【感想・ネタバレ】帝都地下迷宮のレビュー

あらすじ

鉄道マニアの公務員・小日向巧はある日、廃駅で立ち入り禁止となっている地下鉄銀座線萬世橋駅へと潜り込む。そこで出会ったのは、政府の“ある事情”により地下で生活する謎の集団「エクスプローラー」だった。その集団内で起こった殺人事件をきっかけに、小日向は捜査一課と公安の対立も絡む大事件に巻き込まれていき……。エクスプローラーが抱える秘密とは? 殺人犯は誰か? 東京の地下で縦横に展開するノンストップミステリー!

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Posted by ブクログ

今年初の☆5。

鉄道オタクが好奇心で廃駅に潜り込んだら、そこには100名を超える隠れ住む住民がいた。
この入りからどう話がすすんでいくんやろ?と物語に夢中になったなあ。
鉄オタ、公安、公務員。全く関係のない点と点が徐々に繋がっていく展開が見事。

古今東西の物語で「強大な敵に挑む小市民」という対立構造は読者の心をつかむ。
多読していると左翼的な小説って多いよなあ。それを踏まえた上で、思想のバランスを持っていたい。


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2023年02月14日

Posted by ブクログ

私が「紙の本」が好きな理由の一つは、左手で「残りのページ数」をフィジカルに実感できることかも知れない(^ ^ わくわくしながら読み進みつつ、おいおい、残りこんだけしかないのに、どうやって収集付けるんだ? とか思いながら読むのがまた楽しい(^ ^

さて本書は、鉄オタ、しかもニッチな「廃駅オタ」の主人公が、違法を承知で地下の廃駅に冒険に行く。するとそこには大勢の人間が「住んで」いて...というのが導入部分。地下の廃駅利用ということで、以前に読んだ「金曜日の本屋さん」を思い出した(^ ^

が、ここから先が中山七里の面目躍如(^ ^ 地下に住む人たちが、何故地下に住むことになったのか...にまつわる、壮大なストーリーがあった。さらにびっくりするような事件が起き、「小市民的人畜無害公務員鉄オタ」だった主人公は、否応なしに巻き込まれていく(^ ^;

その内、「巻き込まれて」ではなく、自分の意志でどんどん「地下民」に肩入れし、のめり込んでいく主人公。しかし上記「びっくり事件」のおかげで、警察にマークされるようになり...

これ以上はネタバレになるので、自粛(^ ^; でもほのぼのとした序盤の割に、「裏」が分かってからの怒濤の展開は、ちょっとびっくり(^ ^; ジェットコースターのような一冊でした(^ ^

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2022年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中山七里さんは、実は初めて読んだのだが、ぐいぐいストーリーに引き込まれる感じが凄い!主人公とヒロインがバッドエンドを迎えるところは悲しいが、それをバッドエンドと捉えずに前向きに捉えかねない二人が、大変魅力的。

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2022年10月15日

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面白かった。
鉄道好きということもあってサクサク読めた。
そして、仲間達の活躍にも興奮させられた。
最後にもう一盛り上がりあったら本当に最高だったけど、十分面白かった。

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2022年08月29日

Posted by ブクログ

廃駅に集う100人の謎の集団
鉄道マニアが踏み越えた立ち入り禁止区域で大事件に巻き込まれる
集団の謎、国家の闇、公安部と刑事部に追われることになった主人公は事態をどう打開する
中山作品はいつも社会問題を絡めるから読み応えある

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2025年10月13日

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面白かったけど、ちょっと非現実的な内容(夢オチかと思ったくらい)と、伏線回収が甘かった感じがする。
犯人もわかってしまった。

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

久しぶりに中山七里。一気読み。帰省時に母に献上する本を早く読まねば。
地下鉄の廃駅が舞台のミステリー。楽しい。

ベルリンでのミニツアーを思い出す。大戦中に地上と地下鉄の間に作られた巨大防空壕を案内するミニツアーを見つけて行ったことがある。ただの(地上の)何でもない交差点にある小さな倉庫のようなところの扉を開けて中に入っていくと、そこは地下への入り口だった。地下にたどり着くと銀行の分厚い扉(巨大な円環のぐるぐる回すやつがついてる)にそっくりな扉。よく銀行破りが映画とかで挑戦するやつね。そこから中に入ると立派な居住空間。いくつかの部屋に、医務室、トイレ、途中で地下鉄を下に除き見る小窓など、ワクワクした。映画などで見るような制御室みたいなガラス張りの部屋もあった。最後は入り口からは徒歩1駅離れた駅の階段の踊り場の壁に同化したような出口からポンと出た。そこで解散して電車でホテルに帰った。ツアーガイドはドイツ語だけだったので、微妙なドイツ語知識しかない私はポツリポツリとしか解説が理解できなかった。今は英語もあるようだ。もう10年以上も前の記憶なので、誇張はありそうだが。

