中山七里のレビュー一覧
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中山七里さんの「宮城県警」シリーズである『護られなかった者たちへ』『境界線』の続編・完結編になります。
完結編と言っても、このシリーズのファンである私はまだまだ続いてほしいと思っています。それはやはり宮城県民としては、まだ復興は完了していないと感じているからです。
しかし、その後におきた「能登半島地震」の経過を見ていると、東日本大震災よりもさらに復興が遅れているようでモヤモヤしています。
日本は地震大国であり、日本中のどの場所が被災地になってもおかしくない状況です。そんな時、被災地がどのように復興していくか、言い換えれば政府がどのように復興を進めるかということは、今後新たに災害が発生した場合に被災者の生活がどのようになっていくのかという一種のモデルケースでもあります。他人事ではなく注意深く見守っていく必要があると考えます。
さて、災害後には復興への槌音だけではなく、問題・課題も発生します。この「宮城県警シリーズ」は、そのような問題点を丁寧に描かれていると思います。
一作目では生活保護について。
二作目は復興と闇ビジネスについて。
そして今回は災害公営住宅への移転に伴う問題点を取り上げた作品です。
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ストーリー
災害公営住宅への移転に伴い解体作業が進む仮設住宅の一室で見つかった他殺体。発見場所は出入り口がすべて施錠された完全密室、被害者は町役場の仮設住民の担当者だった-。
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この物語の根底にあるのは、生き残った人・被災しなかった人の中に流れる『罪悪感』のような気がします。
実際に、被災地に暮らしていても、たまたまその場にいなくて助かった人、家族が無事だった人は、なぜか罪悪感を持つと聞いたことがあります。
今回は笘篠誠一郎刑事の後輩である蓮田将悟刑事が中心でストーリーが進みます。失った人と失わなかった人との間には目に見えない溝があり、蓮田刑事は、その罪悪感と対峙しながら捜査に向き合っていくのです。
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続けて「ヒポクラテス」シリーズ第4弾。やっぱ面白いっ!!だんだん、解剖するシーンが楽しくなってきた(って、キャシー准教授のようになってきましたね、私も…!)。そして、そこまで持っていく無茶ぶり加減にも慣れてきたかも。それでもやっぱり好きですね、このシリーズ!
テレビ出演した浦和医大法医学教室光崎教授の発言を受けて、「これから一人だけ誰かを殺す、自然死にしか見えないかたちで―」という犯行予告がテレビ局に届く。埼玉県警の古手川刑事とともに浦和医大法医学教室助教授の栂野真琴は、管内の死亡案件(老人の声、異邦人の声、息子の声、妊婦の声、子供のの声)について調査した上で遺族に解剖をすすめることに…。また、光崎教授のいつもと異なる一面に違和感が広がる…。
この「ヒポクラテス」シリーズの最新作は既読なので、未読は次の第5弾のみですね!というか、このレビューを投稿する前に、第7弾の最新作が出たりなんかしないかな??それは、ないか(^-^; -
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「ヒポクラテス」シリーズの第3弾!ただいま、戻りました(・ω・)ノ
ことの発端は、浦和医大法医学教室の光崎教授のもとに、城都大学付属病院の南条教授が訪れたことだった。南条教授は、昨日搬送され急死した前都議権藤の死因に疑問があり、三崎教授に解剖を要請する。結果、死因は肝臓がんではなく、エキノコックスという寄生虫に侵されていたことが判明する。そして第二の被害者が…。埼玉県警の古手川刑事、法医学教室のキャシー准教授、そして主人公の栂野真琴助教授は、エキノコックス禍によるパンデミックを阻止するべく奮闘する。被害者たちの共通点が4年前のニューヨーク視察にあったことを突き止め、キャシー准教授とともに現地を訪れた栂野真琴がたどり着いた真相とは…。
今回も期待を裏切らない作品でした。いつもとは異なる光崎教授、キャシー准教授のルーツとか、読みどころ満載でした。古手川刑事と栂野真琴の関係性にヤキモキしながらも、アメリカと日本との国民性の違い、もっと言えば根深い人種差別とか、パワハラ、議員の不正問題とか…大きな社会問題をはらんだ内容で、読ませてくれましたねぇ…!第4弾、ますます楽しみになりました! -
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ネタバレ失業を機に都会から出戻った主人公が、限界集落での閉塞感の中で徐々に追い詰められ、凶行に及ぶ。
タイトルから完全に村おこしのサクセスストーリーとして読み進めていたのが、中盤から様子がおかしくなり、最後には予想もつかなかった展開に。先入観に振り回されるのは何も旧弊な年寄りだけではない、という言葉は身につまされるものの、排他的で身勝手な村人はもちろん、外資系企業で一時でもよくやれていたなと思うほど浅はかな言動で自らを窮地へと追い込んでゆく了衛にも全く共感できず、読み進めるのが非常にしんどかった。ヨハンの存在が了衛の中で大きくなるにつれて、同様に大きくなってゆく不安。やっぱりそうなるか…とわかっていても、動物と暮らしているものにとっては辛すぎる結末。
あれ、水質調査の人って、もしや…と思ってたら、最後に明かされる大きな真実。この作品、なんと『魔女は甦る』『ヒートアップ』の続編! -
Posted by ブクログ
ネタバレ都内で臓器を抜き取られ、傷口を雑に縫合された少年たちの遺体が相次いで発見される。
捜査の結果、被害者の少年たちはいずれも貧しい家庭環境で育っており、臓器ブローカーを介して臓器を提供し、金銭を受け取っていたことがわかる。被害者の中には中国人の少年もおり、中国では一人っ子政策により2人目以降の子供には多額の罰金を払わなければならないこと、ただそのような家庭では金銭的余裕がない場合も多く、その子供は臓器売買に利用されがちだということ、また貧困化が加速する日本でも臓器売買の犠牲になる子供たちが出てきてしまっていることなどの描写がある。
「カインの傲慢」というタイトルでは貧困に苦しむ人々や臓器を売ることを余儀なくされる現実や、それを利用する者たちの非道さが描かれている。命の価値を自由に操作できると考えている黒幕の傲慢さを表している。 -
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ネタバレ中山さんのミステリーは岬洋介シリーズから入った。とても面白かったので、それから別の小説を読んでみようと手に取った中の一つ。同じ作者が書いたのかというほど雰囲気の違う文面で驚いた。
御子柴シリーズは、実際ありえない経歴を持つ弁護士という設定で、弁護士としては少々無謀な手段を用いることもあるが、それでも、グイグイと最後まで引き込まれていく。
今回は、身内である家族の犯した殺人容疑の弁護人となる。
自分がかつて起こした重大事件後、30年経っての妹との再会。母にかかった殺人容疑を知る。そして、妹の梓は、そんな過去を持つ加害者家族の弁護を引き受けてくれる弁護士がなく、憎しみを抱えながらも仕方なく兄の御子柴に依頼を頼みにくる。
あくまでも仕事として弁護を受けることにした彼だったが、自分の起こした事件後、加害者家族として過ごしてきた彼らの足取りを調べることにもなった。
そして裁判が終わり、母の判決が出た直後、
呼び止められた母からの悲しい告白、御子柴は何を思ったのでしょうか。