中山七里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレぎりっ、ぎりっ。ぐし、ぐし。ざああああっ──。深夜2:20、神足友哉は、今日もアパートの隣室から聞こえてくる不気味な物音で起こされた。ふと、隣人の徐浩然が死体を解体する姿を妄想するが、近所で遺体の一部が発見されたことで現実味を帯びる。気になった彼は、真夜中に部屋から出た徐を尾行すると、想像を絶する恐ろしい展開に。五感から震え上がるような体験を提供するホラーミステリー。
一 寺の隣に鬼が棲む
二 隣の疝気を頭痛に病む
三 隣の餅も食ってみよ
四 隣の貧乏鴨の味
五 汝の隣人を愛せよ
※犯人ネタバレあり
〈ニシムラ加工〉の従業員
・神足友哉(こうたりともや)
主人公 本名は五條美樹久(ごじょうみきひさ)
ストーカー規制法違反と傷害罪で5年服役していた
会社に入ってきた新入社員にストーカー
出所後仕事が見つからず、ホームレスから戸籍を買い、名前を変え生きている
・矢口正樹(やぐちまさき)
面倒見のいい同僚 一年先輩 トレーナーでもある
・別宮紗穂里(べつみやさほり)
最終検査員 友哉と恋仲 殺人の真犯人
過去に工場での事故で胸元に大きな傷を負っており、胸元を露出した女性を衝動的に殺害していた
・徐浩然(スーハオラン)
中国から来た技能実習生 紗穂里が殺した死体を解体していた(死体遺棄)
・宮藤くどう
捜査一課
・葛城かつらぎ
宮藤の部下 -
Posted by ブクログ
前作『夜がどれほど暗くても』の志賀倫成が今作の主人公。「週刊春潮」副編集長・志賀はコロナ禍の渦中、医療現場で反ワクチン団体代表の殺人事件が発生。容疑者の中には旧友の伊達の名前も上がっており、出版人としての葛藤も抱えながら志賀は真相を追う展開になる。
物語の中で、マスクもせず病院の前で反ワクチンキャンペーンを謳う面々が、コロナに罹患しバタバタ倒れ、病院でワクチン接種を懇願するシーンなんかは自業自得を絵に描いたような光景でした。偏向報道、陰謀論、医療崩壊などあの時の混乱が蘇るような一冊です。
情報過多の世の中でどの情報を取捨選択して生きていくか、その責任も結局は自分自身でとらなければならないと訴えかける内容だと感じさせられます。
※ちなみに前作読んでなくても楽しめます♪中山七里シリーズ読んでいると時々出てくるエピソードもクロスオーバーしているのでさらに楽しめます -
Posted by ブクログ
【無関係の第三者の残酷さと、逆境で手を取り合うことのできる強さ】
主人公は雑誌『週刊春潮』の敏腕副編集長・志賀倫成。順調にキャリアを積み上げていた彼のもとに、ある日一本の電話が入る。大学生の息子がストーカー殺人を犯し、その直後に自殺したという警察からの連絡だった。
追い回す側から、追い回される側へ。
加害者家族となった倫成はマスコミに連日追われ、ネット上では正義の名を借りた憂さ晴らしの標的となる。妻とは別居状態となり、仕事も思うようにいかず、精神をすり減らす日々が続く。
そんな中、息子の事件の被害者遺族である奈々美と出会う。彼女もまた、妬みやあらぬ噂、心ない言葉にさらされ、友人を失い嫌がらせを受けながら生きていた。
無関係の第三者がここまで残酷になれるのかと思うほど、加害者家族と被害者遺族を追い詰めていく描写は、タイトルの「夜」を通り越して暗黒そのもの。犯人探しよりも、社会が人間を追い詰める構造がしっかり表現されている印象がある。
諦めずに生きる倫成と奈々美。そして水面下で真相解明に奔走する刑事・宮藤と葛城。追い詰める側も、光を求めて足掻く側も同じ人間である。人間の残酷さと、それでも互いに支え合おうとする強さの両方を描いた一冊。