本の感想より、思い出が長くなった。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

面白い。中山七里先生作品の中では一風変わった作品かな。現実離れしている作品は苦手な私ですが、これはなぜか刺さったなぁ。ファンタジーまでは行かないけど、想像世界。食わず嫌いみたいな感じできてしまいましたが、これは面白かった。善とわ、偽善とわ。じーんときますね。

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2025年06月13日

Posted by ブクログ

“鉄道”ミステリーにはあまり惹かれないけど、中山七里作品は読みたい。
そう思って読み始めてすぐ「お、これ読めるぞ」と思わせるのは流石。
廃駅鉄の小日向が廃駅跡に居住する集団《エクスプローラー》と遭遇したことから物語は始まる。
鉄オタ知識と逃走劇の組み合わせは意外と面白い。

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2025年03月20日

Posted by ブクログ

普段の中山作品とはひと味もふた味もテイストが違う作品でした。
殺人事件の真相はかなりあっさりしていて、かつ結末も呆気なかったけれど、廃駅オタクの主人公の知識といい、謎の地下生活者集団といい、ユニークな設定を楽しめる昨日でした。

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

鉄道オタクってのも色んなのがあるみたいやけど、廃駅オタクってあるんやな。
駅あるけど使用してないってのがあるんや。しかも、地下鉄で!知らんかったわ!
廃墟ツアーみたいな感じで、行ってみたい気もする。

廃駅オタクの公務員 小日向さんが、立ち入り禁止の廃駅に潜り込むとそこには、いっぱい人が!
人呼んで「エクスプローラー」。名前はカッコええけど…
しかし、こんな事情で、地下に住むのを納得すんの?
めちゃくちゃやん!日本政府!
さらに公安に見張らせて!

しかし、潜入していた公安が殺されて、それに小日向さんも巻き込まれ〜
でも、この話しは、殺人事件に巻き込まれて〜
というより、国の政策間違いに巻き込まれて〜
という被害者達を描きたかったのかな。
今回は、殺人事件なくてもええんとちゃうかな?って思ってしまった。
十分、悲哀感満載やもん。
何で、国って一度走ってしまうと、「それは絶対正しい!間違いはない!」的になるんやろな。
間違いはあるし、真摯に向き合って、正せば良いのに。
なかった事することばっかりo(`ω´ )o

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2024年02月29日

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中山七里の作品は大変読み易くどの作品も最後までストレス無く読めて、今作も同様であっという間に読み終わりました。異世界に迷い込んだ冒険物みたいな感じだったり、日本で現実にあった事をモチーフにした社会的な感じだったり、最後はきっちりミステリーだったりと大変楽しく読めました。

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2022年12月20日

Posted by ブクログ

汽笛一声万世橋を/汽車は煙を噴き立てて/
車輪の響き 笛の声/汽車をたよりに思い立つ/
千里の林 万里の野

廃駅鉄の公務員。凡人の彼が出会ったのは地下の廃駅で暮らす人たち。弱気な小役人がとる道は??
荒唐無稽な集団はその理由も大したものだった。
面白かったけれど本当に起こったら??……

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2022年08月27日

Posted by ブクログ

廃駅という非日常と日常、陰謀と好奇心と偽善が交錯するミステリーでした。
少しラストが無理やり急いで終わらせた感がありますが、文章力とストーリーの面白さで魅せますね。
できればせっかく登場した鉄オタ仲間がみんなで協力してくれるような展開も期待したのですが、ラストはあっさり。
エクスプローラーたちのその後をはっきりと見せずに終わるのは、国策が絡むと途端に綺麗には物事が進まなくなることも暗示しているようにも。
個人的に著者さんの他の、ザ・ミステリー!的な作風が好きなので、今回の起伏が乏しい感じは少し物足りなさを感じました。

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2025年10月11日

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ネタバレ

小説は設定が命、中山七里先生のとびきりおかしな
設定と政治社会問題をはらんだ推理小説
公安警察が出てくると何でもありになるよね
地下コミュニティの存在理由や、隠蔽の背景が非現
実的と感じられ、集団が地下生活を受け入れる過程
や事件後の主人公の心境と行動がいまいち

