中山七里のレビュー一覧
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この作品も読まなくてはならない中山七里先生の作品!ただちょっとパッと見、厚みのある作品で、後回しになってたんですねぇ…。勇気を出して手にして、読み始めると結構サクサク読めちゃって!面白かったです(*^^)v
この作品の主人公は、売れない俳優志望の加納慎策…現総理大臣の真垣統一郎にそっくりなことを活かしてそのモノマネで生計を立てていた。ある日、慎策は首相官邸に拉致され、真垣総理が意識不明の重体であることを知らされ、その替え玉となるよう提示されるのだが…。
そんなことってある??とか思いながらも、こんな一般庶民目線の政治家がいてくれたらいいな〜って感じました。とはいえ、重い重圧が…という -
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え、めっちゃ面白かった。
もともとバディーものが好きな私にとって、人面瘡ジンさんと三津木六兵の掛け合いによる謎解きはとても心地よくサクサクと読み進めることが出来た。
山奥の村におきた相続問題の手助けのために相続財産の鑑定に訪れた六兵だったが、相続人のひとりが死んだのを皮切りに次々と連続殺人がおこる。その謎を人面瘡と解き明かすという展開。物語の後半の展開は評価が分かれそうだなぁとも感じたが、ミステリーとして1つの終わりを迎えているので個人的にはそんなに気にはならなかった。むしろ、物語の最後の1ページ……どういうことなのかと、心がザワついた。次の巻も必ず読もうと思う -
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鑑定人・氏家京太郎シリーズ第二弾!「氏家京太郎、奔る」!!ところで、タイトルの“奔る”を私は読めませんでした。“はしる”らしいです^^;
ゴミ屋敷と化したアパートの一室で天才ゲームクリエーターの九十九が、何者かに殺害され上で腐乱した遺体となって発見された…。室内の残留物から、容疑者として逮捕されたのは九十九の同僚であり、また氏家鑑定センター氏家京太郎の友人でもある御笠だった…。御笠の弁護に立ったのは、刑事事件の弁護には疎い美能弁護士…御笠は犯行を否認しており、氏家京太郎は美能弁護士とタッグを組んで御笠の無実を証明できるか…!
あの「特殊清掃人」の五百旗頭がいい感じに登場し、あと私は気 -
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迎えた悪徳弁護士御子柴礼司シリーズ最新刊の第6弾!やっと、ここまでキタ━(゚∀゚)━!
高級介護付き有料老人ホーム「幸朗園」で入居者9人を天誅として惨殺した介護士忍野忠泰の国選弁護人として御子柴礼司が立った…。令和で最初で最悪の凶悪犯・バケモノの弁護を、元死体配達人が請け負うとして、世間から注目された事件…御子柴はどう立ち向かうか、なぜ忍野はこの事件を起こしたのか、そして御子柴がこの弁護を引き受けた理由とは??
あの相模原障害者施設殺傷事件のことが思い出されました…。いやいや、怖いし、怖すぎる((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル…。序盤は読むのも苦しいほどの殺戮の描写!! -
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ミステリーと障害者スポーツの現状をミックスさせた中山七里ならではの作品。本作では何と犬養隼人と御子柴礼司が登場する。しかも御子柴はちょっとの顔出しではなく、まあまあ重要な役割だ。中山七里のシリーズを越えたキャラクターの共演が楽しめる。
さて、ミステリーの方は途中からある程度タネが想像できたのでここでは言及しないが、障害者スポーツ関連については非常に勉強になった。最近でこそオリンピックとパラリンピックが共催されてテニスの藤枝慎吾や小田凱人、上地結衣などのお陰で多少は認知度が高まってはいるが、それでもマスコミの報道は圧倒的に少なく、当然それに比例して一般人の認知度も高くない。基本的には「無関心」が -
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岬洋介シリーズは現在8作が刊行されていますが、本作はその第3弾にあたります。シリーズと言いつつ、岬洋介はあくまでサブキャラクター的な立ち位置で、作品ごとに主人公が異なるのが特徴です。
「おやすみラフマニノフ」と同様、音楽に関する描写では専門用語が多用されており、クラシック音楽に不慣れな読者にはやや難解に感じられる部分があります。一方で、音楽描写は非常に本格的で、作品全体にリアリティを与えています。
冒頭では、実在の事件であるポーランド政府専用機墜落事故が描かれており、その描写の緻密さには驚かされました。ロシアとの国際関係にも触れ、現実味のある描写が印象的です。
ミステリー要素についてはや -
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ネタバレ「ううん。徐さんを怖がっているのは当然だけど、それ以外の何かも怖がっている。言ってることが矛盾してるのはね、怖がる対象が二つ以上あるからよ」
タイトルも帯もゴール地点を指しているから、どうにかどこかで捻ってくると身構えて読んでいた。動機までは読めなかったけど、意味深な伏線が所々あったから、結末は想定通り。スーさんの不気味さは、読み返せばもっと本心がわかるようになっていたんだろう。見た目や国籍、本国でのバックグラウンドなど、偏見や思い込みでネガティブなイメージをもつことはよくないが、こういう状況ではまずそうした人に嫌疑の目が向いてしまう。スーさんの純朴さと、お礼に死体を刻むという狂気が同居して -
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宮城県警シリーズの完結編との事で、3シリーズの中で1番被災者の悲哀にスポットが当たっていると感じた。
本作でもやはり境界線の問題が重く伸し掛る。
被災しなかった負い目を感じてしまう蓮田の姿が悲しい。
刑事としての使命を全うせねばならないが、懐かしい友情に揺さぶられる姿が印象深い。
復興を進めたい行政と、思い出深い家を流されて傷付き仮設住宅に住み続けている被災者とのベクトルがこんなにも違うのは辛いの一言だ。
被災地では無遠慮なボランティアが問題になる事もあるらしいが、本作のように怪しいNPO法人も世の中には幾つも存在して来たのだろう。
弱った人間を食い物にするこの手の輩はどうしても湧いてくる -
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これはもしかして「作品紹介」からトリック始まってる?
中山七里らしい意地悪な小説で面白かった。
作品紹介の「金も仕事も住処も失った元エリート・溝端了衛は20年ぶりに故郷に帰る。」なんて、白々しい導入だ。
主人公の了衛は元エリートなどではなく、元エリートだと思い込んでいる自己中心的で軽薄、仕事のできない40男だというのはすぐに露呈する。村に移住して早々、朝早くクラッシック音楽を拡声器で村中に流すとな?とんだ迷惑野郎だが、本人は自分は正しく崇高な音楽を理解できない村人が無教養、そんな無知蒙昧な村人を啓もうするのだと思っている。その後も終始最後の最後まで考えなしだ。
こんな主人公目線で小説が語ら