているという恐るべき疑惑だった。そして、彼らが命を奪われた理由が「新疆ウイグル自治区の人間だから」という、あまりにも理不尽な理由であった。
    本作を通じて最も心をえぐられたのは、背景に描かれる苛烈な人権弾圧の実態だ。2010年代という現代社会において、まるでナチスを再現したかのような強制収容所が実在し、民族浄化や女性から子どもを産む権利を強制的に奪うような非人道的な処置が行われているという。あまりにも酷い話に絶句すると同時に、「これが社会主義の国のスタンダードなのだろうか」と暗澹たる気持ちになった。
    国として独立したいという気持ちが本当の意味で理解できる一冊だった。

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    2026年05月31日
  • 総理にされた男 第二次内閣

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    シリーズ続けて読みました。私は、七里ファンです。間違いなく面白い、ストーリー展開が引き込まれる。
    テレビでニュース見てても、小説が浮かびました。替え玉総理の、青くさいセリフ、とても良かったです❣️青くさい、正しいことを大事にしたいです。

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    2026年05月31日
  • 被告人、AI

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    AIを搭載した介護ロボットが殺人で起訴された。被介護者を殺したというのだ。裁判官の高円寺円は初めてのAIを裁く裁判で左陪席を務める。

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    2026年05月30日
  • 死にゆく者の祈り(新潮文庫)

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    3.5

    主人公である顕真の御坊さんとしての立場と親友として死刑囚である親友の関根を助けたいという葛藤が上手く描かれていた。

    殺人犯のミステリー要素もあり楽しめた。

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    2026年05月30日
  • さよならドビュッシー 前奏曲

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    さよならドビュッシーの前日譚として、香月玄太郎を探偵とした短編集。
    リズム感よく進んでいきつつ玄太郎の傲慢さと孤独が感じられる。車椅子探偵の冒険に至っては、みち子視点でぬるっと伏線は張りつつ、いつ事件が起きるのだろうかとハラハラしていたらもうすでに解決していると言うなかなかない展開で驚かされた。
    玄太郎から岬先生へのバトンタッチがなされた作品だった。

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    2026年05月30日
  • 翼がなくても

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    スプリンターとして実業団に所属していた一ノ瀬紗良は、交通事故に巻き込まれ、左足を失う。加害者は、隣人で幼馴染の泰輔だったが、事故後、何者かに殺害される。犯人を追う犬養刑事、泰輔の弁護人として登場する御子柴礼司、高価な競技用義足を購入し、パラアスリートを目指す紗良。御子柴シリーズを楽しんだ後だったので、この辺りで事件の真相に気づき、ニヤリ。ミステリーと言うよりは、紗良がパラアスリートとして再起する物語としてとても楽しめた。

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    2026年05月29日
  • ラスプーチンの庭 刑事犬養隼人

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    刑事・犬飼隼人シリーズ6冊目。

    犬飼刑事の娘の入院仲間だった少年が亡くなった。大学病院での治療を諦め、自宅療養に切り替えたはずが、彼の体はアザだらけで、、、。

     謎の医療団体による民間療法とか、治療費とか色々な問題が絡んでる。

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    2026年05月29日
  • 嗤う淑女

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    主人公の美智留自身が直接手を下して人を殺めるわけではない。彼女がするのは、人生に行き詰まったり、心に小さな歪みを持ったりしている人々に寄り添い、ほんの少しの「アドバイス」を与えることだけ。

    借金に苦しむ人、承認欲求に飢えた人、容姿にコンプレックスを持つ人――。美智留は彼らの心の隙間を正確に見抜き、本人が心の奥底で望んでいる「悪意」や「欲望」を肯定して解放してあげるのだ。
    美智留に背中を押された人々は、自らの意志で一線を越え、破滅の道を突き進んでいく。その姿を見て、私は「もし自分が人生のどん底にいる時に美智留に出会ったら、拒絶できただろうか」と考えずにはいられなかった。

    彼女は悪魔のような存在だが、破滅へのトリガーを引いているのは、紛れもなく自分自身の弱さとエゴなのだ。

    タイトルに含まれている「嗤う」という漢字には、あざ笑う、見下して笑うという意味がある。
    中山氐はそこまで考えてたことに再度感動した。

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    2026年05月29日
  • 武闘刑事

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    ネタバレ

    アマゾネス高頭冴子シリーズ第3弾。
    今回は部下の郡山が男気を魅せる。米軍基地をめぐる日米地位協定に阻まれた犯罪をどう暴くか。事態が停滞し、悶々とする中で打開策をぶち上げる様は痛快。上司の国兼さんや、鑑識の戸倉さんもいいお仕事ぶりで盛り上げに一役買っていたし
    ラストのどんでん返しは完全に騙された。
    表題にピッタリな内容。とても面白かった。

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    2026年05月29日