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2025年06月19日

Posted by ブクログ

ミステリーの設定も面白かったけど
目の前で困っている人がいて

そんな時どう行動するのか、
とかそんなことを考えるお話し✩︎⡱

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2025年06月05日

Posted by ブクログ

他の皆さんも仰っているように、中山七里さんの作品の中では結構異質な作品だと思います。文章の読みやすさは流石中山七里さんといったところですが、この作品の設定が現実からかなりかけ離れているというか、ファンタジー要素にちょっとだけミステリー要素が加わったという感じの作品でした。ラストも何だかあっけなかったですし。個人的には中山さんの爽快感やスピード感のある作品や、ミステリー要素の強い他の作品の方が好きです。

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2024年10月10日

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中山さんにしては珍しいファンタジーな内容。廃駅オタクの公務員が廃駅に非合法に潜り込んだら、地下の廃駅に100人の謎の集団が生活していた。延々とオタク話しと謎すぎる集団の話しが続く。原子力事故と生活保護の行政に対する問題の深掘りで、一気に政治的様相となってくる。
殺人事件が起きるのは半分を過ぎた頃。やっと本来の推理小説に戻って、ドンデン返しかと思うと、何か分からない解決に。公安警察も絡んで来ると、やはりスッキリ感が無くなってしまう。正しく迷宮入りになってしまった。

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2024年09月11日

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どんでん返しの帝王、中山七里さんの作品。
地下で生活する謎の集団、エクスプローラー。
捜査一課や公安を巻き込み、事件は意外な方向へ。
いつもの中山七里さんの作品のトーンとは、また違う様な?

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2024年07月28日

Posted by ブクログ

ちょっと題名から想像していた想定と違っていた物語(笑)

鉄オタの公務員・小日向が地下の廃駅に潜り込んだ先で出会った地下の生活者達、その数100人あまり!
なぜ、彼らは地下で生活しているのか?
そこで起きた殺人事件。
殺されたのは公安の女性捜査官。

公安、捜査一課含む事件に巻き込まれていきます。

公安に追われる住民たち
地下鉄内の逃走劇
そして、殺人事件の犯人は?
という展開ですが、あっけない真相でした。
ちょっと無理があります。
公安の女性が殺されなくても良かったのでは..
そこが焦点ではないと思います。

地下鉄を舞台に、廃駅が出てくる展開で、鉄道マニアの方々にはたまらない物語と思いますが、東京の地下鉄を知らない自分としては、線名、駅名出てきてもついていけませんでした(笑)
でも、廃駅は興味あり。機会があれば見てみたい!

鉄オタの方々にはお勧め

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

最後の終わり方は良かったです。
しかし、後半の展開がとても急で、何とも無理矢理感?一定のページ数に押さえ込もうとした感がありました。
それでも中盤までの基礎固め、逃亡の流れはとても読みごたえがあり、全体的にみれば面白かったです。

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2023年11月23日

Posted by ブクログ

現実離れしたSFかと思いきや、何となくありえる設定にも思えてきた。
権力や体制に盾突こうという気持ちが少なからずあるからか、エクスプローラーに加勢しながら読み進めた。
ただ、一公務員がここまでするか?という浮世離れした行動力には、ちょっと現実的ではないかな。

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2023年09月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

放射能被曝で地上で暮らせなくなった人々が地下の廃駅で生活しているという驚きの設定。

調べてみると、福井県の高速増殖炉「もんじゅ」が、過去にナトリウム漏洩事故を起こしてた。
現実では大きな人的被害はなかったらしいが…。
物語内の事故とは異なると思うけど、この事故から着想を得たのかな。

国の施策によって被害を受けたのに、事実の隠蔽のために、何の補償もせず被害そのものをなかったことにする。
今の時代はSNSがあるから被害そのものを隠すことはできないと思うが、国は事故と被害の因果関係を認めようとはしない。

「国がやることは正しく、間違いがあってはならない」という前提があるため、国の責任を認めることになる補償はしない、というよりできない。

私自身も公務員のため、上記理屈は身に染みている。
国に責任があるように見えても簡単には認められないから、色んなところで裁判が起こる。お互い疲弊するだけなのに…。

「国は国民のためではなく国益のために働いている」といった内容の台詞があり、まさにその通りだなと思ってしまう。国益のためなら多少の
犠牲には目を背けてしまう(多少かはわからないが)。公務員の存在価値とは何だろうかと悩んでしまう。

