中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ東日本大震災から2年後あたりから
連載されていた本作は、その描写の生々しさと
作者の怒りがヒシヒシいやヒリヒリするほどに
読み解け(当時の国・政治家・東電に対して)
映画「Fukushima」で描かれた世界と
被らせながら読むと、殊更行き場のない感情で
胸が締め付けられそうだった。
フィクションでありながら「さもありなん」な
かの国のことは、世界情勢が緊迫した昨今では
よりリアリティを感じてしまい、
事故や災害だと思ってきたあれやこれも
もしかして?!なんて考え戦々恐々としてしまう。
また人物の描き方が、もはや読者の涙腺を
崩壊させんとしていて(知らんけどw)
通勤中のバスの中、何度も本から目を離し、
車窓の景色を、感情の避難所にする事になった。
助かって欲しかったなぁ。
誰よりも彼には幸せになって欲しかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ社会派ミステリ。
タイトルは洒落てる。
サイレンは、ギリシャ神話に出てくるセイレーンとかいう妖精が語源。
岩礁の上から美しい歌声で船員たちを惑わし、難破に誘う。俺に言わせれば君たちマスコミはまるでそのセイレーンだよ。視聴者を耳触りのいい言葉で誘い、不信と嘲笑を植え付ける。
テレビの報道記者の主人公。
スクープとるために、報道規制を破ったりあくどいことまでする。
被害者生徒が、いじめられていたことを知り、容疑者女子生徒3人と、男が犯行自供のような話をしているのを録音。報道。容疑者のうちの一人は、かつて小学生のときに暴行を受けていた被害者だった。今回の件で、自殺。
主人公、かつて妹を自殺でなくしている。そのとき、警察が、つまり捜査してく)なかったので。報道記者になって、真実を追及することにした。
殺したのは、容疑者たち4人じゃない?
誤報。
別の容疑者4人逮捕。
からの父犯人。
被害者の声を届ける報道よかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミステリーとみるか、読む音楽とみるか。それにより少し評価が変わるかもしれない。
司法実習生となった岬洋介が、音楽と司法の道の分岐に立たされ何を選ぶかを描いた作品。今回も音楽と殺人事件要素も盛りだくさん。今回の語り部、天生高春は同じ実習生で検察を志す人。クラッシックを愛しながら諦め司法の道を強く志している人。最初は岬のこともあまり好きではなかったが、そのうち保護者のような役割もしつつ、前回の彼とは異なり、性格があまり良くない。人間味があると言ってもいい。だが彼の存在がなければ今の岬洋介はいない。そんな物語が語られている一冊。
一方でミステリーとしては、実習中に与えられた資料から違和感を抱き、事件の謎を解いていく。事件の方はどうかなぁ。腑に落ちない、もしくは拍子抜けの人もいるかもなぁという印象。筋は通っているとも思うが、どう読み解くかにもよるのではとも思えてしまう。個人的には結局は自供が取れたからよしだと思うが。
このシリーズにもハマってきているので、残りがたのしみだ -
Posted by ブクログ
今回の語り部。鷹村亮。
岬洋介の高校生時代の話で、彼は唯一と言ってもいい友達だ。音楽科に転校してきた天才と田舎ならではの癒着疑惑。学生の学校という社会の中で描き出される人間の未熟さと醜さと青さ。それでいて子供にも大人にもなりきれない高校生という存在にとっての岬洋介が描かれている。突発性難聴を発症したくだりも、同級生にからかわれた下りもこの巻にある。
天災に見舞われた町と、それを救った英雄が同級生の死体発見と同時に手のひらを返される。そんな場面などが多く読んでいて苦しくなることもあるが、鷹村の存在が大きい。鷹村のセリフが、心情が、ただただ胸に刺さる。きっと大人になった今ならあそこまでは出来ないだろうな、とも思う。
飄々とした岬洋介の人となりが見える一冊 -
Posted by ブクログ
最後の最後まで考えが及ばなかった真実
今回は二転三転
御子柴が前作よりもかなり追い込まれていて
二転三転する法廷でのやりとり
法廷でのやりとりは
そういうことには疎い私から見てみると
難しさとか読んでいての言葉の理解度とか
読みにくさを感じてもおかしくないと思っていたけど
そんなことはなく
言葉もスッと入ってくるし
なぜか映像となって頭の中で再生されるから
いつの間にやら引き込まれていた
御子柴と倫子とのやり取りは
御子柴が少し振り回されている感じもあって
クスっと笑える
御子柴がなぜ今回の事件に関わったのか…
御子柴がどういう風に生きていこうとしているのかが4
現れているような気もする…
…とにかく続きが読みたい… -
Posted by ブクログ
崩れかけた家族が抱える「心の棘」。一度刺さった棘は抜けるのか、それとも残り続けるのか。そんな問いが静かに残る物語だった。
いじめを苦に小学生の娘が自殺未遂を図り、その加害者とされる女児が殺される。娘の父であり中学教師の穂刈は、この出来事をきっかけに、これまで目を背けてきたいじめと向き合うことになる。
被害者と加害者は、決して遠い存在ではなく、ふとしたきっかけで入れ替わってしまう。その怖さと、人の中にある悪意がじわじわと浮かび上がってくる展開が印象的だった。また、極限の状況の中で、家族がどこまで互いを理解できているのかも問いかけられる。
物語はテンポよく進み、ミステリとして楽しめた一方で、子どもたちの言動が少し大人びていて、ところどころ現実味に欠けると感じる部分もあった。
それでも、人の心の奥に潜むものを描き出した、読みごたえのある一冊だった。