あらすじ
都内の幼稚園へ赴任してきた神尾舞子。騒音や待機児童など様々な問題への対応を迫られる中、園の生き物が何者かに惨殺される事件が立て続けに起き、やがて事態は最悪の方向へ──。『闘う君の唄を』に連なる、シリーズ第2弾。《解説・藤田香織》
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朝の通勤列車の社内でメイクをする母親と横でパンを食べる娘。公共の場でのマナー違反を見かねて注意した神尾舞子。その母親の身勝手な言い訳に、臆することもなく理路整然と順序だてて説教する彼女は、幼稚園教諭だった。どちらかというと、優秀なビジネスウーマンのように思えたのに、実は幼稚園の教諭だって…。
普段、子供たちにとってどんな先生なのかなぁと思った。
彼女は以前勤めていた幼稚園での不祥事がきっかけで(彼女は関係ない)、経営母体の会社が、改善の一環として大規模な人事異動を行ったため、新しい幼稚園へ転任の初日だった。
就任直後、都会の閑静な住宅街ならではの、地域住民への騒音問題、待機児童問題、どこにでもあるだろうがモンスターペアレント対応などに大忙し。
幸いにも、前職場で同僚だった池波智樹も同じ配属だったため、どこからかそつなく仕入れてくる情報通の彼と協力しながらそれぞれの問題に対峙していく。しかし、事なかれ主義でできれば穏便に見て見ぬふりをする園長、一年ごとの査定の判定を握られて園長に意見できない同僚たちにいらいらしながらも、舞子は自分に課された課題に対し最大限能力を発揮していく。
そんな中、クラスの園児が何者かに殺されるという事件が起こる。
その前兆を感じさせるようなちょっとした異変が続いたものの、園長、警察さえあまり熱心に動いてくれない中、起こったのだ。その責任問題の渦中に立たされた舞子は、池波とともに、犯人を捜し始める。
誰が犯人なのか、グレーな人は何人かいたが、最後にえ?っと意外な人物が・・・。
小説でありながらも園児の待機問題や、地元住民への騒音問題は、両者まみえることが難しく、根の深い問題だなぁと思った。
最後の解説に、彼女は、『おやすみラフマニノフ』に、オーボエを専攻していた学生で登場していたと書かれてあった。読んだはずなのに、すっかり内容を忘れてしまった。そこには、今の彼女の性格を彷彿させる片鱗がすでにあったみたい。もう一度読んでみよう。
それとは別に、また、舞子と池波コンビの小説を読んでみたいと思った。
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「大人だからって子供より勝っている部分なんて言葉と経験値と世渡りくらいじゃないのかな。 誰でも感情に走る時って、精神年齢は五歳に戻っているもの」
自分本位で何でもかんでも幼稚園のせいにする親、マスコミ、近隣住民の言動にはさもありなん、といった感じで読んでいてすごくしんどかった。ミステリー要素軽め、幼稚園を取り巻く諸問題にスポットを当てた作品だった。
そもそも一瞬たりとも目が離せない年齢層の子供を一人で何十人と見なければならない重責に加えて、モンスターペアレンツ、近隣住民との騒音トラブル…とてもじゃないけれど、子供が好き、だけでは続けられない仕事だと思う。以前、幼稚園の教育実習中に先生達にひどいいじめを受けたということがthreadsに書かれていて、同じような経験をした人も数人コメント欄にいて本当にびっくりしたのだけれど、それだけストレスの溜まる仕事なのか、と。保育士さんなども含めてもっと労働環境の向上があってほしい。
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「闘う君の唄を」に続くシリーズ第2弾。今回の主人公は神尾舞子先生。こんな先生、1作目に出ていたっけ?と思って1作目を見ると、年少組の担任の先生とありました。覚えてない…。
序盤からグイグイと物語に引き込まれていく展開は、さすが中山七里さん。終盤に入るまで小動物殺し〜結愛ちゃん殺しに至るまでの犯人がさっぱり解りませんでしたが、終盤で犯人が犯人しか知り得ない情報を暴露した時、なんで古尾井刑事も他の皆も気が付かないのかなぁ〜と思っていたら、やはりちゃんと皆さん気がついていたんですね。それにしてもさすがどんでん返しの帝王、中山七里さん。意外と言えば意外、あり得ると言えばあり得る犯人とその動機に今回も楽しませて頂きました。
池波先生の推理もさることながら、本気を出した後の世田谷署の古尾井刑事の行動力と推理力が素晴らしいです。中山七里さんの作品に登場する刑事さんは、皆さん個性的で魅力的。(個人的には渡瀬刑事が好き。)池波先生と神尾先生のコンビも面白くて良かったです。この2人の話をまた読めると嬉しいです。
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『騒がしい楽園』
結末そうきたか!⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
おどろおどろしさ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
事件動機 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
