中山七里のレビュー一覧

  • 護られなかった者たちへ

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    善や悪と割り切れない切なさを感じる。どんな仕事にも時間やコストの制限はあるものの、自分の仕事でもその先にあるものにも想像を働かせなければと思った。

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    2025年06月21日
  • ヒポクラテスの悲嘆

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    再びの法医学シリーズ。いつもどおりの、長編の顔した短編集。忙しい日々の中で一息つける、お茶の時間のような読書体験。このシリーズの面白いところは、毎回そのときそのときの時事問題や社会問題を扱うところ。

    今回は、引きこもりの大人たちと年老いた親たちがテーマ。本書では、長らく引きこもりのまま中年になった人たちが、家で自殺や事故でなくなる事案が増えており、解剖によってそれが親が仕組んだ殺人であることが明らかになる、といった事件がいくつも描かれている。

    読んでるとやるせない。ひきこもりになったのはひょんなことがきっかけかもしれない。親が甘すぎたのかもしれない。社会復帰したいともがいたこともあったかも

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    2025年06月21日
  • 氏家京太郎、奔る

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    鑑定人氏家京太郎の最新作。
    科捜研に対抗する立場で独自の捜査を進め、ごり押しの検察に対抗するという流れはありながら、今回は鳥海探偵が結構なボリュームで登場し、盛り沢山な感じてよかったです。
    犯人も相変わらずのどんでん返しというか意外性十分。

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    2025年06月21日
  • 祝祭のハングマン

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    ハングマンってなに?
    調べてみたら「絞首刑執行人」
    読み終わってからカバーに私刑執行人とルビがあるのに気がついた
    では「祝祭」は?
    読み終わるとわかります

    法で国の事を決めていくという道が選ばれている以上、法に規定のない私刑はダメなんだろうな。
    でも でもだよ 上手にすり抜けて旨い汁を吸ってる奴らは許せないと思うのですよやっぱり。
    殺すかどうかは当事者になってみないとわかんないけどね

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    2025年06月20日
  • 護られなかった者たちへ

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    護られなくてもいい命があると認めることは、殺されても仕方がない人がいるということを認めることになる。殺されても仕方がないと思えるような犯罪者が、刑務所の中で国の税金で生活し、護られるべき人が、生活保護の審査に落ち、国の税金を使えず、餓死に追い込まれる。
    現実で、生活保護の実情がどのようなものか分からないが、この本をきっかけに考えてみたいと思う。
    国の制度の中には、複雑な手続きを踏むことが求められるものなどがあり、考えなければ様々な制度があったとしても、利用することはできないだろう。誰しもが複雑なことを考えたりすることが得意なわけではないので、考えるのが苦手な人が考えなくても生きていけるような社

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    2025年06月20日
  • 武闘刑事

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    母娘が公園で射殺され容疑者として浮かんだのがアメリカ軍横田基地所属の兵士だった。

    日米地位協定という足枷のため思うに進まぬ捜査に、強硬手段をとる高頭冴子だが基地に籠る軍人に捜査の手はなかなか及ばなかった。
    かなり奇抜な手段で突入していくが、まぁ過去作の高頭冴子を読んでいる読者には許容範囲になるだろうか。
    この結論のようにかなり無茶をしなければ日米地位協定を消化できないのかと、かなり暗澹とした読後の感想をもった。
    今作の高頭冴子のアマゾネスは控えめであった。

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    2025年06月20日
  • 秋山善吉工務店

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    昭和の下町の胆っ玉親父を中心にしたホームドラマといった内容で中山作品としてはかなり異色の存在ですが、こんな作品も描けるのかと感心するぐらい良くできています。
    そして、爺さんだけでなく婆さんもなかなかの人物でした。
    昭和の価値観バンザイ!

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    2025年06月20日
  • 棘の家

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    久々の中山七里さん

    ようやく何冊か貯まったので(^◇^;)

    イジメとか嫌やな…
    こんな自殺未遂まで、いくとか酷いな。
    メインの家族は、教師やったりするけど、忙し過ぎて、家庭の事は…
    何か、生徒らに色々言っても、自分とこがそんなんやったら…とは思う。
    もう少し、改善して貰わんと!日本政府!

    そこは改善して貰うとして、学校側もあんまり責任逃れもな。これも、今の先生への評価制度に問題あるのなら、改善やな。

    しかし、ネットは怖いなぁ…
    マスコミが、匿名とか、モザイクの画像をテレビで放送しても、速攻、場所から、人から特定する!
    何度も言うけど、匿名で好き放題して大丈夫やと思ってたら、特定できるん

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    2025年06月19日
  • 復讐の協奏曲

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    本書は2020年に刊行された中山七里さんの弁護士・御子柴礼司シリーズ5巻目。
    最近の中山七里さんの物語は私的にはどれもけっこうハズレなんですが、この御子柴シリーズは主人公の過去があまりにもすぎて、世の中を穿っているかのような、それでいて真理を突いてくる外連味がかなり強烈なスパイスになっている。それがこの過去を背負う主人公と絶妙にマッチしていて、そこが読者にとって癖になる=読む手が止まらないというシリーズになっていると思う。

    今回は御子柴の秘書が事件の犯人として起訴されるという内容で、これ、いったいどうやって法廷で闘うのか興味津々でどんどんページを繰っていった。また、今ではけっして珍しくないが

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    2025年06月18日
  • 棘の家

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    学校でのいじめ
    当事者は、教師は、校長は……
    事件になってしまった時
    警察は、被害者は、加害者は……

