中山七里のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
また会えました不破さん。人相は装丁からしか想像できませんが、ゴルゴ13の眉を薄めにしたお顔ならいいなぁと勝手ながら決めつけている。
不特定の人々が行き交う中に暴走する車両。無差別に人を跳ね、直後には罪も面識も怨みもない他人に刃を向ける。秋葉原の事件を思い出さざるをえない。文字情報だけでも戦慄を覚えた。取り押さえられた犯人の映像からは残虐さとのギャップが大きな"普通の人"だった。
アンホ爆弾という言葉には馴染みがなく初めて触れた。簡単に材料が揃い、破壊力はビルを吹き飛ばすことも可能とは恐るべし。性能を弱めても能面の顔を歪める
程の威力がある。それを武器にする卑劣さは理性 -
Posted by ブクログ
中山七里『能面検事』シリーズ第3弾。
南海電車岸和田駅前で、無差別殺人事件が発生。7人を殺害した、笹清政市が現行犯逮捕された。
笹清は、リーマンショック後の新就職氷河期世代であり、世間への復讐のために、幸せそうな人たちを狙ったと。
そんな中、大阪地検で爆破事件が起こる。犯人『ロスト・ルサンチマン』の要求は、『笹清政市を釈放すること』…
『ロスト・ルサンチマン』の目的は…
担当検事となった、不破は変わらず、天上天下唯我独尊で奮闘するが…
『ロスト・ルサンチマン』の狙いは何なのか⁇
警察か検察の内部の人間では⁇と疑っていたが…
世間が、ロスジェネ世代の復讐だ、と騒ぐ中、不破も最初から疑って -
Posted by ブクログ
私の仕事は無罪にすることで、
真相を明らかにすることではない。
30年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士・御子柴礼司。
事務所に〈この国のジャスティス〉と名乗る者の呼びかけに応じた800人以上からの懲戒請求書が届く。
処理に忙殺されるなか、事務員の洋子は、外資系コンサルタント・知原と夕食をともにした。がしかし、
翌朝、知原は遺体で見つかり、凶器に残った指紋から洋子が殺人容疑で逮捕された。
洋子の弁護を引き受けた御子柴は、洋子がみずからと同じ地域出身であることを知り…….。
一度心に巣くった獣は、簡単に消えはしない――
めぐる因縁そして〈復讐〉の結末は!? -
Posted by ブクログ
一応「七」に縁のあるミステリー作家による「七つの大罪」の短編集だが、作家さん選びに苦労したのかこじ付けのような人もいる。岡崎琢磨の7月7日生まれはまあいいとして、三上幸四郎の「3+4=7」はちょっと...(笑)
それぞれの特徴が出ていて非常に面白かった。
中山七里【傲慢】は安定の面白さで流石という感じ。岡崎琢磨【怠惰】は少しほっこりする。川瀬七緒【憤怒】はちょっと背筋が凍るミステリー。七尾与史【嫉妬】は読んでいて偏執的な嫉妬に気持ちが暗くなるが作中に七尾与史が自虐ネタで出てくる。三上幸四郎【強欲】は今時のSNS時代のネタで脚本家っぽいと感じた。カモシダせぶん【色欲】はかなり毛色が変わったマニア -
Posted by ブクログ
8月に入りましたっ!ということで、中山七里先生ただいま戻りました(・ω・)ノ
千葉県警のアマゾネス高頭冴子、彼女は他の作品にも出てきたなぁ~!でもちゃんとシリーズ化もされてるんですね!まずはその第1弾である「逃亡刑事」を読みましたよ。
麻薬密売ルートについて捜査していた刑事が銃殺されたことを発端に捜査に介入した高頭冴子…。事件現場での目撃証言から犯人が判明するも、目撃者である8歳の少年、猛が命を狙われることに…。そしてこともあろうか、高頭冴子が犯人であるかのような捏造もされ…高頭冴子は猛を伴いヤクザの山崎の手配の元逃亡を図ることに…。
高頭冴子は身長180cmあって武闘派、正義感 -
Posted by ブクログ
コロナ禍に反ワクチン報道を続ける週刊誌記者の葛藤と事件。
正面からコロナ禍の混乱を題材にしており、誰もが実体験を伴って読み進めてしまうと思います。
反ワクチン主張者のあれこれやそれを支える形となった報道への不満やなんかが作品内で赤裸々に描かれていて、当時の混乱や怒りを追体験する格好となりました。そういう意味で読むのが止まらない面白さではありましたが、推理やどんでん返しという視点ではやや凡庸というか、これもまた今も主張を続ける反ワクチン派への中山七里氏の怒りが主題だったのかな、と思いました。
そういう意味で作品としての純粋な面白さとはちょっと違うかな、という印象です。
参政党の人たちなんか -
Posted by ブクログ
ネタバレ「このたわけぇ!!」
玄太郎おじいちゃん、かっこよかったなぁ。
お金のために自分を身内を殺す人たちには気分が悪くなったけどその事件を解決して罪を認めさせることの出来る玄太郎おじいちゃんがすごい!
不動産屋をしていてそこで岬先生に出会うのはまさかだった。最後のシーンはさよならドビュッシーを見て玄太郎おじいちゃんのその後を知ってるのでグッとくるものがあった。
「膝を屈した数だけ人間は剛くなれるからさ。先生、迷惑のかけついでだ。もう一つだけ、わしの頼みを聞いちゃくれんかまだまだ腕は未熟でな。もしも、その子たちがピアノを教えて欲しいと願ったら、先生になってやってくれんかね。ただし、このことは二人には -
Posted by ブクログ
後書に中山七里は改造人間である。
1日2時間の睡眠と1回のトイレ。
3日に一度の〆切で、10本の連載を抱える。
とあった。作品の中の毒島刑事は、話をしながらでも40ページ以上の執筆が出来てしまう。
作家業とは、何と恐ろしい職業かと思う。
出版業会とドラマ業界の恐ろしさが描かれているが、これを取り巻く勘違い人間の多さが、これまた恐ろしい。実際に作家になるんだけど、読んでみてと言われて、文章にもなっていない酷いものを見たことがあるが、この本の中には、その時の文章よりも恐ろしい勘違い人間たちが描かれている。
これを読んだら、その業界には、近づくべからずと思ってしまった。
本が好きで読ませていただいて