中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
センセーショナルなタイトルに興味をそそられて手に取った。
裁判で「AI」が導入されたら…というフィクションながらすぐそこの現実のようなストーリー。
展開としては”人間にできてAIができないこと”によって事件の真相が明らかになるという、わりと典型的なものだった。その真相も、刑事ドラマなどでありがちのオチで、本作の問題提起に対して少し尻すぼみ感があった。
しかし、これだけプライベート・仕事問わずAIとの関わりが増えている今、円や寺脇、檜葉たち裁判官のAIとのそれぞれの向き合い方は、自らのAI活用を省みる良い機会でもあった。
崎山が円に箴言した「裁判官は悩むことから逃げてはいけない」。これは心に留め -
Posted by ブクログ
刑法39条の存在意義、集団パニックの怖さを、犯罪心理学・社会心理学の観点から見ても詳しく書かれていて楽しく読めました。
暴力・殺人描写がかなり詳細でグロテスクなのと、「子供への性的虐待」「動物虐待」が細かく描かれているので、苦手な方は多いかと思います。
【良かった点】
上記のとおり、集団パニックに陥った人々の恐怖心や加虐性、異常な環境で育った人間の心の変容をうまく描かれていた点が好きでした。
ただのミステリーで終わるのではなく、刑法39条「心神喪失者への刑罰」や、家庭環境の劣悪さによって生み出される異常性、連続殺人鬼に怯える集団の正義による正当化・加虐性について深く考えさせられる良い作品だと