    小中学生という存在って?
    それなりの考えが有りそうな気もする

    大人という存在には「立場」が絡む
    大人ってなんて不自由なんだろう

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    2025年06月18日
  • 氏家京太郎、奔る

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    献本でいだだきました
    鑑定人、氏家京太郎は
    犯人とされている御笠の無実を
    はらすために奔走する
    三笠は氏家の親友
    三笠は犯人か冤罪か

    面白かった
    ゆっくり読もうと思ったのに
    気になって気になって
    結構早く読んでしまった

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    2025年06月18日
  • 境界線

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    東日本大震災を発端にしたこれまでになかった切り口の話。

    被災した行方不明者の戸籍が奪われて、利用される展開は、新しい考えながら現実味があり、最後まで引き込まれるように読めた。

    本当にこういうことがあったのだろうか?

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    2025年06月17日
  • 嗤う淑女

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    ネタバレ

    うわーやられたー、と思わず唸る。
    全く予想のできないトリックではないんだけど、周りをきちんと固めているのでまさかないだろうと思ったらそのまさかでした。

    湿度を感じる描写もあって、私はそういうの苦手なので、サクサクと一気読みしてしまったとはならなかったけど。。。
    読み終わった後一息ついてしまうほど緊迫感を持ってページをめくりました。

    これは先入観なく読んだ方がいいね。

    蛇足だけど、中山七里さんの別の本でもすり替わりトリックあったような、、
    もう何年も昔に読んだやつだけど。
    その時の本はタイトルが爽やかだったのでたまたま展開が残酷な青春ミステリの印象だったけど、今回のようなドロドロしたグロテ

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    2025年06月16日
  • ラスプーチンの庭 刑事犬養隼人

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    長引く病気から普通診療にもお金がかかり
    貧困につながってしまう。
    治らないと別の診療に望みをかけ
    自由診療やカルト宗教に気が向いてしまうのか。
    結局、貧困から色々と広がっていく。
    自分に置き換えたとき、
    治るためにわらにもすがる思いで変な方向に
    向いてしまうかも、、、。
    こころのゆとりが必要だね。

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    2025年06月16日
  • 彷徨う者たち

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    東日本大震災後の被災地で起こる事件を追う宮城県警・笘篠刑事シリーズの第三作。(『護られなかった者たちへ』『境界線』に続く)

    簡単に言えば第一作目は生活保護の問題、第二作目は被災した行方不明者の個人情報事故の問題、そして今回は仮設住宅から公営住宅への移転に関して、復興を進めたい行政と利権に絡む県会議員、似非NPO団体を巻き込んだ殺人事件だ。

    そこに若手刑事の蓮田(第一作の映画では林 遣都が演じている)の幼なじみ4名の関係が絡んでくる…

    シリーズものは登場人物がかぶっていたりするのも面白さのひとつではあるが、ミステリーの場合はトリックとか大どんでん返しとかで『やられた〜』となるのも面白い。

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    2025年06月16日
  • ハーメルンの誘拐魔 刑事犬養隼人

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    医療系の社会派ミステリー。名誉、地位、権力、癒着、被害者、加害者、復讐、ベタだけど色々詰まってて、面白い。社会派ミステリー好きだね。おれは

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    2025年06月16日
  • ヒポクラテスの悲嘆

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    浦和医大法医学教室にミイラ化した遺体が運び込まれた。亡くなったのは40歳の独身女性で、死後2週間が経っていた。 まだ4月だというのに埼玉で見つかった4体目の餓死死体だ。埼玉県警の古手川によると、女性は大学受験に失敗して以来20年以上引き籠っていたという。同居していた70代の両親は先行きを案じ、何とか更生させようと民間の自立支援団体を頼ったが、娘は激昂し食事も摂らなかったらしい。彼女はなぜ餓死を選んだのか?ヒポクラテスシリーズ5作目。中山七里が書くと社会問題もこういう風になるのね。いや、面白かったです。

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    2025年06月15日
  • 隣はシリアルキラー

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    ネタバレ

    以前同著者の作品を読んで、気になったので拝読しました。思っていた以上にスリルがあって面白く、満足しました。
    隣にシリアルキラーが住んでいる事と、警察に自分の素性を知られてはいけない事のダブルで緊張させられました。
    疑ってる時の警察の聴取は本当怖いなと思います。人生で職質は絶対に受けたくないけど、葛城さんなら良いかもしれない。飄々と冷静で、優しさもあるなんて、ファンになってしまいました。

    シリアルキラーから彼女を守ろうとしていた主人公が気の毒すぎる展開でした。シリアルキラーが一見普通の人というのは、あり得そうですが信じたくないです。先輩の明るさと優しさに緩和されます。
    個人的には、徐も良い人だ

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    2025年06月15日
  • ヒポクラテスの誓い

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    クセのある光崎教授ほか、登場人物たちにどんどん惹かれて読み進めていきました。
    真摯に、真実に向かって仕事に全うする姿がかっこいいなと思います。

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    2025年06月14日
  • 贖罪の奏鳴曲

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    ネタバレ

    面白かったが、最後の二転三転は少ししつこかった。
    少年院の音楽のシーンは臨場感たっぷりで凄まじかった。
    磁場かどうのというタネであったが、肝心な部分に偶発性が高く、殺人の方法や動機に関してもう少し必然性が欲しかった。

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    2025年06月14日