中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
再びの法医学シリーズ。いつもどおりの、長編の顔した短編集。忙しい日々の中で一息つける、お茶の時間のような読書体験。このシリーズの面白いところは、毎回そのときそのときの時事問題や社会問題を扱うところ。
今回は、引きこもりの大人たちと年老いた親たちがテーマ。本書では、長らく引きこもりのまま中年になった人たちが、家で自殺や事故でなくなる事案が増えており、解剖によってそれが親が仕組んだ殺人であることが明らかになる、といった事件がいくつも描かれている。
読んでるとやるせない。ひきこもりになったのはひょんなことがきっかけかもしれない。親が甘すぎたのかもしれない。社会復帰したいともがいたこともあったかも -
Posted by ブクログ
護られなくてもいい命があると認めることは、殺されても仕方がない人がいるということを認めることになる。殺されても仕方がないと思えるような犯罪者が、刑務所の中で国の税金で生活し、護られるべき人が、生活保護の審査に落ち、国の税金を使えず、餓死に追い込まれる。
現実で、生活保護の実情がどのようなものか分からないが、この本をきっかけに考えてみたいと思う。
国の制度の中には、複雑な手続きを踏むことが求められるものなどがあり、考えなければ様々な制度があったとしても、利用することはできないだろう。誰しもが複雑なことを考えたりすることが得意なわけではないので、考えるのが苦手な人が考えなくても生きていけるような社 -
Posted by ブクログ
久々の中山七里さん
ようやく何冊か貯まったので(^◇^;)
イジメとか嫌やな…
こんな自殺未遂まで、いくとか酷いな。
メインの家族は、教師やったりするけど、忙し過ぎて、家庭の事は…
何か、生徒らに色々言っても、自分とこがそんなんやったら…とは思う。
もう少し、改善して貰わんと!日本政府!
そこは改善して貰うとして、学校側もあんまり責任逃れもな。これも、今の先生への評価制度に問題あるのなら、改善やな。
しかし、ネットは怖いなぁ…
マスコミが、匿名とか、モザイクの画像をテレビで放送しても、速攻、場所から、人から特定する!
何度も言うけど、匿名で好き放題して大丈夫やと思ってたら、特定できるん -
Posted by ブクログ
本書は2020年に刊行された中山七里さんの弁護士・御子柴礼司シリーズ5巻目。
最近の中山七里さんの物語は私的にはどれもけっこうハズレなんですが、この御子柴シリーズは主人公の過去があまりにもすぎて、世の中を穿っているかのような、それでいて真理を突いてくる外連味がかなり強烈なスパイスになっている。それがこの過去を背負う主人公と絶妙にマッチしていて、そこが読者にとって癖になる=読む手が止まらないというシリーズになっていると思う。
今回は御子柴の秘書が事件の犯人として起訴されるという内容で、これ、いったいどうやって法廷で闘うのか興味津々でどんどんページを繰っていった。また、今ではけっして珍しくないが -
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ネタバレうわーやられたー、と思わず唸る。
全く予想のできないトリックではないんだけど、周りをきちんと固めているのでまさかないだろうと思ったらそのまさかでした。
湿度を感じる描写もあって、私はそういうの苦手なので、サクサクと一気読みしてしまったとはならなかったけど。。。
読み終わった後一息ついてしまうほど緊迫感を持ってページをめくりました。
これは先入観なく読んだ方がいいね。
蛇足だけど、中山七里さんの別の本でもすり替わりトリックあったような、、
もう何年も昔に読んだやつだけど。
その時の本はタイトルが爽やかだったのでたまたま展開が残酷な青春ミステリの印象だったけど、今回のようなドロドロしたグロテ -
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東日本大震災後の被災地で起こる事件を追う宮城県警・笘篠刑事シリーズの第三作。(『護られなかった者たちへ』『境界線』に続く)
簡単に言えば第一作目は生活保護の問題、第二作目は被災した行方不明者の個人情報事故の問題、そして今回は仮設住宅から公営住宅への移転に関して、復興を進めたい行政と利権に絡む県会議員、似非NPO団体を巻き込んだ殺人事件だ。
そこに若手刑事の蓮田(第一作の映画では林 遣都が演じている)の幼なじみ4名の関係が絡んでくる…
シリーズものは登場人物がかぶっていたりするのも面白さのひとつではあるが、ミステリーの場合はトリックとか大どんでん返しとかで『やられた〜』となるのも面白い。
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Posted by ブクログ
ネタバレ以前同著者の作品を読んで、気になったので拝読しました。思っていた以上にスリルがあって面白く、満足しました。
隣にシリアルキラーが住んでいる事と、警察に自分の素性を知られてはいけない事のダブルで緊張させられました。
疑ってる時の警察の聴取は本当怖いなと思います。人生で職質は絶対に受けたくないけど、葛城さんなら良いかもしれない。飄々と冷静で、優しさもあるなんて、ファンになってしまいました。
シリアルキラーから彼女を守ろうとしていた主人公が気の毒すぎる展開でした。シリアルキラーが一見普通の人というのは、あり得そうですが信じたくないです。先輩の明るさと優しさに緩和されます。
個人的には、徐も良い人だ