中山七里のレビュー一覧
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能面検事シリーズ第2作目。今回は今回は国有地払下げとその疑惑に関する文書の改竄が問題となっている。2018年の森友学園問題がモデルというかネタ元になっているだろうと想像する。また「さよならドビュッシー」などの主人公、岬洋介の父親である岬検事も登場する。中山七里お得意のシリーズ横断キャラ出しだ。
さてこのシリーズでは不破検事は「能面」と揶揄されている訳だが、私は検事が喜怒哀楽を殊更表に出すのは如何なものかと思う。もちろん検事も人間なので感情はあるに決まっているが、それは全く重要な要素ではない。検事に求めることは「正しく罪を償わせる」ことだ。これは作風もキャラクター設定も全く違うが、柚月裕子の「佐 -
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シリーズ第二弾。
今回は人の顔のように見えることから通称人面島と呼ばれる島での相続鑑定に出かける。
そこでまた次々と相続人が死んでゆくのだが、主人公ヒョーロクと人面瘡のジンさんがまたその謎に巻き込まれていく。
隠れキリシタンというのが物語の根底にあり、また今回か陸の孤島。閉鎖的な環境で閉鎖的な人達とかかわる謎解き。
宮司と漁協組合長の祖父を持つ一族の話。
物語としてはその後、相続財産としてどのような価値を見出せるのか等興味深いことも多々残したまま物語が終わるので気にはなる。が個人的には、主人公のダメな感じが相まって、この主人公ならこんな終わりだよね、と納得できる。
今度は都市部でのこの2人 -
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鑑定人・氏家京太郎シリーズ第2弾。
ゴミ屋敷化したアパートの一室で、天才ゲームクリエイターの九十九が死体となって発見される。
殺害現場から採取されたDNAが九十九の同僚である御笠と一致する。
殺人容疑で逮捕された御笠が、氏家の高校時代からの親友だったことで、無罪を主張する御笠の力になるべく氏家が動きだす。
相変わらずスマートに動く氏家が再鑑定するわけだが、この鑑定が揺るぎもないもので…
それならどこから崩していくのか…ラストまでの残り少ないページにぎゅっと鑑定結果が詰まっていたという驚きに凄いな氏家と思った。
ただ鑑定だけじゃない、人間性が見えてくる異質な殺人事件だった。
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警視庁科捜研を退官して自分で鑑定センターを開いた人の話だよね~と読み始めたら、あれ?特殊清掃業の五百旗頭さんと間違っていたっけ?という展開。そういえば表紙もゴミ部屋だし...。いえいえ、ちゃんと鑑定人のお話でした。でも、当然五百旗頭さんも出てきます。今回は氏家さんの高校の同級生、御笠が元同僚の天才ゲームクリエーター九十九を殺害した容疑で逮捕されたのを助けるお話。全245ページで、謎解きは228ページから。さすがどんでん返しの名手!そう解決したか。このシリーズはやっぱり私の好みにあっています。有名な小説にトリックが一部重なっているところがややマイナス評価で★4ですが、★5近めでした。
中山七里作 -
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ネタバレ相続鑑定士である主人公が訪れたのは信州の山林王、本城家。遺産争いが苛烈な中、相続人が一人また一人と殺されていく……。
解説にもある通り、骨組みは横溝正史のド定番な感じ。
主人公の右肩に宿る傲岸不遜な人面瘡のジンさん。宿主である主人公に色々と指示を出して探偵の真似事をさせたりと面白い設定。
流れ的に犯人は確定するけどちょっと一捻り入ってた。終わりの少しの後味の悪さ、大好き。
因習村にありがちな近親相姦とか家父長制とか濃縮されてたね。
オチの一人二役は一番現実的なんだけど、本当に人面瘡がいるっていうファンタジー設定が個人的には良かったな。
主人公が誰よりもヤバい奴だった。
続編があるみ -
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2025年 23
五十音順に行われる凶行から街中を震撼させた“カエル男連続猟奇殺人事件"
それから10ヶ月後、事件を担当した精神科医御前崎教授の自宅が爆破され、その跡からは粉砕・炭化した死体が出てきた。
そしてあの犯行声明文が見つかる――。
カエル男・当真勝雄の報復に、協力要請がかかった埼玉県警の渡瀬&古手川コンビは現場に向かう
さらに医療刑務所から勝雄の保護司だった有働さゆりもアクションを起こし・・・
破裂・溶解・粉砕。ふたたび起こる悪夢の先にあるものは・・・
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何も知らず読んだ前作がおもしろくて
続編も読んでみた
前作で残忍さや -
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ネタバレてっきりハングマンを捕まえる刑事の話かと思い、スッキリした終わり方を予想していたのですが、全く違っていて驚きでした。
ですが、倫理観と正義感のある主人公が、殺人犯という全く逆の行為を行うに至った心情が中々細かく描かれていてとても良かったです。殺害を決めた後も何度か揺れ動く気持ちも、その事に対して優柔不断だと嫌悪する気持ちも、殺害により達成感や喪失感が同居する感覚、殺害後の虚無感…きっと普通の人間が復讐で殺害したとしたら、こんな気持ちなのかもしれないなと追体験させられた気分になります。
実際、私が主人公ならば、復讐を取るかもしれないと考えてしまったから尚更です。非常に不快で、そんな気持ちにさせる -
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ネタバレ槇畑と美里は助かったのだろうか。
ヒートに汚染され続ける野生生物が人間を襲い人間が人間を襲いおぞましいバッドエンドになってしまったのか。カラス捕まえるのは難しいし解毒剤が開発されることはなさそうだし。
・「人の心を支配する魔法、人を獣に変えてしまう魔法」
・「そう。桐生隆を殺害したのはヒートに汚染されたカラスどもだ」
・「ある雪の降る夜、男の子と女の子が森で道に迷っていると真っ白なお城がありました。二人は喜んで中に入って行きました。でも、それは魔女の棲む城だったのです……ってね」
・家族とか恋人なんて、ただそこにいるだけじゃなく、もうとっくに自分の一部になっている。それをなくしちゃうの