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1.舞台、主人公
舞台は23区の保育園です。主人公は20代の女性保育士です。
埼玉の保育園から転園してきました。
※『闘う君の唄を』の続編です。つながりが少ないため、順序関係なく読んで楽しめる小説です。
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2.物語の始まり
事件は園内で起こります。小動物の死骸が放置される事件です。
予算不足の保育園では、監視カメラが少なく犯行は連続して発生します。
そして、残虐性がエスカレートします。
おどろおどろしさが⭐️5個の理由です。
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3.読み終えて
二つの事件が起こります。
それぞれ動機があります。その背景には、ありえるのかも、、、という日常との接点を感じました。
動機が⭐️6個の理由です。
物語を振り返ると、下記の描写を認識できます。
①公務員の人事評価。
②勤務時間外手当の公平性有無。
③警察との連携、警備強化。出来ること、やりづらいこと。
④待機児童の問題。
④。厚労省調べは2013年度2万人超えでした。2021年度は6千人弱、8割の自治体で解消済みとあります。この裏には、経済的理由で申請できない世帯があるはずです。潜在的な待機児童。
中山七里さんの小説。改めて、舞台が様々ですから、物語だけでなく、社会を改めて眺める機会として有難いです。
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本書は『闘う君の唄を』の姉妹編、という位置付けになっています。
主人公の神尾舞子は、元同僚池波と共に東京都世田谷区にある若葉幼稚園に転任を命じられたのはつい先日のことだった。以前勤務していた神室幼稚園で不祥事が発生し、経営母体である宗教法人喜徳会が人心一新を理由に教職員の大異動を決定したのだ。
物語は、初日の朝から幕を開ける。
園長三笠野万次は、市街地に建つ幼稚園に特有のトラブルがあることを舞子に告げる。具体的には、騒音問題と待機児童だ。
(何だ普通じゃないか!なんて思うけれど)
先生と園児にとって幼稚園が楽しい場所であってほしいと願いますが、本書では、一筋縄では済まされない問題を掘り下げて小説にしているので、とんでもない方向に進むことになります。
中山七里さんの著書は、スッキリ解決しなくて、イヤミスかと思えるミステリー小説が多いです。
なるほどと思うけれど問題は深刻ですよ。
読書は楽しい!
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舞子が園生の保護者や上司である園長から幼児殺害事件の責任を押しつけられ、尚且つ過熱報道の被害にあっていく行が姉妹作である『闘う君の唄を』の主人公:凜と重なった。
幼稚園教諭に過剰な負担を求めてボロボロになっていってしまう姿は現実を写していると思った。
園児殺害の犯人は最後まで分からない様になっていたが振り返ってみると犯人と分かったきっかけの出来事が唐突だったなと思った。
それでも個人的には幼稚園を舞台にしたこの2作は楽しめるものであった。
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『闘う君の唄を』に続く、シリーズ第二弾。
都内の幼稚園に赴任して来た神尾 舞子。
しかし、そこでは、様々な問題に加え、小動物の惨殺事件が起きていた。やがて、...事態は最悪の方向へ。
正義感の強い舞子と、どこか達観とした皮肉屋の池波の名コンビが、謎の解明に挑みます。
やがて明らかとなる真相とは?
最後のどんでん返しは、さすが中山七里氏ですね。
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主人公の神尾舞子、なかなか「切れ者の幼稚園教諭
」との目で読んでいると、少しいらいらすることも。それが面白い。読者を誘導させ次はと期待させる。
それぞれの世代、それぞれの人が様々な感情を持ち、エゴも含めて様々に動き、話す。でも、その中に神対応ならずとも、人を動かす言葉や行動がある。
そんなことを作者は言いたいのかな。この人の本は何冊か読んだが、また読みたくなった。
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「闘う君の唄を」の続編というか、それに続く話になるんかな?
今度の主役は、舞子先生。(岬洋介シリーズで、少し登場してる)
冷静沈着、理路整然、合理的が歩いてる感じの人。
でも、中身は、そうでもなかったんやな。
待機児童の話は聞くけど、確かに、追い込まれてんのか知らんけど、「児童が殺される=空き発生」って…
そんな考えの母親おるか…自分なら、激怒してしまうと思うわ〜
児童がはしゃぐ姿が好ましく思える人と五月蝿いと思う人の気持ちは分からんでもない。子供嫌いな人もおるやろうし…
殺人事件が起こって、児童が殺されるんやけど、犯人があの人で、多少はホッとしてる。
相変わらず、大どんでん返しはあるけど、何となく分からなくもなかった。
というか、この人が犯人であって欲しい…
他の容疑者やったら、やりきれん!
