中山七里のレビュー一覧
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岬洋介シリーズ3作目。
ショパンコンクールに出場した岬が
テロに巻き込まれるポーランドでまた謎を解き明かす。ピアニストと呼ばれるは殺人犯の正体は……?
今回はミステリー要素と音楽の描写か4対6くらい。音楽描写多め。それぞれの演奏者の演奏が描かれているが、他のとは違い美しい描写ではなく、想像できる写実という感じ。音楽を文字にしたらこうなんじゃないかと思わせられる描写は相変わらず。音楽を知らなくても、あの曲かなと想像し、実際に調べて見ようと思わせる力がある。
ミステリーとしては、どちらかと言うとテロ要素が強くてているため、こちらの印象は動悸や方法や犯人という視点に着目するのが少なかったかもしれない。
今回の視点人物であるヤンも、もがいて掴み取るタイプの人で良かった…… -
Posted by ブクログ
『護られなかった者たちへ』の宮城県警シリーズ、
第二弾となるヒューマンミステリー。
『境界線』というタイトルがまさにピッタリだった。
東日本大震災を機に人生観が変わった人、被害の程度差から、失った人や物の大小、置かれる立場や境遇の違いなど、本当にたくさんの目には見えない境界線があるのだと思う。それらが一つ一つ丁寧に描かれている本作。
ラストまで一気読みしたが、とても物悲しい余韻だった。自然の猛威は時として人の夢や希望を飲み込み、生き方まで変えてしまう。
結局、本当に悪い人間は居なかったのだと思う。
五代と鵜沼の友情は、これからも続いて欲しい。
今年は東日本大震災から15年
節目になると報道されるが、復興が進む一方で、毎日震災の爪痕と向き合って暮らしている方々がいる。
同じ時に生きる者としてなにができるか。
これからも忘れずに暮らしていこうと思った。
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「知識が偏って社会的常識にも疎くなった人間が最初にする行為は、部外者の排斥だ。自分たちのしている行為が正義だと思い込んでいるから、何をしても正当化できると信じている。人間っていうのは、それほど馬鹿じゃないけど、それほど賢くもない。」
そんなことないって思いたいのに、
関東大震災の朝鮮半島出身者の虐殺事件とか、
甲府のサリン事件とか、
何よりコロナ禍で自分自身がマスク警察化した瞬間がひとときもなかったかと言われたら黙り込む。
「ワルツを踊ろう」と「犬神家の一族」のミックスっぽい冒頭は少し読み辛かったけど、一気読みに近かった。
裕也くん、いい子なんだけどな。
これからどうやって生きていくのだろう。
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どんでん返しという訳ではないが、そこに繋がるの!?という驚きがあった。
前作では御子柴がもしかしたら猟奇的な男なのかという疑惑があったので、穿ちながら読み、結果いい意味で印象が変わった。
今作はただの冷淡な男として読んでいたので、この事件を担当した理由が分かった瞬間時にはすごい芯がある男だったんだと少し感動すらした。
岬検事の話も、息子の件が出てきた時になんだか聞いた事がある...と思ってびっくりした。
御子柴シリーズは、「嗤う淑女」から興味を持ったので、色んな話が同じ世界線であることがわかると、かなりテンションが上がる。
こうやってまんまと中山七里先生の作品に手を出してしまうんだなと思った。 -
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再読。
蒲生美智瑠という悪女。人間の奥底に眠っている欲を言葉巧みに引き出し誘導し、その人間の人生を破壊していく。何もかも美智瑠が描いたままに踊らされていくのを見るのは面白かった。
本当のことと嘘を上手く混ぜて人を騙す。また彼女の美貌に魅入られ、被害者になっているとも思わない。ただ生活プランナーとしてアドバイスを貰っただけ。
唯一の従姉妹の恭子でさえも、美智瑠からしたら都合のいい駒でしかなかった。
普通に悩んでいた人達が、言葉によって感情を動かされ、ズレた方向に走っていってしまう。
また人間はピンチに陥ると、判断能力を失ってしまうことが読んでいてよく分かる。
しかも、被害者の言葉の受け取り方によっては、殺人教唆したことにもならないようなリアルでギリギリを攻めている。ただ美智瑠がさらに凄いのは、ギリギリを攻めつつも周りを上手く使い逃げ切れる自信と頭脳を持っていることだ。
するするっと頭に入ってきて読みやすかった。
続編も読もう。 -
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ピアニスト・岬洋介が今回訪れたのは、ロシア。華々しいロシア音楽(作中では、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を演奏する)と、音楽院で起こった殺人事件やウクライナ侵攻の暗黒さの対比が印象的でした。
チャイコフスキーが作曲したもので、好きな曲が私も沢山あるのに、「これはロシアの音楽…」と、何だかテンション下がるのは本当に悲しい。国も世代間も超える音楽の力、希望の光も、平和への祈りも、届いてほしいです。どこまででも!Σヽ(`д´;)ノ
『岬も今のロシアとウクライナの政治状況を知っている。それならばチャイコフスキーの曲を選択した別の理由があって然るべきだろう。あなたたちが愛し誇りに思っているチャイコフスキーも、ウクライナをこよなく愛していた。そう気づかせることでロシアの聴衆に、平和を訴えかけようとしているのではないか。-Ⅲ スラルガンドストレット〜徐々に緊迫して〜-』
まだまだツアー巡業して世界を渡り歩くんだろうか。生まれの背景もだいぶ明らかになってきて、このシリーズも目が離せないです!
2026.3 -
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『仕事の価値はね、組織の大きさや収入の多寡じゃなくて、自分以外の人をどれだけ幸せにできるかで決まるのよ』(高遠寺静)
表紙を見てすっかり騙された!笑 七里先生ほのぼの系も書くんだ〜と思って購入したところ、いつも通り七里節全開でひっくり返った^_^
グロさとかバトルとかは無いけど、社会問題×ミステリーの面白さは相変わらず!!
でも今回は葛城くんと円ちゃんの恋愛要素も割としっかり入ってたので、いつもよりはゆるく読めると思う!
それと、静さんの台詞は教訓にしたいものが多すぎる…勉強にもなった1冊だった!!
テミスの剣読んだ人はぜひ読んで欲しい! -
Posted by ブクログ
「嗤う淑女」に出てきた御子柴さんが、単体で本になってると知って試しに読んでみた。
出だしから、弁護士だと思っていたが怪しくなるシーンから始まり、どうも思っていた話と違っているのかも…と思ったが、少年院の話を経て、最後はなんだか晴れやかな気持ちになった。
御子柴はしっかりと「償い」の方法を選べたんだと思った。
また事件の内容としては全然頭に浮かばなかったが、みんな自分本位だった印象。
御子柴がどうなったのか気になる。
最近中山七里先生の本をよく読むが、筆が早いようで、これも読んでみたいあれも読んでみたいと、興味が尽きない。
ページも丁度いいし、山場もしっかりあって読みやすい。