本作品は国に存在を認められない被害者"エクスプローラー"たちが受ける理不尽さに重きを置いていると思う。
殺人事件の犯人や動機もあっさりしており、結末も短い。多少公安に対しての溜飲は下がる結果ではあるが、中山七里さんにしてはどんでん返しが軽い作品だった。

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2023年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

国のミスで被爆した人達が、地下でこっそり生きている話。
どうして被害者なのに
地下に押し込まれなきゃいけないんだろう。
確かに、何か氾濫を起こす可能性は容易にあると思う。
だけど、それ以前に
医療費の補償とか
それこそ地下にもっとちゃんとした住宅を用意するとか
できることはいっぱいあるはずなのに。
権力をもったずるい奴らに
潰されてしまうのが悲しい。
それを公安が監視してる世の中も
違和感だらけだし。
あるような、ないような。
そんな世界が描かれた話。

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2023年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

地下鉄の廃駅の廃駅を舞台にした小説。鉄ヲタの主人公が迷い込んだ廃駅に住んでいる人たちとの交流。その人たちには背景がありその背景には社会問題がむすびついている、内容的には軽い話かと思ったら意外と重たい話になったり。
後半は急に話が展開するが、正直、いろいろ突っ込み所や疑問に感じる部分もあり、最後のオチの所は正直、そこまでのストーリーが前半に比べて雑に感じた節があった。

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2022年12月06日

Posted by ブクログ

廃駅オタクの公務員小日向が出来心で廃駅に潜り込んだ事で謎の集団に出会い彼らの事情に巻き込まれていく

謎の集団の強いられた状況が理不尽
隠蔽はダメ

地下に眠る閉ざされた空間はなんだかワクワクする

私に東京の地下鉄の知識があればもっと楽しめたんだろうな

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2022年11月19日

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鉄道オタクの公務員が、地下の廃駅に潜り込んだら、そこで生活する集団がいた。
殺人事件が起き、彼らに協力するうちに、大事件に巻き込まれてゆく。集団は何者であり、殺人犯は誰なのか。
実際に起きた事件が背景にあるが、設定にあまり現実性が無く、大きなどんでん返しもなく、著者の作品にしては物足りないか。
しかし、2020年作家生活10周年記念12ヶ月連続刊行キャンペーンの第2作目ならよしとしよう。
解説に書かれていたが、著者はデビュー時にすでに百通りの物語が頭にあったとは。次から次へと新作が著わせるのも納得。

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2022年10月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでも読んでも新作が出て全作読破は叶いそうにもない七里センセ。解説を読んで納得、デビュー時に百もネタを持っていたなんて。書き続けることができなければ作家じゃないと言い切られたら、打ちのめされる人がいっぱいいるのでは。

廃駅を住処とする集団。突拍子もない話ですが、現実に起きた事故をモチーフにされると、本当にこんな目に遭っている人がいるかもしれないと思わされます。

いつも思うのは、七里センセが一般人だったら、公安に真っ先に目をつけられるのではないかということ(笑)。政府に物申して何かやってくれそうな気がします。

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2022年09月16日

Posted by ブクログ

廃駅オタクの公務員小日向。
廃駅を探索しているとなぜかそこには人が。
しかも100人が生活していた。
彼らは何者かなぜ地下で生活しているのか?

内容は興味をそそられる感じだったが、結末が中途半端でなんかスッキリしない終わりかただった。

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2022年08月12日

Posted by ブクログ

中山七里『帝都地下迷宮』PHP文芸文庫。

地下鉄の廃駅を舞台にした奇妙な設定のミステリー小説。全く知らない世界を舞台にした物語の中、静かにミステリーが展開し、中盤までは読み応えがあるのだが、結末が余りにも中途半端で、ガッカリしてしまった。

鉄道マニアで区役所の生活支援課で働く小日向巧は、ある日、廃駅となり、立ち入り禁止の地下鉄銀座線の萬世橋駅に潜り込む。そこで出会ったのは『エクスプローラー』と名乗る100人余りの地下で生活する謎の集団だった。彼らは何故、地下に潜らねばならなかったのか……

そして、『エクスプローラー』の中で一人の女性が殺害され、その正体は公安の潜入捜査員だったことが明らかになる。

本体価格840円
★★★

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2022年08月07日

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