「思うんだけどさ。大人だからって子供より勝っている部分なんて言葉と経験値と世渡りぐらいじゃないかな。誰でも感情に走る時って、精神年齢は五歳に戻っているもの」
確かに…
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デジタルウーマン/悪の進化論/権利と義務と責任と/
ガーディナー/エピローグ
評価されやすい授業を目指す舞子だと思っていたのに、人情味のあることもわかって何だか嬉しかった。
ただ 最後の事件はこの物語にどうしても必要だったのかなぁとモヤモヤしてる。
Posted by ブクログ
「闘う君の唄を」の姉妹編。少し時が遡る。
埼玉からすごい乗車率の東京メトロ東西線に乗って幼稚園に通勤する教諭が主人公。幼稚園で池の生物がぷかぷか浮いたり、死んだ蛇が投げ込まれたり、あひるが殺されたりしているうちに、エスカレートして幼稚園児の死体が正門前に置かれる事態になる。
Posted by ブクログ
んーーー、主人公もその他の登場人物も理解し難いというか、偏った思考や行動で、ストーリー展開もあまり気分が良くなく、早くスッキリしたくて一気読みした。
降園後に園児が殺されるのは、バスで置き去りにされて死んでしまう事件とは別で、幼稚園より5歳を夜外で1人にした親の責任になるのでは‥?そもそも糾弾されるべきは犯人だけど。しかもそんな動機で殺した‥?とあまり腑に落ちない結末。
主人公の舞子は冒頭の電車の中で化粧する女とバチバチに口論した場面からなんかもう、好きじゃない。
Posted by ブクログ
幼稚園を取り巻く騒音問題と待機児童を取り上げた社会派ミステリー風の小説。
テーマは重いのだが内容は薄く感じた。小動物や猫などの無残な殺戮から幼稚園児の殺人へのエスカレート。不気味な進行だが結果は、、、?
得意のどんでん返しもあっさりし過ぎて想定内。主人公の幼稚園教諭の舞子も融通の利かない正論で突っ走りすぎのようだし、相棒も融通無下そうである意味無害、敵役の園長は事なかれ主義で典型的な管理職過ぎたような。
Posted by ブクログ
闘う君の唄をの続編の位置づけみたいだけど、神尾舞子は岬洋介シリーズのおやすみラフマニノフの印象のが強い。
あのキャラがなぜに幼稚園の先生か?ってのもあるけど、幼稚園にこういう先生が居てもむしろいいかなとも思えた。
残酷な事件が続くストーリーに引き込まれ、ハラハラしながらもその犯人にはアタリは付けてたけど、真犯人の動機にはちょっとガッカリ。
でも、舞子と池波のコンビはいいね。
これ以上この幼稚園で事件は起きて欲しくないけど、この2人のコンビで続編あるなら読みたい。
Posted by ブクログ
2024-019
中山さんのストーリー展開好きだなぁ。あっという間に引き込まれました。展開自体は、そんなにだけど、池波と舞子の関係はいいね。続編に期待。
Posted by ブクログ
「闘う君の唄を」に続くシリーズ第二段!
これは幼稚園シリーズとなっていくのでしょうか?
だとすると、正直、幼稚園系での殺人事件とかやめてほしい!
子供が殺人事件系に巻き込まれる物語は好きではありません。
本作の主人公は神尾舞子。
冷静沈着なできる先生として、都内の幼稚園に赴任。
しかし、そこで様々な問題に巻き込まれます。
騒音問題による町内会長からの苦情、親同士の対立、待機児童問題で入園を迫る母親。
幼稚園の先生ってそんなところまで気を使わなきゃいけないの?
そして、発生する事件。
小動物が何者かに惨殺される事件が立て続けに発生。
事なかれ主義の園長と警察。
そんな中、ついに園児が犠牲に..
マスコミの誹謗中傷、母親たちのエゴ
この一連のパターンはそうだと思いながらも読んでて辛い。
自分なら間違いなく心が折れて耐えられません。
そして、ようやく犯人探しのモードへ..(笑)
明らかになる真実と犯人。
といった展開です。
待機児童をめぐる問題、幼稚園の先生の辛さがわかる物語でした。
解説によると、舞子は「闘う君の唄を」で主人公の同僚として登場してたとのこと。覚えていないし、自分のレビューにも残っていない(笑)
さらに、「おやすみラフマニノフ」ではオーボエを先行していた大学生として登場してたとのこと。これも当然覚えていない!
中山七里さんの小説には、こうして、ほかの作品の登場人物がちょくちょく出てくるのも楽しみの一つですが、今回は覚えていなかった(笑)
しばらく、読んでいなかったからなぁ...
Posted by ブクログ
前作では田舎の幼稚園の新任熱血教員が主人公でした。今作では前作主人公の同僚だった「冷静さ」が売りの神尾舞子が主人公になります。
田舎から都内住宅街へ舞台は移り、そこには近隣住民からの「園児の声が騒音だ」という苦情や待機児童問題など、前の職場とは異なるものの課題が山積しています。
舞子のように「正論で」渡り合うことができるのであればラクな部分もあるのでしょうが、実際にはそうはいかないことが多いからこそ、読んでいて一種の爽快感があるのだと思います。
ただ、園児が殺害されるという事件については、自分の子どもがちょうど同年代ということもあるのでしょうが、受け入れることができませんでした。前作でも「園児の死」が幼稚園のトラブルの一つとして描かれていましたが、アレは20年ほど前の話でした。今作では「リアル」な事件として起こったことで、読んでいて感じる圧迫感が違います。一連の事件の動機や解決に至る道筋については違和感はなく、ミステリ作品としては面白く読める作品だと思います。
Posted by ブクログ
タイトルが何かを示唆しているのか
どんでん返しなら最後の詰めの部分は
登場していても、たいした役割がない人物が怪しい
真相は二段構え
あやしいひとの種まきとノーマークの人物の刈り取り
動機はねぇ。。。やったあとにそんなになるなら
そこまで遠くを見ることができるなら、やるなよ
なんとか今をしのいで、他の方法考える時間あったでしょ
子どもたちはねぇ、受けとめ難い現実を必死に
先天か後天か綺麗な優しい世界で必死に受け止めて
もしもリアルな子供たちがこういう行動をしめしたら
それは素敵なことだし、しめさなくてもそういうもんだという創作物
Posted by ブクログ
う〜ん、今回はちょっと物足りなかったなあ(/ _ ; )
『幼稚園の騒音問題と待機児童問題
そんな中事件が続き、教諭達は対応に追い立てられ、園児や保護者は不安な日々を過ごす___』
先読めちゃったし、帯に書いてあるし
冷静沈着で適正な判断力がうりの舞子先生
そんなしっかり者の舞子先生へ、次から次へとのしかかる保護者や園長からの重圧がこっちにも伝わって来て、ちょっと疲れた。。。
それでも中山さんはやめられない
次行こう!!
Posted by ブクログ
幼稚園が舞台なのに待ち構える展開は相変わらずハード。
騒音トラブルや待機児童などの社会問題、園内で立て続けに発生する陰惨な事件など、どれも一筋縄ではいかない。
これに対し、幼稚園教諭の神尾舞子はどう立ち向かうのか。
前作では見えてこなかった彼女の内面や人間性が垣間見えるのも良い。
Posted by ブクログ
王道と言えば王道か。
馬脚の表し方とか。
そう言えば待機児童問題も騒がれなくなった。
解決したとは思えないが。
老人の独居や人材派遣など時代背景もよくわかるお話でした。
Posted by ブクログ
前作「闘う君の唄を」のサブキャラクターであった舞子と池波が主人公となり東京の幼稚園に異動してからの物語
前作は幼稚園での生活を通して先生、保護者や園児などの人間模様に焦点が当てられていたが今作はどちらかと言うと事件に重きを置かれている
そのような事情で前作より内容はダーク
合理主義者で鉄面皮のような舞子でもやはり人の子
あーいう人間臭さが垣間見れたのも良かった
推理パートはそこまで難しくないかも
そんなことよりもラストの園児たちの行動が素晴らしい
大人が思っている以上に子供は成長しているのだなぁと
ずーっと暗めの展開が続いていただけに、このラストの反動は良かった
Posted by ブクログ
年末に同著者の旧作を読んだばかりですが、新年も中山七里を読まないことには明けた気がしません。
車通勤の私は、通勤ラッシュ時の女性専用車両がそんなことになっているとは知らず、まず目からウロコ。敵は多かろう舞子先生、誰にも媚びない姿勢が私は好き。
しかし被害者が次は霊長類と聞いて、まさか子どもは殺さないだろうと思っていたのに、七里センセ、鬼(泣)。その描写はなかったのが救い。
騒音と待機児童という社会問題を扱っているのは著者らしくて面白いものの、期待値が高いせいか、犯人もその動機もショボく感じてしまいます。
12ヶ月連続刊行企画第1弾だった本作は微妙。連続刊行作品中に大当たりがあればいいな~。
ま、犯人がわかったときにはイマイチだと思ったけれど、エピローグには泣きました。終わりよければすべてよし。これだから中山七里はやめられない!?